*

「車旅日記」2000年夏Part.1 2日目(諏訪-飯田-飛騨古川-能登島)上諏訪、辰野駅、駒ヶ根駅、飯田駅、道の駅賤母、ドライブイン飛騨花工場、道の駅飛騨古川、能登島 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2000年

車旅日記2000年7月21日

2000・7・21 7:55 上諏訪某リゾートクラブ
朝湯につかりさっぱりする。
諏訪湖が美しい。

部屋に戻り野菜ジュースとバナナの朝食。
なぜか焦りに似たものがぶり返してきている。

心は安寧とは言えない。
何に不安を覚えているのか。
この先に支障がなければいいが。

考えられるのは音のないところにいることと、やっぱりひとりでいること。

ただしひとりでいることの方が要素的には少ない。
強がりじゃない。
本当のことだ。

また汗まみれの車中に戻れば、すべてが元通りになるだろう。

どうでもいいが、この野菜ジュースはすごくまずかったよ。

9:22 辰野駅 256㎞
諏訪湖は霞がかり、幻想のように、浮かぶように存在していた。

様々な仲間たちと立ち寄った湖畔のあの場所を、もう迷うことはない。

そこから湖岸道路を約半周。
辰野へ抜ける険しい峠の名を見て狂喜した。

標高955m。
そこは有賀峠。

ルーツを思わないわけにはいかない。
とうとうたどり着いた。
そんな大袈裟な感情まで湧いた。

会社のみんなは出勤日。
何だかおかしな気分だ。

この先のルートはまだ定まっていない。

10:46 駒ヶ根駅 288㎞
南信へ。

どうも調子が優れないと思っていたら、どうやら腹を空かしていたようだ。
飯を腹に入れたらいくらか気分が違う。

今日は金曜日。
普段の日だが、休日の町を走っているような気になる。
あまり人を見かけることもなく、のんびりした印象を受けるからだろう。

駅のスタンド定食屋には、東京ではあまり見かけない風体の男たちばかりが入ってくる。
こういうロードを往く甲斐ならいくらもあるものだ。

諏訪では、車中にビリー・ジョエルが歌う「蛍の光」が流れた時に心がしびれた。

優しいメロディが流れると、冷たい水を飲んだ時のような爽やかな気分になる。

天竜川沿いのカントリーロードは、そこにいるだけで楽しめる。

11:55 飯田駅 325㎞
過疎の街とは聞いていた。
そんな街の出身者もかつての知り合いの中にはいた。

測り知れない思い出が時空を越えて蘇る。

赤い屋根の駅はとてもきれいで、澄んだ印象を持つ街。
道幅も広く走りやすい。

南信の街は、描いていたイメージと大差ない。

これから木曽山脈越え。

どうでもいいことだが、地方都市の自販機はコカ・コーラ勢にその多くを占拠されている。

13:31 19号国道‐賤母(道の駅) 374㎞
飯田から南進行動を続け256号国道。

清内路峠までは快調。

峠道は難航を極めた。
木曽の山深さに敬意を。

宿場風の建屋を持つここは、国道を挟んで木曽川と向き合う。

車から降りると蝉の声が暑さを誘い、子供の時分にかいだカブトムシの匂いがした。

理由もなくうれしい気持ちでいる。

土産はここで済ませた。

15:37 41号国道‐ドライブイン飛騨花工場 443㎞
木曽川を越えると岐阜県。
しばらくひどい道を走らされたが、このルートに出ると気分も変わった。

飛騨川は郷愁を連れて、飛騨山脈は濃厚に夏をまとう。

暑くて涼しげなルートで、四方の眺めはとても素晴らしい。

ツクツクホーシは休みなく鳴き、青い空と山々。
懐かしい日本の夏。

子供の時分。
悩みの少なかった時代を思い出す。
長かった夏休みを思い出す。
この国が誇るべき夏の一場面がここにある。

少し疲れているようだ。

高山までもまだそこそこ距離がある。
日本海へは100㎞以上。

思ったより長い一日を生きることになりそうだ。

17:07 41号国道‐飛騨古川(道の駅) 492㎞
高山の街並と賑わいはさすがだった。
できればのんびりしたかった。

今回は仕方ない。
十分満喫している。

気温はまだまだ30度。
今年の夏は暑そうだ。

急げば日本海の夕日が見られるかもしれない。
元気だよオレは。
ただ暑いだけさ。
購入した地ビールを飲む時が楽しみだ。

ここはアメリカ映画に出てくるフリーウェイのドライブインに似ている。
西部劇の登場人物のような男がひょいと現れてもおかしくない。

道はどこまでも続いている。

素晴らしい夏の夕暮れ。

23:00 能登島某リゾートクラブ 667㎞
どれくらいテラスにいたのだろう。

今は雲に隠れてしまったけれど、最初に見上げた時に見えた星の数は怖いほどった。

そう感じたのは2度目になる。
最初は初めて旅に出た最上川の畔。

あれから5年。
いろいろな経験をしたよ。

こんな素敵な場所にいると誰かを想いたいが、そんな女性がいないことが残念だ。

これで分かった。
彼女はもうオレの中から出ていったのだと。

古川から何の記録も残せなかったこともまた残念だけど、41号国道は記憶に残る素晴らしいルートだった。

