*

「鉄旅日記」2008年初秋 最終日(福井-東京)-福井駅前、武生新、武生、大府、武豊、知多武豊、刈谷、安城、蒲郡、東京葛飾(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/19 旅話, 旅話 2008年

鉄旅日記2008年9月15日・・・福井駅前駅、武生新駅、武生駅、大府駅、武豊駅、知多武豊駅、刈谷駅、安城駅、蒲郡駅(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線)

2008・9・15 7:35 福井駅前(ふくいえきまえ)駅(福井鉄道福武線 福井県)
北陸の空は3日にわたって晴れ上がり、今日は涼し気な秋の日和。

起きる前の街にはどこか可笑しみがある。
ふらふらと歩くおばちゃん。
携帯片手に店のシャッターを開ける美容師。

福井を離れる。

武生新(たけふしん)駅(福井鉄道福武線 福井県)にて

8:51 武生(たけふ)駅(北陸本線 福井県)
福井鉄道40分の旅。
豊かな風景だったよ。

鯖江、武生。
福井鉄道はきめ細かに列車を走らせて奮闘している。

運転士は若く、総じて感じがいい。
その事情はえちぜん鉄道でも同じだった。
乗客が少ないのは今日が休日だからか。

終着駅の武生新駅で降りて、武生駅へ。
特急しらさぎに乗り込んで、現在は北陸トンネルの中にいる。

武生市は越前市に変わったようだ。
時代物の市役所は名称だけが変わっていた。


かつてこの街で王座交代劇が起きている。
無敵と思われたテリー・ゴディ、スティーブ・ウイリアムスの世界タッグ王者組に、ジャンボ鶴田、ザ・グレート・カブキ組が挑み、鶴田がウイリアムスを岩石落としで仕留めた。
そう昔の話じゃない。

11:31 大府(おおぶ)駅(東海道本線/武豊線 愛知県)
特急しらさぎで名古屋まで。

敦賀からは上りと下りじゃルートが違うようだ。
ループ橋から敦賀の街を一望する。
そして親切なアナウンスが流れる。

米原では進行方向を変えて、北陸は遠ざかった。
武生からは約2時間だった。

名古屋駅ホームで名物のきしめんを食べて、東海道本線で大府へ。

かつて元ジャイアンツの完全試合男、槙原投手を擁した高校野球の強豪大府高校が駅近くにあり、商店街、飲食店の類は見ない。

名古屋からは各駅停車で20分の街。
言ってみれば駅前は想像通り。

武豊線に乗り換える。
知多半島へ。

乗客は少ない。

12:51 武豊(たけとよ)駅(武豊線 愛知県)
知多半島を南下。

途中、知った街として半田を通る。
かつて半田にもプロレス興行はいっている。

打ち捨てられた不気味な廃工場があり、車内の少年少女を根こそぎ降ろした大型集合店を見る。

終点は武豊。
名鉄の知多武豊駅まで歩く。

名鉄で蒲郡に出るつもりでいたが、路線図を見て驚いた。
そんなバカな真似はできない。

ちなみに名鉄はさらに南下を続け、海水浴場や唐人お吉所縁の地でもある内海まで延びる。
源義朝最期の地までは15㎞。

味噌と醤油の町。
金網に囲まれた終着駅は廃れた軍隊駐屯地を思わせる。

とても静かだった。

知多武豊(ちたたけとよ)駅(名鉄河和線 愛知県)にて

13:53 刈谷(かりや)駅(東海道本線 愛知県)
降りるつもりはなかったが、雨が上がったから。

梅雨のような湿気に涼しい風。
あたりは夕暮れ時のような暗さだ。

ここはデンソーの街なのか。
少し先に大きなビルが見える。

友人だとは思っているが、最近じゃ年賀状を寄越さなくなった男がこの街に暮らす。
あるいは転勤などで、もういないことも考えられる。
いずれにしろ東京暮らしは彼にとっては遥かな昔で、恋人も東京に置いてきた。
とっくに清算した話なのかもしれない。
オレもその中のひとりということだ。

駅前に印象に残るものを見なかったが、名鉄とも接続している。

プロレスが半田や碧南にやってきた頃、この街でジャイアント馬場はスタン・ハンセンを挑戦者に迎えて王座戦を行い、その模様はテレビ中継されている。

14:18 安城(あんじょう)駅(東海道本線 愛知県)
新快速に乗って刈谷から4分。
新快速は新幹線との接続駅、三河安城には止まらない。
おかしな話のように感じるが、愛知県民から苦情は出ていないのだろう。

