*

「鉄旅日記」2016年春【下北半島から東日本大震災被災地へ】最終日(石巻-東京)その2-久田野、新白河、豊原、白坂、黒磯、西那須野、那須塩原、矢板(東北本線)

公開日: : 最終更新日:2024/05/25 旅話, 旅話 2016年

鉄旅日記2016年3月21日その2・・・久田野駅、新白河駅、豊原駅、白坂駅、黒磯駅、西那須野駅、那須塩原駅、矢板駅(東北本線)

12:12 久田野(くたの)駅(東北本線 福島県)
白河から1駅戻る。

街道を外れた集落にぽつんと駅がある。
便所がとてもきれいで感心した。

しかし何もないから空でも眺めているしかないな。
とてもきれいな青だ。

白いキャップを被った美しく若い女性と乗り合わせた。

彼女のためにもずっときれいな駅であってほしい。

よく見るとお腹が大きい。
立ち姿が愛らしい。
どうぞご無事に安産を!

12:34 新白河(しんしらかわ)駅(東北新幹線/東北本線 福島県)
開業当初は磐城西郷駅といったという。

新幹線開業に伴ってできた駅だとばかり思っていた。

友人Eさんとの思い出が残る駅でもある。

ここは当時彼が暮らしていた石川からとても遠いのに何度か送ってくれたんだ。
彼はずっとそういう人だった。
あまりの人の好さに戸惑ったこともある。
オレなどとてもとても及びもつかない。

駅前のファミレスで食事もした筈だ。
あの頃からどうやら何も変わっていない。
あのレンタカー屋はあったかな。

ひとりで旅をするようになる前からあった思い出の街。
思えばそんな街は郡山と大阪、神戸、宇部しかない。

どれも友人のTさん、Eさん所縁の街だ。
彼らは大切な友人なんだ。

白河だるまラーメンが土産物リストに加わった。

12:48 豊原(とよはら)駅(東北本線 栃木県)
とても残念だが、ここには降りたことがあるという記録だけを残して、2分後に入線する下り列車に乗ることになる。

ピンクに縁どられた木造駅舎が好ましい。

ここから1駅戻る白坂にかけての国境の景観はとても見事だ。

13:14 白坂(しらさか)駅(東北本線 福島県)
皮篭溜池を前にして中華料理の来来軒がある。

昼時だ。
駐車場には客のものと思われる車が数台止まっている。

ここにアウシュビッツ平和博物館なるものがある不思議。

置かれた貨物車は強制収容所への道を示すオマージュか。

朽ちそうな豪農屋敷に赤レンガ倉庫。
脇には原発災害情報センターがある。
さらにソーラーパネル。

人の気配はごく微量だ。
こんな上天気の下でかつて世界で起きた悲惨な出来事を想像することになるとは。

誰が意図してこういったものが置かれるようになったのか知らないが、あまりにも不自然な一画だった。

白坂は奥州道中の宿場。
コンビニに行くには約2キロの道を歩かなければならない。

白坂駅周辺風景


栃木福島県境車窓風景

13:59 黒磯(くろいそ)駅(東北本線 栃木県)
駅前通りを眺めながらビールを飲んでいる。

関東に帰ってきた。
吹く風も柔らかく日差しに満ちている。

いい気分だ。

黒磯とはこんな街だったかと、思いをあらためてもいる。
宿場町の風情を残した奥州関門手前の街だ。

白河を境にした戦乱の歴史はあまり伝わっていないが、多くの人々や軍隊の往来があったことを偲ばせる。

「駅そば」の記憶はなかったが、去年閉店したという紙が貼られたスペースが店構えをそのままに残り、整然としていて、箸置きにはたくさんの箸が当時の姿のまま置かれていた。

14:28 西那須野(にしなすの)駅(東北本線 栃木県)
日光山塊に向けてメインストリートが真っ直ぐに伸びる様が美しい。

繁華街なんてものはない町に、ビジネスホテルと2、3の飲食店。

冒頭の通りはもちろん商店街だ。
歩いて行けば何かあるだろう。

乗客の装いが田舎じみてきて、栃木を感じている。

14:53 那須塩原(なすしおばら)駅(東北新幹線/東北本線 栃木県)
ひと駅戻る。

黒滝連山、那須連山の眺望が素晴らしい。
大倉山に積もった雪は当分消えそうにない。

降りてみないと分からない魅力が駅にはある。

国会移転が法律で決まってから随分時が流れた。
新幹線が停車するこの地が有力だと聞いたことがあり、それを匂わす横断幕だかを見かけたけど、霞が関は気乗り薄だ。

でもここはいい。
多くの旅行者で賑わってもいる。

雑踏に子どもの泣き声が交じるのはお馴染みだが、その声に反応する人生になったことを喜んでいる。

またここにも降りて、あの山々を一緒に眺めよう。


15:35 矢板(やいた)駅(東北本線 栃木県)
宇都宮から先は深い山の中。
東北道を走っているとそんな感覚になる。

矢板で降りても日光山塊から続く山並みを見渡すことができる。
その山並みはだいぶ低くなり、もはや山頂に雪は見られない。

ここ矢板は那須地域よりも街の体裁は整い、いくつか時代を過ぎてきた痕跡が見て取れる。

駅前の「SHARP」の看板を掲げたビルは元はホテルだったのだろう。
地図の同じ場所には「京」という名が記されていて、今は1階にタクシー会社が収まっている。

古い結婚式場に新しいシティ・ホテル、路地を覗けばスナックが連なり、商店街は日光山塊に向かって途切れることを知らないかのように真っ直ぐに伸びている。

田舎じみて古びているがステキな街だ。
ここが最後でよかった。

そしてまた旅に出たくなる。
でも今日はもう帰るよ。

矢板の町並

関連記事

「鉄旅日記」2007年新春【本格的に鉄旅が始まりまして、まずは冬の北陸を目指したのでございます。】2日目(高岡-金沢)-高岡駅前、越ノ潟、高岡、氷見、高岡、城端、金沢(万葉線/氷見線/城端線/北陸本線)

