「鉄旅日記」2018年神無月 最終日(松本-辰野-天竜峡-岡谷-東京)その1-松本、辰野、北殿、伊那市、伊那福岡、伊那本郷、上片桐、飯田、天竜峡(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線) 【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】
鉄旅日記2018年10月8日・・・松本駅、辰野駅、北殿駅、伊那市駅、伊那福岡駅、伊那本郷駅、上片桐駅、飯田駅、天竜峡駅(篠ノ井線/中央本線辰野支線/飯田線)
2018・10・8 5:45 松本(まつもと)駅(篠ノ井線/大糸線 長野県)
昨夜も酒が過ぎたけど、いい夜だった。
そばイベントで賑わう街中にちょっとした蔵がある。
そこが友人が経営する食べ物屋さんなんだ。
彼はオレの話に怒り、嘆き、子供の幸福を祈り、そして自身の身の上を訥々と語った。
ここにも真実の友達がいたよ。
バスターミナルに人気はなく、早朝の駅は明るく、とても静かだった。


6:40 辰野(たつの)駅(中央本線辰野支線/飯田線 長野県)
ゲンジ蛍の里、松尾峡入口の看板が日に褪せている。
有賀峠を下りて、初めて辰野に寄った時も朝だった。
人気のないターミナル駅に着いた。
駅前喫茶はつぶれ、かつては駅そばが食べられた駅舎からはすべての店舗が出ていき、看板は外され巨大な体をもて余している。
駅前旅館はやっているようだ。
あの一杯飲み屋も夜には明かりをつけそうだ。

天竜峡行は運動部の青少年を多く乗せて発車した。
7:20 北殿(きたとの)駅(飯田線 長野県)
行き違い4分の停車。
青少年たちと改札に向かう。
構内踏切が鳴り、気になってすぐに戻る。
狭い駅前通りに日差しは満ちて、列車に戻ると驚くほどの青少年が乗っている。


7:39 伊那市(いなし)駅(飯田線 長野県)
ようこそレトロな街へ。
北伊那を出てしばらくすると飲み屋横丁が見えた。
駅を出て小路を行くと通りに沿ってアーケード街が形成されている。


北伊那で青少年の大半は降りた。
居残ったサッカー少年がゲームをしながら奇声を上げている。
時にうるさい。
8:18 伊那福岡(いなふくおか)駅(飯田線 長野県)
学生の大半は降りて、2両の車内は強い日差しを受けながら粛々と進行している。
不意に愛しきもののことが思い出され胸が痛む。
残っていた学生がここですべて降り、より閑散とした車内。
すすきの通路が黄金に光り、収穫という言葉が浮かぶ。
4分の停車。
たった一軒、味のある店が駅前にアクセントをつけていた。


8:38 伊那本郷(いなほんごう)駅(飯田線 長野県)
5分の停車。
高台から伊那谷を見下ろす場所に駅がある。
思わず体を伸ばす。


穏やかな晴天。
天竜峡を見に下っている。
8:59 上片桐(かみかたぎり)駅(飯田線 長野県)
3分の停車。
ここでも高台からの景色を写す。


ちょこちょこ停車しながらのんびり下る伊那路。
時に徐行して、ふと見る世界は緑と青。
赤はないかと何げなく目をやると座席が赤い。
色の調和のとれた車内。
次の伊那大島でも3分停車する。
9:40 飯田(いいだ)駅(飯田線 長野県)
5分の停車。
春4月以来の飯田。
売店があり、思わずウイスキーハイボールを購入。
小さな子供たちのかわいらしい姿に微笑み、太陽の下の飯田の街を見下ろし、写す。
この青空の下では街がざわめいているように感じる。
駅にはちょっとした改装の覆いがかかり、象徴的な赤屋根はさらに鮮やかさを増していた。


10:50 天竜峡(てんりゅうきょう)駅(飯田線 長野県)
竜神の加護を受けていると鑑定されたオレが、この場所を目指したのは必然だったのかもしれない。
4月にここを通って、あの橋を見た時は胸が騒いだ。
そして今日、荒れ狂う泥流を前に下る龍に祈った。
オレの幸福もまた必然としてこれから訪れる。




