「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】4日目(佐賀-松浦)その1-佐賀、肥前竜王、里信号場、喜々津、浦上、浦上駅前、長崎駅前、長崎、長与、諫早(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線)
鉄旅日記2009年9月21日・・・佐賀駅、肥前竜王駅、里信号場、喜々津駅、浦上駅、浦上駅前駅、長崎駅前電停、長崎駅、長与駅、諫早駅(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線)
2009・9・21 6:53 佐賀(さが)駅(長崎本線 佐賀県)
ホームに恵比寿様が鎮座している。
洗面台がある。
鳥栖から来た長崎行が長いこと止まっている。
朝風呂に浸かったが、酔いは覚めていない。
夜中には吐いた。
そんなこともあるだろう。
朝の駅前通りに昨夜の印象はない。
有明佐賀空港に向けて真っすぐに道が延びている。
5年前に来た道だ。
そう、お城の脇を通ってさ。
西友がある。
だけどそれしかない。
お洒落に関する問題はすべて博多で解決してほしいいう態度だ。
可笑しいよな。
昨夜、店で大将にも同じことを言ったけど、いい意味でだ。
オレも地元葛飾じゃ、ちょっとしたものは手に入らないのと同じだ。
佐賀から博多は、近いといえば近い。
7:37 肥前竜王(ひぜんりゅうおう)駅(長崎本線 佐賀県)
12分の停車。
乗客が5名ほど増えた。
駅前に商店の類は見られない。
ここは白石町。
収穫に向けて稲田が朝日に輝いている。
思えば、東京では見られない風景で、オレにとってもありふれたものじゃない。
美しい。
自販機で缶コーヒーを購入して、煙草を吸う。
昨夜の酒が抜けない。
よくよく考えれば、よく飲んだ。
生ビール3杯、熱燗4合、ホテルで500缶1本。
列車はすでに発車していて、肥前鹿島着。
ここは町だ。
この先、有明海は見えるのだろうか。
今さらだが、長崎本線は電化されている。
8:11 里信号場(さとしんごうじょう)(長崎本線 佐賀県)
列車行き違いで3分停車。
月の引力が見える町、太良町。
有明海を前にしている。
5年前、207号国道を長崎に向けて爆走した記憶が蘇る。
竹崎城址展望台、白浜海水浴場の案内表示が見える。
車窓から空を見るのもおつだ。
次は肥前大浦。
8:55 喜々津(ききつ)駅(長崎本線/長与支線 長崎県)
途中に印象的な駅が2つ。
小長井駅は海際に位置していて、長里駅は狭い道を間において駅舎が立っていた。
ムツゴロウを死滅の危機にさらす悪名高い諫早湾の干拓地を過ぎる。
先入観を持つからか、悪魔の構造物に見える。
長崎本線はここから二手に分かれる。
小さいながらも駅前に商店を持つ駅だった。
ここで数分の停車。
案山子が動いたと思ったら、老農夫の姿だった。
浦上(うらかみ)駅(長崎本線/長与支線 長崎県)にて
9:23 浦上駅前(うらかみえきまえ)駅(長崎電気軌道 長崎県)
現川を過ぎて長いトンネルを抜けると長崎の街が見えてきた。
この駅前を3か月前、社員旅行で通ったよ。
5年前にも通った。
懐かしさは感じない。
下町で暮らすオレが、久し振りに新宿に降りたようなものだ。
オレの切符はここ浦上が終点。
東京下町葛飾から列車を乗り継いで、4日目の朝に着いたわけだ。
ここから市電に乗って長崎へ行く。
市電の乗車料金は100円だった。
長崎駅前(ながさきえきまえ)電停(長崎電気軌道 長崎県)にて
10:06 長崎(ながさき)駅(長崎本線 長崎県)
西国の終着駅、世界の長崎。
諫早からは、この街を目指す人々が徐々に増えて車内はいっぱいになった。
そして路面電車も街も、人でいっぱいだ。
来年の大河ドラマは坂本龍馬だから、海援隊の根拠地長崎はその舞台になる。
稲佐山を見上げる。
3か月前も、おそらく23年前の修学旅行の際もあの山の中腹にあるホテルに泊まった。
日本三大夜景のひとつ、長崎の夜景を見渡せるホテル。
その夜景も徐々に質を変えていると聞いた。
オレはそれを比較できる要素を持たない。
この街に着いて1時間も経たずに離れる者はそうはいないだろう。
もちろん名残りは惜しいが、先を急ぐ。
11:17 長与(ながよ)駅(長崎本線長与支線 長崎県)
ここはすでに長崎市内ではない。
これから乗る大村線での時刻表を睨み、この駅で1時間を費やすことにしていた。
近くの中尾城公園に登った。
オレみたいな男がひとりで行くようなところじゃないかもしれないが、登り甲斐がある。
大汗かいたよ。
今も引かない。
草スキーに巨大な螺旋状の滑り台。
親に連れられた子供たちが歓声を上げている。
展望所に上がったら遠く大村湾が見えた。
一番上まで上がらなきゃ海は見えない。
頂点を目指す明確な理由があることが素晴らしい。
