*

「鉄旅日記」2017年夏 最終日(十三-東京)その1-十三、大阪梅田、大阪、東淀川、茨木、島本、桜井の繹跡、桂川、京都(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線) 【私鉄王国で過ごす夏】

公開日: : 最終更新日:2025/05/24 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年8月14日・・・十三駅、大阪梅田駅、大阪駅、東淀川駅、茨木駅、島本駅、桂川駅、京都駅(阪急電鉄宝塚本線/東海道本線)/桜井の繹跡

6:50 十三(じゅうそう)駅(阪急電鉄神戸本線/阪急電鉄宝塚本線/阪急電鉄京都本線 大阪府)
アーケード街が縦横に伸びる十三。
昨夜の人出も凄かった。

東口の商圏は広くない。
でも優に街一個分の繁華街を形成している。

西口はさらにすさまじい。
あの小便小僧の後ろ姿はなんなのだ。
あれを街のシンボル的に扱っているところに、大阪のユーモアがある。

高架通り脇の薄暗い一帯にクラブが集まったビルがある。
そこだけ人の姿がなく、ヤバそうなまでに暗い。
もちろん用があるわけでもなく、引き返す。

大阪名物「じゃんぼ総本店」のお好み焼きが、あんなにも美味いとは。

ホテルでfacebooK、LINE。
そのまま眠ってしまった。

オレの日常も変わった。

真夏にしては涼しい日々。
明けた今日も、それは変わらない。

車窓から眺める淀川

7:05 大阪梅田(おおさかうめだ)駅(阪急電鉄神戸本線/阪急電鉄宝塚本線/阪急電鉄京都本線 大阪府)
車窓から淀川を写す。

梅田駅の自動改札には目を見張る。
横一列におそらく50以上並んでいる。

空港を思わせる長大な空間は、阪急らしくエレガントで、それは改札を出て阪急ビルを出るまで続く。

かつて、阪急百貨店に勤めながら、夜は京都祇園で働く女性と会った。

京都で働いてみたかったと、タフな日常を送る彼女は笑った。

たった一度だけ会った、たったひとりだけ知っている大阪出身の女性。
源氏名は確かミチルさんといった。
本名は知らない。

一昨日までは縁がないと思っていた阪急にも、そんな縁があったことを思い出した。


大阪(おおさか)駅(東海道新幹線/東海道本線/福知山線 大阪府)にて

7:25 東淀川(ひがしよどがわ)駅(東海道本線 大阪府)
大阪梅田駅から通りを渡れば、大阪駅。
いよいよ私鉄王国関西を離れなければならない。

もっと大阪に触れたくて、新大阪の次の東淀川で降りる。

東西口に別々の駅舎を構える広大な敷地。
線路はいくつ敷かれているだろう。
踏切がなかなか開かず、若干の焦りを覚える。

ここに大阪商店街文化はなく、どことなく侘しさを感じるグレーのビル。

角の「じゃんぼ総本店」が開くのは昼前だ。


7:48 茨木(いばらき)駅(東海道本線 大阪府)
駅は改装中。
スカイパレットのみ、先に完成を見ていた。

反対側の出口に人の流れが集まる。
右にある大きな集合住宅が目を引く。

見渡したところ、高架橋を下りてみようと思わせるものはない。
場所を変えて2度見渡す。

足を痛めている。
改札に戻った。

次の列車が発車して、バス通りを越える。

通りの両側にグレーのアーケードが見えた。
町はそこにあった。

茨木駅前風景

8:14 島本(しまもと)駅(東海道本線 大阪府)
列車は街を離れて、車窓に水田を見る。

島本で降りようと決め、改札を抜けて壁に貼られた歴史案内を見ると、なんと駅脇に楠公親子別れの「桜井の繹跡」がある。

昨日の湊川神社のこともあり、こんな偶然もあるものかと喜んだ。

楠木正成、正行親子の今生の別れなどイメージできようはずがなく、感動するよりも心情的にはツラい。

この別れの後、父楠木正成は、勝てぬ戦をするために神戸に向かい、
息子楠木正行も、数年後に同じく勝てぬ戦をするために河内四条畷で敵を待つ。

所詮は長生きできる身にあらずと、早くから決していた楠木正行。
何度書に目を通しても、そのたびに彼の心情に打たれる。

史跡公園である「桜井の繹跡」は、そこを日常とする人々の笑い声に満ちていた。

水田側に下りると、農道発展型のような道が山崎天王山に向かって続いていた。

桜井の繹跡



8:30 桂川(かつらがわ)駅(東海道本線 京都府)
オレが所持している古い時刻表に、この駅は載っていない。
2008年の開業とある。
新しい駅だ。

駅前は軍事施設とイオンモールが両翼を占め、中央を通りが地下を貫いている。
羽田あたりを見るような既視感を持つ。

エスカレーターでは、追い越し用に右側を空ける東京とは逆の関西仕様に慣れた頃だが、これでまたしばらくのお別れ。

列車は京都に着く。

桂川駅前風景

8:58 京都(きょうと)駅(東海道新幹線/東海道本線/山陰本線/奈良線/湖西線/近鉄京都線 京都府)
かつてあれほど焦がれ、通った京都。
最近じゃスルーしている。

