*

「車旅日記」2006年初夏 2日目(岐阜-近江八幡) その1-東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅 【これが最後の車旅でございます。鈴鹿山脈を回るように、終着駅を探して走ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/21 旅話, 旅話 2006年

車旅日記2006年7月16日・・・東横イン名鉄岐阜、大垣駅、養老駅、阿下喜駅、西藤原駅、湯の山温泉駅、四日市駅、鈴鹿サーキット稲生駅

2006・7・16 7:11 東横イン名鉄岐阜813号
予想通りの雨。
稲葉山に雲がかかり、岐阜市内は今日一日浮かない。

梅雨明けが待ち遠しい。
昨日のように、どんなに暑くても晴れてる方がいい。

見渡したところ岐阜の街はまだ眠っている。
もっともこの天気だ。
朝寝坊もいいだろう。

9:04 大垣駅(岐阜駅より22㎞)
松尾芭蕉最後の地、大垣。
最後の夢が、この地で彼の脳裏に浮かぶ枯野を駆け巡った。

1600年の西軍最後の夢の地、大垣。
大垣が前衛基地で、やがて壊滅する大軍団は雨の中を関ヶ原に向かった。
アーケード街に隠れるように、重厚な門を構えた城の姿が見えた。

JR、近鉄、旧国鉄樽見鉄道が乗り入れる交通の要衝、大垣。
都会的でもあり、いい街だと思う。

大垣に着くまで素晴らしい田舎道を走ってきた。
田圃脇の用水路に面した素朴な道などは、オレにとっては最高だ。

木曽川、長良川、揖斐川を渡り終えて、関西圏の匂いを嗅いでいる。
すぐ近くに競輪場がある。

旅心が蘇ってきた。
雨は一旦止んでいる。

2012年8月25日撮影

9:59 養老駅(岐阜駅より36㎞)
養老山地に深遠な雲がかかり、また雨が上がった。

酒が湧いたという「養老の滝」伝説が残る養老へ。
伝説の内容をよくは知らなかったが、親孝行を伝える話だったのか。

近鉄が走る養老駅。
とても素敵な駅だ。
はしゃぎだすように車を降りて、新しくした携帯電話のカメラで駅を収めた。

千歳旅館が経営する軽喫茶食堂では主人が朝からビールを飲んでいる。

焦がれている彼女に渡す土産を購入したよ。
日本最初にこの地で製造されたというサイダーと、体にいいということから関西各地から買い求める客がやってくるという酒。
サイダーはオレも今飲んでいる。

縁起物でもある瓢箪の携帯ストラップも購入。
手元でじゃらじゃらしてる。

不意に日が差して蝉の声が聞こえてきた。
今年の第一声をここで聞けてうれしい。

快くホームの便所も使わせてもらう。
もういかなくちゃな。

乗降客はそうそういるわけじゃなく、タクシー運転手は暇を持て余している。

彼女を想った。
夏が始まった。

2018年9月16日撮影

10:53 阿下喜駅(岐阜駅より64㎞)
養老山地を越えて。

山並に沿って道がうねる様は美しかった。
山地越えに要した時間は約30分。
北勢の町へ。

温泉、城跡、野猿。
地図にはそうした文字が見られる。

終着の駅に駅員の姿はなく、待合室で燕が巣を作っている。
煙草を吸いにやってきたオレを威嚇するように親鳥が鼻先を掠め、振り向くと雛鳥が盛大に騒いでいた。

大正3年開業、近鉄北勢線のこの駅には当時の乗車心得が壁に残っている。
あたりに工事中の空地が目立つ、乾いた町の終着駅だった。

三重県に入っている。

11:17 西藤原駅(岐阜駅より71㎞)
三岐鉄道の終着駅へ。
ウィステリア鉄道と呼ばれる模型電車に乗って、子供連れの家族が楽しんでいる。

眼下に大きなお寺を見下ろす駅。
機関車を模したステンレスの駅舎には愛嬌がある。

手前の東藤原駅では長大な貨物列車が停車していた。
鉱山列車のようだ。
途中には巨大な太平洋セメントの工場がある。
関東の誰もが知らないような鈴鹿山脈外れの町。

トンボの大群に遭遇した。
このあたりじゃ夏を迎える前に姿を見せるものなのか。

踏切音がひっきりなしに聞こえてくるが、それは三岐鉄道のものじゃない。

2018年12月22日撮影

12:04 湯の山温泉駅(岐阜駅より94㎞)
湯の山へ。

近鉄の終着駅、湯の山温泉。
鈴鹿山脈に抱かれた高地に温泉場がある。
今じゃたいして観光資源にはなっていないように見える。

ここ湯の山は、「男はつらいよ」第3作目で車寅次郎が恋をした町。
道を上がるとロープウェー乗場があり、恋に落ちた旅館の女将の弟と寅次郎が決闘をした場所と思わしき景色を見た。

