「鉄旅日記」2016年夏 4日目(富良野-大館)その1-富良野、滝川、岩見沢、白石、新札幌、北広島、恵庭、千歳、新千歳空港(根室本線/函館本線/千歳線/石勝線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】
鉄旅日記2016年8月13日・・・富良野駅、滝川駅、岩見沢駅、白石駅、新札幌駅、北広島駅、恵庭駅、千歳駅、新千歳空港駅(根室本線/函館本線/千歳線/石勝線)
2016・8・13 6:12 富良野(ふらの)駅(根室本線/富良野線 北海道)
ラベンダー畑の富良野。
ドラマ「北の国から」の舞台。
どちらもオレには縁がない。
冷房をかけずに眠れる街だった。
北海道のど真ん中、つまりへその位置にあるということで、「北海へそ踊り」、「へそ歓楽街」と妙なものを持ちだして街を宣伝している。
ここに来なければ知るよしもないことだ。
10分も歩けば十分な駅前だった。
公園で一夜を明かした自転車旅のカップルが水道で顔を洗っていた。
今日は富良野の花火大会。
会場の空知川はどこを流れる?
ファイターズの2軍一座ももうすぐ富良野にやってくる。



富良野駅周辺風景




7:54 滝川(たきかわ)駅(函館本線/根室本線 北海道)
途中の芦別は降りてみたい街だった。
空知川は根室本線に沿ってここ滝川へと流れていた。
到着を前にして汽笛の音を聞いた。
昨日急いで街に入り、すぐに離れた滝川。
スマイルビルだけが頭に残っていた。
あのビルは正常に機能しているのか。
それとももはや廃墟なのか。
探りつつ、おおかた何もないだろうと歩き始めたらスマイルビルの脇から三楽街までアーケード街が延びていた。
高林デパートほか無残な姿を晒したまま未だに商店街に加わっているものもあるが、歩けてよかったよ。
昨日の印象のまま街を離れていたら大変な失敗を犯していた。
滝川にも、どうにか街として生き残っていって欲しい。
駅前ターミナルを改造中だったけど、どうかホテルも用意してほしい。
滝川駅周辺風景



8:57 岩見沢(いわみざわ)駅(函館本線/室蘭本線 北海道)
4年ぶり3度目の岩見沢。
滝川から乗った列車が岩見沢行だった。
2度目はもう4年前のことになるのか。
あの頃は現在を想像できなかった。
よちよち言葉を覚えたばかりの子供がママに甘えている。
声だけじゃ男か女か判らないものだな。
あっ、女の子か。
可愛らしい笑顔を見せてこっちを振り向いた。
こんなことを旅日記に記す者になって岩見沢に帰ってきた。
幸せになって帰ってきたよ。
音楽ホールのような外観も、駅ナカも相変わらずきれいで、気持ちよくトイレを使わせてもらった。
残念だが、それだけで3度目の岩見沢は時間切れ。

9:44 白石(しろいし)駅(函館本線/千歳線 北海道)
札幌の高層化は江別方面にまでは及んでいない。
函館本線の通勤化政策は小樽方面に特化しているのかもしれない。
ここから札幌までは2駅。
千歳線との分岐駅になる。
平凡な住宅街に黒を基調としたシックな外観の駅があった。
あのデザインは気に入った。
すれ違う女性に目を向けるのは男として当然だが、子どもに真っ先に目がいくようになった。
そんな人生になったことに面白さを感じている。

10:06 新札幌(しんさっぽろ)駅(千歳線/札幌市営地下鉄東西線 北海道)
ここにはびっくりした。
地下鉄接続駅だけど広大な駐車場を備え、アークホテルにイオン、名店街、「駅そば」もある。
名店街に入っていた面々にはスナックも混じっていてなかなか面白い。
いつ頃誕生した駅だろうか。
白石から一度田舎風景が現れ、その後に唐突に現れた都会だった。


10:24 北広島(きたひろしま)駅(千歳線 北海道)
都会は姿を消し、線路は草に隠れる。
ここには巨大なショッピングモールがあると兄貴から聞いていたけど、駅前は閑散としていた。
新十津川などの例と同じように、かつて広島に縁のある一団が拓いた土地なのだろう。
列車が走りだして、またキャベツ畑や田園を眺めている。
一仕事終えた稲束がロール紙のようになっている。
美瑛ではそれをアートにしていた。

10:41 恵庭(えにわ)駅(千歳線 北海道)
郊外化してきた沿線風景。
北広島もそうだったけど、そんな街にある駅は比較的新しいものに姿を変え、ここではやや複雑な回廊で外とつながっている。
駅施設を除けば、見渡したところではコンビニくらいしか見当たらない住宅都市だった。
プロレスに熱中していた30年ほど前、この街でも興行が打たれていたことを覚えている。

