*

鉄旅日記」2012年初冬 最終日(長野-東京)その2-小諸、岩村田、佐久平、中込、臼田、小海、野辺山、清里、大月(小海線、中央本線) 【週末パスで、甲信越途中下車旅】

公開日: : 最終更新日:2025/06/19 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年12月9日その2・・・小諸駅、岩村田駅、佐久平駅、中込駅、臼田駅、小海駅、野辺山駅、清里駅、大月駅(小海線、中央本線)

13:38 小諸(こもろ)駅(小海線/しなの鉄道 長野県)
この街が、この駅が、この駅前風景が、オレにとって最も懐かしく、最も愛してやまないものだと、再訪してあらためて確信した。

信州の寒さを全身に浴びながら歩き回りシャッターボタンを押して回った。

小学生の頃に愛読した小山田いくさんの「すくらっぷ・ブック」という作品の舞台がたまたまオレの田舎でもあるここ小諸で、あの漫画の印象がオレの中での小諸を決定付けてもいる。

それにしても冬の旅はステキだ。




14:02 岩村田(いわむらだ)駅(小海線 長野県)
武田信玄軍記に何度も登場する町。

駅は中心部にはなく、駅前風景は寒々しく面白みを欠いている。

大正4年開業とのことで、当時からのものかどうかは不明だが駅舎は古く、待合室にはスートブが焚かれている。

14:55 佐久平(さくだいら)駅(長野新幹線/小海線 長野県)
ひと駅戻る。

長野新幹線開通により忽然と現れた街が高架から見下ろせる。
スーパー、ファミレス、紳士服メーカーの総合展示場と表現することもできる。

外に出たら気温1度。
雪が舞ってきた。

食事も含めれば駅は退屈させることはなかったが、さっきまで見えていた浅間連峰は隠れてしまった。

15:29 中込(なかごみ)駅(小海線 長野県)
旧中込小学校跡という重要文化財が残る町。

あの雨の日を思い出す。

文学の香りがした町に3度目の訪問があるのなら、その時はゆっくり町を歩いてみたい。

15:40 臼田(うすだ)駅(小海線 長野県)
きれいな青空になった。

ここはまだ佐久市内。
今見ている風景を覚えているような気がする。

駅前から伸びる道に廃れたような印象はなく、歩いてみたいと思ったところで素敵な女性とすれ違った。

16:08 小海(こうみ)駅(小海線 長野県)
おそろしく寒かった。

スーパーマーケット、医療施設が併設された駅の出入りは多く、千曲川に沿った通りには小奇麗な商店が続いていた。

Tさんと登った夏の八ヶ岳。
あの帰りにほんの数分いた場所だよ。

最近降った雪が苔のように散らばっている。

16:58 野辺山(のべやま)駅(小海線 山梨県)
JR駅の中で最高所に位置する駅として鉄道ファンに知られる野辺山には靴が埋まるほどの雪が積もり、遠くにかつて滑りにいったスキーゲレンデの灯が見えた。

