「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その1‐東京、国府津、小田原、三島(東海道本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・東京駅、国府津駅、小田原駅、三島駅(東海道本線)
2020・7・23 5:13 東京(とうきょう)駅(東海道・山陽新幹線/東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東海道本線/中央本線/山手線/京浜東北・根岸線/横須賀線/総武線快速/京葉線/成田エクスプレス/上野東京ライン/東京メトロ丸の内線 東京都)
新型コロナウイルスの事態収束は遠い。
東京都では連日200名前後の感染者を記録し、愛知県知事は第二波の到来とおののき、山口県知事は愚かなユーチューバーの来県による拡散に激怒した。
役員を務める会社も揺れ、経済は冷え込み、為政者の姿はメディアから遠ざかった。
天変地異ほか社会の混乱は為政者に向く。
賄賂が横行した田沼時代では、天明3年浅間山大噴火、大飢饉などの天災が続き、民衆の怨嗟は徳を持ち得なかった田沼家に向かい、その没落は急激なものとなった。
非常事態宣言の発令解除から東京アラートの段階を過ぎて、プロ野球の開幕、県外への移動自粛解除へと進み、恋人と石和温泉に向かったのが5週間前。
それから事態は現在を迎えている。
賛否両論のGo toキャンペーンなど、そもそもオレはアテにしていなかった。
この4連休、青春18きっぷを手に西に向かっている。
コロナ感染を恐れる民衆の嗜好は旅行に向かず、すでに品川を出た一番列車の座席にはまだ空きがある。

珍しいことといえる。
6:34 国府津(こうづ)駅(東海道本線/御殿場線 神奈川県)
3分の停車。

湘南海岸もまた曇天の下。

石和温泉で恋人と過ごした5週間前も梅雨の最中だったが、今年は長梅雨で日曜日を除けば雨降らしの雲の下にいる。
慎重な天気予報士の口から梅雨明けの言葉が聞かれるには、少なくとも来週を待たねばならない。
乗客のほぼ全員がマスク姿という日本中どこでも見られる奇異な光景は、おそらく夏秋を過ぎて越年する。
6:44 小田原(おだわら)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/小田急小田原線/箱根登山電車/伊豆箱根鉄道大雄山線 神奈川県)
通常なら乗客を増やしていく沼津行だが、旅人を増すことはなく、地域を移動する人々の乗降を見届けながら西へと向かう。
やはりこの先、おそらく真夏に見られる混雑は経験せずに東海は過ぎるだろう。
来年の箱根駅伝はどうなる。
中継所の小田原に着いて想う。
「お猿のかごや」のメロディが流れ、3分の停車を終えた列車は発車した。


7:24 三島(みしま)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線 静岡県)
根府川を過ぎて相模湾を背にしていることに気づき、窮屈に体を180度反らす。
まるで冷夏の到来を予感させるような空からは、またも小雨が使者としてもたらされている。
天は彼等に何を託したのか。
そういえば、メールに頻繁に届いていた鑑定師からの吉兆連絡が途絶えてじきに1週間になる。
彼等とのやりとりが始まった2年前、最愛の存在との別れの後に新たなビジネスにも乗り出したが、それも昨日千駄ヶ谷で待ち合わせた恋人の手を借りて、香港へ国際電話をかけて退会手続きを済ませた。
何かを始めようとしてまた元に戻り、今は役員としてコロナで傾く会社の再建を背負う覚悟を固めている。
箱根大山塊を丹那トンネルでくぐり抜けて列車は三島に着く。
沼津行の列車だが、乗り継ぎ列車は三島始発のため、ここで降りる。

次は静岡行7:29発。
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