*

「鉄旅日記」2006年如月 初日-佐倉、成東、大網、上総一ノ宮、上総興津、安房鴨川、館山、安房勝山(常磐線/成田線/総武本線/東金線/外房線/内房線) 【鉄道旅に目覚め、1泊2日で房総半島にまいりました。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/22 旅話, 旅話 2006年

鉄旅日記2006年2月4日・・・佐倉駅、成東駅、大網駅、上総一ノ宮駅、上総興津駅、安房鴨川駅、館山駅、安房勝山駅(常磐線/成田線/総武本線/東金線/外房線/内房線)

2006・2・4 某リゾートクラブ安房勝山
よく晴れて冷たい、概ね気持ちのいい日だった。

我孫子で降りて、12月よりは駅前をよく歩き、成田線では印旛沼を遠望して、成田ではすぐの乗り換え。

外国人の姿をよく見かけた。
東京国際空港に降り立って、最初に見える風景の長閑さに彼等は驚いたかもしれない。

佐倉で30分待つ。
昭和60年に再建された駅舎には目新しさが残っているが、人気のない場所に立つ現代的な建物には独特の廃れた印象がまとわりつく。

12月に銚子からの帰りに通った際は、夜ということもあって駅周辺は明るく、千葉という大都会の始まりを思わせたけど、駅前には何もないと言える。

列車を待っていると、見慣れない小鳥が足元まで寄ってきて、待ち人が落としていった食べかすを啄んでいる。
愛らしい。

佐倉を出ると、銚子方面に向かう総武本線は単線になる。

成東は旅情を満たす町だった。
かつて成東から甲子園まで行った少年たちがいる。
駅も待合室も旅が似合う。

2012年3月3日撮影

0番線ホームから東金線が出る。
閑散とした住宅地を進むが、東金駅周辺にはちょっとした繁華街が見られて降りてみたくなる。
でも次の列車の到着は1時間後。
ドアが閉まるのを待った。

大網駅は高架駅で、外房線と東金線のホームはV字に交わる一風変わった構造だった。

2009年10月22日撮影

やってきたのは上総一ノ宮行。
途中の茂原は魅力的な街として映った。

上総国の一宮はどこにある。
駅はステンドグラスの小窓が特徴的な年代物。

駅前食堂で昼食。
ビールと中華丼。
旅先のビールは美味く、中華丼もいい味だった。

風が冷たい。
佐倉でもその風にあたりながら空を見ていたことを思い出した。

ホームの背後が鬱蒼とした竹藪になっている駅を通り、御宿を過ぎると左手に房総の海が見えてくる。
上総興津で5分の停車。
便所を借りに改札を抜ける。
かつて伊豆で見た、小さな商店街が海辺に続く懐かしい駅前風景があった。

2013年3月9日撮影

車内の高校生たちは、11月の両毛線のようにひどいことにはなっていない。
大原、安房小湊。
線路に沿って国道を走ったあの記憶は何年前のことになるのか。
脳内で掘り起こしながらも松本清張の小説に目を落とし、時に海を眺めながら次は安房鴨川。

改札を出ようとするところを駅員に止められて気分を害したけど、彼は仕事をしただけだ。
海辺まで鄙びた通りを歩く。
そして今年初めて足元に海を置いた。

サーファーたちが波に揉まれている。
まともに立っているのは一人もいない。
波に洗われ続ける濡れたビーチが美しい。

2013年3月9日撮影

待ち時間は長く、本屋で2冊を購入。
土産物屋では菓子を仕入れた。
赤屋根の小さな駅舎は改装中だった。

2013年3月9日撮影

跨線橋を渡った先には巨大なジャスコ。
鴨川はリゾート地なのだろうが、冬場にその本領を見ることはムズカシイのだろう。
房総の駅と列車は親切で、発車30分ほど前から入線して車内を開放している。

成東、東金線あたりでは、どこからともなくボリュームを絞ったラジオ放送が聞こえていた。
発車まで少し眠り、発車とともに目を覚まし、旅は続く。
太海、千歳。
千歳駅はあの頃と変わっていない。
車掌車を流用した無人駅。

千倉駅はまだ工事中だった。
かつて寄った昼下がり。
そこに流れていた「テネシーワルツ」を覚えている。

館山へ。
そしてまたひとつ好きな街がリストに追加された。
椰子の木が駅前広場で存在感を放ち、海辺へと続く夕映え通りのオレンジの灯が優しい。
空は茜を残していて、雲も海も荒々しい色をしている。

突堤を進む。
釣り人に黙礼して進んでいく。
そして突堤の先端で思い切り体を伸ばして、しばらく景色に包まれた。

それはとても素敵な時間で、沖を航行する船が見えなくなるまでそうしていてもよかったが、どうして切り上げてしまうのだろう。
本当に素敵な時間とは長くは続かないものだと、人生経験が告げたわけでもあるまいし。

街には品のいい店が並び、海辺には古い旅館が連なっている。
子供たちは愛らしく素直だ。
約40分いたが、館山は飽きさせず、遠くには館山城が見えて、駅では「里見八犬伝」にちなむ展示がなされている。

南洋的とも言える駅舎を行っては戻り、それこそ飽かずに両方の出口から見える景色を楽しんだ。
館山を出るまで、海と空は夜の訪れを拒んでくれていた。
ホームで列車を待つ身が凍えた。