気づけばスキー客の姿も車内に見える。

当たり前だが、そんな時期になっている。

17:32 清里(きよさと)駅(小海線 山梨県)
凍りついた町で寒さに震える電信柱の声を聞いた。
本当だよ。
確かに聞いたんだ。

次の小淵沢行きが来るのは1時間後。
大雪の降った高原リゾートを訪れる者はなく、駅前の灯は消え、営業している店は僅かに1軒を数えるのみ。

外では風が荒れ狂い、また何かの泣き声が聞こえた。

誰もいない暖房の効いた待合室で買い置きの酒と共に読書に耽った。
いい時間だったよ。

2度煙草を吸いに席を立ち、凍えながら戻る。

18:00のメロディーは夕焼け小焼け。
東京で聞くことはないが、旅をしているとこうして聞く機会が訪れる懐かしいメロディーだ。

多くの大切な思い出のようなものだ。
それらも日常では顔を出す機会を失われている。

乗客がやってきた。
列車の到着が近い。

かつて清里に遊びにいったことがある。
オレを含めて確か6人いた筈だ。
あの時は駅に用はなかった。
でもオレは駅がどこにあるのかずっと気になっていた。

たいした話じゃないが、これでつかえはとれた。
とてもよかったと思っているんだよ。


20:47 大月(おおつき)駅(中央本線 山梨県)
たいした違いはないだろうが、予定を変更してほんの少しだけ家に早く帰れる手を打った。

大月だけに限った話じゃないが、駅前はクリスマス・イルミネーションに彩られている。
悪くない光景だ。

雪は小淵沢ではすでにあるかなしかの状態で、甲府では別の世界のことのように感じた。

でも寒い。
とても寒い。
12月に冬を感じ、雪に濡れたのはオレにとって初めてのことだろう。

そしていろいろあった2012年もじきに終わる。
オレの公式行事も今日で終わりだ。

Yちゃんに感謝しないといけないな。

関連記事

「車旅日記」2000年夏Part.1 最終日(小千谷-桐生-下妻-東京)道の駅おぢや、塩沢らーめんショップ、月夜野情報サービスセンター、旅の駅桐生、道の駅しもつま、柏市あけぼの2丁目、葛飾金町 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月23日 2000・7・23 2:09 17号国道‐おぢや(道の駅) 都合3時

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 初日その2(東京-宇治)-香里園、寝屋川市、門真市、守口市、淀屋橋、天満橋、中之島、樟葉(京阪本線/京阪中之島線) 【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】

鉄旅日記2015年3月21日その2・・・香里園駅、寝屋川市駅、門真市駅、守口市駅、淀屋橋駅、天満橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2007年新春 2日目(高岡-金沢)-高岡駅前、越ノ潟、高岡、氷見、高岡、城端、金沢(万葉線/氷見線/城端線/北陸本線) 【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】

鉄旅日記2007年1月7日・・・高岡駅前駅、越ノ潟駅、高岡駅、氷見駅、高岡駅、城端駅、金沢駅(万葉線

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その1‐湯沢、四ツ小屋、秋田、森岳(奥羽本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

駅旅日記2020年1月12日・・・湯沢駅、四ツ小屋駅、秋田駅、森岳駅(奥羽本線) 2020・1・1

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 いよいよ金沢へ‐その1(R1→湖岸道路)伏見、山科西野、大津駅、瀬田駅、守山、彦根

車旅日記1996年5月5日 1996・5・5 11:36 1号国道‐伏見 黄金週間の混雑は古都の上

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 最終日(釜石-東京)その1‐釜石、遠野、宮守(釜石線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月24日・・・釜石駅、遠野駅、宮守駅(釜石線) 2020・2・24 5:39

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 (姫路-十三)その1-山陽姫路、山陽網干、飾磨、大塩、高砂、山陽垂水、垂水、滝の茶屋、山陽塩屋、塩屋、山陽須磨(山陽電車本線/山陽電車網干線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・山陽姫路駅、山陽網干駅、飾磨駅、大塩駅、高砂駅、山陽垂水駅、垂水駅

記事を読む

「車旅日記」2000年春 初日(東京‐足利‐鬼怒川‐会津若松‐新潟豊栄)その2‐足利郊外ポテチーノ、下今市駅、鬼怒川ホテルニュー岡部、上三依塩原駅、会津若松駅、津川町、道の駅豊栄 【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】

車旅日記2000年5月3日 15:12 293号国道‐足利郊外ポテチーノ 108㎞ 繁華街を抜ける

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 最終日(和田山-東京)その1-和田山、福知山、丹波竹田、石生、篠山口、三田、神鉄三田、宝塚、阪急宝塚、川西池田、川西能勢口、伊丹、阪急伊丹(山陰本線/福知山線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月23日・・・和田山駅、福知山駅、丹波竹田駅、石生駅、篠山口駅、三田駅、神鉄三

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その1‐北上、横手、醍醐、十文字、下湯沢(北上線/奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・北上駅、横手駅、醍醐駅、十文字駅、下湯沢駅(北上線/奥羽本線)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その3 ‐小牛田、古川、上野目、池月、鳴子温泉、中山平温泉(陸羽東線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

2022年6月11日・・・小牛田駅、古川駅、上野目駅、池月駅、鳴子温

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その2 ‐いわき、竜田、原ノ町、鹿島、新地、仙台(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・いわき駅、竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅

「鉄旅日記」2022年水無月 初日(東京-中山平温泉)その1 ‐金町、石岡、友部、水戸(常磐線)【鳴子温泉郷の湯を求めての旅でございます。】

鉄旅日記2022年6月11日・・・金町駅、石岡駅、友部駅、水戸駅(常

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。最終日(下部温泉-東京) ‐下部温泉、波高島、身延、甲斐大島、内船、西富士宮、富士宮、東田子の浦(身延線/東海道本線)/富士浅間神社【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月29日・・・下部温泉駅、波高島駅、身延駅、甲斐

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

→もっと見る

    PAGE TOP ↑