*

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】4日目(佐賀-松浦)その1-佐賀、肥前竜王、里信号場、喜々津、浦上、浦上駅前、長崎駅前、長崎、長与、諫早(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線)

公開日: : 最終更新日:2024/05/25 旅話, 旅話 2009年

鉄旅日記2009年9月21日・・・佐賀駅、肥前竜王駅、里信号場、喜々津駅、浦上駅、浦上駅前駅、長崎駅前電停、長崎駅、長与駅、諫早駅(長崎本線/長崎電気軌道/長崎本線長与支線)

2009・9・21 6:53 佐賀(さが)駅(長崎本線 佐賀県)
ホームに恵比寿様が鎮座している。
洗面台がある。
鳥栖から来た長崎行が長いこと止まっている。

朝風呂に浸かったが、酔いは覚めていない。
夜中には吐いた。
そんなこともあるだろう。

朝の駅前通りに昨夜の印象はない。
有明佐賀空港に向けて真っすぐに道が延びている。
5年前に来た道だ。
そう、お城の脇を通ってさ。

西友がある。
だけどそれしかない。
お洒落に関する問題はすべて博多で解決してほしいいう態度だ。

可笑しいよな。
昨夜、店で大将にも同じことを言ったけど、いい意味でだ。
オレも地元葛飾じゃ、ちょっとしたものは手に入らないのと同じだ。

佐賀から博多は、近いといえば近い。

7:37 肥前竜王(ひぜんりゅうおう)駅(長崎本線 佐賀県)
12分の停車。
乗客が5名ほど増えた。
駅前に商店の類は見られない。

ここは白石町。
収穫に向けて稲田が朝日に輝いている。
思えば、東京では見られない風景で、オレにとってもありふれたものじゃない。
美しい。

自販機で缶コーヒーを購入して、煙草を吸う。
昨夜の酒が抜けない。
よくよく考えれば、よく飲んだ。
生ビール3杯、熱燗4合、ホテルで500缶1本。

列車はすでに発車していて、肥前鹿島着。
ここは町だ。
この先、有明海は見えるのだろうか。

今さらだが、長崎本線は電化されている。

8:11 里信号場(さとしんごうじょう)(長崎本線 佐賀県)
列車行き違いで3分停車。

月の引力が見える町、太良町。
有明海を前にしている。

5年前、207号国道を長崎に向けて爆走した記憶が蘇る。

竹崎城址展望台、白浜海水浴場の案内表示が見える。
車窓から空を見るのもおつだ。

次は肥前大浦。

8:55 喜々津(ききつ)駅(長崎本線/長与支線 長崎県)
途中に印象的な駅が2つ。
小長井駅は海際に位置していて、長里駅は狭い道を間において駅舎が立っていた。

ムツゴロウを死滅の危機にさらす悪名高い諫早湾の干拓地を過ぎる。
先入観を持つからか、悪魔の構造物に見える。

長崎本線はここから二手に分かれる。
小さいながらも駅前に商店を持つ駅だった。
ここで数分の停車。

案山子が動いたと思ったら、老農夫の姿だった。

浦上(うらかみ)駅(長崎本線/長与支線 長崎県)にて

9:23 浦上駅前(うらかみえきまえ)駅(長崎電気軌道 長崎県)
現川を過ぎて長いトンネルを抜けると長崎の街が見えてきた。

この駅前を3か月前、社員旅行で通ったよ。
5年前にも通った。
懐かしさは感じない。
下町で暮らすオレが、久し振りに新宿に降りたようなものだ。

オレの切符はここ浦上が終点。
東京下町葛飾から列車を乗り継いで、4日目の朝に着いたわけだ。

ここから市電に乗って長崎へ行く。
市電の乗車料金は100円だった。

長崎駅前(ながさきえきまえ)電停(長崎電気軌道 長崎県)にて

10:06 長崎(ながさき)駅(長崎本線 長崎県)
西国の終着駅、世界の長崎。
諫早からは、この街を目指す人々が徐々に増えて車内はいっぱいになった。

そして路面電車も街も、人でいっぱいだ。
来年の大河ドラマは坂本龍馬だから、海援隊の根拠地長崎はその舞台になる。

稲佐山を見上げる。
3か月前も、おそらく23年前の修学旅行の際もあの山の中腹にあるホテルに泊まった。
日本三大夜景のひとつ、長崎の夜景を見渡せるホテル。

その夜景も徐々に質を変えていると聞いた。
オレはそれを比較できる要素を持たない。

この街に着いて1時間も経たずに離れる者はそうはいないだろう。

もちろん名残りは惜しいが、先を急ぐ。



11:17 長与(ながよ)駅(長崎本線長与支線 長崎県)
ここはすでに長崎市内ではない。

これから乗る大村線での時刻表を睨み、この駅で1時間を費やすことにしていた。

近くの中尾城公園に登った。

オレみたいな男がひとりで行くようなところじゃないかもしれないが、登り甲斐がある。
大汗かいたよ。
今も引かない。

草スキーに巨大な螺旋状の滑り台。
親に連れられた子供たちが歓声を上げている。

展望所に上がったら遠く大村湾が見えた。
一番上まで上がらなきゃ海は見えない。
頂点を目指す明確な理由があることが素晴らしい。

長与川まで下りた県道沿いには眼鏡屋、焼鳥屋、ラーメン屋。
穏やかに時間が流れている。

この町に縁を持たない者が、これまでにこの駅にどれだけ降りてきただろう。
オレはそんな者のひとりになる。

行きは島原寄りのルートを通ったが、
この長与を経由していくルートは長崎本線の旧線にあたる。

喜々津で2線は再び合流する。

12:35 諫早(いさはや)駅(長崎本線/大村線/島原鉄道 長崎県)
喜々津までの区間は大村湾の波打ち際を走る。
絶景だ。
瀬戸内ほどじゃないが、大村湾にも島々が浮かぶ。

