「鉄旅日記」2019年如月 初日(東京-安中)その1-金町、熱海、城ヶ崎海岸、伊豆熱川、伊豆稲取、今井浜海岸、河津(常磐線/東海道本線/伊東線/伊豆急行線) 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】
鉄旅日記2019年2月9日・・・金町駅、熱海駅、城ヶ崎海岸駅、伊豆熱川駅、伊豆稲取駅、今井浜海岸駅、河津駅(常磐線/東海道本線/伊東線/伊豆急行線)
2019・2・9 4:30 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
本格的な降雪が予想される3連休初日。
列島は寒波に震え、北海道の映像はひたすらに白かった。
関東でも積雪になると気象庁は警告を発した。
雨から雪に変わるという段階を踏まずに、天はいきなり雪を寄越すらしい。
目安としては9時頃。
まずは南に向かうオレは、南の国で雪に遭遇することを期待している。
この旅から、別れの記憶が一年前のことになっていく。
同じこの3連休に北へ向かった去年の旅をしきりに思い出している。
あの頃に身近だった人々はいなくなり、孤独に生きているようでそうでもない。
そしてやはり1年は短かったと感じている。
7:22 熱海(あたみ)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊東線 静岡県)
はす向かいに座った3人のよく似たお子さんと母親の姿に目を奪われていた。
その横、オレの正面に座る女子高生も愛らしい。
車窓は湘南海岸、小田原を過ぎて、相模湾を一望。
ほのぼのとして幸のある車内だった。
お馴染みの熱海駅前。



いくつかある思い出も、気づけば最新のものから少なくとも5年は経過している。
駅へと振り返れば、見覚えのない熱海駅がそこにあった。

8:39 城ヶ崎海岸(じょうがさきかいがん)駅(伊豆急行線 静岡県)
ここで1時間の滞在を予定していたけど、降りてみて分かった。
海岸は遠い。
30分切り上げた。
海へと向かう坂道を下りていく。
角のサーフショップを過ぎて、桜並木を下りていく。
冷たい風に吹かれたリゾートタウンは空き家の群れのように寂しげで、人を見かけず雨戸も下りていた。
海辺はやはり遠く、引き返す。

2週間ほど前からオレの人生に入ってきた女友達。
彼女からメッセンジャーが入っていた。
なくしたものだけを数えて生きているわけじゃない。
そう思う最近の暮らし。
ホームの先に足湯が沸いている。
利用できるのは10時から。
列車が来るまで彼女への返信を打っていた。


9:18 伊豆熱川(いずあたがわ)駅(伊豆急行線 静岡県)
若い頃に友人からよく話を聞かされたが、バナナワニ園には行ったことがない。
そんな施設が真っ先に頭に浮かぶ町に降りた。

駅前には盛大に湯気が沸き、海辺へ下りていく道には赤く塗られた橋が架かり、射的場が構える商店街が懐かしい。

浜辺では体操をする一団の姿があり、霞む大島に目をやり、SNSに上げる写真を撮る。
そんな行為が当たり前になった旅をおかしくも楽しんでいる。



こんなオレも、やはりつながってはいたい。
駅へときた道を上る。


駅前の高級温泉旅館を眺めて、オレが持ち得なかった団欒を想った。
そこでは憎みきれない人が浴衣を着て、オレは子供の手を握って海辺へと駈けていた。
10:04 伊豆稲取(いずいなとり)駅(伊豆急行線 静岡県)
商店街を海辺に下りていく。
突き当たりが漁港で、工事関係者の姿しか見られない。


観光客の見当たらない日常的な姿をした商店街。
駅へと上がる。



江戸城の礎石が切り出された町を謳う稲取。
駅には多くの人が待っていて、いち早くホームへ。
狭い待合室にいたたまれない人々が、オレを慕うようにホームに上がってきた。

中国人の姿はここにもある。
相変わらず活動的だといつも感心する。
世界であれこれよくない言われ方をするが、愛しきものを連れて降りた去年の本川越では、中国人家族に親切にしてもらった。
彼を抱いて自撮りに苦心しているところを、賑やかに声をかけてくれて撮ってくれたんだ。
愛しきものへは、家族総出で顔を崩して「笑え笑え」と。
ありがたくて何度も頭を下げた。
以来、基本的にあの民族には好意を持っている。
10:22 今井浜海岸(いまいはまかいがん)駅(伊豆急行線 静岡県)にて

10:50 河津(かわづ)駅(伊豆急行線 静岡県)
ひとつ手前の今井浜海岸駅で降りて、海岸線に沿って歩く。



ひと山越えれば河津の町に着くだろう。
その予測は当たり、トンネルを脇道にそれると町が見えた。
そしてまた山が立ちはだかる。


伊豆とはそんな土地だった。
紀伊半島をはじめ、そんな土地柄は本来険しい。
海岸線は美しく、空は明るさを取り戻している。
予報じゃ、この後に雪雲は伊豆半島にかかる。

心優しい女友達から便りが届いている。
まだ開けていない。
縁とは奥深いものだと思いながら、心の恋人が去った日常を埋めてくれる彼女との会話を心から楽しんでいる。



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