*

「車旅日記」1998年夏【伊那、木曽から志賀高原へ。気乗りのしない旅で選んだ行き先は、初夏の信濃路でございました。】最終日(志賀高原湯田中-中込-東京)-湯田中、菅平湖、中込ローソン、竜王駅、道の駅甲斐大和、藤野駅、東京町田

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 1998年

車旅日記1998年7月20日
1998・7・20 7:25 湯田中‐某クラブ志賀高原 486㎞
この町に着いて16時間。
もうじき荷物をまとめる。

ここには旅の疲れをとるために来たが、よくは眠れなかった。
それほど疲れていなかったのかもしれない。
去年の同じ時期に出たツアーは最悪だったけれど。

町に着くとすぐにコンビニに寄って食料を揃えた。
できれば地元の商店に金を落としたかったけど、適当な店はなかった。

外は暑くて人の姿を見かけない。
オレの記憶の中の夏と一緒だ。
ラジオから高校野球の実況でも聞こえてくれば、過ぎ去ってきたいくつもの夏に戻ることができる。

会社にこの町で育った男がいるが、ご実家はどこだろう。
ずいぶんと小さな町だ。

部屋でずっとビールを飲んでいた。
だから記すべきことなど何もしていない。

昨日もそうだったけど、日常は忘れていた。
そして朝を迎えた。

さすがに東京に帰る日ともなると日常が割って入ってくるけど、それでも今のところ考えられるのは彼女のことくらい。

正直に言えば、気になる女性は他にも数人いる。
でも彼女が微笑めば、一番のときめきを覚える。
他に言葉はいらないと思う。

今回印象的だったのは、車の中で本当に久しぶりに聴くカセットをかけたこと。
おそらく学生の頃以来だろう。
とてもノスタルジックな気分に浸った。

どれもひとりでは聞いていなかった音楽たち。
あれからずいぶんと月日が流れた。

9:12 菅平湖 530㎞
高原の冷風にあたりながらノスタルジックな気分でいた。

期待していた湖は山間に埋め込まれるように存在して、とても小さかった。

10:25 141号国道‐中込ローソン 578㎞
流れるままに前だけを見て車を走らせていた。

高原の冷気は一時的にオレの体を冷やし、下界はけだるさを思い出させた。
涼しい高原で夏を過ごすと一体どんな記憶が残るのだろう。

ルートは道々変更され、清里を経由して韮崎に出るという方向でほぼ固まった。
親父と何度も通った道だ。

ここに来るまで、両親の故郷や彼女のご両親がつい最近移り住んだ佐久を通過してきた。

佐久に至った時、もしかしたら彼女が遊びに来ていないかとあたりに注意を払ったが、オレが選んだルートはかなり道外れだっただったようだ。

すでに心は東京に向かっている。

そして日のあるうちに帰り着いて、車を洗おうと思っている。

12:43 竜王駅 659㎞
さらにルート変更。
20号国道に戻ると冷気は消え失せ、空は雲を流しながらもよく晴れて、太陽はオレの右腕を焼くことを再開した。

このまま2日前の道を帰ろうと思う。
中央道じゃ笹子トンネルで15㎞の渋滞が発生しているようだ。

下界に下りてくるとやはり日常が頭を占める。

オレはまだ旅の中にいたいんだ。
だから20号国道を行く。

13:41 20号国道‐甲斐大和(道の駅) 688㎞
家まで100㎞を切っている。

行きに通った道を帰るのは初めてのことだけど、気にしていない。
数あるルートの中でこの道を一番気に入っているということ。

きっと日のあるうちに帰ることもできるだろう。

15:15 藤野駅 731㎞
旅の最後に、この涼しげな駅に寄ることができてよかった。

おそらくあと2時間ほどで家には着くだろう。

最後の空が曇っていることだけが残念だ。

明日は予報通り雨かな。

東京町田
小さな旅に出て、こうして無事に帰っている。

宿の支配人みたいな男を除けば、接した人々は誰もがいい人ばかりだった。
ワインを買った店のベンチに座っていたじいさんも、とても優しい顔をしていた。

出発したのは2日前だけど、なんだかもっと前のことのように感じられる。

昨日など、あんなに簡単に眠ってしまったのに、それでもこの旅が長かったと感じられている。

それはきっといいことなのだろう。

でも今回は、この旅が今後のオレにどんな影響を及ぼすのかという話には興味が向かない。

言ってみればいつもそうだけど、暇だから行ったんだよ。
だからというわけじゃないが、親父に贈ったワインを除けば、誰への土産もない。
思いつきもしなかった。

いつまでこんな旅を続けるのかと聞かれれば、オレにも分からないさ。

ひとつだけ言えるのは、ひとりで出かけるのは誰か惚れた女性と結婚するまでのことだ。
もしくはそんな話になって、その女性に休日の自由を束縛されるまでだ。

今のオレにとっちゃ、夢みたいな話よ。
人に言わせれば、「そんな大袈裟な話かよ」ってところかもしれないけど、惚れた女性とくっつくのは大変なことだよ。

相変わらず気乗りのしない明日が待っている。

一昨日の晩は違ったんだ。
全然違ったんだよ。

だからまたどこか知らないところを見つけて出かけるだろう。

関連記事

「車旅日記」2003年夏【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】3日目(北見-羅臼-根室-帯広)走行距離682㎞ -北見東急イン、美幌駅、摩周湖、知床斜里駅、羅臼、根室駅、納沙布岬、釧路駅

