*

「車旅日記」1998年夏 最終日(志賀高原湯田中-中込-東京)-湯田中、菅平湖、中込ローソン、竜王駅、道の駅甲斐大和、藤野駅、東京町田【伊那、木曽から志賀高原へ。気乗りのしない旅で選んだ行き先は、初夏の信濃路でございました。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 1998年

車旅日記1998年7月20日

1998・7・20 7:25 湯田中‐某クラブ志賀高原 486㎞
この町に着いて16時間。
もうじき荷物をまとめる。

ここには旅の疲れをとるために来たが、よくは眠れなかった。
それほど疲れていなかったのかもしれない。
去年の同じ時期に出たツアーは最悪だったけれど。

町に着くとすぐにコンビニに寄って食料を揃えた。
できれば地元の商店に金を落としたかったけど、適当な店はなかった。

外は暑くて人の姿を見かけない。
オレの記憶の中の夏と一緒だ。
ラジオから高校野球の実況でも聞こえてくれば、過ぎ去ってきたいくつもの夏に戻ることができる。

会社にこの町で育った男がいるが、ご実家はどこだろう。
ずいぶんと小さな町だ。

部屋でずっとビールを飲んでいた。
だから記すべきことなど何もしていない。

昨日もそうだったけど、日常は忘れていた。
そして朝を迎えた。

さすがに東京に帰る日ともなると日常が割って入ってくるけど、それでも今のところ考えられるのは彼女のことくらい。

正直に言えば、気になる女性は他にも数人いる。
でも彼女が微笑めば、一番のときめきを覚える。
他に言葉はいらないと思う。

今回印象的だったのは、車の中で本当に久しぶりに聴くカセットをかけたこと。
おそらく学生の頃以来だろう。
とてもノスタルジックな気分に浸った。

どれもひとりでは聞いていなかった音楽たち。
あれからずいぶんと月日が流れた。

9:12 菅平湖 530㎞
高原の冷風にあたりながらノスタルジックな気分でいた。

期待していた湖は山間に埋め込まれるように存在して、とても小さかった。

10:25 141号国道‐中込ローソン 578㎞
流れるままに前だけを見て車を走らせていた。

高原の冷気は一時的にオレの体を冷やし、下界はけだるさを思い出させた。
涼しい高原で夏を過ごすと一体どんな記憶が残るのだろう。

ルートは道々変更され、清里を経由して韮崎に出るという方向でほぼ固まった。
親父と何度も通った道だ。

ここに来るまで、両親の故郷や彼女のご両親がつい最近移り住んだ佐久を通過してきた。

佐久に至った時、もしかしたら彼女が遊びに来ていないかとあたりに注意を払ったが、オレが選んだルートはかなり道外れだっただったようだ。

すでに心は東京に向かっている。

そして日のあるうちに帰り着いて、車を洗おうと思っている。

12:43 竜王駅 659㎞
さらにルート変更。
20号国道に戻ると冷気は消え失せ、空は雲を流しながらもよく晴れて、太陽はオレの右腕を焼くことを再開した。

このまま2日前の道を帰ろうと思う。
中央道じゃ笹子トンネルで15㎞の渋滞が発生しているようだ。

下界に下りてくるとやはり日常が頭を占める。

オレはまだ旅の中にいたいんだ。
だから20号国道を行く。

13:41 20号国道‐甲斐大和(道の駅) 688㎞
家まで100㎞を切っている。

行きに通った道を帰るのは初めてのことだけど、気にしていない。
数あるルートの中でこの道を一番気に入っているということ。

きっと日のあるうちに帰ることもできるだろう。

15:15 藤野駅 731㎞
旅の最後に、この涼しげな駅に寄ることができてよかった。

おそらくあと2時間ほどで家には着くだろう。

最後の空が曇っていることだけが残念だ。

明日は予報通り雨かな。

東京町田
小さな旅に出て、こうして無事に帰っている。

宿の支配人みたいな男を除けば、接した人々は誰もがいい人ばかりだった。
ワインを買った店のベンチに座っていたじいさんも、とても優しい顔をしていた。

出発したのは2日前だけど、なんだかもっと前のことのように感じられる。

昨日など、あんなに簡単に眠ってしまったのに、それでもこの旅が長かったと感じられている。

それはきっといいことなのだろう。

でも今回は、この旅が今後のオレにどんな影響を及ぼすのかという話には興味が向かない。

言ってみればいつもそうだけど、暇だから行ったんだよ。
だからというわけじゃないが、親父に贈ったワインを除けば、誰への土産もない。
思いつきもしなかった。

いつまでこんな旅を続けるのかと聞かれれば、オレにも分からないさ。

ひとつだけ言えるのは、ひとりで出かけるのは誰か惚れた女性と結婚するまでのことだ。
もしくはそんな話になって、その女性に休日の自由を束縛されるまでだ。

今のオレにとっちゃ、夢みたいな話よ。
人に言わせれば、「そんな大袈裟な話かよ」ってところかもしれないけど、惚れた女性とくっつくのは大変なことだよ。

相変わらず気乗りのしない明日が待っている。

一昨日の晩は違ったんだ。
全然違ったんだよ。

だからまたどこか知らないところを見つけて出かけるだろう。

関連記事

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その5 ‐青森、三沢(青い森鉄道)/ホテル天水 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・青森駅、三沢駅(青い森鉄道)/ホテル天水 17:17&nbs

