「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話
鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話
17:09 岡山(おかやま)駅(東海道・山陽・九州新幹線/山陽本線/津山線/宇野線/伯備線/吉備線/赤穂線/本四備讃線 岡山県)
閑散路線としてあまり注意を向けることのなかった相生~東岡山間。駅数は多くないが、降りたことのない駅は吉永、万富を残すのみとなり、暮れゆく山陽路を恋人とのチャットとともに楽しんだ。
岡山は大きな駅だ。東西南北へとひっきりなしに列車が行き来している。
高知行の特急南風の車体にはアンパンマンのキャラクターが描かれている。

今じゃ自由な身だが、最愛の存在が楽しむ傍らで、アンパンマンを見て過ごした日々はやはりかけがえのないものだと胸や目頭に熱を感じて、顔は笑ってる。
18:05 児島(こじま)駅(本四備讃線 岡山県)
30代の青春時代に寄った駅。もっとも今も青春時代のようなものだ。
瀬戸大橋線こと本四備讃線の開通によりできた岡山県最南端の駅。開業は32年前になる。



記憶の中の駅にはいつも人の姿がある。そんな心象風景を懐かしく思う。
観光港に出る。


それから民話通りへと限られた時間の中で歩く。


児島の民話もまた興味深い。
1.7人の王子・・・時代は詳らかじゃないが、都から7人の王子が下ってきて干拓、開拓を行った。
2.鴻ものがたり・・・お宮に巣を持つたくさんの鴻の鳥が雛を持つ時期は、大蛇を警戒してたいへん荒々しく、人々が寄りつかなくなって困っていたところ、氏神から難を除く旨のお告げがあり、翌朝に大蛇が現れ、鴻の鳥の群れに向かったところを逆に仕留められてしまった。
3.由加の鬼塚・・・人食い鬼を桓武天皇の命を受けた坂上田村麻呂が退治。その首を「鬼塚」に葬ったところ鬼は改心。75匹の白狐に生まれ変わり、世のため人のために生きた。
4.金浜の伝説・・・心がけのいい漁師の網に箱がかかり、開けると般若心経が入っていたため八幡院に納めると、数日後に海から稚児が現れ、彼の行為への礼だとつづらを渡される。家に帰るまで開けるなと釘を刺されるが、ついつい開けると中には金銀。喜び勇んで家に帰り再び開けると竜が現れた。驚き恐れ浜につづらを捨てて、翌日浜に様子を見にいくと一面に金が散らばっていた。
5.金の龍と青い龍・・・児島を荒らしまわる竜王山の青い龍に手を焼いた村人たち。大槌山の神に救いを求めたところ神は金の龍になって応じ、瀬戸内海上で激戦となり、やがて劣勢となって島に隠れた金の龍を追い、とぐろを巻いて島を締めつけた青い龍。にわかに島は膨張やがて爆発。四散した青い龍の目玉は竜王山にあたって砕け水晶となった。
6.くすみの哀話・・・見目麗しい若侍に出会った娘、鈴。逢瀬を重ねるうちに町では「鈴はくすみの主の精を宿している」との噂が広がり、若侍に質したところ戦慄し、煙にように消えた。面影を忘れられない鈴は待ち続け、やがて思いあまった挙句くすみの渦に身を投げる。くすみの主とは龍、蛇の類の化身か。
7.太閤の二つ岩・・・太閤秀吉が大坂城を築くにあたり各地に石の手配を命じたことが村にも伝わり、村人は八幡宮の大岩を差し出そうと砕き、二つに割れたところ岩を住処にしていた巨大な蛇が現れ恫喝。やがて消え失せ、村人はその後岩をあがめたてまつった。
8.幽霊船・・・水島灘の四つ子島は交通の難所で源平合戦の古戦場でもある。「杓をかせ」との物悲しい声が聞こえて、たまりかねて杓を貸すと何百何千の手が海中から現れ出て船は沈められてしまった。
9.彦九郎の樽流し・・・瀬戸内の漁場をめぐり備前、讃岐で争いが絶えなかったところ、児島の智者彦九郎が両国の王に対して樽を流してその行跡を境界にしようと持ち掛けて、承諾を得た。実証実験から自信満々でいた彦九郎だが、案に相違して樽は備前側に不利になるような動きをとった。
サイクリングロードとして整備されている旧下津井電鉄跡地へは行き着けない。
海峡の街に残る伝説のように、わずかな滞在では近づけないものもある。かつての旅でも下津井では迷った。
児島はジーンズの街。

