*

「鉄旅日記」2015年春【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】最終日その2(岩倉-東京)-笠松、新羽島、岐阜羽島、羽島市役所前、西笠松、新木曽川、名鉄一宮、玉ノ井、萩原、日比野、弥富、近鉄弥富(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線)

公開日: : 最終更新日:2023/06/20 旅話, 旅話 2015年

鉄旅日記2015年3月8日その2・・・笠松駅、新羽島駅、岐阜羽島駅、羽島市役所前駅、西笠松駅、新木曽川駅、名鉄一宮駅、玉ノ井駅、萩原駅、日比野駅、弥富駅、近鉄弥富駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線/名鉄羽島線/名鉄尾西線)
9:38 笠松(かさまつ)駅(名鉄本線/名鉄竹鼻線 岐阜県)
岐阜で乗り換え。各務原線はここで行き止まりになる。

改札を抜ければ、かつて歩いた懐かしいアーケード街。
朝から往来は激しく、人々の装いからは、もはや寒さに怯える態度は見られない。

名鉄本線に乗るには別のホームへと階段を上がらなきゃならない。
ロングシートに腰掛けて携えていたパンを齧り発車を待った。

ここ笠松は木曽川堤に近く、競馬場があるとのこと。
駅には果物屋が入っている。
昔は方々の駅前に果物屋があったものだ。
南大泉に越してきた頃は保谷駅前にも古い果物屋があって、ロータリーの新設によって他の店舗が消えていく中、ひとり抗うように孤塁を保っていたことを懐かしく思い出した。

10:21 新羽島(しんはしま)駅(名鉄羽島線 岐阜県)
竹鼻線の車窓からは伊吹山がよく見えるが、付随する景色に変化は見られない。
概して退屈な眺めだった。

岐阜羽島駅はさすがに人の姿が多く見られる。
ただ、ティーサロンに客の姿はなく、そばの値段は駅そばにしては値段が高かった。
名古屋きしめんと味噌煮込みうどんがセットになった土産を買って、ぶらぶら歩いたらあっという間に用意していた時間が終わろうとしている。

新羽島駅の高架ホームから地上改札まで、おそろしく長い階段をさっき下ったところだ。
駆け上がるのに2分をあてる必要がある。

最近は用を持たないが、遠い街へと誘う新幹線駅が持つ雰囲気は、空港に対して持つ気持ちと同様でとても好きだ。

岐阜羽島(ぎふはしま)駅(東海道新幹線 岐阜県)にて

10:27 羽島市役所前(はしましやくしょまえ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
新羽島から笠松に戻る列車に乗っている。
名鉄羽島線とは新羽島から江吉良駅までのひと駅の区間を指し、江吉良から笠松までが竹鼻線だという。

ここで2分の停車。
いかつい顔をしたオッサンが腕組みをして目の前に座っている。
月並な表現だが、切れ長の鋭い目は刃物を思わせる。
気に入らないことだらけの世の中で、さらにこのあたりじゃあまり見かけない、軽薄な旅行者がひとり紛れ込んできたことを憤るかのような視線をオレに向けている。
どうもそのように感じて落ち着かない。

市役所の姿は見ていない。
駅を撮ったら急いで列車に戻らなきゃならない。
2分とはそういう時間だ。

10:42 西笠松(にしかさまつ)駅(名鉄竹鼻線 岐阜県)
ここでも2分の停車。
従って風景を記憶することはできない。
駅前通りは狭かった。
行き違いの列車が到着するため遮断機が降りている。
その前にパトカーが停車していた。
なんというつまらない記憶だろう。
だが西笠松駅に降りたという記録は残った。
それはオレにとって大いなる収穫となる。

暇な時に考える全鉄道会社線による最長片道切符の旅は、この駅も通っていく。
次が笠松。

10:59 新木曽川(しんきそがわ)駅(名鉄本線 愛知県)
笠松で名鉄本線に乗り換える。
ここで数分の停車。

山内一豊生誕地を謳う町がここにもある。
土佐藩の元祖にあたる人物だが、英雄的な存在ではない。
大河ドラマの影響とはかくも大きい。
GINZA街がある狭くて賑やかな駅前風景。
ラーメンに味噌煮込みうどん。
名古屋だな。

ここは名鉄にとって重要な駅なのだと着いてすぐに分かった。
具体的には特急停車駅で、各駅停車との乗換駅としての機能を持っている。

さっき車窓から眺めた笠松競馬場が醸し出す草競馬の趣こそ素晴らしい。
競馬場について語る言葉を多く持たないが、心に残る非未来的空間だった。
その感動の後に木曽川を越えた。

11:12 名鉄一宮(めいてついちのみや)駅(名鉄本線/名鉄尾西線 愛知県)
この旅で一番の人波に遭遇する。
一宮とはこれほどの街だったか。

今日はとてもあたたかく、尾張人の装いはとても軽やかだ。

尾西線に乗り換えて、終点の玉ノ井駅に向かう。

11:25 玉ノ井(たまのい)駅(名鉄尾西線 愛知県)
出発前に地図で位置を確認して、ここが木曽川の畔近くだと知った。
着いてみたら川の気配はなく、どこにも行けず、何もない。
まさに終わりを告げられたような終着駅だ。

簡素な駅舎の前に自転車が雑然と置かれた様に、埃っぽいような湿っぽいような匂いを嗅いだ。
駅前風景であれほど好ましくないものはないと感じている。

11:54 萩原(はぎわら)駅(名鉄尾西線 愛知県)
高架駅の一宮を出ると街が貧相になっていく。
ガード下はひたすらに薄暗く、人気も見えない。
ここはまだ一宮市内。
商店街の歓迎門が降りた客を迎えるが、実質たこ焼き屋しか見当たらない通りがある。
そこに人が集まっている。
その姿は春の到来を喜んでいるように見えた。
いずれにしても人々が笑い合う姿をそこに見た。