鉄旅日記2007年1月7日・・・高岡駅前駅、越ノ潟駅、高岡駅、氷見駅、高岡駅、城端駅、金沢駅(万葉線

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】2日目(高山-速星)その4‐富山大学前、丸ノ内、南富山駅前、南富山、電鉄富山駅前、富山(富山地方鉄道市内線)

鉄旅日記2020年3月21日・・・富山大学前電停、丸ノ内電停、南富山駅前電停、南富山駅、電鉄富山駅前

記事を読む

「車旅日記」1998年夏【20代最後の旅でございます。青森港から北海道上陸を目指して北へ向かったのでございますが・・・。】4日目(遠野-釜石-気仙沼-鳴子温泉)-遠野徳田屋旅館、遠野駅、釜石駅、釜石大観音、道の駅高田松原、気仙沼港、南気仙沼駅、小梨駅、一ノ関駅、鳴子サンハイツ

車旅日記1998年8月15日 1998・8・15 8:00 遠野 徳田屋旅館 4日目。 宿で知

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】初日(東京-新南陽)-はりま勝原、阿品、島田、新南陽(山陽本線)

鉄旅日記2015年8月12日・・・はりま勝原駅、阿品駅、島田駅、新南陽駅(山陽本線) 2015・8

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その1-稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河畔、パンケ沼、下沼駅、幌延駅、雄信内駅

車旅日記2004年5月5日・・・稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河

記事を読む

「JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】最終日(桑名-揖斐-樽見-金城ふ頭-東京)その2-大垣、名古屋、金城ふ頭、豊橋、磐田、焼津(東海道本線/名古屋臨海高速鉄道あおなみ線)

鉄旅日記2018年9月16日・・・大垣駅、名古屋駅、金城ふ頭駅、豊橋駅、磐田駅、焼津駅(東海道本線/

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】4日目(西鉄柳川-広島)その1-西鉄柳川、西鉄久留米、西鉄甘木、甘木、基山、けやき台、原田、桂川(西鉄本線、西鉄甘木線、甘木鉄道、鹿児島本線、筑豊本線)

鉄旅日記2015年8月15日その1・・・西鉄柳川駅、西鉄久留米駅、西鉄甘木駅、甘木駅、基山駅、けやき

記事を読む

「鉄旅日記」2009年初夏【上信越ひとり旅】初日(東京-十日町)-上野、高崎、大前、渋川、沼田、水上、越後湯沢、六日町、越後川口、十日町(高崎線/吾妻線/上越線/飯山線)

鉄旅日記2009年7月18日・・・上野駅、高崎駅、大前駅、渋川駅、沼田駅、水上駅、越後湯沢駅、六日町

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春【青春18きっぷで、紀伊半島へ】最終日(紀伊勝浦-東京)その1-紀伊勝浦、太地、湯川、那智、三輪崎、新宮、丹鶴城公園、鵜殿(紀勢本線)

鉄旅日記2014年3月9日その1・・・紀伊勝浦駅、太地駅、湯川駅、那智駅、三輪崎駅、新宮駅、鵜殿駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2018年神無月【北陸へ。信州へ。友を訪ねての巡礼旅でございます】2日目(越前大野-福井-米原-名古屋-松本)その1-越前大野、南今庄、敦賀、武並(越美北線/北陸本線/東海道本線/中央本線)

鉄旅日記2018年10月7日・・・越前大野駅、南今庄駅、敦賀駅、武並駅(越美北線/北陸本線/東海道本

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】2日目(砺波-武生)その2‐倶利伽羅、森本、宇野気、高松(IRいしかわ鉄道/七尾線)

鉄旅日記2020年11月22日・・・倶利伽羅駅、森本駅、宇野気駅、高

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】2日目(砺波-武生)その1 ‐砺波、戸出、新高岡、金沢(城端線/北陸新幹線)

鉄旅日記2020年11月22日・・・砺波駅、戸出駅、新高岡駅、金沢駅

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その4 ‐越ノ潟、末広町、高岡、城端(万葉線/城端線)/高岡大仏

鉄旅日記2020年11月21日・・・越ノ潟駅、末広町電停、高岡駅、城

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その3 ‐氷見、雨晴、越中国分、伏木、中伏木(氷見線/万葉線)/義経岩/伏木神社

鉄旅日記2020年11月21日・・・氷見駅、雨晴駅、越中国分駅、伏木

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その2 ‐電鉄魚津、西魚津、新魚津、魚津、高岡(富山地方鉄道本線/あいの風とやま鉄道)/魚津城跡

鉄旅日記2020年11月21日・・・電鉄魚津駅、西魚津駅、新魚津駅、

→もっと見る

    PAGE TOP ↑