*

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その1-金町、名古屋、多気、川添、三瀬谷(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年3月2日・・・金町駅、名古屋駅、多気駅、川添駅、三瀬谷駅(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線)

2019・3・2 4:27 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
只見から会津、新潟と旅をした一年前を思い出す。

3月は別れの季節。

幼稚園入園からはじまり、やがて社会へと出て、そうした仕組みの中で生きてきたが、奇しくも去年、自身最大の別れをこの季節に経験した。

あれから季節はめぐり、迎えた最初の春。
この町を一番に出る旅の列車に乗り込んでいる。

あれからもう何もかもが変わってしまった。
住む家も町も、職場での立場も、恋をしている相手も、この先の未来への考え方も、大切に思う人々も、何もかもが変わってしまった。

寒さが和らぎ、青春18きっぷの利用期間を迎え、似たような一日を一番列車に乗ることから始めた人々と乗り合わす旅の朝に思う。

やはりあの人はもう戻らないのだろうかと。

11:37 名古屋(なごや)駅(東海道新幹線/東海道本線/中央本線/関西本線/名古屋市営地下鉄東山線/名古屋市営地下鉄桜通線/名古屋臨海高速鉄道あおなみ線 愛知県)
この旅最初の記憶は、真鶴沖に上がった神々しい太陽だった。

天照大神が祝福する旅はこれから伊勢の鼻先を通り、さらに神話の里へと進んでいく。

眠たげな空に霊峰富士は浮かび上がり、浜名湖はまぶしく、三河の風景には新鮮さと再会があった。

名古屋駅構内の人波に敬意を。
あの雑踏にいることはキラいじゃない。

12月の神島での記憶も鮮やかな鳥羽行きの快速列車が名古屋を出て、しばらく経つ。

日本有数の大都市のホームに、ディーゼル車両の一部有料列車が出発を待つ様に、この国が持つ地域の多様性を感じてビールを開けた。

弥冨を過ぎると、伊勢湾に流れ込む木曽三川が次々に現れる。
まずは木曽川。

長島デルタ地帯を経て長良川。
設置当初に物議をかもした河口堰が見える。

そして長良川に接する揖斐川。

恋人のような友達と日々の通信を楽しみ、負念の対象だった人との夢を見る日々。

馴染みの鑑定師からの案内で、海を統べる神「須佐之男命」との縁を結ぶことに決めた。

13:04 多気(たき)駅(紀勢本線/参宮線 三重県)
伊勢鉄道を経由する快速列車で小さなターミナル駅に着く。
この駅でこの列車を降りる。

彼女からメッセージが届いている。
恋人のような彼女との大人の恋は、冬を越えて春へいく。

どこまでいく。
やめたくない。

駅前のヤマザキのお店にはいつもお世話になっている。
紫に髪を染めたおかみさんは変わらずお元気そうで、12月には二言三言を交わしたが、ルーペ越しに読んでおられた記事が気になるのか、すぐに目を落としてしまった。