刈谷によく似た街だ。
この先の岡崎もそうだった。

安城には歓楽街らしきものが認められて、ここなら暮らせると思う。

若い女性は礼儀正しく、駅員の態度には苦言を呈したかった。

この先を矢作川が流れる。

14:44 蒲郡(がまごおり)駅(東海道本線 愛知県)
駅開業120年。
今昔が写真展示されていた。

曇天の下、暗くなった街に人はいない。
北口の話だ。
降りた時には何事かを思わせるたたずまいにケータイを向けたが。

名鉄はここを始発に競艇場の前を進む。

競艇と蜜柑の街。
三河湾が近い。

その姿はホームから確認できる。

23:41 東京葛飾金町
大府ではちょっとしたゲリラがやってきた。

そして本格的な雨の予感。
雨雲は広範囲に広がっていたようだ。
もう秋雨の頃か。

今夜は蒸すけど、長雨が降りやんだら、きっと夏の名残りも消えるのだろう。

東海地区の街並の寂しさをどう表現すべきか迷ったが、ありのままの姿を記した。
昨日は東京標準という言葉を使ったが、それは標準じゃない。

街の明かりはやがて暗くなり、遅くまで騒ごうと思っている連中もそうはいない。
そっちが標準というものだ。

たいていは自分の家に帰ってくつろぐ。
ひとりかもしれないし、愛する家族がいるかもしれない。

車寅次郎のようにこうして出かけるのは好きだが、家族を持つグループに入りたいと心から望んでいる。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その1-金町、名古屋、多気、川添、三瀬谷(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・金町駅、名古屋駅、多気駅、川添駅、三瀬谷駅(常磐線/東海道本線/関西

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】3日目(室蘭-岩見沢)-室蘭、苫小牧、鵡川、静内、様似、追分、夕張、新夕張、清水沢(室蘭支線、室蘭本線、日高本線、石勝線、夕張支線)

鉄旅日記2012年8月13日・・・室蘭駅、苫小牧駅、鵡川駅、静内駅、様似駅、追分駅、夕張駅、新夕張駅

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その1(北陸道→R8)有磯海SA、玉ノ木パーキング、親不知ピアパーク、能生

車旅日記1996年5月6日 3:40 北陸自動車道-有磯海SA 多少はスッキリしたんだ。 あれから

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その3‐仙台、国見、愛子、山形(仙山線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・仙台駅、国見駅、愛子駅、山形駅(仙山線) 14:39 仙台(せん

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春 初日(東京-飯田)その2-野田城、長篠城、大海、三河大野、浦川、門島、桜町、飯田(飯田線) 【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】

鉄旅日記2018年4月7日・・・野田城駅、長篠城駅、大海駅、三河大野駅、浦川駅、門島駅、桜町駅、飯田

記事を読む

2018年初秋 初日(東京-桑名)その3-駅前、赤岩口、井原、運動公園前、駅前大通、豊橋、岡崎、三河豊田、尾張瀬戸(豊橋鉄道市内線/東海道本線/愛知環状鉄道/名鉄瀬戸線)【JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】

鉄旅日記2018年9月15日・・・駅前停留所、赤岩口停留所、井原停留所、運動公園前停留所、駅前大通停

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その2-釜石、津軽石、宮古、田野畑、堀内(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・釜石駅、津軽石駅、宮古駅、田野畑駅、堀内駅(三陸鉄道リアス線)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月 初日(東京-米原-福井-越前大野)その1-金町、大垣、米原、近江塩津、王子保、湯尾(常磐線/東海道本線/北陸本線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】

鉄旅日記2018年10月6日・・・金町駅、大垣駅、米原駅、近江塩津駅、王子保駅、湯尾駅(常磐線/東海

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】3日目(鳥取-米子)その2-電鉄出雲市、川跡、旧大社駅、出雲大社前、雲州平田、松江しんじ湖温泉、松江、乃木、東松江、玉造温泉、揖屋、荒島、米子(一畑電車北松江線/一畑電車大社線/山陰本線)

鉄旅日記2014年8月15日その2・・・電鉄出雲市駅、川跡駅、旧大社駅、出雲大社前駅、雲州平田駅、松

記事を読む

「車旅日記」1998年春 初日(東京-岩手山SA)-町田、蓮田SA、都賀西方PA、黒磯PA、阿武隈PA、吾妻PA、菅生PA、前沢PA、岩手山SA 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】

車旅日記1998年5月1日 1998・5・1 11:53 東京町田 出発を前にして空が晴れてきた。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その1 ‐古川、岩出山、有備館(陸羽東線)/岩出山城址(城山公園) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月5日・・・古川駅、岩出山駅、有備館駅(陸羽東

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その3 ‐千徳、宮古、盛岡、古川(山田線/東北新幹線)/蛇の目寿司 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・千徳駅、宮古駅、盛岡駅、古川駅(山

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