*

「鉄旅日記」2009年晩夏【近くまでぶらっと】金町、新松戸、西国分寺、立川、青梅、奥多摩、御岳、武蔵五日市、拝島、高麗川、川越、武蔵浦和、南浦和(常磐線、武蔵野線、青梅線、五日市線、八高線、川越線、埼京線)

公開日: : 最終更新日:2025/06/17 旅話, 旅話 2009年

鉄旅日記2009年9月5日・・・金町駅、新松戸駅、西国分寺駅、立川駅、青梅駅、奥多摩駅、御岳駅、武蔵五日市駅、拝島駅、高麗川駅、川越駅、武蔵浦和駅、南浦和駅(常磐線、武蔵野線、青梅線、五日市線、八高線、川越線、埼京線)

2009・9・5 8:53 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
気持ちいいなぁ。

ケータイの予報は雨混じりだったが、何度目かの目覚めの時、空には雲ひとつなく、理想的な秋晴れだった。
蝉はまだ鳴いているが、風にはもはや夏を感じない。

「風立ちぬ」。
今朝の朝刊別刷でその文字に接した。松田聖子さんの流行歌が蘇る。
今は秋。

今週のオレはクソみたいだった。
もっと潔く生きたいと思う。

9:11 新松戸(しんまつど)駅(常磐線/武蔵野線 千葉県)
東京に向かう人々が向かいのホームに列をなしている。
向かう先は東京じゃなく、あるいは浦安か。
幕張もあるか。

仲間は今朝そっちにいるようで、それから相模原に戻ってサッカーの練習をする。
行こうと思いはしたけど、昨日のオレにその決断は下せなかった。

どうしようもなく参ってたんだ。

そしてここにいる。
仲間たちと合流することを見合わせて、こうしていることに罪悪感があるけど、ひとりで家にいたくなかった。

10:25 西国分寺(にしこくぶんじ)駅(中央本線/武蔵野線 東京都)
埼玉東京の県境がトンネルで繋がれていたことに新鮮な驚きを持つ。
関東平野にもトンネルがあったのか。

国分寺に馴染みはなく、駅を出た時の気分は新鮮だった。

これからさらに未知と言っていい地域を往く。

空から雲は消え、今日は少しばかり暑くなりそうだが、風が心地いい。

西国分寺の駅前はごく簡素で、繁華街は見当たらず、すぐに駅に引き返した。

10:44 立川(たちかわ)駅(中央本線/青梅線/南武線/多摩都市モノレール 東京都)
国立を過ぎて立川。
この駅に降りたのは大学時代の友人Tの結婚式以来になる。
あの頃はAもKも輪の中にいた。
みんなどうしているのか。

Kは親父さんの会社を継いで末は社長になると言っていたけど、表情は苦渋に満ち、不安以外の何物も持っていなくて、みんなで励ましたんだった。

下手な冗談ばかり言う陽気で繊細な男だった。
海外に行く機会もあるというから手広くやっている会社なのだろう。

あの頃はまだ20代。
今頃は立派になっているかもしれないな。

そこへ行くと相変わらずオレは気楽なもんだ。
いろいろあるけど、人から見ればそういう存在だ。
否定はしない。

今着ている「RealBvoice」というブランドを教えてくれたSさんが立川に暮らしていたのは、もう20年前になるのか。
高校時代サッカーで選抜チームのメンバーになった身体能力抜群の人だった。

2度ほど泊まりに行ったな。
家に他人を上げるのを好まない人だったけど、オレは許された存在だった。
彼は地元の福井からたまに便りをくれる。

あれから立川には新たに多摩都市モノレールが開通している。
町田で暮らしていたオレにとって近いようで、なかなか縁遠いところだと思っていたけど、よくよく思い出せばこうして縁のひとつやふたつどこにでも持っているのかもしれない。

街には下りず先にいく。

12:19 青梅(おうめ)駅(青梅線 東京都)
懐かしげな街に着いた。

昭和の街を謳う青梅。

街には天才赤塚不二夫の逸話に触れたポスターや古い映画の看板が目立つ。
青梅街道をここではシネマ通りと称している。

青梅マラソンのコースはどのあたりか。
暑くなってきて、レトロな街の優しげな風情に打たれ、かつての夏を想う。
現代的な街に安らぎがない理由がここにきて分かった。

社会人になってからフラれた彼女はひとつ手前の東青梅に住んでいた。
よく通ったよ。
列車から眺めた駅前風景は記憶と違わず、たちどころに懐かしさが込み上げる。
彼女は母親になり、今は立川で暮らしている。

ここ青梅では人の存在感が圧倒的で、みんな昭和の香りをまとっている。
オレはそもそもそういう人間だが、目の前で体育の授業を受けている小学生とて例外じゃない。

夏と秋の虫が同時に鳴いた。

駅の発着音は「秘密のあっこちゃん」だった。

13:44 奥多摩(おくたま)駅(青梅線 東京都)
来てよかったと心から思う。

熊避け鈴を売っている駅前から氷川渓谷に架かる橋を渡り青梅街道を次の橋まで歩く。

ご婦人が渓谷を眺め、オレは東京の涯の空を眺め立ち止まる。

何か爽やかなものに心を満たされ、店のおかみさんが美味しいですよと薦めてくれた東京の酒を、彼女にと買った。

彼女の喜ぶ顔が見たい。
オレの想いはいつか彼女に伝わるだろうか。
最近はまたあやふやな関係になりつつある。
だからオマエはダメなんだよ。

昔家族で奥多摩湖に行ったよな。
この駅に寄ったかどうかは記憶にない。
地図を見るとちょっと離れている。
御嶽の宿に泊まったことは覚えている。

14:40 御嶽(みたけ)駅(青梅線 東京都)
駅前の記憶はなかったが、さっきの家族旅行ではここからバスで移動したのだろう。

今日この地に集まった人々の装いは一様で、目的地まで歩くことを楽しみにしている。
トウモロコシをかじる者。
オレのようにビールを飲む者。
日常の続きをしてる者はいない。

山の神を感じる土地だ。
僅かな時間だがその支配下に入って、きっとオレもこんなところから出てきたんじゃないかと思う。

生まれた土地は川崎の外れだけど、そういうことではなく、もっと根源的な話だ。

16:06 武蔵五日市(むさしいつかいち)駅(五日市線 東京都)
東京の涯にある終着駅は高架駅だった。

高校時代に剣道部の催しで毎夏川遊びに降りていたのはたぶんこの駅だったのだろう。
秋川で遊んできた若い連中が大勢乗り込んでくる。

線路をくぐって川辺に下りていく道に既視感がない。
変わったのか、あれは実は別の場所だったのか判断がつかない。

まあいいや。
そもそもそれを確認しにきたわけじゃない。
懐かしい気分に浸りたかったわけでもない。

周辺は緑に覆われているものだと思っていたが、意外にも拓けていて視界は広かった。
駅前に商店は見られない。

16:48 拝島(はいじま)駅(青梅線/五日市線/八高線/西武拝島線 東京都)
米軍キャンプの臭いを嗅いだような気がしたかつての拝島。
駅は変わっていた。
まるで戦後の混乱期を形に残したような一帯だと思っていたけど、きれいになっていたよ。

30年近く前、親父に連れられて所沢に西武ライオンズを見に行った時にもここを通っている。

オレは、後に2000本安打を達成した山崎裕之選手のファンだった。
彼がロッテにいた頃からだから結構長い。
巨人との日本シリーズで定岡投手から売ったホームランを今も鮮明に覚えている。
今でも野球は好きでよく見るけど、彼ほどの思い入れを持って応援する選手はいない。

当時、まさしく昭和真っ盛りの拝島駅は古くて暗く、大きかった。
僅かな待ち時間に親父がオレンジジュースとトマトジュースを買ってきてくれてどっちか選べと言う。
小学生がトマトジュースなんか飲むかよ。

懐かしくてあったかい記憶だ。

駅前通りは変わっていない。
狭い通りに商店が並び、路地を入ると昭和からの飲食店舗がさも当然といった風情で存在している。
パチンコ屋で働く少女たちが屋上駐車場を掃く背後に開発された住宅街が見えた。

3本のJRローカル線に西武拝島線が通る大鉄道駅だが都心は遠い。
多摩地域を地元に持つオレには、この東京のバックストリートは永遠に懐かしい。

17:35 高麗川(こまがわ)駅(八高線/川越線 埼玉県)
小学生の頃に兄貴と長野の田舎から帰った懐かしの八高線はここで川越線と分かれる。

15分ほどの停車で町に下りたら、僅かな飲食店の他に見るものはない。
ひとつ手前の東飯能と比較すると、かなり寂しく感じる。
人の往来は少なくない。

赤い屋根の小さな日本家屋的駅舎。
ターミナル駅だけあって改札を入ると大鉄道駅の風格が備わっている。

18:30 川越(かわごえ)駅(川越線/東武東上線 埼玉県)
例えば、同じ県内の大宮のように大きな街だと感じた。

途中まで歩いてやめてしまったが、あのクレアモールを抜けたところに西武線の終点本川越駅があり、そこから大正浪漫ロードが、観光地として有名な「時の鐘」まで延びている。
行きたかったけどそこは遠く、線路を挟んで反対側には何があるかとうろうろしているうちに暗くなってきた。
じきに日が暮れる。

