*

「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】初日(東京-大船渡)その5‐奇跡の一本松、陸前高田、大船渡(大船渡線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年2月22日・・・奇跡の一本松駅、陸前高田駅、大船渡駅(大船渡線)
18:20 奇跡の一本松(きせきのいっぽんまつ)駅(大船渡線 岩手県)にて



19:10 陸前高田居酒屋膳
奇跡の一本松は夜に隠れていた。

かつての高田松原。
当時の道の駅に寄ったことがある。

広い駐車場に車を止めた。
それだけを覚えている。

現在の陸前高田の町明かりはほんのわずかしかない。
あとは人々の暮らしの跡、更地。

おそらく旧駅舎を模したのであろう新駅舎が建っていた。
オレにはうれしい復興のひとこまだ。

次のBRTを待つ間、膳という居酒屋で一杯やっている。
このお金の落とし方はオレにとって理想的だ。

串焼きも何もかもが美味しい店だ。
看板にしているラーメンもきっといけるだろう。
理想的だ。

そしてお客も次々に入ってくる。
理想的だ。

オレはそろそろ出よう。

19:50 陸前高田(りくぜんたかだ)駅(大船渡線 岩手県)
濡れた街路にわずかな明かりが映り、初春のような風が吹いていた。

居酒屋から歩いて5分。
スーパーの付属施設のカフェや本屋は閉まり、行き交う車も最早少なく、BRTは無人の広野を行くがごとく盛へ向かう。

かつての町明かりを知る人々は今も悪い夢から覚めていないのかもしれない。
オレも悲しいよ。

だけど、あの居酒屋や並びの寿司屋があるんだ。

きっと陸前高田に泊まる旅を近々計画するだろう。

21:01 大船渡やきとり香善
かつての大船渡駅の写真や街の姿が貼られていた。

ここは夢横町。
美味しい焼鳥を出してくれる店でゆっくりしている。



店内からは大きな笑い声が聞こえてくる。
あの頃の町が戻ることはないが、そんなことはないのかもしれないとふと思う。

戦後の復興の方が険しかっただろう。
東京が形になったのは戦後何年のことだろう。
陸前高田も大船渡も、あれからまだ9年という言葉を投げてあげるべきなのかもしれない。

答えはない。
ただ、津波に飲まれた大船渡の映像は忘れられないし、忘れるべきじゃない。

星神「どんどろ」は、鑑定師の話じゃ岩手弁を話すという。
あの震災を悔い、見守っていることだろう。

そしてオレが得たこの地との縁を思う。
この地を巡る日は不思議と晴れないが、いつか晴れる日がくるだろう。

もしかしたら、その日に大願成就を感じるのかもしれない。

22:46 ルートイン大船渡711号
風を感じる大船渡。
7階の外を大風が掠めている。

昨年9月に真横から仰ぎ見たセメント工場の夜景がきれいだった。
あの日オレはあそこから歩いてきたんだよ。

大船渡の町中にちらほらと集合住宅が建ち始めていた。
当たり前だが、震災後初めて訪ねた4年前より町は回復を続けている。

余所者が多くを語る必要はない。
こうしてたまに訪ねて、見合うだけのお金を落としていけばいい。

オレは日本全国どこの町も愛しているよ。

【Facebookへの投稿より】
三陸を旅しております。
石巻、南三陸町、気仙沼、陸前高田、大船渡。

今夜は大船渡に宿泊いたしております。

9年前の大震災による津波は、人の暮らす土地を荒れ地に変え、その喪失を目の前にすると茫然となります。

でも人々は逞しい。
笑顔も素敵です。

三陸の土地土地で食したものは、たいへん美味しゅうございました。

関連記事

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その1-津、阿漕、松阪、家城、伊勢奥津(紀勢本線/名松線)

鉄旅日記2018年12月23日・・・津駅、阿漕駅、松阪駅、家城駅、伊勢奥津駅(紀勢本線/名松線) 2

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】最終日(JR難波-東京)その2-大曽根、勝川、春日井、中津川、上松、原野、広丘、みどり湖、相模湖、豊田(中央本線/篠ノ井線)

鉄旅日記2017年3月20日・・・大曽根駅、勝川駅、春日井駅、中津川駅、上松駅、原野駅、広丘駅、みど

記事を読む

「車旅日記」2005年冬【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】2日目(都城-鹿児島-川内-人吉)走行距離284㎞ その1-都城駅、西都城駅、財部駅、霧島神宮駅、国分駅、錦江駅、鹿児島駅

車旅日記2005年2月12日 2005・2・12 8:30 都城駅(2月11日の熊本空港より271

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】2日目(新山口-大分)その1-新山口、宇部、居能、雀田、長門本山、小野田、厚狭、新下関、下関、門司、小倉(山陽本線/宇部線/小野田線/長門本山支線/山陽本線/鹿児島本線)

鉄旅日記2009年9月19日・・・新山口駅、宇部駅、居能駅、雀田駅、長門本山駅、小野田駅、厚狭駅、新

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】最終日(酒田-東京)その2‐小波渡、五十川、府屋、あつみ温泉(羽越本線)

鉄旅日記2019年12月8日・・・小波渡駅、五十川駅、府屋駅、あつみ温泉駅(羽越本線) 8:59 小

記事を読む

「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】3日目 金沢を後にして‐その3(R8→北陸道)小矢部、富山駅、有磯海SA

車旅日記1996年5月5日 22:15 8号国道‐小矢部 恋する女よ。 あれからオレはまだ走っ

記事を読む

「車旅日記」2000年春【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】初日(東京‐足利‐鬼怒川‐会津若松‐新潟豊栄)その2‐足利郊外ポテチーノ、下今市駅、鬼怒川ホテルニュー岡部、上三依塩原駅、会津若松駅、津川町、道の駅豊栄

車旅日記2000年5月3日 15:12 293号国道‐足利郊外ポテチーノ 108㎞ 繁華街を抜け

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】3日目(小樽-富良野)その2-深川、増毛、留萌、北一已、深川、旭川、美瑛、千代ヶ丘、富良野(留萌本線/函館本線/富良野線)

鉄旅日記2016年8月12日・・・深川駅、増毛駅、留萌駅、北一已駅、深川駅、旭川駅、美瑛駅、千代ヶ丘

記事を読む

「車旅日記」1996年1月【旅を友として生きていくことにした27歳。年頭の誓いでございます。】-町田、伊勢原駅、山北駅、沼津駅、富士駅、道の駅富士川、吉原駅、田子の浦

車旅日記1996年1月1日 1996・1・1 20:43 東京町田 始動だ。 久し振りに動かし

記事を読む

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その5‐小国、坂町、新津(米坂線/羽越本線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・小国駅、坂町駅、新津駅(米坂線/羽越本

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その4‐置賜、高畠、米沢(奥羽本線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・置賜駅、高畠駅、米沢駅(奥羽本

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 20

→もっと見る

    PAGE TOP ↑