*

「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その1-松本、辰野、北殿、伊那市、伊那福岡、伊那本郷、上片桐、飯田、天竜峡(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/22 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年10月8日・・・松本駅、辰野駅、北殿駅、伊那市駅、伊那福岡駅、伊那本郷駅、上片桐駅、飯田駅、天竜峡駅(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線)
2018・10・8  5:45  松本(まつもと)駅(篠ノ井線/大糸線 長野県)
昨夜も酒が過ぎたけど、いい夜だった。

そばイベントで賑わう街中にちょっとした蔵がある。
そこが友人が経営する食べ物屋さんなんだ。

彼はオレの話に怒り、嘆き、子供の幸福を祈り、そして自身の身の上を訥々と語った。

ここにも真実の友達がいたよ。

バスターミナルに人気はなく、早朝の駅は明るく、とても静かだった。

6:40  辰野(たつの)駅(中央本線辰野支線/飯田線 長野県)
ゲンジ蛍の里、松尾峡入口の看板が日に褪せている。
有賀峠を下りて、初めて辰野に寄った時も朝だった。

人気のないターミナル駅に着いた。

駅前喫茶はつぶれ、かつては駅そばが食べられた駅舎からはすべての店舗が出ていき、看板は外され巨大な体をもて余している。

駅前旅館はやっているようだ。
あの一杯飲み屋も夜には明かりをつけそうだ。

天竜峡行は運動部の青少年を多く乗せて発車した。

7:20  北殿(きたとの)駅(飯田線 長野県)
行き違い4分の停車。
青少年たちと改札に向かう。

構内踏切が鳴り、気になってすぐに戻る。

狭い駅前通りに日差しは満ちて、列車に戻ると驚くほどの青少年が乗っている。

7:39  伊那市(いなし)駅(飯田線 長野県)
ようこそレトロな街へ。

北伊那を出てしばらくすると飲み屋横丁が見えた。

駅を出て小路を行くと通りに沿ってアーケード街が形成されている。

北伊那で青少年の大半は降りた。

居残ったサッカー少年がゲームをしながら奇声を上げている。
時にうるさい。

8:18  伊那福岡(いなふくおか)駅(飯田線 長野県)
学生の大半は降りて、2両の車内は強い日差しを受けながら粛々と進行している。

不意に愛しきもののことが思い出され胸が痛む。

残っていた学生がここですべて降り、より閑散とした車内。
すすきの通路が黄金に光り、収穫という言葉が浮かぶ。

4分の停車。
たった一軒、味のある店が駅前にアクセントをつけていた。

8:38  伊那本郷(いなほんごう)駅(飯田線 長野県)
5分の停車。
高台から伊那谷を見下ろす場所に駅がある。

思わず体を伸ばす。

穏やかな晴天。
天竜峡を見に下っている。

8:59  上片桐(かみかたぎり)駅(飯田線 長野県)
3分の停車。
ここでも高台からの景色を写す。

ちょこちょこ停車しながらのんびり下る伊那路。

時に徐行して、ふと見る世界は緑と青。

赤はないかと何げなく目をやると座席が赤い。
色の調和のとれた車内。

次の伊那大島でも3分停車する。

9:40  飯田(いいだ)駅(飯田線 長野県)
5分の停車。
春4月以来の飯田。

売店があり、思わずウイスキーハイボールを購入。
小さな子供たちのかわいらしい姿に微笑み、太陽の下の飯田の街を見下ろし、写す。

この青空の下では街がざわめいているように感じる。

駅にはちょっとした改装の覆いがかかり、象徴的な赤屋根はさらに鮮やかさを増していた。

10:50 天竜峡(てんりゅうきょう)駅(飯田線 長野県)
竜神の加護を受けていると鑑定されたオレが、この場所を目指したのは必然だったのかもしれない。

4月にここを通って、あの橋を見た時は胸が騒いだ。

そして今日、荒れ狂う泥流を前に下る龍に祈った。
オレの幸福もまた必然としてこれから訪れる。



会社役員になった身の上。
土産くらい買って帰るさ。

暖簾を上げてはいるけど、やる気のない蕎麦屋に見切りをつけて、ビールを購入。

一大観光地への人出は穏やかで、小さな子供たちの歓声が響く。
うれしくなって、その方向に目を向ける。


関連記事

「鉄旅日記」2012年夏 【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】4日目(岩見沢-羽後本荘)-岩見沢、札幌、銭函、小樽、倶知安、蘭越、長万部、中ノ沢、五稜郭、上磯、釜谷(函館本線、江差線)

