*

「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その4 ‐姫路、相生、有年、三石(山陽本線) 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年9月19日・・・姫路駅、相生駅、有年駅、三石駅(山陽本線)

14:31  姫路(ひめじ)駅(東海道・山陽・九州新幹線/山陽本線/播但線/姫新線 兵庫県)
大津から新快速で京都大阪神戸の3都を過ぎる。眠るには惜しい旅路だが、堪らなく眠く、淀川や美しい神戸の街並みは記憶にない。

姫路に着いて飲むか、姫路駅名物「駅そば」を食べるか迷うところだが、飲む。ホームからは姫路城の白亜な姿がそれなりに大きく見える。

恋人と高松での再会を約する友に連絡を入れる。
14:34発播州赤穂行に乗る。

15:03  相生(あいおい)駅(東海道・山陽・九州新幹線/山陽本線/赤穂線 兵庫県)

簡素に見える駅前風景。以前に降りた時と印象は変わらない。

活気のあったある夏の日の相生駅をまだ思い出すことができる。今日は乗り継ぎの記録だけを残して離れるが、駅との再会はいつもうれしい。

上郡行に乗る。播州の里山の風景を眺めている。

有年へと向かう道は徐々に山が迫り、谷と平地が交互に現れ、山峡へ向かう趣に満ちている。

15:25  有年(うね)駅(山陽本線 兵庫県)

現代的な駅舎に特に行くアテのない駅前風景。

だが駅の案内板には驚くべき事実が記されていた。

まず広範囲にわたる古墳群があること。そして昭和初期までは有年と播州赤穂をつなぐ赤穂鉄道が走っていて、昭和20年当時を再現した駅前の町内図によれば旅館が何軒もあり、さらには映画館、ダンスホールまである。

その名残とも言える旅館の看板が駅近くにあったが廃墟となっていた。

その繁栄が去ったのはもう70年もの昔。

唐突に古代遺跡に出くわしたような心地で次の糸崎行に乗った。

15:58  三石(みついし)駅(山陽本線 岡山県)
有年の次は上郡。上郡からの10分強を飽きずに車窓を眺めていた。

酒に酔っているのかマスクもせずに訳のわからないことを口走る老人に車内は凍りついたようになり、戸惑い閉口していた。

子供には見せたくない光景だ。コロナ禍という異常な世界はああした社会性を欠いた手合いをもあぶりだす。

太平記に登場する船坂山。後醍醐天皇が隠岐の島へと流される道が判別できない中で、備前の児島高徳は一族と共に天皇を救おうと一行を待ち伏せる。だが、一行は姫路から出雲街道というルートをとったため計画は未遂に終わる。

義挙の地としてここから2kmほどのところに碑があるという。

児島高徳は単身で後醍醐天皇の後を追い、厳重な警備をかいくぐり津山院庄の行在所に潜入するが、それ以上は進めず傍らの桜木に漢詩を彫る。天皇を勇気づけるその内容は、兵士たちはには理解の外で、後醍醐帝のみが理解して深く感動されたと伝わる。

その後の彼は、倒幕戦をはじめ南北朝の動乱を南朝側として戦い続けるが、その最後は伝わっていないらしい。

舟坂川に沿った小さな集落にまだ蝉の声が聞こえる。とても静かな時間。ホームからは古い工場の煙突が見える。時に涼しい風が待合室を通り抜けていく。

16:19発の三原行に乗る。

いよいよ四国につながる岡山が近づいてきた。

関連記事

「鉄旅日記」2015年夏 2日目(新南陽-鹿児島中央)その3-宇土、松橋、八代、出水、牛ノ浜、草道、鹿児島中央(鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月13日その3・・・宇土駅、松橋駅、八代駅、出水駅、牛ノ浜駅、草道駅、鹿児島中央

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 2日目(高山-速星)その2‐中滑川、滑川、猪谷、宇奈月温泉、宇奈月、寺田(富山地方鉄道本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月21日・・・中滑川駅、滑川駅、宇奈月温泉駅、宇奈月駅、寺田駅(富山地方鉄道本線

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春 最終日(和歌山-東京)その1-打田、妙寺、高野口、橋本、五条、吉野口、法隆寺、平城山、木津、京田辺、四條畷、住道(和歌山線、関西本線、学研都市線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】

鉄旅日記2013年4月7日その1・・・打田駅、妙寺駅、高野口駅、橋本駅、五条駅、吉野口駅、法隆寺駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その1-盛岡、仙北町、花巻、遠野、足ヶ瀬(東北本線/釜石線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・盛岡駅、仙北町駅、花巻駅、遠野駅、足ヶ瀬駅(東北本線/釜石線)

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その1-南宮崎、伊比井、北郷、飫肥、日向大束、志布志、油津、日南、木花、田吉、宮崎空港(日南線、宮崎空港線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月12日その1・・・南宮崎駅、伊比井駅、北郷駅、飫肥駅、日向大束駅、志布志駅、油

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏 2日目(岐阜-近江八幡) その1-東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

車旅日記2006年7月16日・・・東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅

記事を読む

「鉄旅日記」2012年初冬【週末パスで、甲信越途中下車旅】最終日(長野-東京)その1-長野、信州中野、湯田中、安茂里、戸倉、上田、別所温泉、西上田、田中(長野電鉄、信越本線、しなの鉄道、上田交通)

鉄旅日記2012年12月9日その1・・・長野駅、信州中野駅、湯田中駅、安茂里駅、戸倉駅、上田駅、別所

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母駅、常永駅(身延線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 最終日(魚津-東京)その2-有間川、谷浜、名立、直江津、犀潟、二本木、今井、川中島、姨捨、信濃境、すずらんの里、富士見(北陸本線/信越本線/篠ノ井線/中央本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月23日その2・・・有間川駅、谷浜駅、名立駅、直江津駅、犀潟駅、二本木駅、今井駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 最終日(高松-東京)その2 ‐茶屋町、岡山、倉敷、倉敷市、水島、常盤、栄、三菱自工前(宇野線/伯備線/水島臨海鉄道)/倉敷センター街、阿智神社、倉敷美観地区 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年9月22日・・・茶屋町駅、岡山駅、倉敷駅、倉敷市駅、水島駅、常盤駅、栄駅、三菱自

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その3 ‐小牛田、古川、上野目、池月、鳴子温泉、中山平温泉(陸羽東線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

2022年6月11日・・・小牛田駅、古川駅、上野目駅、池月駅、鳴子温

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その1 ‐金町、石岡、友部、水戸(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・金町駅、石岡駅、友部駅、水戸駅(常

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。最終日(下部温泉-東京) ‐下部温泉、波高島、身延、甲斐大島、内船、西富士宮、富士宮、東田子の浦(身延線/東海道本線)/富士浅間神社【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月29日・・・下部温泉駅、波高島駅、身延駅、甲斐

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

→もっと見る

    PAGE TOP ↑