2013年3月9日撮影

そして安房勝山へ。
凍えた手に息を吹きかけながら国道に面した店に入ると、おかみさんが「寒いですね」と声をかけてくる。
聞けば、今年で一番寒いという。
2週間前は雪も降り、東京と同じように積もったらしい。

料理屋では美味い寿司を。
余所者が訪ねることはほぼないのだろう。
店員の愛想はよくなかったが、味には満足した。

有線放送でビートルズを流しながら寛いでいる。
9階から見える風景は素晴らしい。
浦賀水道が一望のもとだ。

しばらく眺めていると、弧を描くように連なっている海辺の明かりが薄くなってきた。
一日はすでに終わっている。
窓を開けると強い風の音。

今見えている明かりは三浦のもの。
松本清張が描く人生も素晴らしく、旅の友として最適だった。

関連記事

「鉄旅日記」2016年夏 最終日(大館-東京)-大館、十和田南、荒屋新町、前沢、一ノ関、愛宕、国府多賀城、陸前山王、北白川、東白石、蒲須坂、片岡(花輪線/東北本線) 【じきに廃線を迎える留萌~増毛に用がありました】

鉄旅日記2016年8月13日・・・大館駅、十和田南駅、荒屋新町駅、前沢駅、一ノ関駅、愛宕駅、国府多賀

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その1-東京、円町、園部、安栖里、山家、市島、柏原、谷川、西脇市、粟生(東海道新幹線/山陰本線/福知山線/加古川線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月21日・・・東京駅、円町駅、園部駅、安栖里駅、山家駅、市島駅、柏原駅、谷川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2013年夏 2日目(徳山-南宮崎)その1-徳山、長府、西小倉、城野、行橋、新田原、中津、中山香、高城、佐志生、熊崎、上臼杵、臼杵(山陽本線、日豊本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】

鉄旅日記2013年8月11日その1・・・徳山駅、長府駅、西小倉駅、城野駅、行橋駅、新田原駅、中津駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋 2日目(羽咋-福井)その1-羽咋、七尾、穴水、和倉温泉、北鉄金沢、内灘、粟ヶ崎、金沢(七尾線/のと鉄道/北陸鉄道浅野川線) 【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】

鉄旅日記2008年9月14日・・・羽咋駅、七尾駅、穴水駅、和倉温泉駅、北鉄金沢駅、内灘駅、粟ヶ崎駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2006年晩夏-伊勢崎、桐生、西桐生、下仁田、上州富岡、高崎(高崎線/両毛線/上信電鉄) 【ふと誘われるように、上州へ向かう列車に乗ったのでございます。】

鉄旅日記2006年9月2日・・・伊勢崎駅、桐生駅、西桐生駅、下仁田駅、上州富岡駅、高崎駅(高崎線/両

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その1‐金町、北千住、上野、宇都宮、黒磯、新白河(常磐線/東北本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・金町駅、北千住駅、上野駅、宇都宮駅、黒磯駅、新白河駅(常磐線/東北

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その2-久田野、新白河、豊原、白坂、黒磯、西那須野、那須塩原、矢板(東北本線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月21日その2・・・久田野駅、新白河駅、豊原駅、白坂駅、黒磯駅、西那須野駅、那須

記事を読む

「車旅日記」2003年晩秋 3日目(伊勢志摩-京都)走行距離239㎞ -大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮駅、吉野口駅、京都ホーユウコンフォルト二条城 【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】

車旅日記2003年11月24日・・・大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 3日目(姫路-十三)その3-高速神戸、湊川神社、神戸三宮、甲陽園、夙川、西宮北口、宝塚、箕面、石橋、北千里、十三(阪急電鉄神戸高速線/神戸本線/甲陽線/今津線/宝塚本線/箕面線/千里線) 【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月12日・・・高速神戸駅、神戸三宮駅、甲陽園駅、夙川駅、西宮北口駅、宝塚駅、箕面

記事を読む

「鉄旅日記」2018年如月 最終日(直江津-六日町-大前-東京)その2-八色、浦佐、五日町、水上、後閑、上牧、八木原(上越線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】

鉄旅日記2018年2月11日・・・八色駅、浦佐駅、五日町駅、水上駅、後閑駅、上牧駅、八木原駅(上越線

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その3 ‐会津水沼、会津宮下(只見線)/宮下温泉ふるさと荘【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・会津水沼駅、会津宮下駅(只見線)

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その2 ‐郡山、会津若松、会津坂下、会津中川(磐越西線/只見線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・郡山駅、会津若松駅、会津坂下駅、

「鉄旅日記」2022年師走 初日(東京-会津宮下)その1 ‐金町、水戸、常陸大子(常磐線/水郡線)【11年ぶりに全線運転再開を果たした只見線に乗りにいきました。】

鉄旅日記2022年12月10日・・・金町駅、水戸駅、常陸大子駅(常磐

「鉄旅日記」2022年神無月 ツレと訪ねた佐原~銚子~香取旅でございます。最終日(銚子犬吠埼-東京)その2 ‐津宮鳥居河岸から香取神宮へ。/香取駅/水郷駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年10月9日【香取神宮にて】・・・香取駅、水郷駅(成

「鉄旅日記」2022年神無月 ツレと訪ねた佐原~銚子~香取旅でございます。最終日(銚子犬吠埼-東京)その1 ‐銚子で過ごした記録でございます。/犬吠埼灯台/銚子駅【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年10月9日【犬吠埼温泉にて】 水辺の写真ばか

→もっと見る

    PAGE TOP ↑