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月 最終日(安達-東京葛飾)-あだち、二本松駅、磐城石川駅、はなわ、常陸太田駅、大洗駅、潮来駅、十二橋駅、佐原駅、東京葛飾【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月7日・・・道の駅あだち、二本松駅、磐城石川駅、道の駅はなわ、常陸太田駅、大洗駅

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 2日目(津山-鳥取)その2-金川、弓削、亀甲、美作滝尾、三浦、美作加茂、知和、智頭、用瀬、津ノ井、大岩、岩美、鳥取(津山線、因美線、山陰本線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記2014年8月14日その2・・・金川駅、弓削駅、亀甲駅、美作滝尾駅、三浦駅、美作加茂駅、知和

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常磐線) 7:40 水戸(みと

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 4日目(佐賀-松浦)その1-佐賀、肥前竜王、里信号場、喜々津、浦上、浦上駅前、長崎駅前、長崎、長与、諫早(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月21日・・・佐賀駅、肥前竜王駅、里信号場、喜々津駅、浦上駅、浦上駅前駅、長崎駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】

鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線) 2017・12

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その3-周参見、椿、白浜、紀伊田辺(紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・周参見駅、椿駅、白浜駅、紀伊田辺駅(紀勢本線) 19:12 周参見

記事を読む

「車旅日記」1998年春 初日(東京-岩手山SA)-町田、蓮田SA、都賀西方PA、黒磯PA、阿武隈PA、吾妻PA、菅生PA、前沢PA、岩手山SA 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】

車旅日記1998年5月1日 1998・5・1 11:53 東京町田 出発を前にして空が晴れてきた。

記事を読む

「車旅日記」1996年秋 初日 (東京‐新潟) 橋本、拝島、東松山、籠原駅、高崎、月夜野情報サービスセンター、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、堀之内パーキング、道の駅豊栄 【夏をあきらめきれず、秋。再び夏のルートへと向かったのでございます。】

車旅日記1996年11月1日 1996・11・1 12:13 東京町田 昨夜の決意は固かったけど、

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その3 ‐瀬見温泉(陸羽東線)/湯前神社/山神社 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月6日・・・瀬見温泉駅(陸羽東線)/湯前神社/山神社 11:37 瀬見

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その2 ‐八景島、金沢八景、杉田、新杉田(金沢シーサイドライン/京浜急行本線) 【根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・八景島駅、金沢八景駅、杉田駅、新杉田

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その1 ‐金町、桜木町、関内、新杉田(常磐線/京浜東北・根岸線) 【金沢シーサイドライン、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・金町駅、桜木町駅、関内駅、新杉田駅(

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その3 ‐土浦、荒川沖、藤代、柏(常磐線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・土浦駅、荒川沖駅、藤代駅、柏駅(常磐

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その2 ‐水戸、羽黒、稲田、福原、友部(水戸線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・水戸駅、羽黒駅、稲田駅、福原駅、友部

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その1 ‐常陸大子、磐城棚倉、東館(水郡線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・常陸大子駅、磐城棚倉駅、東館駅(水郡

→もっと見る

    PAGE TOP ↑