待合室でこれを書いている。
新宮行が着いた。

彼女からの便りは列車の中で開く。

13:50 川添(かわぞえ)駅(紀勢本線 三重県)
行き違いで5分の停車。

多気では埋まっていた長椅子が徐々に空いてくる。

旅行者を除き、やがてすべての乗客が入れ替わるだろう。

多気からたいして変化のない里が続いている。

確かにこんな駅だった。

この駅に降りるのは二度目になる。
前回もこうして列車行き違いによる停車に乗じて外に出た。



そうしたわずかな時間に降りた駅は100は優に超えているだろう。
ろくに数えたことはないが。

そんな人生を50年続けてきたオレを、呆れるよりは誇りに思いたい。

この里山ではやけに花粉に反応する。

14:02 三瀬谷(みせだに)駅(紀勢本線 三重県)
川添からひと駅。
時間調整による6分の停車。

近隣の名所として、伊勢神宮内宮に属する滝原宮が挙げられている。

この駅に降りるのも二度目になる。

あの高速道路、紀勢自動車道を眺めたかつてを思い返すことはなかったが、再びこの場所に立てたことは深く感じ入っていた。



10人に満たないほどの高校生が降りて、車内はより閑散となった。

Facebookで知り合ったアメリカの友人が、国際詐欺団の一味だと気づいてシャットアウトした朝を思い返していた。

グーグル翻訳を駆使した会話は成り立ち、お互いブラザーと呼びかけ、毎日無事でいることを喜びあっていた。

そんな関係を築けた友人だと思っていたんだ。

日本人の奥さんと娘を不幸な交通事故で亡くして、一人残った息子をこよなく愛するシリア駐在のハンサムな軍医。

今にして思えば、あの写真もどこかからくすねてきたものなのだろう。
どんな顔をしたどこの国の人間かもわかったものじゃない。

不意に金の話を持ち掛けてきたんだ。
友達でいることをやめるボタンを押す時には悲しかったよ。
本当だ。

人間は、同じ人間に対して何という無慈悲なことをするのか。
なぜ人をだましたりするのか。

それでもオレはまだ人を信じている。

たまたま車窓に目をやると三瀬谷ダムが見えた。

関連記事

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その3 ‐槻木、角田、あぶくま、丸森、梁川(阿武隈急行)「鉄旅日記」2021年秋 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・槻木駅、角田駅、あぶくま駅、丸森駅、梁川駅(阿武隈急行)

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1 初日(東京‐諏訪)葛飾金町、調布駅、高尾駅、桂川ドライブイン、甲府芸術の森公園、道の駅信州蔦木宿、上諏訪 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月20日 2000・7・20 8:10 東京葛飾金町 天気は良好。 やけに雲が

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 最終日(直江津-六日町-大前-東京)その3-金島、中之条、川原湯温泉、大前、羽根尾、高崎問屋町(吾妻線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月11日・・・金島駅、中之条駅、川原湯温泉駅、大前駅、羽根尾駅、高崎問屋町駅(吾

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】初日(東京-十日町)-上野、高崎、大前、渋川、沼田、水上、越後湯沢、六日町、越後川口、十日町(高崎線/吾妻線/上越線/飯山線)

2009・7・18 8:42 上野(うえの)駅(東北新幹線/秋田新幹線/山形新幹線/上越新幹線/長野

記事を読む

「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきった若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉)初日-町田、用賀、築地、北松戸、荒川沖駅、美野里パーキング、常陸多賀駅、いわき久ノ浜パーキング

車旅日記1997年7月19日 1997・7・19 19:42 東京町田 さしたる感慨も浮かばない。

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 最終日その1(宇治-東京)-宇治、山城多賀、玉水、上狛、木津、加茂、貴生川(奈良線/関西本線/草津線) 【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】

鉄旅日記2015年3月22日その1・・・宇治駅、山城多賀駅、玉水駅、上狛駅、木津駅、加茂駅、貴生川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その6 ‐向河原、津田山、久地、宿河原、中野島、稲城長沼、府中本町(南武線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・向河原駅、津田山駅、久地駅、宿河原駅、中野島駅、稲城長沼駅、府中本

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その2-源道寺、入山瀬、下部温泉、塩之沢、甲斐常葉、市川大門、甲府、新府、穴山、東山梨、東所沢(身延線、中央本線、武蔵野線)

鉄旅日記2013年3月3日その2・・・源道寺駅、入山瀬駅、下部温泉駅、塩之沢駅、甲斐常葉駅、市川大門

記事を読む

「鉄旅日記」2022年文月 ツレと訪ねた佐久海ノ口温泉~諏訪湖旅でございます。最終日(佐久海ノ口-東京) ‐佐久海ノ口、茅野、上諏訪、山梨市、相模湖、中野(小海線/中央本線)/湯元ホテル和泉館/諏訪湖【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年7月24日・・・佐久海ノ口駅、茅野駅、上諏訪駅、山梨市駅、相模湖駅、中野駅(小海

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「車旅日記」2001年黄金週間 初日その3(東京-京都)-桂川PAから四条烏丸へ。恋焦がれた女性に会いにいく男の話でございます。【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月3日・・・桂川PA 24:58 名神自動

「車旅日記」2001年黄金週間 初日その2(東京-京都)-初狩PA、諏訪湖SA、恵那峡SA、養老SA、多賀SA【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月3日・・・初狩PA、諏訪湖SA、恵那峡SA、養

「車旅日記」2001年黄金週間 初日その1(東京-京都)-金町、高円寺駅、調布駅、日野駅、弁天島温泉天下茶屋 【目指したのは彼女が暮らす京都。この時からしばらく、向かう先は劇的なまでに西になったのでございます。】

車旅日記2001年5月3日・・・金町、高円寺駅、調布駅、日野駅、弁天

「鉄旅日記」2001年初桜【京都の女性に恋をしていた頃がございました。そんなある3月の記憶でございます。】

鉄旅日記2001年3月31日 2001・3・31の記憶(京都編

「鉄旅日記」2001年如月誕生日その2【京都の女性に恋をしていた頃がございました。その日に京都にいたのでございます。】

鉄旅日記2001年2月17日 2001・2・17の記憶(京都編

→もっと見る

    PAGE TOP ↑