*

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】初日(東京-多治見)その1-金町、三島、修善寺、蒲原、島田(常磐線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年3月23日・・・金町駅、三島駅、修善寺駅、蒲原駅、島田駅(常磐線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線)
2019・3・23 4:29 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
春本番の列島。
山陰、北陸に吹いた春一番はまだ関東までは及ばないが、満開には遠いとはいえ、桜は開花を迎えている。

去年3月の終わり。
それまで暮らしていた練馬の家を離れた。

最愛の存在と離れて暮らして一年になる。
彼を想うと胸が疼く。

そして一週間前にできた恋人と新しい愛を交わす。

無常の3月。
春の切符はまだ2回分残っている。
改札口で判を押してもらい、東へ向かう一番列車に乗っている。

7:34 三島(みしま)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線 静岡県)
いつものように乗り換えていく。
北千住、日暮里、そして東京。

湘南も熱海も街路は濡れていた。

三島大社の文字が目を引く駅前には若者の姿が目立つ。

伊豆箱根鉄道駅で三嶋大社の授与品である「三嶋駒」を模したフリー切符を購入。

この鉄道に乗るのは2度目になる。
専用の三島駅舎を持つことに当時は気づいていない。

あれはもう11年前。
師走の寒い日だった。

修善寺からの帰りには伊豆長岡で降りて、夕焼けの道を歩き、温泉につかった。
さらに三島広小路で降りて、夕食の店を選んだ。

ボックス席が並ぶ車内は伊豆への誘いに満ちていて、目の前の車窓には「浄蓮の滝」と、「割狐塚稲荷神社」のステッカーが貼られている。

8:18 修善寺(しゅぜんじ)駅(伊豆箱根鉄道駿豆線 静岡県)
かつて恋人と訪ねた終着駅。
駅に降りてみたら、当時の記憶が消えていたことを知った。
駅舎も当時のものではない。

観光地の駅前らしく、商店に囲まれたロータリーは春の雨に濡れて美しく、隣に立っていた関西訛りの男が「寒い」と洩らす。

温泉街は駅から遠く、歩いてはいけない。
駅を出てそこへ至るスタート地点に狩野川に架かる修善寺橋がある。

その橋の上で微笑む当時の恋人の画像が、まだどこかに仕舞われているはずだ。

源頼家が幽閉の後に暗殺された舞台。
オレの中の修善寺とは、そういう町だ。

行きの車窓では、韮山の手前で蛭ヶ小島を指し示す矢印を見た。
源頼朝がそこに流されて以来、伊豆は源氏と縁が深い。

9:57 蒲原(かんばら)駅(東海道本線 静岡県)
三島、沼津と乗り継いで東海道蒲原宿に降りる。
これで東海道本線東京~浜松間のすべてに駅に降りるか、寄ったことになる。

数日前、この道を友人のM氏が東海道五十三次踏破を目指して通りすぎている。
彼は今日、大井川を渡るだろう。

跨線橋から海が見えた。
駅前には何もなく、駿河湾を目指して歩く。

約3分でテトラポットが目立つ海辺に出た。

波の音が余計な音を消す。
海辺とは静かなものだ。

太平洋を背に自撮り。
近況とともに恋人に送る。


静岡方面に向かう列車に席を得ることはできなかった。
異邦人の旅行者が多く乗り合わせている。

仏陀の国の人々だろうか。
男女ともに腰回りが一様に太い。
体型にも国民性がありそうだ。

もやった海上に島がぼんやりと輪郭を浮かべている。

11:09 島田(しまだ)駅(東海道本線 静岡県)
静岡で席を得ると車内は一気に空いた。

乗っていた列車は島田行き。
10数年振りに降りた島田駅は当時の姿をしていなかった。

栄西禅師の銅像が立つ駅前から商店街が続いている。
禅師は茶の効用を説いて、静岡茶の発展に貢献したとのこと。

大井川を越えると車窓には茶畑が現れる。

大井川の川幅は広いが、水はほぼ涸れて流木の散らばる川底が剥き出しになっていた。

関連記事

「鉄旅日記」2019年長月【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】初日(東京-盛岡)その1-金町、水戸、上菅谷、常陸大子(常磐線/水郡線)

鉄旅日記2019年9月21日・・・金町駅、水戸駅、上菅谷駅、常陸大子駅(常磐線/水郡線) 2019・

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、福井・石川途中下車旅】初日(東京-富山)-大垣、田村、近江塩津、敦賀、越前花堂、美山、九頭竜湖、越前大野、福井、美川、金沢、津幡(東海道本線、北陸本線、越美北線)

