「鉄旅日記」2015年春 最終日その2(岩倉-東京)-笠松、新羽島、岐阜羽島、羽島市役所前、西笠松、新木曽川、名鉄一宮、玉ノ井、萩原、日比野、弥富、近鉄弥富(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月8日その2・・・笠松駅、新羽島駅、岐阜羽島駅、羽島市役所前駅、西笠松駅、新木曽川駅、名鉄一宮駅、玉ノ井駅、萩原駅、日比野駅、弥富駅、近鉄弥富駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線)
9:38 笠松(かさまつ)駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線 岐阜県)
岐阜で乗り換え。各務原線はここで行き止まりになる。
改札を抜ければ、かつて歩いた懐かしいアーケード街。
朝から往来は激しく、人々の装いからは、もはや寒さに怯える態度は見られない。
名鉄本線に乗るには別のホームへと階段を上がらなきゃならない。
ロングシートに腰掛けて携えていたパンを齧り発車を待った。
ここ笠松は木曽川堤に近く、競馬場があるとのこと。
駅には果物屋が入っている。
昔は方々の駅前に果物屋があったものだ。
南大泉に越してきた頃は保谷駅前にも古い果物屋があって、ロータリーの新設によって他の店舗が消えていく中、ひとり抗うように孤塁を保っていたことを懐かしく思い出した。
10:21 新羽島(しんはしま)駅(名鉄羽島線 岐阜県)
竹鼻線の車窓からは伊吹山がよく見えるが、付随する景色に変化は見られない。
概して退屈な眺めだった。
岐阜羽島駅はさすがに人の姿が多く見られる。
ただ、ティーサロンに客の姿はなく、そばの値段は駅そばにしては値段が高かった。
名古屋きしめんと味噌煮込みうどんがセットになった土産を買って、ぶらぶら歩いたらあっという間に用意していた時間が終わろうとしている。
新羽島駅の高架ホームから地上改札まで、おそろしく長い階段をさっき下ったところだ。
駆け上がるのに2分をあてる必要がある。
最近は用を持たないが、遠い街へと誘う新幹線駅が持つ雰囲気は、空港に対して持つ気持ちと同様でとても好きだ。
岐阜羽島(ぎふはしま)駅(東海道新幹線 岐阜県)にて
10:27 羽島市役所前(はしましやくしょまえ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
新羽島から笠松に戻る列車に乗っている。
名鉄羽島線とは新羽島から江吉良駅までのひと駅の区間を指し、江吉良から笠松までが竹鼻線だという。
ここで2分の停車。
いかつい顔をしたオッサンが腕組みをして目の前に座っている。
月並な表現だが、切れ長の鋭い目は刃物を思わせる。
気に入らないことだらけの世の中で、さらにこのあたりじゃあまり見かけない、軽薄な旅行者がひとり紛れ込んできたことを憤るかのような視線をオレに向けている。
どうもそのように感じて落ち着かない。
市役所の姿は見ていない。
駅を撮ったら急いで列車に戻らなきゃならない。
2分とはそういう時間だ。
10:42 西笠松(にしかさまつ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
ここでも2分の停車。
従って風景を記憶することはできない。
駅前通りは狭かった。
行き違いの列車が到着するため遮断機が降りている。
その前にパトカーが停車していた。
なんというつまらない記憶だろう。
だが西笠松駅に降りたという記録は残った。
それはオレにとって大いなる収穫となる。
暇な時に考える全鉄道会社線による最長片道切符の旅は、この駅も通っていく。
次が笠松。
10:59 新木曽川(しんきそがわ)駅(名鉄本線 愛知県)
笠松で名鉄本線に乗り換える。
ここで数分の停車。
山内一豊生誕地を謳う町がここにもある。
土佐藩の元祖にあたる人物だが、英雄的な存在ではない。
大河ドラマの影響とはかくも大きい。
GINZA街がある狭くて賑やかな駅前風景。
ラーメンに味噌煮込みうどん。
名古屋だな。
ここは名鉄にとって重要な駅なのだと着いてすぐに分かった。
具体的には特急停車駅で、各駅停車との乗換駅としての機能を持っている。
さっき車窓から眺めた笠松競馬場が醸し出す草競馬の趣こそ素晴らしい。
競馬場について語る言葉を多く持たないが、心に残る非未来的空間だった。
その感動の後に木曽川を越えた。
11:12 名鉄一宮(めいてついちのみや)駅(名鉄本線/名鉄尾西線 愛知県)
この旅で一番の人波に遭遇する。
一宮とはこれほどの街だったか。
今日はとてもあたたかく、尾張人の装いはとても軽やかだ。
尾西線に乗り換えて、終点の玉ノ井駅に向かう。
11:25 玉ノ井(たまのい)駅(名鉄尾西線 愛知県)
出発前に地図で位置を確認して、ここが木曽川の畔近くだと知った。
着いてみたら川の気配はなく、どこにも行けず、何もない。
まさに終わりを告げられたような終着駅だ。
簡素な駅舎の前に自転車が雑然と置かれた様に、埃っぽいような湿っぽいような匂いを嗅いだ。
駅前風景であれほど好ましくないものはないと感じている。
11:54 萩原(はぎわら)駅(名鉄尾西線 愛知県)
高架駅の一宮を出ると街が貧相になっていく。
ガード下はひたすらに薄暗く、人気も見えない。
ここはまだ一宮市内。
商店街の歓迎門が降りた客を迎えるが、実質たこ焼き屋しか見当たらない通りがある。
そこに人が集まっている。
その姿は春の到来を喜んでいるように見えた。
いずれにしても人々が笑い合う姿をそこに見た。
ここで数分の停車。
あたりは随分鄙びてきている。
名古屋近郊でこんな農村風景を目にするとは思っていなかった。
東海道本線からも関西本線からも見えない風景を見ている。