いつの頃からか横を流れるのは神通川に変わり、富山県に入るまで郷愁に満ちたカントリーロードだった。

暗くなった時には富山入りしていたけれど、街は賑やかで車通りも激しい。
でも氷見から七尾にかけては10台くらいしか見ていない。

どこかに境界線があるのだろう。
地域性といってもいいし、文化といってもいい。

車をこすった記憶は今も忌々しい。
3台連なったあの富山ナンバーを思い出すと歯ぎしりしたくなる。

でももう恨むのはよそう。
それが賢いとかではなく、この旅をいい思い出にするために。

あれがなければよかったけど、あったところでこんな気分でいる。
最高だ。
とにかく最高だ。

こんなだだっ広い海が見える部屋にいることもそうだけど、今日のすべての記憶も。

そして少し大きなことを考えたくなったオレのことも。

関連記事

「鉄旅日記」2013年春 最終日(和歌山-東京)その1-打田、妙寺、高野口、橋本、五条、吉野口、法隆寺、平城山、木津、京田辺、四條畷、住道(和歌山線、関西本線、学研都市線) 【爆弾低気圧襲来日、青春18きっぷで西へ】

鉄旅日記2013年4月7日その1・・・打田駅、妙寺駅、高野口駅、橋本駅、五条駅、吉野口駅、法隆寺駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3 初日(東京-多治見)その2-西小坂井、三河三谷、愛知御津、三河安城、共和(東海道本線) 【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月23日・・・西小坂井駅、三河三谷駅、愛知御津駅、三河安城駅、共和駅(東海道本線

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春 その1-保谷、稲毛、都賀、四街道、久住、下総神崎、松岸、銚子(総武本線、成田線) 【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】

鉄旅日記2012年3月12日その1・・・保谷駅、稲毛駅、都賀駅、四街道駅、久住駅、下総神崎駅、松岸駅

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月 2日目(黒磯-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月3日・・・末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイー

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋-東金、大網、大原、上総中野、上総牛久、五井(東金線/外房線/いすみ鐡道/小湊鉄道/内房線) 【関東ぶらぶら旅その1-房総鄙の里へ】

鉄旅日記2009年10月22日・・・東金駅、大網駅、大原駅、上総中野駅、上総牛久駅、五井駅(東金線/

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その1‐金町、東京、広島(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月13日・・・金町駅、東京駅、広島駅(常磐線/京浜東北線/東海道・山陽新幹線)

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍

記事を読む

「鉄旅日記」2022年新春 初日(東京-湯瀬温泉)その3 ‐盛岡、渋民、八幡平、湯瀬温泉(IGRいわて銀河鉄道/花輪線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】

鉄旅日記2022年1月8日 盛岡駅、渋民駅、八幡平駅、湯瀬温泉駅(IGRいわて銀河鉄道/花輪線)

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 最終日その1(宇治-東京)-宇治、山城多賀、玉水、上狛、木津、加茂、貴生川(奈良線/関西本線/草津線) 【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】

鉄旅日記2015年3月22日その1・・・宇治駅、山城多賀駅、玉水駅、上狛駅、木津駅、加茂駅、貴生川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏 4日目(富良野-大館)その2-南千歳、苫小牧、登別、東室蘭、北舟岡、伊達紋別、長万部、森、新函館北斗、大館(千歳線/室蘭本線/函館本線/北海道新幹線/奥羽本線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

鉄旅日記2016年8月13日・・・南千歳駅、苫小牧駅、登別駅、東室蘭駅、北舟岡駅、伊達紋別駅、長万部

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    PAGE TOP ↑