鉄旅日記2012年8月25日・・・大垣駅、田村駅、近江塩津駅、敦賀駅、越前花堂駅、美山駅、九頭竜湖駅

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、みちのく・北海道途中下車旅】2日目(横手-室蘭)-横手、土崎、八郎潟、大館、弘前、青森、泉沢、久根別、七飯、仁山、渡島沼尻、森、八雲、長万部、伊達紋別(奥羽本線、江差線、函館本線、渡島砂原支線、室蘭本線、室蘭支線)

鉄旅日記2012年8月12日・・・横手駅、土崎駅、八郎潟駅、大館駅、弘前駅、青森駅、泉沢駅、久根別駅

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生【西武線を楽しむ日。いくつかのターミナル駅に降りてみたかったのでございます。】-小手指、西所沢、西武遊園地、小川、東村山、西武園、西武遊園地、萩山、小平(池袋線/狭山線/山口線/多摩湖線/国分寺線/拝島線/西武園線/新宿線)

鉄旅日記2018年3月17日・・・小手指駅、西所沢駅、西武遊園地駅、小川駅、東村山駅、西武園駅、西武

記事を読む

「車旅日記」1996年秋【夏をあきらめきれず、秋。再び夏のルートへと向かったのでございます。】初日 (東京‐三国峠‐新潟)- 橋本、拝島、東松山、籠原駅、高崎、月夜野情報サービスセンター、猿ヶ京湖城閣、越後湯沢駅、堀之内パーキング、道の駅豊栄

車旅日記1996年11月1日 1996・11・1 12:13 東京町田 昨夜の決意は固かったけど

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その3-日出塩、贄川、村井、上諏訪、日野春、西国分寺、新松戸(中央本線/武蔵野線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・日出塩駅、贄川駅、村井駅、上諏訪駅、日野春駅、西国分寺駅、新松戸駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】初日(東京-新庄)松戸、取手、友部、上菅谷、常陸太田、高萩、いわき、郡山、福島、米沢、山形、新庄(常磐線/水郡線/水郡線常陸太田支線/磐越東線/東北本線/奥羽本線)

鉄旅日記2009年10月10日・・・松戸駅、取手駅、友部駅、上菅谷駅、常陸太田駅、高萩駅、いわき駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】初日(東京-出雲)-静岡、豊橋、京都、亀岡、福知山、上夜久野、豊岡、浜坂、鳥取、青谷、倉吉、米子、出雲市(東海道本線/山陰本線)

鉄旅日記2008年5月2日・・・静岡駅、豊橋駅、京都駅、亀岡駅、福知山駅、上夜久野駅、豊岡駅、浜坂駅

記事を読む

「車旅日記」2004年夏【九州を一周してみよう。そう思いたった、真夏の日々でございます。】2日目(別府-阿蘇-宮崎)走行距離337㎞その2-高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

車旅日記2004年8月12日・・・高森駅、高千穂駅、延岡駅、日向市駅、佐土原駅、アーバンキット宮崎

記事を読む

「鉄旅日記」2012年春【青春18きっぷで、相模・駿河・甲斐途中下車旅】その1-新子安、石川町、山手、磯子、根岸、大磯、二宮、鴨宮、早川、根府川、伊東、熱海、函南、東田子の浦(京浜東北線、根岸線、東海道本線、伊東線)

鉄旅日記2012年3月20日その1・・・新子安駅、石川町駅、山手駅、磯子駅、根岸駅、大磯駅、二宮駅、

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その4‐周防高森、徳山、下松、光(岩徳線/山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・周防高森駅、徳山駅、下松駅、光駅(

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その3‐宇部、富海、福川、戸田(山陽本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・宇部駅、富海駅、福川駅、戸田駅(山

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その2‐若松渡場、戸畑渡場、戸畑、下関(若戸渡船/鹿児島本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・若松渡場、戸畑渡場、戸畑駅、下関駅

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】最終日(門司港-東京)その1‐門司港、小森江、折尾、若松(鹿児島本線/筑豊本線)

鉄旅日記2020年8月16日・・・門司港駅、小森江駅、折尾駅、若松駅

「鉄旅日記」2020年盛夏【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】3日目(肥前鹿島-門司港)その5‐肥前山口、久保田、西唐津、博多、門司港(佐世保線/唐津線/筑肥線/福岡市地下鉄空港線/鹿児島本線)

鉄旅日記2020年8月15日・・・肥前山口駅、久保田駅、西唐津駅、博

→もっと見る

    PAGE TOP ↑