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「鉄旅日記」2015年春【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】初日その1(東京-宇治)-東福寺、祇園四条、伏見稲荷、稲荷、男山山上、八幡市、枚方市、私市、河内森、河内磐船、交野市(京阪本線/男山ケーブル/京阪交野線)

公開日: : 最終更新日:2020/09/01 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月21日その1
2015・3・21 14:00 東福寺(とうふくじ)駅(奈良線/京阪本線 京都府)
京都はいつも懐かしい。
かつてこの街で恋をしたことはいちいち思い出さないが、あの頃のことはよく思い出す。
この街を心から愛していた頃のことを思い出す。
京都駅新幹線ホームを見上げると甘酸っぱいような気持ちになる。
あれから随分経ったけど、そんな過去を持っていることを誇りに思いたくなる時がある。
恋という形でこの古都と縁を持てたことは、オレの歴史の中でも一際輝かしい。

JR奈良線で京都駅からひと駅。
ごちゃごちゃとした駅前で観光客や地元民に揉まれながらも名刹を目指そうとするが、予定していた時間は僅かしかない。

その狭い駅前通りには涼しげな店が並んでいる。
きっと日が暮れるまでごちゃごちゃと賑わっていることだろう。
京阪フリー切符を購入したいが、この駅では販売していない。
祇園まで戻り、再びこの先を目指す。

14:20 祇園四条(ぎおんしじょう)駅(京阪本線 京都府)
のっけから春の特別ダイヤに振り回されている。
買い求めた京阪フリー切符はHPに出ていたものじゃなかったが100円安くてほくそ笑んでいたら、男山ケーブルには乗れない。
混乱。
そして地上に出れば混沌だ。

出た場所は南座の前で歩道は様々な国籍の人間であふれ、例のごとく四条通りに発生している渋滞をしばし眺めて再び地下へ。

東山も八坂神社の石段もやけに遠くの方に見えて、当時の彼女のことや彼女が働いていた祇園の店に思いが至ったのはこの電車に乗り込んでからだ。

それまでは観光客の多さにあらためて仰天するなり、どこの国からきたのか知らないが駅員に道を尋ねて窓口を塞いでいた女性に苛立つなりして、僅かな時間だがつまらない気持ちでいた。

舞妓さんや着物衆がホームに並ぶ列の中にある。
こういった文化的側面は念頭になかった。
彼女と共有した過去からすでにひと回りの月日が流れ、想い出の街との付き合い方もようやく変わりつつある。

14:41 伏見稲荷(ふしみいなり)駅(京阪本線 京都府)
ここのお稲荷さんが海外からの観光客に人気だと最近テレビを見て知った。
鳥居がいくつも続くスポットが特に神秘的と映っているようだ。
その光景はオレにも見覚えがある。
ただし東京の東伏見稲荷でのことだけど。

京阪駅からJR稲荷駅までの人の流れは警官による交通整理が必要なほどで、四条通りの混沌をそのまま移動させたかのような騒ぎが繰り広げられている。
この人間風景は東京のどこにもない。
世界でも稀ではないだろうか。

たいした街だよ、京都っていうのは。

稲荷(いなり)駅(奈良線 京都府)にて

八幡市ケーブル(やわたしケーブル)駅(京阪男山ケーブル 京都府)にて

15:36 男山山上(おとこやまさんじょう)駅(京阪男山ケーブル 京都府)
武士の時代に歴史書に現れる男山。
応永の乱の際の足利義満をはじめ、ここを戦場にすべく陣を構えた不届きな武将もいる。
あるいは守り神として仰ぎつつ陣を敷いたのかもしれない。

石清水八幡宮は源氏の聖地でもあり、歴史上多くの兵どもの信仰を集め、戦火に焼けたこともある。
つい最近では大久保利通が参拝している。

この山上にはもはや世界的な混沌はなく、外国人の姿もなくひたすらに静謐だ。
竹林で深呼吸をすれば気持ちは落ち着き、身の内に隠れている日本的なるものが姿を見せる。
参道を駆け上がってきたのであろうランナーたちの姿もある。

麓は宇治川、桂川、木津川が合流して淀川となる要衝の地にあたる。
知らなかった京都、そして日本の姿を眺め、家族連れの姿を見てオレの未来を想った。
ワルクナイ未来だった。


石清水八幡宮にて


15:53 八幡市(やわたし)駅(京阪本線 京都府)
男山山麓の街。
地図で見るまでその存在を知らずに生きてきた。
男山に上るために降りて、再び観光地の駅前風景を見ている。

店頭で川魚も焼くうどん屋、ジャズを流す喫茶店ではカウンターに腰掛ける客の後ろ姿が見え、ロータリー正面にはいくつかの時代を過ぎてきた駅前旅館が建っている。
牧歌的かつ昭和的な駅前風景があった。

16:14 枚方市(ひらかたし)駅(京阪本線/京阪交野線 大阪府)
淀川に沿い大阪入り。
京阪電車の内観は座席位置も手すり位置も低く独特で、京成電車の車内が思い浮かぶ。

枚方は繁華な街だ。
水の街でもあり北も南も驚くほどの人の多さと賑わいで、比較表現ばかりで枚方に失礼だが東京の町田駅周辺を思わせる。
大阪の実力は本物だ。

こんな大きな街がまだこの国に存在していたとはオレの見識もまだまだ甘い。
だから街を歩く時間は用意していなかった。
悔いる気持ちはある。

関西はどこにいても山の気配が感じられて清々しい気持ちになる。
交野線に乗り換える。

16:39 私市(きさいち)駅(京阪交野線 大阪府)
終着駅に着いてあたりは鄙びた。

天野川へと下りていく坂の町で、一番早い桜の開花を目にした。
蜂蜜を売る店と品のいい喫茶店がささやかな商店街を形成している。
そこを一巡して今日最初のビールにありついた。

16:52 河内森(かわちもり)駅(京阪交野線 大阪府)
関西ではエスカレーターは左側を空けるのだった。
久々に馴染む。

大阪も平野だと確か教わった筈だ。
列車がちょっと高い場所を走ると眺望が開ける。
JR学研都市線の河内磐船駅との距離は徒歩約3分。
行って帰って10分。
そのしばしの間、河内人に紛れる。

ここは田園風景のない田舎町。
仕出し寿司屋がぽつんとあって、河内磐船駅へと下りていく途中でベビーカステラ売りが店を出していて、彼が鉄板を拭く脇からは甲子園のセンバツの実況が流れていた。
開幕戦だよ今日は。

干支でいう一巡り前、同じ開幕日の外野スタンドにはオレも姿もあった。
大阪ドームでストーンズを見た翌日の事だ。
あの日は震えるほど寒かったよ。

河内磐船(かわちいわふね)駅(学研都市線 大阪府)にて

17:02 交野市(かたのし)駅(京阪交野線 大阪府)
近くを流れる天野川が由来だろうか。
交野市は星のまちを謳っている。

統一地方選挙がこの街にも近づいていて駅前が騒がしい。
やけに暑い駅ビルの1階にはパン屋と美容室。
2階には残念だがシャッターが下りている。

若い母親と幼児の軽妙なやりとりに微笑む。
関西弁は育児力が高い気がする。
そういった方向に触覚が反応している。

見かける子供が均しくかわいく見える。

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