鉄旅日記2012年8月14日・・・岩見沢駅、札幌駅、銭函駅、小樽駅、倶知安駅、蘭越駅、長万部駅、中ノ

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】初日その2(東京-宇治)-香里園、寝屋川市、門真市、守口市、淀屋橋、天満橋、中之島、樟葉(京阪本線/京阪中之島線)

鉄旅日記2015年3月21日その2・・・香里園駅、寝屋川市駅、門真市駅、守口市駅、淀屋橋駅、天満橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線)

鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生【西武線を楽しむ日。いくつかのターミナル駅に降りてみたかったのでございます。】-小手指、西所沢、西武遊園地、小川、東村山、西武園、西武遊園地、萩山、小平(池袋線/狭山線/山口線/多摩湖線/国分寺線/拝島線/西武園線/新宿線)

鉄旅日記2018年3月17日・・・小手指駅、西所沢駅、西武遊園地駅、小川駅、東村山駅、西武園駅、西武

記事を読む

「車旅日記」1995年秋【恋に病んで・・・西へ。1号国道をひたすら、大阪の友に会いにいく。】その2-東寺、五条大橋、琵琶湖湖岸道路、米原、関ヶ原・・・・-

車旅日記1995年11月5日 1996・11・5 9:19 1号国道-東寺 京都乱入。 晴

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線)

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線) 11:4

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。ここから鉄旅が始まったのでございます。】最終日(小諸-軽井沢-高崎-水戸-東京)その2-高崎、新前橋、前橋、中央前橋、小山、水戸、東京葛飾金町(信越本線/両毛線/水戸線/常磐線)

鉄旅日記2005年11月7日・・・高崎駅、新前橋駅、前橋駅、中央前橋駅、小山駅、水戸駅(信越本線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】2日目(和歌山-松阪)その2-串本、新宮、尾鷲、紀伊長島、三瀬谷、多気、松阪(紀勢本線)

鉄旅日記2008年7月20日・・・串本駅、新宮駅、尾鷲駅、紀伊長島駅、三瀬谷駅、多気駅、松阪駅(紀勢

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その1(東京-岩倉)-蒲郡、三河鳥羽、吉良吉田、西尾、桜町前、新安城、知立、猿投、赤池、豊田市、新豊田(名鉄蒲郡線/名鉄西尾線/名鉄本線/名鉄三河線/名鉄豊田線)

鉄旅日記2015年3月7日その1・・・蒲郡駅、三河鳥羽駅、吉良吉田駅、西尾駅、桜町前駅、新安城駅、知

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、関東途中下車旅】その1-赤羽、岡本、烏山、大金、宝積寺、氏家、石橋、自治医大、小金井、小山(東北本線、烏山線)

鉄旅日記2013年3月31日その1・・・赤羽駅、岡本駅、烏山駅、大金駅、宝積寺駅、氏家駅、石橋駅、自

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線)

鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅

「鉄旅日記」2020年神無月【ツレと筑波山を訪ねたのでございます。関東に暮らす身にとりまして、高所に上がりますと平野の果てに浮かぶ筑波山はいつか登るべき山でございました。】-北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波山神社、沼田バス停、つくば駅(つくばエクスプレス/筑波山シャトル/筑波山ロープウェイ/筑波山ケーブルカー)

鉄旅日記2020年10月4日・・・北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その2 ‐茶屋町、岡山、倉敷、倉敷市、水島、常盤、栄、三菱自工前(宇野線/伯備線/水島臨海鉄道)/倉敷センター街、阿智神社、倉敷美観地区

鉄旅日記2020年9月22日・・・茶屋町駅、岡山駅、倉敷駅、倉敷市駅

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その1 ‐高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フェリー/直島宮浦→宇野フェリー)

鉄旅日記2020年9月22日・・・高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