*

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その1-新南陽、新山口、阿知須、宇部新川、小野田港、下関、八幡、陣原(山陽本線/宇部線/小野田線/鹿児島本線)

公開日: : 最終更新日:2020/09/09 旅話 * 結婚後2015年

鉄旅日記2015年8月13日その1
2015・8・13 5:37 新南陽(しんなんよう)駅(山陽本線 山口県)
冷房を消した部屋に蜩の第一声が入ってきた。
外に風はなく盛大なる雨。
こんな降りに出くわすのは久し振りだ。

沿岸部に工場地帯が見える。
昨夜は操業を控えていたようで工場夜景を見た記憶はない。

朝の早いタバコ屋は早々に店を開け、駅そばのおばちゃんも仕込みに勤しんでいる。
新南陽は駅の街だった。


6:33 新山口(しんやまぐち)駅(山陽新幹線/山陽本線/山口線/宇部線 山口県)
山陽本線は戸田富海間では海辺を往く。
そんなことは忘れていたからその風景に接すれば旅心が疼く。

そうだった。
2年前にあらためて通った際に徳山新山口間の風景に惚れたことを思い出した。
瞼を閉じたら愛しい人の満面の笑みが見えた。

新装中の新山口駅。
6年振りに降りた。
24時間営業の飲み屋が朝の丼メニューを掲げている。

磨きあげたようなきれいな通路を通って宇部線完乗へと8番線へ下りていく。

6:56 阿知須(あじす)駅(宇部線 山口県)
街に着くまではまるで南洋の原野のようだった。
5分間停車した駅は整った町中にあった。

洒落た美容室が駅前を飾り跨線橋からは白いドームが見える。
あそこはかつて友人に連れられてきた場所だろう。
国体が行われた跡地だと聞いた。
その友人夫婦との想い出が浮かぶ。

宇部では恋もした。

宇部興産中央病院で看護婦をしていた彼女はどうしているだろう。
顔はもうよく思い出せない。
幸せな暮らしを営んでいてほしいと心から思う。

7:30 宇部新川(うべしんかわ)駅(宇部線/小野田線 山口県)
訪れるたびに印象が変わる宇部の街。
今日は情緒を感じた。

宇部興産は今日も盛大に煙を吹き上げている。
ここはもはや親戚みたいな街だ。
こんなことを言える街はここの他には京都しかない。

道々もう宇部を通ることもないだろうと思っていたけど、駅に着いて、構内の池が健在で、さらにかつてと同じようにおもちゃのアヒルが浮かんでいるのを見るにつけ、湧き立つように未来の再訪を予感した。
なにせ親戚だ。

山口宇部空港に厚東川。
爽やかに懐かしんでいる。

そうするのに夏はいい季節だ。


7:52 小野田港(おのだこう)駅(小野田線 山口県)
遠い昔といっていい過去に宇部は炭鉱町だった。
さっき見えたのはボタ山だったのだろうか。

ここで数分の停車。

小野田の空にも煙がモクモク。
ここじゃあれが小野田名物として、街の繁栄の象徴として思われているだろうか。

そんな小野田の空は青く澄んでいた。

ペンキの剥がれた駅はコンクリートの円柱に支えられている。
小学校をはじめ、子供の頃によく出入りしていた場所で見かけたものだった。
昭和の構造物を懐かしく思った。
子供の頃にここにいたら、オレは何度かあの円柱に飛びついていただろう。

東京の耐え難い暑さはここにはない。

8:56 下関(しものせき)駅(山陽本線/山陰本線 山口県)
海峡の街に涼しい風が吹いている。
廃れたところが見えない下関駅前に安心した。
放火で失われた駅舎は現代的な駅ビルとなって街に埋もれていた。

かつての夏、関門海峡を挟んで下関と門司の両側から盛大に打ち上げる海峡花火大会の当日にたまたま居合わせたことがある。

懐かしさは感じなかったが、20年振りの出場という下関商業が甲子園に懐かしさを運んでいる。
テレビで見た地元紹介で、下関市民が「下商ガンバレ」と言う姿に目頭が熱くなった夏。