そして海峡の街。
瀬戸の花嫁のメロディとともに入線したマリンライナーは児島を出てほどなくすると瀬戸大橋に差し掛かる。
暮れゆく瀬戸内を眺めたかった。思いは達した。高松では時空を超えた友が待つ。
18:10 瀬戸大橋車窓風景①櫃石島


18:10 瀬戸大橋車窓風景②岩黒島

18:15 瀬戸大橋車窓風景③坂出港




18:18 瀬戸大橋車窓風景④坂出市内



18:43 高松(たかまつ)駅(予讃本線/高徳本線 香川県)




高松番町二丁目公園にて

高松空港にて



関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その2‐中滑川、滑川、猪谷、宇奈月温泉、宇奈月、寺田(富山地方鉄道本線)
鉄旅日記2020年3月21日・・・中滑川駅、滑川駅、宇奈月温泉駅、宇奈月駅、寺田駅(富山地方鉄道本線
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】最終日(鷹ノ巣-東京)その4‐中条、新発田、新津、長岡(羽越本線/信越本線)
鉄旅日記2020年1月13日・・・中条駅、新発田駅、新津駅、長岡駅(羽越本線/信越本線) 17:34
-
-
「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】初日(東京-桑名-阿下喜-西藤原-四日市-内部-西日野-津)その1-金町、西桑名、楚原、阿下喜、麻生田、丹生川(常磐線/三岐鉄道北勢線/三岐鉄道三岐線)
鉄旅日記2018年12月22日・・・金町駅、西桑名駅、楚原駅、阿下喜駅、麻生田駅、丹生川駅(常磐線/
-
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線)
鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎
-
-
「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】最終日(釜石-東京)その2‐小山田、土沢、花巻、石鳥谷(釜石線/東北本線)
鉄旅日記2020年2月24日・・・小山田駅、土沢駅、花巻駅、石鳥谷駅(釜石線/東北本線) 7:40
-
-
「鉄旅日記」2013年夏【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】最終日(岩国-東京)-岩国、海田市、岡山、西大寺、播州赤穂、山科、南草津、豊橋、愛野、菊川、熱海(山陽本線、赤穂線、東海道本線)
鉄旅日記2013年8月14日・・・岩国駅、海田市駅、岡山駅、西大寺駅、播州赤穂駅、山科駅、南草津駅、
-
-
「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】初日(東京-新山口)その2-廿日市、広電廿日市、宮島口、広電宮島口、大竹、岩国、徳山、新山口(山陽本線/岩徳線)
鉄旅日記2009年9月18日・・・廿日市駅、広電廿日市駅、宮島口駅、広電宮島口駅、大竹駅、岩国駅、徳
-
-
「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】初日(東京-高岡)-東京、岐阜、美濃太田、下呂、高山、角川、猪谷、富山、高岡(東海道新幹線/高山本線/北陸本線)
鉄旅日記2007年1月6日・・・東京駅、岐阜駅、美濃太田駅、下呂駅、高山駅、角川駅、猪谷駅、富山駅、
-
-
「鉄旅日記」2006年晩秋【浜名湖へ。そして飯田線に乗って、友に会いにいったのでございます。】2日目・最終日-尾奈、新所原、豊橋、本長篠、鳥居、三河槇原、中部天竜、佐久間、大嵐、伊那小沢、天竜峡、松本(天竜浜名湖鉄道/東海道本線/飯田線/中央本線)
鉄旅日記2006年11月4日/11月5日・・・尾奈駅、新所原駅、豊橋駅、本長篠駅、鳥居駅、三河槇原駅
-
-
「鉄旅日記」2021年夏【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】初日(東京-上田)その3 ‐しんざ、十日町、越後鹿渡、津南、戸狩野沢温泉(北越急行ほくほく線/飯山線)
鉄旅日記2021年7月10日・・・しんざ駅、十日町駅、越後鹿渡駅、津南駅、戸狩野沢温泉駅(北越急行