12:25 日比野(ひびの)駅(名鉄尾西線 愛知県)
この駅に降りることを決めた理由はただひとつ。
得意先で同じ姓を持つ女性を思い出したからだ。
仕事で随分と世話になり、とても大切に思っている人だ。
養老山地が見えている他は特筆できるものは何もないけれど、こんなにもあたたかな日にはとても気持ちよくなれる場所だ。
何もなければ煩わしさもない。
前記の人を思い浮かべて、体に触れる風も心地よく、こんな気分になれてとても幸せな気持ちでいる。
彼女が今どこにいるのか探しだして、会いにいきたいと思っている。
ご先祖様はきっとこの地にいたのだろう。
12:47 弥富(やとみ)駅(名鉄尾西線/関西本線 愛知県)
8年前にここで一度降りている。
あの時はJR線を使った。
駅前は変わっていないように見えた。
当時から廃屋になった姿を晒していた伊勢屋旅館は今もそのままの姿で、微妙な表現になるが健在だった。
再びその姿をケータイに記録する。
ゼロメートル地帯の弥富には駅が2つある。
角をひとつ曲がったところにある近鉄駅にはちょっとした商店街があり、コンビニでビールを買う。
それでJR駅に戻れば時間は尽きて、一度通り過ぎた津島への鉄路を戻る。
行きには気付かなかった廃駅「弥富口」を高架上に視認する。
大都会近郊だというのに。
名古屋にも苦労がある。
近鉄弥富(きんてつやとみ)駅(近鉄名古屋本線 愛知県)にて
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 最終日(三次-東京)その1‐三次、上下、府中(福塩線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月26日・・・三次駅、上下駅、府中駅(福塩線) 2020・7・26&nb
-
-
「鉄旅日記」2020年神無月【ツレと筑波山を訪ねたのでございます。関東に暮らす身にとりまして、高所に上がりますと平野の果てに浮かぶ筑波山はいつか登るべき山でございました。】-北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波山神社、沼田バス停、つくば駅(つくばエクスプレス/筑波山シャトル/筑波山ロープウェイ/筑波山ケーブルカー)
鉄旅日記2020年10月4日・・・北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波
-
-
「車旅日記」2005年初夏 2日目(山形-新潟)走行距離313㎞ その1-アパホテル山形駅前大通、羽前山辺駅、寒河江駅、左沢駅、柴橋駅、天童駅、村山駅、新庄駅、羽前前波駅 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】
車旅日記2005年7月17日・・・アパホテル山形駅前大通、羽前山辺駅、寒河江駅、左沢駅、柴橋駅、天童
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 最終日(喜多方-東京)その1-会津若松、笈川、堂島、喜多方、会津若松(磐越西線) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月3日・・・会津若松駅、笈川駅、堂島駅、喜多方駅(磐越西線) 2017・12
-
-
「車旅日記」1996年黄金週間【友を訪ねて大阪へ。そして約束の地、金沢へ。夢を見ながら国道を走った日々でございます。】最終日 北陸より東京へ‐その1(北陸道→R8)有磯海SA、玉ノ木パーキング、親不知ピアパーク、能生
車旅日記1996年5月6日 3:40 北陸自動車道-有磯海SA 多少はスッキリしたんだ。 あれから
-
-
「鉄旅日記」2021年夏 初日(東京-上田)その3 ‐しんざ、十日町、越後鹿渡、津南、戸狩野沢温泉(北越急行ほくほく線/飯山線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】
鉄旅日記2021年7月10日・・・しんざ駅、十日町駅、越後鹿渡駅、津南駅、戸狩野沢温泉駅(北越急行
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その3‐白石、郡山、黒磯、宇都宮(東北本線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月23日・・・白石駅、郡山駅、黒磯駅、宇都宮駅(東北本線) 15:49 白石(
-
-
「車旅日記」1997年夏 3日目(田沢湖近辺-男鹿半島-鳴子)-和田駅、入道崎、八望台、男鹿駅、道川駅、矢島駅、鳴子サンハイツ【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】
車旅日記1997年8月15日 1997・8・15 9:04 和田駅 855㎞ 友と19時間をともに
-
-
「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】最終日(JR難波-東京)その1-JR難波、八尾、奈良、笠置、伊賀上野、上野市、伊賀神戸、伊勢中川、近鉄長島、長島(関西本線/伊賀鉄道/近鉄大阪線/近鉄名古屋線)
鉄旅日記2017年3月20日・・・JR難波駅、八尾駅、奈良駅、笠置駅、伊賀上野駅、上野市駅、伊賀神戸
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その1 ‐金町、神田、吉祥寺、国立(常磐線/中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】
鉄旅日記2021年4月24日・・・金町駅、神田駅、吉祥寺駅、国立駅(常磐線/中央本線) 20