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「鉄旅日記」2012年初冬【週末パスで、甲信越途中下車旅】最終日(長野-東京)その2-小諸、岩村田、佐久平、中込、臼田、小海、野辺山、清里、大月(小海線、中央本線)

公開日: : 最終更新日:2023/06/30 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年12月9日その2・・・小諸駅、岩村田駅、佐久平駅、中込駅、臼田駅、小海駅、野辺山駅、清里駅、大月駅(小海線、中央本線)
13:38 小諸(こもろ)駅(小海線/しなの鉄道 長野県)
この街が、この駅が、この駅前風景が、オレにとって最も懐かしく、最も愛してやまないものだと、再訪してあらためて確信した。

信州の寒さを全身に浴びながら歩き回りシャッターボタンを押して回った。

小学生の頃に愛読した小山田いくさんの「すくらっぷ・ブック」という作品の舞台がたまたまオレの田舎でもあるここ小諸で、あの漫画の印象がオレの中での小諸を決定付けてもいる。

それにしても冬の旅はステキだ。




14:02 岩村田(いわむらだ)駅(小海線 長野県)
武田信玄軍記に何度も登場する町。

駅は中心部にはなく、駅前風景は寒々しく面白みを欠いている。

大正4年開業とのことで、当時からのものかどうかは不明だが駅舎は古く、待合室にはスートブが焚かれている。

14:55 佐久平(さくだいら)駅(長野新幹線/小海線 長野県)
ひと駅戻る。

長野新幹線開通により忽然と現れた街が高架から見下ろせる。
スーパー、ファミレス、紳士服メーカーの総合展示場と表現することもできる。

外に出たら気温1度。
雪が舞ってきた。

食事も含めれば駅は退屈させることはなかったが、さっきまで見えていた浅間連峰は隠れてしまった。

15:29 中込(なかごみ)駅(小海線 長野県)
旧中込小学校跡という重要文化財が残る町。

あの雨の日を思い出す。

文学の香りがした町に3度目の訪問があるのなら、その時はゆっくり町を歩いてみたい。

15:40 臼田(うすだ)駅(小海線 長野県)
きれいな青空になった。

ここはまだ佐久市内。
今見ている風景を覚えているような気がする。

駅前から伸びる道に廃れたような印象はなく、歩いてみたいと思ったところで素敵な女性とすれ違った。

16:08 小海(こうみ)駅(小海線 長野県)
おそろしく寒かった。

スーパーマーケット、医療施設が併設された駅の出入りは多く、千曲川に沿った通りには小奇麗な商店が続いていた。

Tさんと登った夏の八ヶ岳。
あの帰りにほんの数分いた場所だよ。

最近降った雪が苔のように散らばっている。

16:58 野辺山(のべやま)駅(小海線 山梨県)
JR駅の中で最高所に位置する駅として鉄道ファンに知られる野辺山には靴が埋まるほどの雪が積もり、遠くにかつて滑りにいったスキーゲレンデの灯が見えた。

気づけばスキー客の姿も車内に見える。

当たり前だが、そんな時期になっている。

17:32 清里(きよさと)駅(小海線 山梨県)
凍りついた町で寒さに震える電信柱の声を聞いた。
本当だよ。
確かに聞いたんだ。

次の小淵沢行きが来るのは1時間後。
大雪の降った高原リゾートを訪れる者はなく、駅前の灯は消え、営業している店は僅かに1軒を数えるのみ。

外では風が荒れ狂い、また何かの泣き声が聞こえた。

誰もいない暖房の効いた待合室で買い置きの酒と共に読書に耽った。
いい時間だったよ。

2度煙草を吸いに席を立ち、凍えながら戻る。

18:00のメロディーは夕焼け小焼け。
東京で聞くことはないが、旅をしているとこうして聞く機会が訪れる懐かしいメロディーだ。

多くの大切な思い出のようなものだ。
それらも日常では顔を出す機会を失われている。

乗客がやってきた。
列車の到着が近い。

かつて清里に遊びにいったことがある。
オレを含めて確か6人いた筈だ。
あの時は駅に用はなかった。
でもオレは駅がどこにあるのかずっと気になっていた。

たいした話じゃないが、これでつかえはとれた。
とてもよかったと思っているんだよ。


20:47 大月(おおつき)駅(中央本線 山梨県)
たいした違いはないだろうが、予定を変更してほんの少しだけ家に早く帰れる手を打った。

大月だけに限った話じゃないが、駅前はクリスマス・イルミネーションに彩られている。
悪くない光景だ。

雪は小淵沢ではすでにあるかなしかの状態で、甲府では別の世界のことのように感じた。

でも寒い。
とても寒い。
12月に冬を感じ、雪に濡れたのはオレにとって初めてのことだろう。

そしていろいろあった2012年もじきに終わる。
オレの公式行事も今日で終わりだ。

Yちゃんに感謝しないといけないな。

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