会社役員になった身の上。
土産くらい買って帰るさ。
暖簾を上げてはいるけど、やる気のない蕎麦屋に見切りをつけて、ビールを購入。
一大観光地への人出は穏やかで、小さな子供たちの歓声が響く。
うれしくなって、その方向に目を向ける。



関連記事
-
-
「鉄旅日記」2018年春 初日(東京-飯田)その1-国立、高尾、宮田、伊那八幡、三河東郷、新城、三河一宮(中央本線/飯田線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】
鉄旅日記2018年4月7日・・・国立駅、高尾駅、宮田駅、伊那八幡駅、三河東郷駅、新城駅、三河一宮駅(
-
-
「鉄旅日記」2008年皐月 最終日(善通寺-東京)-善通寺、多度津、丸亀、坂出、岡山、京都、野洲、東京葛飾(土讃本線/予讃本線/本四備讃線/山陽本線/東海道本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】
鉄旅日記2008年5月6日・・・善通寺駅、多度津駅、丸亀駅、坂出駅、岡山駅、京都駅、野洲駅(土讃本線
-
-
「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その3‐小牛田、一ノ関、北上、柳原、江釣子(東北本線/北上線) 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】
鉄旅日記2020年1月11日・・・小牛田駅、一ノ関駅、北上駅、柳原駅、江釣子駅(東北本線/北上線)
-
-
「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その1-東京、円町、園部、安栖里、山家、市島、柏原、谷川、西脇市、粟生(東海道新幹線/山陰本線/福知山線/加古川線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】
鉄旅日記2009年11月21日・・・東京駅、円町駅、園部駅、安栖里駅、山家駅、市島駅、柏原駅、谷川駅
-
-
「鉄旅日記」2014年秋 その2-富田、佐野、佐野市、大平下、新大平下、栃木、思川、新白岡、白岡、東大宮(両毛線/東北本線) 【休日おでかけパスで、関東ローカル旅】
鉄旅日記2014年11月3日その2・・・富田駅、佐野駅、佐野市駅、大平下駅、新大平下駅、栃木駅、思川
-
-
「鉄旅日記」2006年新春-馬橋、流山、幸谷、新松戸、佐貫、竜ケ崎(常磐線/総武流山電鉄/関東鉄道竜ヶ崎線)【雪の降った翌日。近くのローカル線に乗りに出かけました。】
鉄旅日記2006年1月22日・・・馬橋駅、流山駅、幸谷駅、新松戸駅、佐貫駅、竜ケ崎駅(常磐線/総武流
-
-
「鉄旅日記」2008年初秋 初日(東京-羽咋)その2-新西金沢、野町、加賀一の宮、西金沢、羽咋(北陸本線/北陸鉄道石川線/七尾線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】
鉄旅日記2008年9月13日・・・新西金沢駅、野町駅、加賀一の宮駅、西金沢駅、羽咋駅(北陸本線/北陸
-
-
「車旅日記」2004年秋 2日目(宇野-城崎)走行距離377㎞ その1-宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】
車旅日記2004年11月21日・・・宇野駅、児島駅、下津井港、倉敷駅、総社駅、備中高梁駅、新見駅
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その3‐米原、京都、梅小路京都西、丹波口、花園(東海道本線/山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・米原駅、京都駅、梅小路京都西駅、丹波口駅、花園駅(東海道本線/山
-
-
「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-米内沢)その2‐小牛田、瀬峰、田尻、新田(東北本線)/伊豆沼 【大人の休日倶楽部パスで東北へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。続くコロナ禍ではございますが、約半年の辛抱の時を過ぎて、天候にも苛まれながら秋田内陸縦貫鉄道に乗りに行きました。】
鉄旅日記2021年4月17日・・・小牛田駅、瀬峰駅、田尻駅、新田駅(東北本線)/伊豆沼 8:
