*

「鉄旅日記」2012年初冬【週末パスで、甲信越途中下車旅】最終日(長野-東京)その2-小諸、岩村田、佐久平、中込、臼田、小海、野辺山、清里、大月(小海線、中央本線)

公開日: : 最終更新日:2024/06/07 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年12月9日その2・・・小諸駅、岩村田駅、佐久平駅、中込駅、臼田駅、小海駅、野辺山駅、清里駅、大月駅(小海線、中央本線)

13:38 小諸(こもろ)駅(小海線/しなの鉄道 長野県)
この街が、この駅が、この駅前風景が、オレにとって最も懐かしく、最も愛してやまないものだと、再訪してあらためて確信した。

信州の寒さを全身に浴びながら歩き回りシャッターボタンを押して回った。

小学生の頃に愛読した小山田いくさんの「すくらっぷ・ブック」という作品の舞台がたまたまオレの田舎でもあるここ小諸で、あの漫画の印象がオレの中での小諸を決定付けてもいる。

それにしても冬の旅はステキだ。




14:02 岩村田(いわむらだ)駅(小海線 長野県)
武田信玄軍記に何度も登場する町。

駅は中心部にはなく、駅前風景は寒々しく面白みを欠いている。

大正4年開業とのことで、当時からのものかどうかは不明だが駅舎は古く、待合室にはスートブが焚かれている。

14:55 佐久平(さくだいら)駅(長野新幹線/小海線 長野県)
ひと駅戻る。

長野新幹線開通により忽然と現れた街が高架から見下ろせる。
スーパー、ファミレス、紳士服メーカーの総合展示場と表現することもできる。

外に出たら気温1度。
雪が舞ってきた。

食事も含めれば駅は退屈させることはなかったが、さっきまで見えていた浅間連峰は隠れてしまった。

15:29 中込(なかごみ)駅(小海線 長野県)
旧中込小学校跡という重要文化財が残る町。

あの雨の日を思い出す。

文学の香りがした町に3度目の訪問があるのなら、その時はゆっくり町を歩いてみたい。

15:40 臼田(うすだ)駅(小海線 長野県)
きれいな青空になった。

ここはまだ佐久市内。
今見ている風景を覚えているような気がする。

駅前から伸びる道に廃れたような印象はなく、歩いてみたいと思ったところで素敵な女性とすれ違った。

16:08 小海(こうみ)駅(小海線 長野県)
おそろしく寒かった。

スーパーマーケット、医療施設が併設された駅の出入りは多く、千曲川に沿った通りには小奇麗な商店が続いていた。

Tさんと登った夏の八ヶ岳。
あの帰りにほんの数分いた場所だよ。

最近降った雪が苔のように散らばっている。

16:58 野辺山(のべやま)駅(小海線 山梨県)
JR駅の中で最高所に位置する駅として鉄道ファンに知られる野辺山には靴が埋まるほどの雪が積もり、遠くにかつて滑りにいったスキーゲレンデの灯が見えた。

気づけばスキー客の姿も車内に見える。

当たり前だが、そんな時期になっている。

17:32 清里(きよさと)駅(小海線 山梨県)
凍りついた町で寒さに震える電信柱の声を聞いた。
本当だよ。
確かに聞いたんだ。

次の小淵沢行きが来るのは1時間後。
大雪の降った高原リゾートを訪れる者はなく、駅前の灯は消え、営業している店は僅かに1軒を数えるのみ。

外では風が荒れ狂い、また何かの泣き声が聞こえた。

誰もいない暖房の効いた待合室で買い置きの酒と共に読書に耽った。
いい時間だったよ。

2度煙草を吸いに席を立ち、凍えながら戻る。

18:00のメロディーは夕焼け小焼け。
東京で聞くことはないが、旅をしているとこうして聞く機会が訪れる懐かしいメロディーだ。

多くの大切な思い出のようなものだ。
それらも日常では顔を出す機会を失われている。

乗客がやってきた。
列車の到着が近い。

かつて清里に遊びにいったことがある。
オレを含めて確か6人いた筈だ。
あの時は駅に用はなかった。
でもオレは駅がどこにあるのかずっと気になっていた。

たいした話じゃないが、これでつかえはとれた。
とてもよかったと思っているんだよ。


20:47 大月(おおつき)駅(中央本線 山梨県)
たいした違いはないだろうが、予定を変更してほんの少しだけ家に早く帰れる手を打った。

大月だけに限った話じゃないが、駅前はクリスマス・イルミネーションに彩られている。
悪くない光景だ。

雪は小淵沢ではすでにあるかなしかの状態で、甲府では別の世界のことのように感じた。

でも寒い。
とても寒い。
12月に冬を感じ、雪に濡れたのはオレにとって初めてのことだろう。

そしていろいろあった2012年もじきに終わる。
オレの公式行事も今日で終わりだ。

Yちゃんに感謝しないといけないな。

関連記事

「鉄旅日記」2005年秋【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。ここから鉄旅が始まったのでございます。】初日(東京-名古屋)-根府川、島田、豊橋、岡崎、名古屋(東海道本線)

鉄旅日記2005年11月5日・・・根府川駅、島田駅、豊橋駅、岡崎駅、名古屋駅(東海道本線) 200

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】3日目(小樽-富良野)その1-小樽、発寒中央、琴似、石狩当別、石狩月形、新十津川、滝川、茶志内、美唄(函館本線/学園都市線)

鉄旅日記2016年8月12日・・・小樽駅、発寒中央駅、琴似駅、石狩当別駅、石狩月形駅、新十津川駅、滝

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】2日目(弘前-小樽)その2-赤井川、姫川、東森、渡島砂原、森、野田生、山越、八雲、長万部、ニセコ、小樽(函館本線/渡島砂原支線)

鉄旅日記2016年8月11日・・・赤井川駅、姫川駅、東森駅、渡島砂原駅、森駅、野田生駅、山越駅、八雲

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】3日目(小樽-富良野)その2-深川、増毛、留萌、北一已、深川、旭川、美瑛、千代ヶ丘、富良野(留萌本線/函館本線/富良野線)

鉄旅日記2016年8月12日・・・深川駅、増毛駅、留萌駅、北一已駅、深川駅、旭川駅、美瑛駅、千代ヶ丘

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩秋【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】初日-掛川、尾奈、リステル浜名湖(東海道本線/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2006年11月3日・・・掛川駅、尾奈駅(東海道本線/天竜浜名湖鉄道) 2006・11・3

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】2日目(大船渡-釜石)その4‐宮古、陸中山田、釜石(三陸鉄道リアス線)

鉄旅日記2020年2月23日・・・宮古駅、陸中山田駅、釜石駅(三陸鉄道リアス線) 16:22 宮古(

記事を読む

2018年秋【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】最終日(松戸-五井-大原-安房鴨川-松戸)その2-養老渓谷、上総中野、大多喜、国吉、大原(小湊鉄道/いすみ鉄道)

鉄旅日記2018年9月23日・・・養老渓谷駅、上総中野駅、大多喜駅、国吉駅、大原駅(小湊鉄道/いすみ

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その2‐中滑川、滑川、猪谷、宇奈月温泉、宇奈月、寺田(富山地方鉄道本線)

鉄旅日記2020年3月21日・・・中滑川駅、滑川駅、宇奈月温泉駅、宇奈月駅、寺田駅(富山地方鉄道本線

記事を読む

「車旅日記」2000年春【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】2日目(新潟豊栄‐象潟)道の駅豊栄、道の駅神林、瀬波温泉龍泉、道の駅温海、立岩海底温泉、酒田南郊、象潟駅、象潟松籟館

車旅日記2000年5月4日 2000・5・4 8:09 7号国道-豊栄(道の駅) 路上で夜を明か

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩秋【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】2日目・最終日-尾奈、新所原、豊橋、本長篠、鳥居、三河槇原、中部天竜、佐久間、大嵐、伊那小沢、天竜峡、松本(天竜浜名湖鉄道/東海道本線/飯田線/中央本線)

鉄旅日記2006年11月4日/11月5日・・・尾奈駅、新所原駅、豊橋駅、本長篠駅、鳥居駅、三河槇原駅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その2 ‐茶屋町、岡山、倉敷、倉敷市、水島、常盤、栄、三菱自工前(宇野線/伯備線/水島臨海鉄道)/倉敷センター街、阿智神社、倉敷美観地区

鉄旅日記2020年9月22日・・・茶屋町駅、岡山駅、倉敷駅、倉敷市駅

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その1 ‐高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フェリー/直島宮浦→宇野フェリー)

鉄旅日記2020年9月22日・・・高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その1 ‐片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻公園(高松城跡)、一宮寺、滝宮天満宮、滝宮駅、満濃池

車旅日記2020年9月21日・・・片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】2日目(高松)その2 ‐祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山リフト乗場、恋人峠、穴吹駅、黒田屋高松西インター店

車旅日記2020年9月20日・・・祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山

→もっと見る

    PAGE TOP ↑