「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その1‐肥前鹿島、肥前大浦、長里、湯江(長崎本線)/鹿島城跡 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月15日・・・肥前鹿島駅、肥前大浦駅、長里駅、湯江駅(長崎本線)/鹿島城跡
2020・8・15 4:57 スカイタワーホテル913号室
空には星がある。なかなか明けぬ夜。東京じゃもうすっかり明るくなっている頃だが、九州の夏の朝が示した事実にこの国の広さを想う。
昨夜入った店のうな丼のうなぎの量には驚いた。久々に感じた地方の実力と東京標準のチープさ。

うなぎは3週間前の三次でも串焼を食べている。きっと東京で食べるものじゃないのだろう。
小さな街を半円を描くように移動した昨夜。おそらく街の飲食店の前はすべて通ったのだろう。
かつての車窓から街と感じた鹿島。その記憶が今回の宿泊地に選んだ。
確かに街だったよ。
6:07 肥前鹿島(ひぜんかしま)駅(長崎本線 佐賀県)
鹿島藩は鍋島支藩2万石の城下町。城跡を見ておこうかと歩き始める。昨日の防府天満宮もそうだが、当初の計画にはない。


大手門を入ると緩やかな上り坂となり、鍵型の侵入路が石畳で整備されている。敵の侵入を受けた場合、いくつかの角で防御陣を組める。


かつて鹿島藩士が行き交った現在の石畳の両側は家並となり、穏やかに城へと導く。

行き着くと城址公園で、突き当たりに赤門が立つ。池からは牛蛙の声。赤門先の鹿島高校で何か動物でも飼っているのかと思ったよ。

駅への道を往く。城跡から駅までは徒歩約10分強。街をいくつか写す。


昨夜駅に着くと角のバスセンターのあたりから女性の歌声が漏れていた。もちろんメロディーなど覚えていないが、ここまで過ごした鹿島を回想して思い当たる。あれはワルツ。

夜には判別できない色がある。肥前鹿島駅はおそらくあの赤門をイメージしたのであろう朱色をしていた。




その朱色の上屋を写そうと上がった先に御来光があった。



満極の魂に幸あれ。今日もいい日になる。
6:39 肥前大浦(ひぜんおおうら)駅(長崎本線 佐賀県)
田園と有明海。緑と青を日の光りが満遍なく照らす。神々しい。


あるいは車窓全面に有明海を。あるいは入江を。青から視界を奪うのは活力にあふれた緑。


肥前大浦駅で行き違い3分の停車。鹿島で男性に見送られて同乗した女性が降りていく。


南北朝時代に築かれた竹崎城址を指す標識を目にして、地下道を駈け上がる。
6:52 長里(ながさと)駅(長崎本線 長崎県)
ひとつ手前の小長井駅のこと。列車は止まり、有明海の先に雲仙が見える。あまりの絶景に驚く。


発車すると諫早湾の干拓で悪名を流したゲートが見える。
時刻表になかったが列車行き違いのアナウンスがあり、ホームに立つ。

6:59 湯江(ゆえ)駅(長崎本線 長崎県)
列車は諫早中心街と島原に近づいていく。

若い車掌さんが列車の発車時刻を教えてくれる。こうなると途中下車もやりやすい。
行き違い4分の停車。どこで県を跨いだのか長崎県に入っている。ここは諫早市。
2009年に長崎本線に乗った際に特徴的な駅として記した湯江駅。別に何があるわけじゃない。ただ改札口まで丸みを帯びた数段の階段を下りるだけ。


かつて駅員さんが立っていた場所に郷愁を感じて写す。古い映画には夏の情景としてこうした風景がよく映っている。

関連記事
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、北山形駅(奥羽本線) 9
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その4‐多治見、坂祝、美濃太田(太多線/高山本線)【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月20日・・・多治見駅、坂祝駅、美濃太田駅(太多線/高山本線) 14:19 多
-
-
「車旅日記」1997年梅雨明け【疲れきっていた若き日々。またしても向かうのは北でございました。】(東京-鳴子温泉-東京)2日目~最終日-いわき久ノ浜パーキング、亘理、名取、松山町、鳴子サンハイツ、町田
車旅日記1997年7月20日 7:03 6号国道‐いわき久ノ浜パーキング 太陽光線で目が覚める。
-
-
「車旅日記」2005年初夏【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】最終日(新潟-五泉-弥彦-柏崎-長岡)走行距離246㎞ その2-青海川駅、安田駅、北条駅、長鳥駅、来迎寺駅、長岡駅、東京葛飾金町
車旅日記2005年7月18日・・・青海川駅、安田駅、北条駅、長鳥駅、来迎寺駅、長岡駅、東京葛飾金町
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その3‐米原、京都、梅小路京都西、丹波口、花園(東海道本線/山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・米原駅、京都駅、梅小路京都西駅、丹波口駅、花園駅(東海道本線/山
-
-
「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その1(東京-岩倉)-蒲郡、三河鳥羽、吉良吉田、西尾、桜町前、新安城、知立、猿投、赤池、豊田市、新豊田(名鉄蒲郡線/名鉄西尾線/名鉄本線/名鉄三河線/名鉄豊田線)
鉄旅日記2015年3月7日その1・・・蒲郡駅、三河鳥羽駅、吉良吉田駅、西尾駅、桜町前駅、新安城駅、知
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その2‐陸前赤崎、大船渡、気仙沼、一ノ関(三陸鉄道リアス線/大船渡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月23日・・・陸前赤崎駅、大船渡駅、気仙沼駅、一ノ関駅(三陸鉄道リアス線/大船渡
-
-
「鉄旅日記」2019年如月 最終日(安中-東京)その3-海尻、八千穂、信濃川上、佐久海ノ口、甲斐小泉、小淵沢(小海線)/海尻城址 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】
鉄旅日記2019年2月10日・・・海尻駅、八千穂駅、信濃川上駅、佐久海ノ口駅、甲斐小泉駅、小淵沢駅(
-
-
「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】4日目(大曲-阿仁合-弘前-三厩-青森)その2-弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホテルニュー青森館
車旅日記2006年5月5日・・・弘前駅、道の駅つるた、毘沙門駅、津軽中里駅、三厩駅、中小国駅、駅前ホ
-
-
「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】5日目(松浦-若松)その1-松浦、有田、伊万里、唐津、筑前前原、姪浜、天神、西鉄福岡、博多(松浦鉄道/筑肥線/福岡市地下鉄空港線)
鉄旅日記2009年9月22日・・・松浦駅、有田駅、伊万里駅、唐津駅、筑前前原駅、姪浜駅、天神駅、西鉄