*

「鉄旅日記」2014年春 最終日(紀伊勝浦-東京)その1-紀伊勝浦、太地、湯川、那智、三輪崎、新宮、鵜殿(紀勢本線)/丹鶴城公園 【青春18きっぷで、紀伊半島へ】

公開日: : 最終更新日:2025/06/06 旅話, 旅話 2014年

鉄旅日記2014年3月9日その1・・・紀伊勝浦駅、太地駅、湯川駅、那智駅、三輪崎駅、新宮駅、鵜殿駅(紀勢本線)/丹鶴城公園

2014・3・9 7:12 紀伊勝浦(きいかつうら)駅(紀勢本線 和歌山県)
旅館のおかみさんはとても美人でやわらかい和歌山弁を話す。
バレーボール全日本代表の中に彼女に似た美人がいるが名を思い出せない。

港では松島巡りを売り、マグロとクジラ料理を推奨している。
朝の早い喫茶店は、確か昨夜暗くなっても営業していた。

黒潮の町を出る一番列車は都会からすれば遅く、旅先のオレにしてはのんびりとした朝を迎えた。
朝の寒さは東京と変わらない。

駅から港へと向かう道は昨夜も何度も通り、今朝もまた。
港の風景とあわせて、おそらくオレなら見飽きることはないだろう。

那智本宮、熊野古道、那智の滝。
ゆっくりと旅ができる地点まで人生を進められたら、また来よう。




7:31 太地(たいじ)駅(紀勢本線 和歌山県)
串本方面に2駅。
クジラ漁で世界的に悪名が轟いたのが太地湾。
その太地の風景を見ておきたかった。

上りの列車はたいして時間を置かずにくるから、すぐに引き返すことになる。
駅は少し奥まった場所にあり、高台のホームから現場は見えなかった。

漁師は何も悪いことをしているわけじゃない。
昔からの営みを守っているに過ぎない。
そんな暮らしに外野から非難が起こる。
やりきれない思いでおられることだろう。

生きていくことの意味を考えるには、ここはいい場所なのかもしれない。

湯川(ゆかわ)駅(紀勢本線 和歌山県)
紀伊勝浦方面に戻り、ひと駅目。

かつて駅前の駐車場に車を止めて、駅のホームへと駆け上がり眺めた湯川湾。

外洋に口を開けた美しい景色が、そこにあった。

8:16 那智(なち)駅(紀勢本線 和歌山県)
「渡海上人舟出の浜」で日を浴びる。

南方海上にあるとされる観音浄土への決して戻ることのない船出。平安時代から行われ、明治に入っても足摺岬にその記録が残る。

駅から海辺はすぐの距離にある。
駅前には補陀洛山寺が鎮座している。
古歌に詠まれた「渚の森」だという。

「近畿の駅百選」に選ばれた那智駅は、道の駅に隣接している。特に目につくものはない。
寂れた現代風景と輝かしい世界遺産。
皮肉にも見えるが、ここは古の道の入口にあたる。
そんな場所の現代風景として、この駅前は違和感を持たない。

平家ゆかり地でもあり、平時子、平維盛の慰霊碑が近くにあるという。
しかし肌寒い。
ビールは余計だった。

8:41 三輪崎(みわざき)駅(紀勢本線 和歌山県)
数分の停車。

神話の浜に冷たい風が吹く。
南海人の会話はラジオを聞くより面白い。

神武東征上陸地の看板が見えた。
神話の頃、現在オレが暮らすあたりは蛮族の巣だったわけだ。

新宮へとつながる開けた砂浜が美しい。
那智の砂浜もまた白かった。

新宮(しんぐう)駅(紀勢本線 和歌山県)にて

9:19 丹鶴城公園(たんかくじょうこうえん)
乗ってきた列車は新宮止まり。
街に下りる。
次の上り列車が来るまで3時間近く待たなければならない。

新宮の街をぶらぶらしながら時間を潰そうと思っていたけど、計画変更。
かつて42号国道から眺めた風景を頼りに、ひと駅歩いて県境を越えようとしている。
手始めに百貨店やスーパーが並ぶ一帯を抜けてここ新宮城跡に登り、新宮市内を一望に収めた。

古い時代、このあたりがどういう経緯で神域になったのかよくは知らない。
どれくらい昔の話なのかも知らない。
新宮駅前に公園として整備されている徐福さんの話もそうだ。

でもこうして外洋に開かれた街を眺めると、様々なことがあったのだろうという想像はつく。
海洋民族でもあった日本人。
南海道の知らざる歴史に思いを馳せる。


新宮~鵜殿間(徒歩)


10:47 鵜殿(うどの)駅(紀勢本線 三重県)
ジャズの名演奏が流れていた新宮の「仲の町」。

熊野速玉大社に立ち寄り、熊野川を渡る。

新宮の街中が幻かと思えるほど歩き、渡った先の三重県紀宝町には穏やかな春の日差しが満ち、冷たかった北風は心地いいものに変わった。
雲雀の声が聞こえる春先の南紀を満喫している。

北越紀州製紙の工場へとつながる引込み線が敷かれた寂れた駅にいる。
しかし駅前は42号国道(熊野街道)に沿ってなかなか賑やかだ。
ホテル、各種飲食店にギターショップまである。

コンビニの若い女性は、都会的な可愛らしさとよそよそしさでオレにビールを売った。
近くでビートたけしさんによく似たじいさんを見かけた。

それにしても、なかなか堪える徒歩行だった。

関連記事

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常磐線/東北新幹線) 20

記事を読む

「鉄旅日記」2020年卯月 最終日(新津-東京)その4‐浪江、いわき、常陸多賀、石岡(常磐線) 【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】

鉄旅日記20220年4月5日・・・浪江駅、いわき駅、常陸多賀駅、石岡駅(常磐線) 16:34 浪江

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 最終日(新庄-東京)その2-女川、渡波、松島海岸、本塩釜、仙台、駒ヶ嶺、原ノ町、桃内、いわき、石岡(石巻線/仙石線/常磐線) 【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】

鉄旅日記2009年10月11日・・・女川駅、渡波駅、松島海岸駅、本塩釜駅、仙台駅、駒ヶ嶺駅、原ノ町駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年秋 その3-腰越、江ノ島、湘南江の島、片瀬江ノ島、新宿(江ノ島電鉄/小田急電鉄江ノ島線)/龍ノ口寺 【湘南へ向かう休日。江ノ電に乗りに行ったのでございます。】

鉄旅日記2017年11月12日・・・腰越駅、江ノ島駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、新宿駅(江ノ島電鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月 2日目(越前大野-福井-米原-名古屋-松本)その2-平田、松本、食蔵BASARA(篠ノ井線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】

鉄旅日記2018年10月7日・・・平田駅、松本駅(篠ノ井線) 16:43 平田(ひらた)駅(篠ノ井

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】最終日(JR難波-東京)その1-JR難波、八尾、奈良、笠置、伊賀上野、上野市、伊賀神戸、伊勢中川、近鉄長島、長島(関西本線/伊賀鉄道/近鉄大阪線/近鉄名古屋線)

鉄旅日記2017年3月20日・・・JR難波駅、八尾駅、奈良駅、笠置駅、伊賀上野駅、上野市駅、伊賀神戸

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋 3日目(大分-佐賀)その1-大分、中判田、豊後竹田、宮地、肥後大津、水前寺、辛島町、熊電上熊本、上熊本(豊肥本線/熊本市電) 【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】

鉄旅日記2009年9月20日・・・大分駅、中判田駅、豊後竹田駅、宮地駅、肥後大津駅、水前寺駅、辛島町

記事を読む

「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その2‐敦賀、北鉄金沢、内灘、金沢、野々市(北陸本線/北陸鉄道浅野川線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】

鉄旅日記2020年11月23日・・・敦賀駅、北鉄金沢駅、内灘駅、金沢駅、野々市駅(北陸本線/北陸鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2014年夏 3日目(鳥取-米子)その1-鳥取、由良、下市、御来屋、名和、伯耆大山、東山公園、博労町、境港、木次、亀嵩、宍道(山陰本線/境線/木次線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】

鉄旅日記2014年8月15日その1・・・鳥取駅、由良駅、下市駅、御来屋駅、名和駅、伯耆大山駅、東山公

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 3日目(高松)その2 ‐金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅師墓 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月21日・・・金刀比羅宮、善通寺駅、高松港公園、八十場駅、白峰宮、天皇寺、磯禅

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その3 ‐相生、岡山、坂出、高松(山陽本線/本四備讃線/予讃本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・相生駅、岡山駅、坂出駅、高松駅(山

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その2 ‐木曽福島、上松、大桑、大垣、姫路(中央本線/東海道本線/山陽本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・木曽福島駅、上松駅、大桑駅、大垣駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 2日目(伊那市-高松)その1 ‐伊那市、辰野、岡谷、塩尻(飯田線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月12日・・・伊那市駅、辰野駅、岡谷駅、塩尻駅(

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その4 ‐岡谷、北殿、伊那北、伊那市(飯田線)/ホテル青木【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・岡谷駅、北殿駅、伊那北駅、伊那市駅

「鉄旅日記」2022年盛夏 初日(東京-伊那市)その3 ‐龍岡城、小海、青柳、下諏訪(小海線/中央本線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】

鉄旅日記2022年8月11日・・・龍岡城駅、小海駅、青柳駅、下諏訪駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