また今度、次は西武線に乗ってこよう。

武蔵浦和(むさしうらわ)駅(埼京線/武蔵野線 埼玉県)にて

19:49 南浦和(みなみうらわ)駅(京浜東北線/武蔵野線 埼玉県)
埼京線に乗って武蔵浦和で降りて、ここまで歩く。

浦和を知らないオレに、浦和の実力を示すものは道中になく、やたらに長い道程だった。

武蔵浦和も南浦和もターミナル駅だけあって大きく、両駅とも接続する武蔵野線ホームは交差し、乗り替えに時間を要する。

街がこじんまりしているところも似ている。
南浦和の好ましげな街灯は商店街の入口から50メートルほどで不意に途切れ、丸広の灯は街に着いた時から消えていた。

すでに帰り道。
目の前に内田有紀さん似の美人がすらっと立っている。

夏に戻ったような素晴らしい休日。
真夏の選挙で夏休みのなかったオレに、褒美のようなきれいな月が出てるじゃないか。

関連記事

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その2‐浜坂、東浜、福部、鳥取(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・浜坂駅、東浜駅、福部駅、鳥取駅(山陰本線) 8:55&nb

記事を読む

「鉄旅日記」2018年秋 初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その2-湖北、下総松崎、成田、香取、延方、北浦、佐原、大戸(我孫子支線/成田線/鹿島線) 【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月22日・・・湖北駅、下総松崎駅、成田駅、香取駅、延方駅、佐原駅、大戸駅(我孫子

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 2日目(五所川原-北上)その2‐大館、大鰐温泉、大鰐、中央弘前、弘前(奥羽本線/弘南鉄道大鰐線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月3日・・・大館駅、大鰐温泉駅、大鰐駅、中央弘前駅、弘前駅(奥羽本線/弘南鉄道

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その5‐福井、新福井、勝山、福井口(えちぜん鉄道勝山永平寺線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月22日・・・福井駅、新福井駅、勝山駅、福井口駅(えちぜん鉄道勝山永平寺線)

記事を読む

「車旅日記」2005年春 最終日(富山-松本)走行距離218㎞ その1-アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅、魚津駅、石田駅、電鉄黒部駅、入善駅【松本から富山へ。今にして思えば、なぜこの旅を思い立ったのか思い出せないのでございます。】

車旅日記2005年4月30日・・・アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 3日目(南宮崎-隼人)その2-宮崎、清武、田野、山之口、西都城、餅原、都城、京町温泉、えびの、吉松(日豊本線、吉都線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月12日その2・・・宮崎駅、清武駅、田野駅、山之口駅、西都城駅、餅原駅、都城駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その3‐白石、郡山、黒磯、宇都宮(東北本線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月23日・・・白石駅、郡山駅、黒磯駅、宇都宮駅(東北本線) 15:49 白石(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 最終日(釜石-東京)その1‐釜石、遠野、宮守(釜石線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月24日・・・釜石駅、遠野駅、宮守駅(釜石線) 2020・2・24 5:39

記事を読む

鉄旅日記」2012年初冬 最終日(長野-東京)その2-小諸、岩村田、佐久平、中込、臼田、小海、野辺山、清里、大月(小海線、中央本線) 【週末パスで、甲信越途中下車旅】

鉄旅日記2012年12月9日その2・・・小諸駅、岩村田駅、佐久平駅、中込駅、臼田駅、小海駅、野辺山駅

記事を読む

「鉄旅日記」2007年皐月 初日(東京-米子)-静岡、豊橋、本竜野、播磨新宮、佐用、東津山、米子(東海道本線/姫新線/因美線/山陰本線)【夜汽車で東京を離れ、山陰山陽へ。鉄旅最初の長旅でございました。】

鉄旅日記2007年5月3日・・・静岡駅、豊橋駅、本竜野駅、播磨新宮駅、佐用駅、東津山駅、米子駅(東海

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その1 ‐伊那市、辰野、岡谷、塩尻(飯田線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・伊那市駅、辰野駅、岡谷駅、塩尻駅(

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その4 ‐岡谷、北殿、伊那北、伊那市(飯田線)/ホテル青木【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・岡谷駅、北殿駅、伊那北駅、伊那市駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その3 ‐龍岡城、小海、青柳、下諏訪(小海線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・龍岡城駅、小海駅、青柳駅、下諏訪駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その2 ‐横川、軽井沢、平原、乙女、馬流(信越本線/JRバス関東碓氷線/しなの鉄道/小海線)/秩父事件戦死者の墓【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・横川駅、軽井沢駅、平原駅、乙女駅、

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その1 ‐金町、上野、籠原、高崎(常磐線/高崎線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・金町駅、上野駅、籠原駅、高崎駅(常

→もっと見る

    PAGE TOP ↑