*

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、銚子へ、房総へ。】その1-保谷、稲毛、都賀、四街道、久住、下総神崎、松岸、銚子(総武本線、成田線)

公開日: : 最終更新日:2024/06/05 旅話, 旅話 2012年

鉄旅日記2012年3月12日その1・・・保谷駅、稲毛駅、都賀駅、四街道駅、久住駅、下総神崎駅、松岸駅、銚子駅(総武本線、成田線)

2012・3・12 4:21 保谷(ほうや)駅(西武池袋線 東京都)
雨上がりの濡れた路上に立つ。

街灯がどこか懐かしい気持ちにさせる。

保谷駅前でも普段じゃ気付かない灯をひとつ見つけたよ。

スナックからは歌声が漏れていた。

6:33 稲毛(いなげ)駅(総武本線 千葉県)
たくさんの荷物を車内に放り込み、蹴り込み、男が乗ってきた。
関西弁で独り言を捲くし立てるように呟く。
何者が乗ってきたのか?とジョン・レノン似の男が目を向ける。

千葉とはそういう地域か。
東京では見かけようのない胡散臭さだ。

今朝もまだたっぷりの冬。
風は冷たく、カラスにつつかれた角のゴミ袋が街を場末に変え、終夜営業の駅前ボーリングは閑散とし、発展が一段落した街という印象だけが残された。

駅から徒歩10分。
海岸は遠い。

7:10 都賀(つが)駅(総武本線/千葉都市モノレール 千葉県)
千葉を過ぎ、寒木の一帯を過ぎるとあたりは鄙びる。
電車が行ってしまうと静かなものだ。

千葉都市モノレールが通る町は一見都会風だが、駅前の風景を突っ切るとすぐに民家が現れ、タイ人の居留地かと思わせる一角に目を奪われる。

いつか房総で見た、乾いていてどことなく貧しく、純正日本とは違った民度が空気にも感じられた風景を思い出す。

朝日を浴びて真っ直ぐに延びていくモノレールの高架には美を感じた。

7:30 四街道(よつかいどう)駅(総武本線 千葉県)
Yさんはまだこの町に住んでいるのだろうか。

風がなくなると日差しに温かみを感じる町。
だけどやはり風が冷たい。

角に廃墟になったいくつもの料理屋が入っていたビルが見える。
去年の震災の影響によるものか、あるいはこの町が抱えた必然だったのか。

かつてのありふれた週末。
オレが子どもの頃にそうだったように、いくつもの幸せな家族が顔をほころばせながらこのビルを目指した様に思いを馳せた。

一見都会風の駅前は四街道でも同じだが、反対側には何もなかったよ。

8:27 久住(くずみ)駅(成田線 千葉県)
佐倉で乗り換え。

関東平野の小さな駅。
成田の次だが、あの参道の賑わいは遠く、商店のない駅前に簡易駅舎が寒風に吹かれていた。

線路に沿ってゴルフコースがあり、平らな大地に人の姿を見かけることはない。

8:47 下総神崎(しもうさこうざき)駅(成田線 千葉県)
駅前に大きな地図があった。
それとヤマザキのお店が一軒。
町のホールを兼ねた近代的な駅舎には鉄道員も詰めている。

神崎はこのあたりじゃ代表的な町なんだろう。

利根川の堤防が見えてきた。
そしてまた日本一の関東平野。

かつて恋人とも辿った道。
あの日にこの寒々とした景色を眺める彼女の表情を思い出したような気がしたよ。

10:04 松岸(まつぎし)駅(総武本線/成田線 千葉県)
千葉には雨の予報が出ていたな。
時折降り注ぐ日差しに一息つくがすぐに冷たい風が温もりを消してしまう。

上空にあるのは雨雲だ。
このままじゃどこかで粒となって落ちてくるだろう。

ヤマザキのお店で缶コーヒーとピザまん。
ここらじゃまだ駅のホームに灰皿が置かれている。

ワンコップ食堂に中華料理屋。
他に何もなく駅に引き返す。

平野に吹く風が電車内を冬に戻し終着の銚子へ。

利根川の対岸には、かつて友人が結婚式を挙げた鹿島のホテルと工場群が見えている。
郷愁を誘われたよ。

10:48 銚子(ちょうし)駅(総武本線/成田線/銚子電鉄 千葉県)
4度目の銚子。

寂れた様子はなく、むしろ前回よりも賑やかな印象を受ける。

大きな額がかかっていた駅舎内の広場はすでになく、改札口も含めて一新されたようだ。

銚子にはこんなにもホテルがあったんだな。
今まで気付いてなかったよ。

銚子大橋が見える場所まで歩く。
銚子に降りればいつもそうしていたはずだ。

風に当たる。
記憶も蘇る。
また銚子電鉄にも乗りたいな。

今はひとりで暮らす身ではないが、こうしてまたひとり。


関連記事

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その3‐仙台、国見、愛子、山形(仙山線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・仙台駅、国見駅、愛子駅、山形駅(仙山線) 14:39 仙台(せん

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】4日目(徳島-善通寺)その2-海部、桑野、阿南、穴吹、佃、琴平、善通寺(牟岐線/徳島本線/土讃本線)

鉄旅日記2008年5月5日・・・海部駅、桑野駅、阿南駅、穴吹駅、佃駅、琴平駅、善通寺駅(牟岐線/徳島

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その1 ‐飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・飯坂温泉駅、福島駅(福島交通飯坂線/奥羽本線) 2021

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その1‐香住、柴山、餘部(山陰本線)/余部鉄橋 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・香住駅、柴山駅、餘部駅(山陰本線)/余部鉄橋 2020・7

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】初日(東京-西舞鶴)その1-西岐阜、京都、二条、日吉、胡麻、下山、和知、綾部、高津(東海道本線/山陰本線)

鉄旅日記2014年3月21日その1・・・西岐阜駅、京都駅、二条駅、日吉駅、胡麻駅、下山駅、和知駅、綾

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】初日(東京-津山)-尾張一宮、播磨高岡、太市、余部、播磨新宮、三日月、西栗栖、美作江見、林野、上月、津山口、津山(東海道本線、山陽本線、姫新線)

鉄旅日記2014年8月13日・・・尾張一宮駅、播磨高岡駅、太市駅、余部駅、播磨新宮駅、三日月駅、西栗

記事を読む

「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その3‐末恒、浦安、米子、揖屋(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】

鉄旅日記2020年7月24日・・・末恒駅、浦安駅、米子駅、揖屋駅(山陰本線) 10:39&n

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線)

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その4‐水上、高崎、籠原(上越線/高崎線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・水上駅、高崎駅、籠原駅(上越線/高崎線) 18:36 水上(みな

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春【浜名湖周辺で遊ぶ一日】その2-鷲津、新居町、浜松、新浜松、第一通り、西鹿島、遠州森、円田、遠江一宮、原谷、掛川、安倍川(東海道本線/遠州鉄道/天竜浜名湖鉄道)

鉄旅日記2015年3月28日その2・・・鷲津駅、新居町駅、浜松駅、新浜松駅、第一通り駅、西鹿島駅、遠

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