車旅日記2003年8月15日 2003・8・15 7:37 北見東急イン1122号室 朝靄の街に

記事を読む

「鉄旅日記」2000年晩秋【京都の女性に恋をしていた頃がございました。その京都時代のはじまりでございます。】-京都タワーホテル

鉄旅日記2000年11月23日~24日 2000・11・23 0:03 京都タワーホテル924号室

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】その2-猿田、旭、八日市場、八街、成東、本納、茂原、千倉、佐貫町、姉ヶ崎、市川(総武本線、東金線、内房線、外房線)

鉄旅日記2012年3月12日その2・・・猿田駅、旭駅、八日市場駅、八街駅、成東駅、本納駅、茂原駅、千

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その3-勝沼ぶどう郷、大月(中央本線)

鉄旅日記2018年10月8日・・・勝沼ぶどう郷駅、大月駅(中央本線) 17:25 勝沼ぶどう郷(か

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、紀伊半島へ】最終日(紀伊勝浦-東京)その1-紀伊勝浦、太地、湯川、那智、三輪崎、新宮、丹鶴城公園、鵜殿(紀勢本線)

鉄旅日記2014年3月9日その1・・・紀伊勝浦駅、太地駅、湯川駅、那智駅、三輪崎駅、新宮駅、鵜殿駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】初日(東京-津山)-尾張一宮、播磨高岡、太市、余部、播磨新宮、三日月、西栗栖、美作江見、林野、上月、津山口、津山(東海道本線、山陽本線、姫新線)

鉄旅日記2014年8月13日・・・尾張一宮駅、播磨高岡駅、太市駅、余部駅、播磨新宮駅、三日月駅、西栗

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その1‐金町、北千住、上野、高崎(常磐線/高崎線)

鉄旅日記2019年12月7日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、高崎駅(常磐線/高崎線) 2019・12

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】2日目(弘前-小樽)その2-赤井川、姫川、東森、渡島砂原、森、野田生、山越、八雲、長万部、ニセコ、小樽(函館本線/渡島砂原支線)

鉄旅日記2016年8月11日・・・赤井川駅、姫川駅、東森駅、渡島砂原駅、森駅、野田生駅、山越駅、八雲

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】5日目(青森-八戸-気仙沼-女川-安達)その1-駅前ホテルニュー青森館、野辺地駅、三沢駅、十和田市駅、本八戸駅、陸中八木駅、久慈駅、岩泉駅、茂市駅

車旅日記2006年5月6日 2006・5・6 8:07 駅前ホテルニュー青森館311号室 夢で見

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その3‐岩峅寺、立山、電鉄富山、富山(富山地方鉄道立山線/富山地方鉄道不二越・上滝線)

鉄旅日記2020年3月21日・・・岩峅寺駅、立山駅、電鉄富山駅、富山駅(富山地方鉄道立山線/富山地方

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その3‐多治見、金山、豊橋、御厨(太多線/中央本線/東海道本線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・多治見駅、金山駅、豊橋駅、御厨駅(太

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その2‐猪谷、高山、久々野、古井、美濃川合(高山本線/太多線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・猪谷駅、高山駅、久々野駅、古井駅、美

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その1‐速星、越中八尾、楡原(高山本線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・速星駅、越中八尾駅、楡原駅(高山本線

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その5‐府中鵜坂、西富山、速星(高山本線)

鉄旅日記2020年3月21日・・・府中鵜坂駅、西富山駅、速星駅(高山本

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その4‐富山大学前、丸ノ内、南富山駅前、南富山、電鉄富山駅前、富山(富山地方鉄道市内線)

鉄旅日記2020年3月21日・・・富山大学前電停、丸ノ内電停、南富山駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