今回もそのつもりだったが、まずはきざみうどん350円。
関西ではこれに限る。

ネギとあげさんを刻んだものが乗ってる。
天かすは盛り放題。
素晴らしい。

米原方面への新快速が思うように来ない。
仕方なくということもないが、改札を出る。

そうしたら、一気に京都時代が蘇った。

京都タワーホテル、当時から古かったが、随分古ぼけたものだ。
ただ一度、二人で幸せな朝を迎え、ひとりの時は地下の銭湯にいった。

あの中央改札を挟んで、軽く口づけを交わしたのは祇園祭の宵山。

それらの記憶も手元に置いていたつもりが、いつの間にか奥にいっていた。
無常そして無情は、オレにも当てはまる。

海外からの観光客が朝から多く行き交う京都。
東京も真っ青の人波だ。

もしオレに外国人の友人がいたら、オレも京都に行くことを勧めるよ。


関連記事

「車旅日記」2004年春 4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その3-稚内サンホテル 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】

車旅日記2004年5月4日・・・稚内サンホテルにて 21:39 稚内サンホテル325号 素敵な部屋

記事を読む

「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅】その2-久留里、上総亀山、横田、木更津、巌根、袖ヶ浦、長浦、姉ヶ崎、八幡宿、浜野(久留里線、外房線)

鉄旅日記2013年2月17日その2・・・久留里駅、上総亀山駅、横田駅、木更津駅、巌根駅、袖ヶ浦駅、長

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生【秩父へ。西武線とのお別れでございます。】-練馬区役所、芦ヶ久保、西武秩父、御花畑、秩父、入間市(西武秩父線/秩父鉄道/西武池袋線)

鉄旅日記2018年3月24日・・・芦ヶ久保駅、西武秩父駅、御花畑駅、秩父駅、入間市駅(西武秩父線/秩

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-下北)その1-郡山、安達、苦竹、東仙台、花泉、石越(東北本線、仙石線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月19日その1・・・郡山駅、安達駅、苦竹駅、東仙台駅、花泉駅、石越駅(東北本線、

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 最終日(鷹ノ巣-東京)その1‐鷹ノ巣、二ツ井、鷹巣、阿仁合(奥羽本線/秋田内陸縦貫鉄道) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】最終日(鷹ノ巣-東京)

鉄旅日記2023年1月13日・・・鷹ノ巣駅、二ツ井駅、鷹巣駅、阿仁合駅(奥羽本線/秋田内陸縦貫鉄道)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その3-梓橋、姨捨、北長野、三才、直江津(大糸線/篠ノ井線/しなの鉄道/えちごトキめき鉄道)【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月10日・・・梓橋駅、姨捨駅、北長野駅、三才駅、直江津駅(大糸線/篠ノ井線/しな

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その1 ‐湯瀬温泉、鹿角花輪、十和田南(花輪線)/和心の宿姫の湯 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月9日・・・湯瀬温泉駅、鹿角花輪駅、十和田南駅(花輪線)/和心の宿姫の湯

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 最終日(鷹ノ巣-東京)その4‐中条、新発田、新津、長岡(羽越本線/信越本線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月13日・・・中条駅、新発田駅、新津駅、長岡駅(羽越本線/信越本線) 17:3

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その5‐小国、坂町、新津(米坂線/羽越本線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記2020年4月4日・・・小国駅、坂町駅、新津駅(米坂線/羽越本線) 17:50 小国(おぐ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景

2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その4 ‐西国分寺、北府中、新小平、青梅街道、北朝霞、朝霞台(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・西国分寺駅、北府中駅、新小平駅、青

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その3 ‐南甲府、金手、甲府、八王子、京王八王子(身延線/中央本線)/甲府城跡 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・南甲府駅、金手駅、甲府駅、八王子駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その2 ‐十島、鰍沢口、甲斐住吉、国母、常永(身延線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・十島駅、鰍沢口駅、甲斐住吉駅、国母

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