*

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その2‐陸前赤崎、大船渡、気仙沼、一ノ関(三陸鉄道リアス線/大船渡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/07 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年9月23日・・・陸前赤崎駅、大船渡駅、気仙沼駅、一ノ関駅(三陸鉄道リアス線/大船渡線)

8:28 陸前赤崎(りくぜんあかさき)駅(三陸鉄道リアス線 岩手県)にて

9:17 大船渡(おおふなと)駅(大船渡線 岩手県)
大船渡を歩きたかった。
終点の盛駅のひとつ手前の陸前赤崎で降りる。

太平洋セメントの脇を通る。
貨物線が敷かれている。
線路は盛駅を通り越して長岩鉱山までをつなぎ、石灰石を運んでいる。

岩手開発鉄道。
現在は貨物専業だが、平成4年までは盛~岩手石橋間で旅客営業も行っていたとのこと。

当初は地域振興や林産資源の開発などを目的として、釜石線の平倉駅と盛駅をつなぐ計画で発足したが、第二次世界大戦をはさんで中断。
開業したのは戦後5年目のことだった。

大船渡湾を突っ切ってここまで歩いてきた。

東日本大震災による痛ましい傷痕はいくつも残され、茫漠たる眺めに何を思うべきか考える。

街を飲み込んだ津波の映像は今も記憶に鮮明で、たまたま手洗い所を借りに入った公共施設では当時の生々しい写真を展示していた。

なんだか妙な臭いがしたよ。
あるいはたんにそれは港の臭いだったのかもしれない。

ただ何度か突き上げる思いにかられて、いくつかの廃墟の前で黙礼していた。





大船渡にはもうホテルもできている。
もう泊まりにきてもいいんだよ。

10:46 気仙沼(けせんぬま)駅(大船渡線/気仙沼線 宮城県)
BRTは外観もバスだが、乗り心地もバスだった。
揺れが激しい。

BRT(bus rapid transit)とは、バスを基盤とした大量輸送システムのことで、道路も走れば線路も走ると思っていたオレは大きな勘違いをしながらここまで何度も乗ってきたことになる。

喪失の激しかった陸前高田に希望を見た。
BRT乗場に旧陸前高田駅を模した駅舎がたち、かつて寄った「道の駅高田松原」が再建されて、奇跡の一本松と新たな復興記念館をあわせて人を集めていた。
3年前にはBRTから見えた奇跡の一本松は、そうした様々な事情で車窓からは隠されてしまった。

大船渡に陸前高田。
やがてオレが行くべき街がある。

ここ気仙沼でBRTから乗り継いで普通列車に揺られている。

そして、盛~気仙沼間にはもう二度と鉄路が敷かれることはないという事実と、あの大震災から8年になるが、8年という歳月ができたことを、自分の人生に重ねて考えていた。

12:41 一ノ関(いちのせき)駅(東北・北海道新幹線/東北本線/大船渡線 岩手県)
乗り換え時間30分強。
1番ホームの駅そばで出してくれる美味しいラーメンは、また食べられると思うだけで幸せな気持ちにさせてくれる。

朝からウイスキーハイボールばかり飲んで喉が乾いていた。
今日は汁まで飲み干す。
高血圧を気にする身だが、よく歩いたし構わないさ。

小説「吉里吉里人」では、夜行列車「十和田3号」に乗った乗客が一ノ関手前の赤壁付近で、「吉里吉里人」と名乗る暴徒に連れ去られるところから物語が始まる。
赤壁ではないが、一ノ関の次の駅は有壁。
急行「十和田」は上野~青森間を常磐線経由で1985年まで走っていた。

12:44発小牛田行。
閑散区間らしく、まばらな客を乗せて発車した。

【Facebookeへの投稿より】
雨の宮古を出て、再び三陸旅を始めました。

浪板海岸から故井上ひさしさんの小説「吉里吉里人」のモデルになった吉里吉里(きりきり)へと歩きました。

小説「吉里吉里人」は、東北地方のある地域に忽然と「吉里吉里国」という独立国ができるお話でございます。

さらに大船渡へ。

吉里吉里がある大槌町も大船渡も、東日本大震災で深刻な被害を受けた地域でございます。

そんな復興へと向かう町を歩きたかったのでございます。

関連記事

「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その2-土合、越後湯沢、大沢、上越国際スキー場前、越後堀之内、小出(上越線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月3日・・・土合駅、越後湯沢駅、大沢駅、上越国際スキー場前駅、越後堀之内駅、小出

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 最終日(熱海-東京)その5 ‐川崎新町、八丁畷、矢向、平間(浜川崎支線/南武線)/ガス橋 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、相模線、鶴見線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月6日・・・川崎新町駅、八丁畷駅、矢向駅、平間駅(浜川崎支線/南武線)/ガス橋

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 (姫路-十三)その1-山陽姫路、山陽網干、飾磨、大塩、高砂、山陽垂水、垂水、滝の茶屋、山陽塩屋、塩屋、山陽須磨(山陽電車本線/山陽電車網干線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月13日・・・山陽姫路駅、山陽網干駅、飾磨駅、大塩駅、高砂駅、山陽垂水駅、垂水駅

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その4‐大野浦、大竹、岩国、北河内、錦町(山陽本線/錦川鉄道) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・大野浦駅、大竹駅、岩国駅、北河内駅、錦町駅(山陽本線/錦川鉄道)

記事を読む

「車旅日記」2006年初夏 2日目(岐阜-近江八幡) その1-東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

車旅日記2006年7月16日・・・東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 2日目(都城-人吉)走行距離284㎞ その1-都城駅、西都城駅、財部駅、霧島神宮駅、国分駅、錦江駅、鹿児島駅 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月12日・・・都城駅、西都城駅、財部駅、霧島神宮駅、国分駅、錦江駅、鹿児島駅

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 最終日(人吉-熊本空港)走行距離240㎞ その2-上天草、三角駅、肥後長浜駅、宇土駅、上熊本駅、肥後大津駅、熊本空港駅、東京葛飾金町 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月13日・・・上天草、三角駅、肥後長浜駅、宇土駅、上熊本駅、肥後大津駅、熊本空港

記事を読む

「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その1-金町、上野、鹿沼、日光、東武日光、宇都宮、野崎(常磐線/東北本線/日光線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】

鉄旅日記2018年4月1日・・・金町駅、上野駅、鹿沼駅、日光駅、東武日光駅、宇都宮駅、野崎駅(常磐線

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その2-北条町、姫路、播州赤穂、日生、備前片上、西片上、倉敷(北条鉄道/加古川線/山陽本線/赤穂線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月21日・・・北条町駅、姫路駅、播州赤穂駅、日生駅、備前片上駅、西片上駅、倉敷

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