ここで数分の停車。
あたりは随分鄙びてきている。
名古屋近郊でこんな農村風景を目にするとは思っていなかった。

東海道本線からも関西本線からも見えない風景を見ている。

12:25 日比野(ひびの)駅(名鉄尾西線 愛知県)
この駅に降りることを決めた理由はただひとつ。
得意先で同じ姓を持つ女性を思い出したからだ。
仕事で随分と世話になり、とても大切に思っている人だ。

養老山地が見えている他は特筆できるものは何もないけれど、こんなにもあたたかな日にはとても気持ちよくなれる場所だ。
何もなければ煩わしさもない。
前記の人を思い浮かべて、体に触れる風も心地よく、こんな気分になれてとても幸せな気持ちでいる。

彼女が今どこにいるのか探しだして、会いにいきたいと思っている。
ご先祖様はきっとこの地にいたのだろう。

12:47 弥富(やとみ)駅(名鉄尾西線/関西本線 愛知県)
8年前にここで一度降りている。
あの時はJR線を使った。
駅前は変わっていないように見えた。
当時から廃屋になった姿を晒していた伊勢屋旅館は今もそのままの姿で、微妙な表現になるが健在だった。
再びその姿をケータイに記録する。

ゼロメートル地帯の弥富には駅が2つある。
角をひとつ曲がったところにある近鉄駅にはちょっとした商店街があり、コンビニでビールを買う。
それでJR駅に戻れば時間は尽きて、一度通り過ぎた津島への鉄路を戻る。

行きには気付かなかった廃駅「弥富口」を高架上に視認する。
大都会近郊だというのに。
名古屋にも苦労がある。

近鉄弥富(きんてつやとみ)駅(近鉄名古屋本線 愛知県)にて

関連記事

「鉄旅日記」2019年如月【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】最終日(安中-東京)その1-安中、松井田、西松井田、横川、軽井沢、大屋(信越本線/しなの鉄道)

鉄旅日記2019年2月10日・・・安中駅、松井田駅、西松井田駅、横川駅、軽井沢駅、大屋駅(信越本線/

記事を読む

「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】初日(東京-岳南江尾-豊橋-三河田原-岡崎-尾張瀬戸-勝川-枇杷島-桑名)その4-新瀬戸、瀬戸市、高蔵寺、新守山、勝川、枇杷島、蟹江、桑名(愛知環状鉄道/中央本線/東海交通事業常北線/東海道本線/関西本線)

鉄旅日記2018年9月15日・・・新瀬戸駅、瀬戸市駅、高蔵寺駅、新守山駅、勝川駅、枇杷島駅、蟹江駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2018年卯月【ときわ路パスでめぐる常陸旅でございます。】その1-取手、竜ケ崎、佐貫、岩間、赤塚、大洗、鹿島神宮(常磐線/関東鉄道竜ヶ崎線/鹿島臨海鉄道)

鉄旅日記2018年4月25日・・・取手駅、竜ケ崎駅、佐貫駅、岩間駅、赤塚駅、大洗駅、鹿島神宮駅(常磐

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.2【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】2日目(琵琶湖志賀-福山)桂川PA、三木SA、白鳥PA、篠坂PA、芦田川畔

車旅日記2000年8月13日・・・桂川PA、三木SA、白鳥PA、篠坂PA、芦田川畔 2000・8・

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】3日目(能登島-氷見-小千谷)能登島、道の駅いおり、氷見港、道の駅ウェーブパークなめりかわ、朝日町栄食堂、親不知ピア・パーク、道の駅能生、長岡市宮本、道の駅おぢや

車旅日記2000年7月22日 2000・7・22 9:00 能登島某リゾートクラブ 昨夜は風の音

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線)

鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂駅、浪岡駅(奥羽本線) 19

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】初日(東京-多治見)その1-金町、三島、修善寺、蒲原、島田(常磐線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線)

鉄旅日記2019年3月23日・・・金町駅、三島駅、修善寺駅、蒲原駅、島田駅(常磐線/東海道本線/伊豆

記事を読む

「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】最終日(金沢-東京)-金沢城址、金沢、倶利伽羅、黒部、直江津、長野、東京(北陸本線/信越本線/長野新幹線)

鉄旅日記2007年1月8日・・・金沢駅、倶利伽羅駅、黒部駅、直江津駅、長野駅、東京駅(北陸本線/信越

記事を読む

「車旅日記」2003年晩秋・番外編【京都にて】-京都御所、宇治川公園、京都駅

車旅日記2003年11月25日 2003・11・25 10:57 京都御所 昨夜の雨は上がり今日

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.2【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】その3-常陸太田、東海、大甕、南中郷、石岡(水郡線常陸太田支線/常磐線)

鉄旅日記2019年3月10日・・・常陸太田駅、東海駅、大甕駅、南中郷駅、石岡駅(水郡線常陸太田支線/

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その4‐多治見、坂祝、美濃太田(太多線/高山本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・多治見駅、坂祝駅、美濃太田駅(太多線

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その3‐上諏訪、塩尻、洗馬、中津川(中央本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・上諏訪駅、塩尻駅、洗馬駅、中津川駅(

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その2‐甲府、日野春、長坂、青柳(中央本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・甲府駅、日野春駅、長坂駅、青柳駅(中

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】初日(東京-高山)その1‐金町、東京、高尾、藤野(常磐線/中央本線)

鉄旅日記2020年3月20日・・・金町駅、東京駅、高尾駅、藤野駅(常磐

→もっと見る

    PAGE TOP ↑