*

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その1-近鉄奈良、新田辺、三山木、JR三山木、狛田、下狛、新祝園、祝園、学園前、学研奈良登美ヶ丘(奈良線/京都線/けいはんな線)

公開日: : 最終更新日:2024/05/25 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年3月18日・・・近鉄奈良駅、新田辺駅、三山木駅、JR三山木駅、狛田駅、下狛駅、新祝園駅、祝園駅、学園前駅、学研奈良登美ヶ丘駅(近鉄奈良線/京都線/けいはんな線)

2017・3・19 5:45 近鉄奈良(きんてつなら)駅(近鉄奈良線 奈良県)
早朝から新大宮駅前を掃除する一団を見かけた。
街路に目をやれば吸い殻空き缶。
街が迎える朝とは、いつもこういうものか。

奈良へ。
近鉄駅が地下だったことは忘れていた。

地上へ出て、興福寺、奈良県庁へとつながる緩やかな上り坂を目にしたら、ふと突き上げてくるものがあった。

忘れていた奈良をそこに見たんだ。

あれから何度も近くを通ったけど、奈良の真髄は知らずにいる。

たった今、車窓から平城宮跡を眺めた。

何も知らずにいたのだ。

そしてもう何年も前、クリスマス・イブに近鉄奈良に降りたことを思い出した。
あの日以来だったんだ。

6:13 新田辺(しんたなべ)駅(近鉄京都線 京都府)
運動少年たちを満載に乗せた列車で西大寺方面に戻る。

4年前には、近くを走る学研都市線の京田辺駅に降りている。
街の入場門みたいな駅で、生活の匂いが希薄な一帯をほんの少しだけ歩いた。

田辺という街は、近鉄側のこっちにあった。

ごく昭和的な、小さな駅前商店街を歩いた。

きっとオレは懐かしげな顔をしていただろう。

オレが望んでいる街の在り方は、そんな大層なものじゃない。

6:24 三山木(みやまき)駅(近鉄京都線 京都府)
古墳群を見下ろす悠久を思わせる山吹山から日が昇る。

麓には橘諸兄、そして源頼政と共に打倒平家に立ち上がり、非業の死を遂げた以仁王が葬られている。

4年前に学研都市線から眺めた近鉄との並走路上に、両線が設けた隣接する駅にひとつひとつ降りていく。

アホらしいが、これがオレのやりたいこと。
時に自分でも唖然とするほどアホらしさに苛まれることがあるが、でも必ずそんな計画が組まれる。

同志社に通う学生が降りていった。
ロータリーの先にJR駅がある。

人は少なく、平凡な構造物に囲まれ、たいした感慨は沸かないが、それでも山が見える。

廃れることのない未来を想像したい。

JR三山木(じぇいあーるみやまき)駅(学研都市線 京都府)にて

6:41 狛田(こまだ)駅(近鉄京都線 京都府)
車窓から冬枯れの田野を眺めていた。
そして駅が近づくと俄にあたりは平凡な風景になる。

駅前の線路に沿った道はまるで路地のように狭く、商店や飲み屋がちんまりと並ぶ様がいじましい。

9分でJR下狛駅との間を往復する計画で、JRの線路はすぐ傍に見えている。

ただ、最初に踏み入れた道は駐車場で行き止まり。
さらに踏切にも阻まれ、本気で走る羽目になった。

また、今回利用している近鉄フリー切符は、駅員のいない駅では若干手間取る。
ぎりぎりで計画に支障は来さずに済んだ。

はじめからあの野球少年たちについていけばよかった。
彼等の背中には京都廣学館と記されていた。

今日はセンバツ開幕日でもある。

下狛(しもこま)駅(学研都市線 京都府)にて

6:52 新祝園(しんほうその)駅(近鉄京都線 京都府)/祝園(ほうその)駅(学研都市線 京都府)
手がかじかんでいる。
京都奈良は寒いよ。

霜が降りた冬枯れ田野を撮っておきたかった。

何気ない風景だが、ここは京都。
さっきの三山木のように麓で偉人が眠っていたりする。

でもそうした田園風景は駅に着くと隠れてしまう。

ここは近鉄の急行停車駅だけど、記すことが見当たらない。
JRとは駅舎がつながっている。

これでこのあたりに思い残すことは何もない。

かつて学研都市線の車窓から近鉄の線路を見送ったように、今度は西大寺に戻る車中で学研都市線を見送っている。

次の木津川台駅でも学研都市線の線路はまだ見えている。

崇神天皇の御代、このあたりは戦場になり、多くの兵士が死んだ。
その死体を放り捨てた園を意味する地名が生まれ、時代は変遷して、現在の祝園となった。
「日本書紀」にその記述がある。

7:22 学園前(がくえんまえ)駅(近鉄奈良線 奈良県)
大和西大寺で大阪方面に向かう列車に乗り換える。

ひとつ手前の菖蒲池には正直惹かれた。
池は車窓からも見える。

ここは近鉄無料特急が止まる主要駅。
それで降りてみる。
旅情は期待していない。

帝塚山というのは学力の高い学園なのだろう。
