「鉄旅日記」2020年睦月 2日目(湯沢-鷹ノ巣)その2‐鯉川、東能代、岩館、深浦(奥羽本線/五能線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】
鉄旅日記2020年1月12日・・・鯉川駅、東能代駅、岩館駅、深浦駅(奥羽本線/五能線)
10:19 鯉川(こいかわ)駅(奥羽本線 秋田県)
風が冷たいけど、穏やかな日差しの下にいる。
八郎潟を間近に見たくて森岳駅から2駅を引き返す。
小さな駅。
通りから駅へと通じる道は心許ない。
その道を往くと、八郎潟はすぐに遠望できる。
米の増産を目指して干拓事業が開始されたのは戦後12年目。
大部分が陸地となったが、それまでの八郎潟の面積は琵琶湖に次ぐ2位だったという事実は知っておくべきだ。
そうした現在の姿。
心が動く景観ではある。
国道に下りて八郎潟に近づく道を探すと、いくらも歩かないうちに畦道があり、冬枯れた田園風景にまた心が動いた。
美しい。
太陽に手をかざして光を集めて合掌。
祈り、願い、心を落ち着ける。
空の広い場所ではよくそんなことをする。
何も特別な場所ではないが、オレはこんな景色の中にいることを望んでいるのだと、あらためて思う。
八郎潟は水路に阻まれて最接近を許さなかった。
マタギ仲間の掟を破り、人から龍へと姿を変えられた八郎太郎が、報いを知り最初に造り住んだのが十和田湖。
やがて十和田湖を追われ、米代川を伝って日本海近くに適地を見つけ、次に造り住んだのが八郎潟。
八郎潟の名称は八郎太郎に由来する。
その後、八郎太郎は似たような因果から同じく龍へと姿を変えた辰子が暮らす田沢湖へ移り住み、互いに慈しみ合い、今じゃ八郎潟には滅多に戻らないらしい。
10:59 東能代(ひがしのしろ)駅(奥羽本線/五能線 秋田県)
空はにわかに曇り、霰が降る。
北金岡あたりでは寒々しい景色が続いた。
駅前を写し、駅を写し、キオスクでビールを購入。
東能代側から五能線に乗るのは初めてのことになる。
能代駅を過ぎると米代川を渡る。
向能代、北能代と続く鉄路。
やはり周辺に雪はなく、山の頂上付近にのみ残っている。
日本海が見えてくるのはどこからか。
11:48 岩館(いわだて)駅(五能線 秋田県)
眠りから覚めると岩館の手前。
ちょうど日本海が見え始める頃だった。
ごつごつとした岩場が続く海岸線を眺め、視線を転じて水平線を眺める。
4分の停車。
岩館駅は大正時代の開業とのこと。
背後の名の知れぬ山を写す。
12:48 深浦(ふかうら)駅(五能線 青森県)
海を眺め、疲れて眠り、恋人に便りを送り、また何を思うでもなく海を眺める。
列車旅の素晴らしさを堪能している。
思えば、こうまで海岸線近くを往く鉄路はないのかもしれない。
4分の停車。
11月には団体客でごった返し、降りるを得なかった。
この駅に降りるのは2度目になる。
狭い駅前ロータリーから狭い日本海を眺める。
これはこれでこの場限りの特別な眺めだ。
彼女の息子さんは見事に中学受験初戦を突破した。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】5日目(宇和島-観音寺)-宇和島、卯之町、八幡浜、千丈、伊予大洲、伊予市、松山、伊予北条、今治、伊予小松、伊予西条、新居浜、関川、伊予土居、箕浦、観音寺(予讃本線)
鉄旅日記2009年5月5日・・・宇和島駅、卯之町駅、八幡浜駅、千丈駅、伊予大洲駅、伊予市駅、松山駅、
-
-
「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】初日(東京-水沢)その1-郡山、杉田、五百川、高城町、矢本、野蒜、陸前赤井、石巻、女川(東北本線/仙石線/石巻線)
鉄旅日記2016年3月5日その1・・・郡山駅、杉田駅、五百川駅、高城町駅、矢本駅、野蒜駅、陸前赤井駅
-
-
「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング
車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今までの旅
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その2 ‐祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山リフト乗場、恋人峠、穴吹駅、黒田屋高松西インター店 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
車旅日記2020年9月20日・・・祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山リフト乗場、恋人峠、穴吹駅、黒
-
-
「鉄旅日記」2011年夏【みちのくひとり旅】最終日(花巻-東京)-花巻、平泉、一ノ関、仙台、白石、福島、郡山、矢吹、黒磯、宝積寺、古河、蓮田、西川口(東北本線)
鉄旅日記2011年8月17日・・・花巻駅、平泉駅、一ノ関駅、仙台駅、白石駅、福島駅、郡山駅、矢吹駅、
-
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線)
鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、
-
-
「車旅日記」1998年夏 4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ 【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】
車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知り合
-
-
「鉄旅日記」2018年神無月 最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その1-松本、辰野、北殿、伊那市、伊那福岡、伊那本郷、上片桐、飯田、天竜峡(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】
鉄旅日記2018年10月8日・・・松本駅、辰野駅、北殿駅、伊那市駅、伊那福岡駅、伊那本郷駅、上片桐駅
-
-
「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】2日目(黒磯-郡山-いわき-仙台)その1-道の駅明治の森黒磯、高久駅、黒田原駅、白河駅、安積永盛駅、三春駅、船引駅、磐城常葉駅、川前駅、小川郷駅、四ツ倉駅
車旅日記2006年5月3日・・・道の駅明治の森黒磯、高久駅、黒田原駅、白河駅、安積永盛駅、三春駅、船
-
-
「鉄旅日記」2021年春【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】最終日(松本-東京)その3 ‐南小谷、白馬大池、信濃森上、白馬(大糸線)
鉄旅日記2021年4月25日・・・南小谷駅、白馬大池駅、信濃森上駅、白馬駅(大糸線) 11: