「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その3 ‐鹿島神宮(鹿島線)・・・その1‐天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神社/鎌足神社/龍神社/鹿島神宮 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】
鉄旅日記2022年2月5日・・・鹿島神宮駅(鹿島線)/天狗党墓/鹿島神宮西の一之鳥居/大船津稲荷神社/鎌足神社/龍神社/鹿島神宮
12:26 鹿島神宮(かしまじんぐう)駅(鹿島線/鹿島臨海鉄道 茨城県)
駅のホームから鹿島アントラーズの歴代ユニフォームが並んだ階段を下りていく。
閑散とした駅前。裏にコンビニがあることは4年前に知っている。オレの旅だ。酒がなきゃな。日だまりを探してビールと肉まん。最初に目指す天狗党墓は駅前地図にも載っていた。
線路に沿って進み、県道の手前で右に折れると墓場が丘へと続いている。そして奥に若干の霊気。
歴史遺産として案内板が置かれた墓所。霊気。
手を合わせるとこんな言葉が口をついて出た。「天狗党諸君、君達は歴史に名を残している。安らかに眠りたまえ。」
高校時代にチープな小説を書いて、恥ずかしくも学校に提出した。そんなものを30年も保存するはずもなく、もはや存在しないだろう。
「小説水戸」。幼馴染みの二人は天狗派と諸生派に分かれ、ひとりは敦賀で果て、諸生派はその後の水戸市街戦で捕らわれ斬られる。水戸には誰も残らなかった。そんな話。
墓の下にいるのは船津で幕府追討軍に破れ捕らわれ、斬刑に処せられた23名の隊士。埋葬された当時ここは馬捨て場だったという。

攘夷実行を掲げ筑波山で挙兵した天狗党。藤田小四郎、武田耕雲斎率いる本隊は各所を転戦してさすらう。木曽を粛々と通過していく姿は島崎藤村の「夜明け前」に描かれている。
徳川慶喜への嘆願を目的に京都を目指すが進路を妨害され北陸へ。越前大野で停止。そして敦賀で武装解除後に大殺戮という惨劇。その歴史はまだ比較的新しい。
鹿島神宮西の一之鳥居を目指す。墓所を下りて、小高い場所からはその姿が見えた。国道を進む。やがて神宮橋にかかる。

北浦に架かる橋からもその姿を目にしたかった。鹿島線の車窓からもその姿は目にしていて、位置もつかめている。北浦に立つその巨大な姿は左手に現れる。対岸には工場群の煙突と煙。

正面へ。誰ひとりいない湖畔にひとり立つ。手をかざして龍神にも祈りを。



離れがたい場所だった。観光案内板によれば歴史は古く、水場に立つ鳥居としては厳島神社よりも大きく、日本最大とのこと。



鹿島神宮へ。国道は避けて西の一之鳥居からまっすぐに鄙びた道を往く。大船津稲荷神社に立ち寄り手を合わせる。ご縁とお導きに感謝を。

やがて左手に鎌足神社。大化の改新というクーデターの首謀者中臣鎌足あらため藤原鎌足を祀っていて、彼の生家と伝わっている。奈良にもそうした場所があるとのこと。当時の箱根以東は遠く信じがたいことではあるが、所縁もないところにそのような言い伝えが残るわけもない。歴史の面白さがそこにある。


鹿島神宮参道に入るとそば屋や飲食店が並び始め、にわかに人出が増える。

そこにひっそりと龍神社。2柱の龍神を祀っているとのこと。新たに生まれた龍神「信龍」と虎神「望虎」を守護に持ち、他にも多くの守護龍に守られている身。まさにご縁とお導きに深く感謝。

鹿島出身の剣聖塚原卜伝の生涯を伝える紙芝居が置かれた広場にも立ち寄り、深くは知らなかった彼の剣生を追った。剣はオレにも縁がある。もっとも、剣の奥義などは知るよしもなく、心が研かれることはなかったが、この年齢になり、ようやく一端に触れ得た心地でいる。禅への傾倒が深く結びついている。

鹿島神宮表参道の大鳥居をくぐり本殿に手を合わす。奥宮は改築中。





右に進めば要石。石が地上にわずかに姿を見せているが、実は巨大なものだという。

左に行けば御手洗池。枯れることのない池を鯉が舞い游ぐ。

鹿園には犬を近づけるなとの注意。神の使いはここ鹿島でも。奈良、宮島では放し飼いにされている。里山では害獣の扱いも受ける存在。世の矛盾を背負わされているとも言えて、複雑な思いが若干よぎる。いずれにせよ、その姿は愛らしい。
ホテルズドットコム(Hotels.com)予約キャンペーン https://jp.hotels.com/
スーパーマーケット成城石井 http://www.seijoishii.com/
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】
鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 初日(東京-砺波)その2 ‐電鉄魚津、西魚津、新魚津、魚津、高岡(富山地方鉄道本線/あいの風とやま鉄道)/魚津城跡 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月21日・・・電鉄魚津駅、西魚津駅、新魚津駅、魚津駅、高岡駅(富山地方鉄道本
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(岩徳線/山陽本線)/虹ヶ浜
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その2‐浜坂、東浜、福部、鳥取(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月24日・・・浜坂駅、東浜駅、福部駅、鳥取駅(山陰本線) 8:55&nb
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 2日目(湯瀬温泉-三沢)その4 ‐板柳、川部、撫牛子、大釈迦、鶴ヶ坂(五能線/奥羽本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月9日・・・板柳駅、川部駅、撫牛子駅、大釈迦駅、鶴ヶ坂駅(五能線/奥羽本線)
-
-
「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】
2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川線) 13:18 奥大
-
-
「鉄旅日記」2012年春 その1-保谷、稲毛、都賀、四街道、久住、下総神崎、松岸、銚子(総武本線、成田線) 【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】
鉄旅日記2012年3月12日その1・・・保谷駅、稲毛駅、都賀駅、四街道駅、久住駅、下総神崎駅、松岸駅
-
-
「鉄旅日記」2007年如月 2日目(天王寺-奈良)その2-なんば、上本町、鶴橋、桃谷、寺田町、天王寺、恵美須町、新今宮、奈良(南海電鉄南海線/関西本線) 【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】
鉄旅日記2007年2月11日・・・なんば駅、上本町駅、鶴橋駅、桃谷駅、寺田町駅、天王寺駅、恵美須町駅
-
-
「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】
鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄
-
-
「鉄旅日記」2013年夏 初日(東京-徳山)穂積、姫路、英賀保、金光、福山、天神川、徳山(東海道本線、山陽本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】
鉄旅日記2013年8月10日・・・穂積駅、姫路駅、英賀保駅、金光駅、福山駅、天神川駅、徳山駅(東海道
