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「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その1 ‐熱海、五百羅漢、大雄山、緑町、小田原(東海道本線/大雄山線)/北条氏政・氏照の墓 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、御殿場線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2022年

鉄旅日記2022年3月6日・・・熱海駅、五百羅漢駅、大雄山駅、緑町駅、小田原駅(東海道本線/大雄山線)/北条氏政・氏照の墓

2022・3・6  8:16  熱海(あたみ)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/伊東線 静岡県)

駅前商店街を抜けて、ひたすらに坂を下ってきた昨夜。この街じゃ坂の上り下りが日常。かつても恋人とこうして坂を下りて、しばし愛し合える場所を街のはずれに見つけた。

黄昏時の街角はあたたかな灯に包まれていた。

バイキング形式の夕食を楽しんだ後に不覚にも寝落ちして、昨夜の湯を楽しめなかったけど、今朝は5時に一番風呂。昨夜やりたかったことを朝食までの2時間で行い、ホテルの窓から坂の街を愛でた。

去年この街で土石流による痛ましい事故が起きた。衝撃的な映像に多くが凍りついた。

この楽園で。愛しい者たちとの時間も過去にあった。そんなことどもを呼び返しながら坂を上がってきた。

海底から熱い温泉が湧き出ていたことが地名の由来で、新婚旅行、社員旅行の行先として定番だったこの街の温泉情緒と、昭和的な妖しげな街並を愛している。

9:01  五百羅漢(ごひゃくらかん)駅(伊豆箱根鉄道大雄山線 神奈川県)

小田原で大雄山線に乗り換える。この鉄道に乗ることがこの旅の大いなる目的のひとつ。

曹洞宗の妙覚道了が祀られ、地元では「道了さん」との愛称で親しまれている最乗寺への参詣列車として97年前に開業した当時は大雄山鉄道だった。改札には「道了尊」の文字。

駅名に引かれて降りてみる。由来となった五百羅漢像のある玉宝寺など、周辺には旧跡が多いとある。

集合住宅の下に駅がある。残念なことに今は覆いがかかり、素の姿は霞んでいる。

目の前を小田急線の高架が横切る。すぐ近くに足柄駅がある。歩こうかと駅前通りを進んだが、小田急線に沿った道がなく引き返す。

滞在12分。

9:34  大雄山(だいゆうざん)駅(伊豆箱根鉄道大雄山線 神奈川県)

大規模な工場や事業所が沿線に存在する大雄山線。これといった特徴のない沿線風景だった。終点までは小田原から約20分。

昨日降りた御殿場線の山北駅方面への延伸構想があるそうだが、具体化までには至っていないとのこと。

大雄山駅には特徴がある。三角屋根に懐かしさを覚える。

金太郎と天狗の町には山が迫り、駅前の赤十字イベントに集っていた田舎漢たちはいかつく、話し言葉にも訛がある。

去年還暦を迎えた小田原の友人の最近の姿にも、東京にいた頃のような都会的なものは消えて、地元に根を下ろした安らかさがあった。

道了尊は寺の守護と衆生救済を誓い、姿を天狗に変えて昇天したという伝説が残り、足柄山の金太郎は赤竜と山姥の間に生まれ、やがて坂田公時へと成長するお話。

清掃員の女性に声をかけていただき、駅前ビルのトイレを気持ちよく使わせてもらった。そのビルには金太郎横丁がある。

短い旅だったが、大雄山駅には旅を終えた充実感をもたらす旅情があった。

9:58 緑町(みどりちょう)駅(伊豆箱根鉄道大雄山線 神奈川県)にて

10:16  小田原(おだわら)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/小田急小田原線/箱根登山電車/伊豆箱根鉄道大雄山線 神奈川県)

緑町駅で降りてひと駅。大都市小田原を感じたくて歩く。

ごく一般的な商店街の果てに駅が見えたが、脇にそれるとおしゃれ横丁。BGMにはストーンズの「サティスファクション」も流れた。

途中に北条氏政、氏照兄弟の墓があり、思わず足を止める。小田原が関東の首都だった頃の最後の覇王。豊臣秀吉の小田原征伐によって北条五代の歴史は終わり、四代目氏政兄弟は総責任者として裁かれ、首は京都一条戻橋に晒された。

駅の高架通路からは小田原城が見えた。あの城にはかつて家族で登った。おそらくその日は箱根に行ったのだろう。

大学時代には友人と深夜に訪ねた。一夜城までの道を歩き、街に下りてきた。夜の記憶しかない頃の話だ。JR駅では勇壮な太鼓の演奏が行われている。

思えば、オレは小田原を知らない。そして初めてこの街を記した。

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