名前は知っているが、奈良にあったんだな。

駅はまさにその帝塚山学園前で、清潔かつ広々としていて、バス乗り場に目を移せば行先は様々で、どこにでも行けそうだ。

この駅の待合室は暖かくていい。

7:59 学研奈良登美ヶ丘(がっけんならとみがおか)駅(近鉄けいはんな線 奈良県)
生駒で乗り換えて終着駅へ。
けいはんな線を逆方向に行けば、やがて大阪地下鉄に乗り入れ、大阪港のコスモスクエアに至る。

ここは一体どういった場所なのか。
京都府との境にニュータウン構想が持ち上がり、実現はしたが頓挫したのか。
それともこれが完成形なのか。

判断がつかない。

人は集まるにはまだ早い時間帯とも言えるが、イオンタウンはひたすら静寂の中にある。

丘の上に家々が並ぶ様が車窓から見えた。
駅からは随分離れている。

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その3‐清音、倉敷、岡山、熊山、姫路(伯備線/山陽本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月26日・・・清音駅、倉敷駅、岡山駅、熊山駅、姫路駅(伯備線/山陽本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅、常陸多賀駅(常磐線)

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その2(東京-岩倉)-三河高浜、碧南、高浜港、亀崎、半田、知多半田、内海、富貴、河和(名鉄三河線/武豊線/名鉄河和線/名鉄知多新線)

鉄旅日記2015年3月7日その2・・・三河高浜駅、碧南駅、高浜港駅、亀崎駅、半田駅、知多半田駅、内海

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その3‐驫木、風合瀬、大戸瀬、千畳敷、北金ヶ沢(五能線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月12日・・・驫木駅、風合瀬駅、大戸瀬駅、千畳敷駅、北金ヶ沢駅(五能線) 13

記事を読む

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング

車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今までの旅

記事を読む

「車旅日記」2004年秋【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】2日目(宇野-下津井-新見-津山-城崎)走行距離377㎞ その1-宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅

車旅日記2004年11月21日・・・宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その3-只見、会津川口、会津本郷、南若松、会津若松(只見線/会津鉄道) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月3日・・・只見駅、会津川口駅、会津本郷駅、南若松駅、会津若松駅(只見線/会津鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、みちのく・北海道途中下車旅】2日目(横手-室蘭)-横手、土崎、八郎潟、大館、弘前、青森、泉沢、久根別、七飯、仁山、渡島沼尻、森、八雲、長万部、伊達紋別(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)

鉄旅日記2012年8月12日・・・横手駅、土崎駅、八郎潟駅、大館駅、弘前駅、青森駅、泉沢駅、久根別駅

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】4日目(徳島-善通寺)その1-徳島、中田、旧小松島駅、南小松島、阿南、牟岐、海部、甲浦(牟岐線/安佐海岸鉄道)

鉄旅日記2008年5月5日・・・徳島駅、中田駅、旧小松島駅、南小松島駅、阿南駅、牟岐駅、海部駅、甲浦

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その1-神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧鳥羽小学校(鳥羽市営定期船) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月24日・・・神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