ターミナル駅の諫早は現代彫刻のような、どこかメルヘン的な色をしている。
素敵な駅だ。

本明川沿いに歓楽街がある。
写真として飾られたキャバクラ嬢たちが均しく可愛らしい。
V・ファーレン長崎というクラブがJリーグ参入を目指しているらしい。

5年前に提灯の灯に彩られていた町。
長崎へと急ぐオレの目に、諫早はそのように映っていた。

関連記事

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その3-日出塩、贄川、村井、上諏訪、日野春、西国分寺、新松戸(中央本線/武蔵野線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・日出塩駅、贄川駅、村井駅、上諏訪駅、日野春駅、西国分寺駅、新松戸駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】最終日(酒田-東京)その4‐水上、高崎、籠原(上越線/高崎線)

鉄旅日記2019年12月8日・・・水上駅、高崎駅、籠原駅(上越線/高崎線) 18:36 水上(みなか

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】初日(東京-岡谷-長篠-飯田)その1-国立、高尾、宮田、伊那八幡、三河東郷、新城、三河一宮(中央本線/飯田線)

鉄旅日記2018年4月7日・・・国立駅、高尾駅、宮田駅、伊那八幡駅、三河東郷駅、新城駅、三河一宮駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】その1-上尾、桶川、鴻巣、行田、岡部、神保原、新町、群馬総社、中之条、郷原、長野原草津口、万座・鹿沢口(高崎線、吾妻線)

鉄旅日記2012年4月1日その1・・・上尾駅、桶川駅、鴻巣駅、行田駅、岡部駅、神保原駅、新町駅、群馬

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その1-藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太陽の丘公園 瞰望岩、遠軽駅、オホーツク氷紋の駅

車旅日記2004年5月4日・・・藤田観光ワシントンホテル、愛別駅、上川駅、白滝駅、丸瀬布駅、遠軽市太

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】最終日(和田山-東京)その2-大阪、桜島、西九条、阪神西九条、久宝寺、放出、京橋、京阪京橋、近江舞子、近江今津、近江塩津、東京葛飾(大阪環状線/桜島線/関西本線/おおさか東線/学研都市線/湖西線)

鉄旅日記2009年11月23日・・・大阪駅、桜島駅、西九条駅、阪神西九条駅、久宝寺駅、放出駅、京橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】その2-猿田、旭、八日市場、八街、成東、本納、茂原、千倉、佐貫町、姉ヶ崎、市川(総武本線、東金線、内房線、外房線)

鉄旅日記2012年3月12日その2・・・猿田駅、旭駅、八日市場駅、八街駅、成東駅、本納駅、茂原駅、千

記事を読む

「車旅日記」2005年春【松本から富山へ。今にして思えば、なぜこの旅を思い立ったのか思い出せないのでございます。】最終日(富山-岩瀬浜-糸魚川-松本)走行距離218㎞ その1-アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅、魚津駅、石田駅、電鉄黒部駅、入善駅

車旅日記2005年4月30日・・・アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、富山・岐阜途中下車旅】最終日(富山-東京)その2-美濃太田、可児、姫、下切、南木曽、田立、勝沼ぶどう郷(太多線、中央本線)

鉄旅日記2012年8月26日その2・・・美濃太田駅、可児駅、姫駅、下切駅、南木曽駅、田立駅、勝沼ぶど

記事を読む

「鉄旅日記」2005年秋【軽井沢で挙式する身内を祝うために、初めて鉄道で旅をいたしました。ここから鉄旅が始まったのでございます。】最終日(小諸-軽井沢-高崎-水戸-東京)その1-小諸、軽井沢、横川(しなの鉄道)

鉄旅日記2005年11月7日・・・小諸駅、軽井沢駅、横川駅(しなの鉄道) 2005・11・7 東京

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】3日目(高松)その1 ‐片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻公園(高松城跡)、一宮寺、滝宮天満宮、滝宮駅、満濃池

車旅日記2020年9月21日・・・片原町駅、瓦町駅、高松築港駅、玉藻

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】2日目(高松)その2 ‐祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山リフト乗場、恋人峠、穴吹駅、黒田屋高松西インター店

車旅日記2020年9月20日・・・祖谷口駅、小歩危駅、大歩危駅、剣山

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話

鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線

「鉄旅日記」2020年初秋【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】初日(東京-高松)その4 ‐姫路、相生、有年、三石(山陽本線)

鉄旅日記2020年9月19日・・・姫路駅、相生駅、有年駅、三石駅(山

→もっと見る

    PAGE TOP ↑