あの若者たちが甲子園で勝ち続けて、まだこの街に戻っていないことを願っている。


9:36 八幡(やはた)駅(鹿児島本線 福岡県)
九州上陸。

皿倉山が聳える駅前。
麓には山上へと導くケーブル駅があるようだ。
雲が湧く雄大な風景に九州を感じる。

世界遺産に登録された街だが、駅前に地元の喜びを伝えるものはなく、甲子園への出場を決めた九州国際大学付属高校の快挙のみを祝っている。

かつて市電が走っていた八幡市内。
駅に残されている白黒写真には現在では見られない活気と多くの空き地が写っていた。

9:48 陣原(じんのはる)駅(鹿児島本線 福岡県)
涼しい風が吹き、上空に雨雲がかかる頃に着いた町。
人通りは少なく、東京では聞くことのない蝉の種族が耳障りな声で盛大に鳴いている。

黒崎始発の筑豊本線直通列車に乗り換える。

次の停車駅の折尾では直通列車専用ホームに止まる。
かつて深い感動とともに降りた折尾駅は、もはやかつての姿を残していない。

関連記事

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】2日目(新南陽-鹿児島中央)その3-宇土、松橋、八代、出水、牛ノ浜、草道、鹿児島中央(鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道)

鉄旅日記2015年8月13日その3 17:40 宇土(うと)駅(鹿児島本線/三角線 熊本県

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】初日その3(東京-宇治)-中書島、伏見桃山、桃山御陵前、桃山、JR藤森、木幡、黄檗、京阪黄檗、京阪宇治(京阪本線/奈良線/京阪宇治線)

鉄旅日記2015年3月21日その2 20:15 中書島(ちゅうしょじま)駅(京阪本線/京阪

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その1(東京-岩倉)-蒲郡、三河鳥羽、吉良吉田、西尾、桜町前、新安城、知立、猿投、赤池、豊田市、新豊田(名鉄蒲郡線/名鉄西尾線/名鉄本線/名鉄三河線/名鉄豊田線)

鉄旅日記2015年3月7日その1 2015・3・7 10:41 蒲郡(がまごおり)駅(東海

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その2(東京-岩倉)-三河高浜、碧南、高浜港、亀崎、半田、知多半田、内海、富貴、河和(名鉄三河線/武豊線/名鉄河和線/名鉄知多新線)

鉄旅日記2015年3月7日その2 15:10 三河高浜(みかわたかはま)駅(名鉄三河線 愛

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その1-西鉄柳川、西鉄久留米、西鉄甘木、甘木、基山、けやき台、原田、桂川(西鉄本線、西鉄甘木線、甘木鉄道、鹿児島本線、筑豊本線)

鉄旅日記2015年8月15日その1 2015・8・15 6:15 西鉄柳川(にしてつやなが

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線)

鉄旅日記2015年3月7日その3 19:04 太田川(おおたがわ)駅(名鉄河和線/名鉄常滑

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【朝に宇治を出て、近江鉄道に乗る一日】最終日その1(宇治-東京)-宇治、山城多賀、玉水、上狛、木津、加茂、貴生川(奈良線/関西本線/草津線)

鉄旅日記2015年3月22日その1 2015・3・22 5:55 宇治(うじ)駅(奈良線 

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その1-掛川、掛川市役所前、西掛川、天竜二俣、西気賀、寸座、浜名湖佐久米、三ケ日、新所原(天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その1 掛川(かけがわ)駅(東海道新幹線/東海道本線/天竜浜名

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】最終日(広島-東京)-広島、向洋、東岡山、高島、守山(山陽本線、東海道本線)

鉄旅日記2015年8月15日その2 2015・8・16 0:27 ホテル28広島7014号

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その2 13:32 鷲津(わしづ)駅(東海道本線 静岡県)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】最終日(博多-小倉-門司港-宇部)その2-門司港にて

鉄旅日記2003年2月16日 2003・2・16日の記憶

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】最終日(博多-小倉-門司港-宇部)その1-博多そして小倉

鉄旅日記2003年2月16日 2003・2・16日の記憶

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】初日(宇部-飯塚-博多)その2-博多の夜

鉄旅日記2003年2月15日 2003・2・15 サンシティ

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】初日(宇部-飯塚-博多)その1-山口宇部空港、宇部新川、宇部、下関、小倉、折尾、飯塚、博多(宇部線/山陽本線/鹿児島本線/筑豊本線/篠栗線)

鉄旅日記2003年2月15日 2003年2月15日の記憶

「鉄旅日記」2005年聖夜【廃線となった鹿島鉄道に乗った記録が残されておりました。】-鹿島神宮、新鉾田、鉾田、石岡(鹿島線/鹿島臨海鉄道/鹿島鉄道/常磐線)

鉄旅日記2005年12月24日 記憶には残るだろう。

→もっと見る

    PAGE TOP ↑