*

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、相模・駿河・甲斐途中下車旅】その2-富士宮、身延、鰍沢口、市川大門、南甲府、石和温泉、山梨市、塩山、甲斐大和、四方津、梁川、上野原、国分寺、武蔵境(身延線、中央本線)

公開日: : 最終更新日:2024/06/04 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年3月20日その2・・・富士宮駅、身延駅、鰍沢口駅、市川大門駅、南甲府駅、石和温泉駅、山梨市駅、塩山駅、甲斐大和駅、四方津駅、梁川駅、上野原駅、国分寺駅、武蔵境駅(身延線、中央本線)

12:59 富士宮(ふじのみや)駅(身延線 静岡県)
富士駅で乗り換え。

肝心の富士山は雲に隠れている。
仕方がない。

ジャック・ブリスコ×ザ・デストロイヤーのNWA世界戦が行われた町は今、どこからか焼きそばの匂いが漂う街として名を馳せている。

本町のアーケードを歩いてきたよ。

じきに列車が来るんで行くが、ここじゃ、麓じゃ、いつも富士山とは縁がない。

14:14 身延(みのぶ)駅(身延線 山梨県)
去年の台風被害で止まっていた身延線が開通したのは3日前のことだという。
知らなかったな。

前回が何年前だったか覚えていないが、2両の座席は埋まっている。

釜無川に沿い、身延山久遠寺の麓で静かな時をしばし過ごした。

行き交う車の量もすくない静謐な場所だ。

14:55 鰍沢口(かじかざわ)駅(身延線 山梨県)
沿線風景に変化は見られない。

無人駅で甲州の山並みに目をやる。

あれは南アルプスになるのか。

煙った山々を望む。

15:02 市川大門(いちかわだいもん)駅(身延線 山梨県)
武田信玄の弟、一条信龍が甲斐に侵攻した織田軍に捕らわれ斬られた町。
それからしばらくして甲斐の国は滅びた。

山梨県が最強軍団を擁する地域として一番輝いた時代が430年ほど前にあった。
駅名を聞いて、そんなことを思っていたよ。

南アルプスがいよいよ近い。

竜宮城のようなこの駅舎は何に由来するものだろう。

15:33 南甲府(みなみこうふ)駅(身延線 山梨県)
数多くの駅を辿ってきた身延線の旅もそろそろお開き。

甲府が近づき乗客が増え、気づけば風景が家並みに埋め尽くされている。

大きくカーブを切ると座席正面に富士山が頭を出した。

富士宮じゃ悪かったなってところか。
おかしみのある姿だったよ。

南甲府駅は威容だった。

16:27 石和温泉(いさわおんせん)駅(中央本線 山梨県)
甲府駅で乗り換え。

海から山へ。
日本は美しい。
今日が春初日。

南アルプスに囲まれた駅前の温泉街をぶらぶらと歩く。
「週末は山梨で」という色褪せたポスターに惹かれ、ああそれもワルくないなと思う。

まるでかくれんぼのように時折富士山が頭を出す。

中央本線を辿る経験はそう多くない。
ひとりじゃ初めてだ。

16:44 山梨市(やまなしし)駅(中央本線 山梨県)
盆地の街が高原のような爽やかさに満ちた春初日。

甲斐の山々から雪の覆いがとれるまであとどれくらいの日数が必要だろう。

夕日に赤く染まる峰々が生命力に満ちている。

17:13 塩山(えんざん)駅(中央本線 山梨県)
予定に齟齬が生じ、ここで30分の停車。

前回ここに下りたのとは反対側、つまり富士山側の生活に分け入った。

空気からだろうが、山間の国々を歩くと清潔という言葉を思い出す。

東京が近いことは知っているが、しばし忘れたい。

早く家に帰りたいとも思うが、それ以外のことはしばし忘れたい。

17:51 甲斐大和(かいやまと)駅(中央本線 山梨県)
こうしてまたこんな時間が訪れる。

人が集まる駅という空間にいるが、ここにはオレ以外誰もいない。

そして穏やかに日が暮れていこうとしている。
この武田家終焉の地で。

ナントかの日が暮れて。。
大好きなメロディーが流れる中を駅に下りて、ヤマザキのお店で酒をあっためてもらい、さっきからこうしてる。
たまらなく好きだ。

そして帰る場所を想う。
ようやく人生が素晴らしくなってきた。

18:44 四方津(しおつ)駅(中央本線 山梨県)
甲州街道沿いの小さな駅で特急の通過待ちによる途中下車。

ほんのりとした灯に包まれたいい駅だった。

思い返す。
かつてのオレが車で甲州街道を上下していた。

18:59 上野原(うえのはら)駅(中央本線 山梨県)
かつて富士見パノラマスキー場に行って大雪に降られ、中央道は通行止めとなり、遅々として進まない甲州街道を夜を継いで帰ってきたことがある。