駅の背後の山並が見事だ。
そして色とりどりの近鉄電車が入線してきた。

この開放的な駅にやってくる客も、ここで待つ客も多くはない。
寅次郎は傷心を抱えて、この駅から九州へと向かった。

確かあれは寒い季節だった。

2017年3月18撮影

13:11 四日市駅(岐阜駅より117㎞)
近鉄線に沿って街へ下っていく。

石油化学コンビナートが見えてくれば四日市。
そして1号国道へ。

港へ向けて貨物線路が延びる重化学工業都市。
かつて「四日市ぜん息」という怪物を生み出した街に気怠い午後が訪れている。

関西私鉄の雄、近鉄駅のあたりには百貨店などが見える。
そこから港へ下った場所に今いる。

四日市駅には明らかな歴史がある。
1階の広大な待合室には鍵がかかり、2階のレストランは閉鎖されている。
駅舎の大半の機能が止まっている。

JRは、名古屋までなら近鉄より安いと宣伝しているが、明暗は分かれている。
オレは廃れた方にいる。

四日市を目指すなら近鉄がいい。
JRのこの駅に降りたら途方に暮れる。

2014年3月8日撮影

14:03 鈴鹿サーキット稲生駅(岐阜駅より135㎞)
町並が平凡なものになってきた。
世界の鈴鹿での記憶は市役所とテレビ塔しかない。

サーキット場はそこのこんもりとしたあたりにあるようだ。
今日は8耐と呼ばれるレースが行われる会場。
世界が集まる季節はすでに終わっている。

さらに昔に世界の強豪が鈴鹿に集まったことがある。
「全日本プロレス」昭和50年の世界オープン選手権大会。

優勝したジャイアント馬場は、この街でドリー・ファンク・ジュニアに破れている。
2人の数ある闘いで、明確な決着がついた歴史的な大会だった。

サーキットの名を冠した伊勢鉄道が通じるこの駅に駅舎はなく、待合所の窓にはベニヤが貼られ、ガラスは割れている。
並んだ自転車は倒れ、奥には威圧的な右翼の街宣車とバラックがある。

外は暑い。
このまま晴れてくれたらうれしい。

関連記事

「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その1-新宿、初狩、笹子、酒折、善光寺、甲斐岩間、波高島、内船、芝川、西富士宮(中央本線、身延線)

鉄旅日記2013年3月3日その1・・・新宿駅、初狩駅、笹子駅、酒折駅、善光寺駅、甲斐岩間駅、波高島駅

記事を読む

「鉄旅日記」2007年新春 初日(東京-高岡)-東京、岐阜、美濃太田、下呂、高山、角川、猪谷、富山、高岡(東海道新幹線/高山本線/北陸本線) 【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】

鉄旅日記2007年1月6日・・・東京駅、岐阜駅、美濃太田駅、下呂駅、高山駅、角川駅、猪谷駅、富山駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春-館林、佐野、葛生、西小泉、赤城、太田、伊勢崎、新伊勢崎、足利、足利市(東武佐野線/東武小泉線/東武桐生線/東武伊勢崎線)【ふらっと両毛 東武フリーパスで、両毛ローカル旅】

鉄旅日記2014年4月6日・・・館林駅、佐野駅、葛生駅、西小泉駅、赤城駅、太田駅、伊勢崎駅、新伊勢崎

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 4日目(隼人-岩国)その2-熊本、久留米、鳥栖、吉塚、長者原、古賀、東郷、赤間、幡生(鹿児島本線、山陽本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月13日その2・・・熊本駅、久留米駅、鳥栖駅、吉塚駅、長者原駅、古賀駅、東郷駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その2‐陸前赤崎、大船渡、気仙沼、一ノ関(三陸鉄道リアス線/大船渡線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月23日・・・陸前赤崎駅、大船渡駅、気仙沼駅、一ノ関駅(三陸鉄道リアス線/大船渡

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その4 ‐福島、卸町、東福島、桑折、飯坂温泉(阿武隈急行/東北本線/福島交通飯坂線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・福島駅、卸町駅、東福島駅、桑折駅、飯坂温泉駅(阿武隈急行/東北本

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その1‐防府、新山口、宇部、小野田(山陽本線)/防府天満宮 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・防府駅、新山口駅、宇部駅、小野田駅(山陽本線)/防府天満宮

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-紀伊勝浦)その2-山田上口、宮川、川添、伊勢柏崎、尾鷲、新鹿、熊野市、紀伊勝浦(参宮線、紀勢本線) 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】

鉄旅日記2014年3月8日その2・・・山田上口駅、宮川駅、川添駅、伊勢柏崎駅、尾鷲駅、新鹿駅、熊野市

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋 最終日(小諸-東京)その2-高崎、新前橋、前橋、中央前橋、小山、水戸、東京葛飾金町(信越本線/両毛線/水戸線/常磐線) 【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。】

鉄旅日記2005年11月7日・・・高崎駅、新前橋駅、前橋駅、中央前橋駅、小山駅、水戸駅(信越本線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 最終日(釜石-東京)その3‐一ノ関、小牛田、仙台、福島、郡山(東北本線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月24日・・・一ノ関駅、小牛田駅、仙台駅、福島駅、郡山駅(東北本線) 11:4

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その3 ‐相生、岡山、坂出、高松(山陽本線/本四備讃線/予讃本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・相生駅、岡山駅、坂出駅、高松駅(山

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その2 ‐木曽福島、上松、大桑、大垣、姫路(中央本線/東海道本線/山陽本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・木曽福島駅、上松駅、大桑駅、大垣駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その1 ‐伊那市、辰野、岡谷、塩尻(飯田線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・伊那市駅、辰野駅、岡谷駅、塩尻駅(

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その4 ‐岡谷、北殿、伊那北、伊那市(飯田線)/ホテル青木【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・岡谷駅、北殿駅、伊那北駅、伊那市駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その3 ‐龍岡城、小海、青柳、下諏訪(小海線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・龍岡城駅、小海駅、青柳駅、下諏訪駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