長与川まで下りた県道沿いには眼鏡屋、焼鳥屋、ラーメン屋。
穏やかに時間が流れている。
この町に縁を持たない者が、これまでにこの駅にどれだけ降りてきただろう。
オレはそんな者のひとりになる。
行きは島原寄りのルートを通ったが、
この長与を経由していくルートは長崎本線の旧線にあたる。
喜々津で2線は再び合流する。
12:35 諫早(いさはや)駅(長崎本線/大村線/島原鉄道 長崎県)
喜々津までの区間は大村湾の波打ち際を走る。
絶景だ。
瀬戸内ほどじゃないが、大村湾にも島々が浮かぶ。
ターミナル駅の諫早は現代彫刻のような、どこかメルヘン的な色をしている。
素敵な駅だ。
本明川沿いに歓楽街がある。
写真として飾られたキャバクラ嬢たちが均しく可愛らしい。
V・ファーレン長崎というクラブがJリーグ参入を目指しているらしい。
5年前に提灯の灯に彩られていた町。
長崎へと急ぐオレの目に、諫早はそのように映っていた。
関連記事
-
-
「車旅日記」2003年晩秋【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】2日目(南紀白浜-潮岬-新宮-十津川-伊勢志摩)走行距離421㎞ -白良浜、白浜駅、見老津駅、潮岬、紀伊大島樫野灯台、湯川駅、瀞峡街道・熊野川、十津川、熊野きのくに、紀伊長島駅、伊勢志摩
車旅日記2003年11月23日・・・白良浜、白浜駅、見老津駅、潮岬、紀伊大島樫野灯台、湯川駅、瀞峡街
-
-
「鉄旅日記」2019年如月【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】初日(東京-安中)その2-伊豆急下田、伊豆高原、橋本、八王子、東福生、福生、拝島(伊豆急行線/横浜線/八高線/青梅線)
鉄旅日記2019年2月9日・・・伊豆急下田駅、伊豆高原駅、橋本駅、八王子駅、東福生駅、福生駅、拝島駅
-
-
「鉄旅日記」2008年初夏【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】初日(東京-和歌山)その1-浜松、豊橋、大垣、京都、六地蔵、城陽、京終、帯解、天理、桜井(東海道本線/奈良線/桜井線)
鉄旅日記2008年7月19日・・・浜松駅、豊橋駅、大垣駅、京都駅、六地蔵駅、城陽駅、京終駅、帯解駅、
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】初日(東京-湯沢)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯(常磐線/東北本線)
鉄旅日記2020年1月11日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、黒磯駅(常磐線/東北本線) 2
-
-
「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その2‐郡山、福島、仙台、品井沼、松島(東北本線)
鉄旅日記2019年11月2日・・・郡山駅、福島駅、仙台駅、品井沼駅、松島駅(東北本線) 9:25 郡
-
-
「鉄旅日記」2013年春【青春18きっぷで、甲斐駿河途中下車旅】その2-源道寺、入山瀬、下部温泉、塩之沢、甲斐常葉、市川大門、甲府、新府、穴山、東山梨、東所沢(身延線、中央本線、武蔵野線)
鉄旅日記2013年3月3日その2・・・源道寺駅、入山瀬駅、下部温泉駅、塩之沢駅、甲斐常葉駅、市川大門
-
-
「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線)
鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、
-
-
「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング
車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今まで
-
-
「鉄旅日記」2018年如月【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】初日(東京-河口湖-新島々-長野-直江津)その2-三つ峠、塩山、酒折、塩尻、新島々、西松本、松本(富士急行/中央本線/アルピコ交通上高地線)
鉄旅日記2018年2月10日・・・三つ峠駅、塩山駅、酒折駅、塩尻駅、新島々駅、西松本駅、松本駅(富士
-
-
「鉄旅日記」2012年初冬【週末パスで、甲信越途中下車旅】最終日(長野-東京)その1-長野、信州中野、湯田中、安茂里、戸倉、上田、別所温泉、西上田、田中(長野電鉄、信越本線、しなの鉄道、上田交通)
鉄旅日記2012年12月9日その1・・・長野駅、信州中野駅、湯田中駅、安茂里駅、戸倉駅、上田駅、別所