10:54 千歳(ちとせ)駅(千歳線 北海道)
空港タウンにビルが建つ。
千歳はそんな街だ。
ホテルや大型スーパーが目立つ。
猥雑な空気はなく、どことなく近未来的で、ロボット化された人間が暮らすような街。
オレが感じているこの違和感の正体は何だろう。
かつてAWA世界王者ニック・ボックウィンクルがジャンボ鶴田の挑戦を受け、全日本プロレスに殴りこみをかけたタイガー・ジェット・シン、上田馬之助組が馬場鶴田に挑んだ街。
30年前の話だ。
あれからプロレスの世界では、この街の名を聞かない。
オレはきっと死ぬまでそんなことを記憶しながら生きていくのだろう。
恵庭でも触れたが、そうやってオレは街の名を覚えてきた。

11:25 新千歳空港(しんちとせくうこう)駅(石勝線 北海道)
ホノルル、函館、旭川、山口宇部、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、那覇。
空港もいろいろ行っているが、空はテリトリーじゃない。
ただ、胸は高鳴る。
さしあたりどこに飛びたいという希望はないけど、それじゃあ羽田へ飛んで家に帰るという人生じゃない。
青春18きっぷで北海道に渡って、利用するわけでもないのにわざわざ空港駅に寄ったのは、ここが終着駅だからだ。
オレにとっての終着駅とは、目指すべき存在だ。
馬鹿らしいと笑ってくれて構わない。
ここは地下駅で、羽田成田と同じように駅に対してのコメントを残すのが難しいが、窓口がオープンで、やけにたくさんの人員が配置されていたよ。


関連記事
-
-
「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきった若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉)初日-町田、用賀、築地、北松戸、荒川沖駅、美野里パーキング、常陸多賀駅、いわき久ノ浜パーキング
車旅日記1997年7月19日 1997・7・19 19:42 東京町田 さしたる感慨も浮かばない。
-
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その3-周参見、椿、白浜、紀伊田辺(紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】
鉄旅日記2019年3月2日・・・周参見駅、椿駅、白浜駅、紀伊田辺駅(紀勢本線) 19:12 周参見
-
-
「鉄旅日記」2018年神無月 初日(東京-米原-福井-越前大野)その2-越前花堂、花堂、越前大野(越美北線)/越前大野城【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】
鉄旅日記2018年10月6日・・・越前花堂駅、花堂駅、越前大野駅(越美北線)/越前大野城 16:3
-
-
「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その1-石巻、西塩釜、下馬、塩釜、岩切、利府、伊達、郡山、白河(仙石線、東北本線、利府支線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】
鉄旅日記2016年3月21日その1・・・石巻駅、西塩釜駅、下馬駅、塩釜駅、岩切駅、利府駅、伊達駅、郡
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その2-中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢湾フェリー) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月24日・・・中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢
-
-
「鉄旅日記」2009年晩夏【近くまでぶらっと】金町、新松戸、西国分寺、立川、青梅、奥多摩、御岳、武蔵五日市、拝島、高麗川、川越、武蔵浦和、南浦和(常磐線、武蔵野線、青梅線、五日市線、八高線、川越線、埼京線)
鉄旅日記2009年9月5日・・・金町駅、新松戸駅、西国分寺駅、立川駅、青梅駅、奥多摩駅、御岳駅、武蔵
-
-
「鉄旅日記」2006年如月 初日-佐倉、成東、大網、上総一ノ宮、上総興津、安房鴨川、館山、安房勝山(常磐線/成田線/総武本線/東金線/外房線/内房線) 【鉄道旅に目覚め、1泊2日で房総半島にまいりました。】
鉄旅日記2006年2月4日・・・佐倉駅、成東駅、大網駅、上総一ノ宮駅、上総興津駅、安房鴨川駅、館山駅
-
-
「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その1-小諸、軽井沢、横川(しなの鉄道) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】
鉄旅日記2005年11月7日・・・小諸駅、軽井沢駅、横川駅(しなの鉄道) 2005・11・7 東京
-
-
「鉄旅日記」2009年秋 最終日(若松-東京)若松、折尾、黒崎、黒崎駅前、戸畑、小串、長門市、益田、津和野、山口、新山口(筑豊本線/鹿児島本線/山陰本線/山口線) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】
鉄旅日記2009年9月23日・・・若松駅、折尾駅、黒崎駅、黒崎駅前駅、戸畑駅、小串駅、長門市駅、益田
-
-
「鉄旅日記」2020年卯月 初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】
鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線) 12:25 仙台(せんだ