最悪これくらいにはどこそこに着くだろうという最悪の予想をことごとく塗り替えていく悪夢のような帰り道だった。

翌日の昼頃に渋滞も解消し、食事を摂れる店を探してこの穴倉のような駅に寄ったんだ。

穴倉、、そう思わせる面白い構造の駅だ。
山梨は景色に変化があって素晴らしい。

故あって甲府行に乗る。
まだ旅を終わらせる時間じゃない。

19:13 梁川(やながわ)駅(中央本線 山梨県)
2駅戻る。

甲州街道を走る車の音だけが聞こえる駅。

駅員の姿はなく、単独での入山に注意を呼び掛ける表示の他に目を引くものはない。

20:19 国分寺(こぶんじ)駅(中央本線 東京都)
昔香る街は丸井の街。

そして今じゃオレの馴染みとなった地域に向けて、西武線がここ国分寺から線路を伸ばしている。

駅を出ると様々な客引きがコンサート会場でのダフ屋のように陣取りをしている。

正真正銘初めて訪れた東京の街。
オレにはやることがまだまだたくさんある。

20:37 武蔵境(むさしさかい)駅(中央本線 東京都)
高架化完成まであと一息。
そんな状態の駅。

当然暗いが、武蔵野の風情というものがあの美術館らしきあたりにはあった。

街の奥行きはたいしてなく、平日祝日ということもあって人波はおとなしいものだった。

ここからも是政に向けて西武線が走っている。

街がきれいになるのはいいが、中央本線が地べたを走ってる頃にこの駅に降りてみたかった。

ここ武蔵境から西武線が分岐していく様を見るのがオレは好きだった。

関連記事

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】最終日(観音寺-東京)-観音寺、宇多津、岡山、瀬戸、高槻、山崎、名古屋、豊橋、掛川、熱海、金町(予讃本線/瀬戸大橋線/山陽本線/東海道本線)

鉄旅日記2009年5月6日・・・観音寺駅、宇多津駅、岡山駅、瀬戸駅、高槻駅、山崎駅、名古屋駅、豊橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線)

鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】2日目(十日町-長岡)-十日町、戸狩野沢温泉、長野、松本、信濃大町、南小谷、直江津、柿崎、長岡(飯山線/篠ノ井線/大糸線/北陸本線/信越本線)

鉄旅日記2009年7月19日・・・十日町駅、戸狩野沢温泉駅、長野駅、松本駅、信濃大町駅、南小谷駅、直

記事を読む

「鉄旅日記」2007年如月【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】初日(東京-天王寺)-東京、名古屋、大垣、米原、草津、柘植、京都、木津、京橋、天王寺(東海道新幹線/東海道本線/草津線/奈良線/学研都市線/大阪環状線)

鉄旅日記2007年2月10日・・・東京駅、名古屋駅、大垣駅、米原駅、草津駅、柘植駅、京都駅、木津駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月【夜汽車に乗って東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】初日(東京-米子)-静岡、豊橋、本竜野、播磨新宮、佐用、東津山、米子(東海道本線/姫新線/因美線/山陰本線)

鉄旅日記2007年5月3日・・・静岡駅、豊橋駅、本竜野駅、播磨新宮駅、佐用駅、東津山駅、米子駅(東海

記事を読む

「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】初日(長岡-会津-福島-山形)走行距離388㎞ その2-福島駅、峠駅、今泉駅、荒砥駅、アパホテル山形駅前大通

車旅日記2005年7月16日・・・福島駅、峠駅、今泉駅、荒砥駅、アパホテル山形駅前大通 17:00

記事を読む

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下

記事を読む

「鉄旅日記」2011夏【みちのくひとり旅】2日目(秋田-函館)-秋田、男鹿、追分、八郎潟、北金岡、大館、浪岡、新青森、青森、中沢、郷沢、蟹田、三厩、五稜郭、函館(男鹿線/奥羽本線/津軽線/津軽海峡線/江差線)

鉄旅日記2011年8月14日・・・秋田駅、男鹿駅、追分駅、八郎潟駅、北金岡駅、大館駅、浪岡駅、新青森

記事を読む

「鉄旅日記」2013年春【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】最終日(和歌山-東京)その1-打田、妙寺、高野口、橋本、五条、吉野口、法隆寺、平城山、木津、京田辺、四條畷、住道(和歌山線、関西本線、学研都市線)

鉄旅日記2013年4月7日その1・・・打田駅、妙寺駅、高野口駅、橋本駅、五条駅、吉野口駅、法隆寺駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線)

鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線)

鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅

「鉄旅日記」2020年神無月【ツレと筑波山を訪ねたのでございます。関東に暮らす身にとりまして、高所に上がりますと平野の果てに浮かぶ筑波山はいつか登るべき山でございました。】-北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波山神社、沼田バス停、つくば駅(つくばエクスプレス/筑波山シャトル/筑波山ロープウェイ/筑波山ケーブルカー)

鉄旅日記2020年10月4日・・・北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その2 ‐茶屋町、岡山、倉敷、倉敷市、水島、常盤、栄、三菱自工前(宇野線/伯備線/水島臨海鉄道)/倉敷センター街、阿智神社、倉敷美観地区

鉄旅日記2020年9月22日・・・茶屋町駅、岡山駅、倉敷駅、倉敷市駅

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】最終日(高松-東京)その1 ‐高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇野港、宇野駅(高松→直島宮浦フェリー/直島宮浦→宇野フェリー)

鉄旅日記2020年9月22日・・・高松港3番乗場、直島宮浦海の駅、宇

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