*

「鉄旅日記」2014年春【ときわ路パスで、常陸ローカル旅】その2-瓜連、静、山方宿、袋田、西金、下小川、後台、常陸津田、常陸青柳、神立、高浜、牛久(水郡線/常磐線)

公開日: : 最終更新日:2023/06/22 旅話, 旅話 2014年

鉄旅日記2014年4月27日その2・・・瓜連駅、静駅、山方宿駅、袋田駅、西金駅、下小川駅、後台駅、常陸津田駅、常陸青柳駅、神立駅、高浜駅、牛久駅(水郡線/常磐線)
瓜連(うりづら)駅(水郡線 茨城県)にて

14:37 静(しず)駅(水郡線 茨城県)
瓜連駅前ロータリーは立派だが、それを取り巻く建物はなく、どこか古代遺跡を思わせる。

老婦人とすれ違い会釈の交換。
初夏というより夏の日差しに焼かれ、特筆すべきものとてない埃っぽい道を歩き、コンビニでビールを求め、線路を挟んだお宅を借景にした簡素な静駅に到着。
瓜連から徒歩約15分の距離だった。

古徳沼というのが唯一見かけた観光場所で、そこには白鳥が飛来するらしい。

静の町に似つかわしくない騒音が聞こえてくる。
やってきた郡山行は案に相違して混んでいる。

15:06 山方宿(やまがたじゅく)駅(水郡線 茨城県)
数分の停車。

宿場の名がついている駅だ。
人家が疎らになってきた街道に、確かに宿場を形成してきたであろう一郭があった。

列車の若干の遅れが3分を予定していた停車時間が2分になり、改札までの往復を走り、しまいには軽く警笛を鳴らされた。
オレの旅はこうした緊張を伴う険しいものだ。

列車は常陸大宮を過ぎてから旅情路線に入り、久慈川と抱き合っている。
このあたりをJRは観光区間と位置づけている。

15:41 袋田(ふくろだ)駅(水郡線 茨城県)
しきりに鶯が鳴いている。
春だな。
ちょぼちょぼと水音が聞こえる。
使われなくなったホームに「ミニ袋田の滝」が造られている。
それは花園に包まれていて、オレのように駅にだけ用があったような者にとって有り難く、また結構なこしらえだ。

駅前の酒屋の造作もよく、ビールを購入。
「男はつらいよ」第42作目の冒頭にこの駅は登場する。
車寅次郎とイッセー尾形さん演じる老人のドタバタ劇に笑うが、映画には登場した駅員の姿はなく、駅舎もまた当時のものとは違っていた。

ここから引き返す。

オレと一緒に女性の二人連れが乗り込んできた。
ここは袋田の滝で知られた「瀑布」の町だ。
彼女たちが存在する列車内の景色もまたいい。
ちょっとした小旅行でたくさん喋って、そして二人は街に帰っていく。


西金(さいがね)駅(水郡線 茨城県)にて

西金~下小川間(徒歩)




16:44 下小川(しもおがわ)駅(水郡線 茨城県)
祭の気配はないが、車寅次郎がいたことがありそうな人っ子一人いない西金駅を後にして、オレも久慈川と抱き合うように歩いた。

熊が出てもおかしくない山路を下り、橋に出て対岸へ渡ると、空では隼と鴉が遭遇し、いさかいの果てに鴉は糞をタレて去り、隼は悠々と旋回する様を見せた。

古い鉄橋は時代を映し、通りがかりの者に日々歴史の重みを伝えている。
目の前に見えるのが盛金富士か。
ちょっと裾が広すぎるな。

今日は茨城にビールを飲みにきたようなもので、晴れた夕暮れ時にはどこにいても気持ちのいいものだが、こんな里山にいられる今日という日は素晴らしい。

次の水戸行きたら旅先の車寅次郎のようにひとり乗り込む。
ちょうど他には誰もいない。

後台(ごだい)駅(水郡線 茨城県)にて

常陸津田(ひたちつだ)駅(水郡線 茨城県)にて

18:51 常陸青柳(ひたちあおやぎ)駅(水郡線 茨城県)
後台駅から常陸津田駅まで40分の徒歩行。
時間的に意外に手こずった。

38号県道には代官屋敷のような門構えが散見され、僅かながら杉並木もある。
水戸藩の重役連の子孫が暮らしているのかもしれない。

打って変わってソーラーパネルを備えた廃屋も見られた。
なんという夢の跡だろう。
帰るべき持ち家を得たオレに感慨を催させる街道だった。

そして今日という日に夏の暑さをもたらした太陽が沈む。

坂道を下ると水田が広がり左に折れた丘陵上に常陸津田駅はあった。
周囲には民家があるだけで、こんな場所に駅があるのかと思わずにはいられなかった。

ビールとハンバーガーを途中のコンビニで購入していて、それを食べ終えたところで列車が到着した。
何かを書き記す時間は持てなかった。

ひと駅乗ってここ常陸青柳で降りる。
水戸までもまたひと駅の距離だが、あたりは暗く何も探し出せない。

後台から駅舎もない無人駅を3つ辿る中に水戸の夕暮れを味わった。
どの街の郊外も似たようなものだが、哀愁と旅情を感じた。
おそらく夕暮れ時じゃなかったらこの感慨もまた違ったものになっていただろう。

20:07 神立(かんだつ)駅(常磐線 茨城県)
水戸で常磐線に乗り換えて上野方面へ。

駅前通りには明かりがある。
キオスクもまだ開いている。
懐かしい町に降りたという感慨があった。
山口商店という古い雑貨屋は昭和の時代そのもので、街道とともに生きてきて駅前を照らし、きっとこれからもそうした未来を描き、続いていくであろう町。
そうであったらいいなとオレは無責任に思う。

オレの故郷は往時の面影を半分以上失くしている。

20:20 高浜(たかはま)駅(常磐線 茨城県)
ひと駅戻る。

駅舎は上りホーム側にあり、改札を抜けて外に出てみると階段になっている。
つまり駅は少しばかり高い所に位置していて、階段下にはおびただしい数の迎えの車がひしめいている。
町の灯はほぼ消えていた。
古めかしい駅前風景に好感を持つ。

上り列車がすぐにやってくる。

21:01 牛久(うしく)駅(常磐線 茨城県)
本日5本目のビールを飲む。
よく歩いた一日だった。

同僚がここ牛久から日暮里まで毎日仕事で通っている。
そんな街を旅先として設定するのもどうかと思い、牛久で降りることは後回しになっていた。

かつて暮らしていた金町によく似た駅前だった。
明かりは金町の半分にも満たないが、高層アパートが視界を塞ぐ風景に大いなる既視感があった。
ただ、歩ける範囲は狭かった。
東京のベッドタウンと言ってもいいが、牛久沼に牛久大仏と見所を持つ街で、「男はつらいよ」第34作には牛久から日本橋まで通勤する昭和の猛烈サラリーマンが登場する。
しかし彼は精神を病んで、第一線から引いていく。
山田洋次監督の価値観がよく分かる作品だった。

牛久から上野までは約1時間。
遠いとも言えるが、東京では別に珍しい話じゃない。

関連記事

「鉄旅日記」2012年晩秋【休日おでかけパスで、相模線途中下車旅】保土ヶ谷、大船、香川、北茅ヶ崎、厚木、社家、相武台下、原当麻、下溝、片倉、八王子、猿橋、西八王子、武蔵小金井、東小金井(横須賀線、東海道本線、相模線、横浜線、中央本線)

鉄旅日記2012年11月17日・・・保土ヶ谷駅、大船駅、香川駅、北茅ヶ崎駅、厚木駅、社家駅、相武台下

記事を読む

「鉄旅日記」2005年聖夜【廃線となった鹿島鉄道に乗った記録が残されておりました。】-鹿島神宮、新鉾田、鉾田、石岡(鹿島線/鹿島臨海鉄道/鹿島鉄道/常磐線)

鉄旅日記2005年12月24日・・・鹿島神宮駅、新鉾田駅、鉾田駅、石岡駅(鹿島線/鹿島臨海鉄道/鹿島

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、ダム湖に水没する鉄路へ】その2-川原湯温泉、岩島、群馬藤岡、高麗川、拝島、昭島、中神、武蔵溝ノ口、武蔵中原、鹿島田、尻手(吾妻線、八高線、青梅線、南武線)

鉄旅日記2012年4月1日その2・・・川原湯温泉駅、岩島駅、群馬藤岡駅、高麗川駅、拝島駅、昭島駅、中

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】2日目(五所川原-北上)その3‐黒石、弘前、津軽新城、青森(弘南鉄道弘南線/奥羽本線)

鉄旅日記2019年11月3日・・・黒石駅、弘前駅、津軽新城駅、青森駅(弘南鉄道弘南線/奥羽本線) 1

記事を読む

「鉄旅日記」2017年冬【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】初日(東京-下今市-会津高原尾瀬口-会津若松)その1-大泉学園、北千住、東武動物公園、上三依塩原温泉口、中三依温泉、会津高原尾瀬口、七ヶ岳登山口、会津山村道場(西武池袋線/東武伊勢崎線/東武鬼怒川線/野岩鉄道/会津鉄道)

鉄旅日記2017年12月2日・・・大泉学園駅、北千住駅、東武動物公園駅、上三依塩原温泉口駅、中三依温

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その1-西岐阜、京都、二条、日吉、胡麻、下山、和知、綾部、高津(東海道本線/山陰本線)

鉄旅日記2014年3月21日その1・・・西岐阜駅、京都駅、二条駅、日吉駅、胡麻駅、下山駅、和知駅、綾

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】最終日(魚津-東京)その1-魚津、生地、黒部、電鉄黒部、泊、親不知、越中宮崎、糸魚川、能生、梶屋敷、浦本(北陸本線)

鉄旅日記2014年3月23日その1・・・魚津駅、生地駅、黒部駅、電鉄黒部駅、泊駅、親不知駅、越中宮崎

記事を読む

「車旅日記」1996年夏【再び北を目指した夏。不慮の事故に遭い、打ち切らざるを得なくなったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 成瀬センター前、東福生駅、籠原駅、北橘村、渋川、ドライブイン利根川、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、道の駅ゆのたに、堀之内パーキング

車旅日記1996年8月13日 1996・8・13 10:45 東京 ルートは決まった。 今まで

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】4日目(大曲-阿仁合-弘前-三厩-青森)その1-大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、碇ヶ関駅、大鰐温泉駅、黒石駅

車旅日記2006年5月5日・・・大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2016年夏【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】最終日(大館-東京)-大館、十和田南、荒屋新町、前沢、一ノ関、愛宕、国府多賀城、陸前山王、北白川、東白石、蒲須坂、片岡(花輪線/東北本線)

鉄旅日記2016年8月13日・・・大館駅、十和田南駅、荒屋新町駅、前沢駅、一ノ関駅、愛宕駅、国府多賀

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その4‐浪江、いわき、常陸多賀、石岡(常磐線)

鉄旅日記20220年4月5日・・・浪江駅、いわき駅、常陸多賀駅、石岡駅

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その3‐小野新町、要田、いわき(磐越東線)

鉄旅日記2020年4月5日・・・小野新町駅、要田駅、いわき駅(磐越東線

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その2‐会津若松、郡山富田、喜久田、郡山(磐越西線)

鉄旅日記2020年4月5日・・・会津若松駅、郡山富田駅、喜久田駅、郡山

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】最終日(新津-東京)その1‐新津、馬下、津川、喜多方(磐越西線)

鉄旅日記2020年4月5日・・・新津駅、馬下駅、津川駅、喜多方駅(磐越

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その5‐小国、坂町、新津(米坂線/羽越本線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・小国駅、坂町駅、新津駅(米坂線/羽越本

→もっと見る

    PAGE TOP ↑