「鉄旅日記」2021年夏 初日(東京-上田)その1 ‐金町、上野、高崎、水上(常磐線/高崎線/上越線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】
鉄旅日記2021年7月10日・・・金町駅、上野駅、高崎駅、水上駅(常磐線/高崎線/上越線)
2021・7・10 4:27 金町(かなまち)駅(常磐線 東京都)
長雨の7月。しばらく月を見ていない。
心の中に雑草が蔓延っているのを感じて引き抜いた金曜日。仕事ははかどり18時には上がり、今朝は2:30起き。筋トレで汗を流し、朝飯前に部屋を出てきた。顔には笑みが浮かんでいる。
心は旅を求めていた。早起きした体もいきいきとしていた。

カラオケ屋の前で若者たちが大声でいがみあっていた。コンビニで朝食と酒と水を購入して店を出ると、いがみあっていた輪は解かれ、小さな輪が3つ。彼等の理性はひとまず酒を抑え込んだようだ。
ガールズバーからも声が聞こえる初夏早朝。明後日12日から東京には4度目の緊急事態宣言が発令される。
5:12 上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
始発の高崎行は13分発。朝食はホームのベンチで。眠たげな男や疲れきったように見える男が背中を丸めている。

列車は動き出して、上野の山を眺めていた。鶯谷に差しかかる頃に看板に書かれた寛永寺霊園の文字に、約150年前のある一日にここが戦場になったことを想った。
戦争当日、離れたところでは江戸市民の日常に変化はなく、湯屋も開いていたという。上野の彰義隊戦争は一日で方が付いた。
目を上げると見慣れない景色の中にいる。田端を過ぎている。やがて大操車場に紛れ込み尾久駅に着く。
左右に体を揺らす酔っ払いは赤羽に着いても正気に戻らず、豊満なアジア系娘が向かいの男たちと視線を交わす。
乗客の誰もがマスクを外せば、ありきたりの気だるい朝。
7:06 高崎(たかさき)駅(上越新幹線/北陸新幹線/信越本線/高崎線/上越線/両毛線/吾妻線/上信電鉄 群馬県)
「高崎だるま」で有名な縁起のいい街。駅構内の模様替えを実は毎回それなりに楽しみにしている。
巨大なだるまさんはいなくなり、上野三碑という飛鳥~奈良時代に建てられた日本最古の石碑のモニュメントが置かれていた。

関東に現れた久々の青空は美しく、高崎の空を写す。

その下では、高崎祭りやだるま市で人で埋め尽くされた駅前通りの写真が目を引いた。こうした光景はこの先見られるのだろうか。
8:23 水上(みなかみ)駅(上越線 群馬県)
東京も晴天らしい。恋人からそんな連絡が入った。
多くの学生たちが乗る列車で北へ向かった。赤城山は美しく、国定忠治の最期の時を脳裏に浮かべる。
利根川には川霧が立ち、雨が上がった青空はこんなにも美しい。
水上に泊まったのは去年の2月だった。あの雪の降る日よりも利根川は澄んで、これまで目にしてきたいかなる日よりも幽谷の趣を見せている。


関連記事
-
-
「鉄旅日記」2022年新春 最終日(三沢-東京)その2 ‐一ノ関、松山町、鹿島台、仙台(東北本線) 【巨大な土偶が貼りつく木造駅を見たくて冬の東北を旅しました。】
鉄旅日記2022年1月10日・・・一ノ関駅、松山町駅、鹿島台駅、仙台駅(東北本線) 11:5
-
-
「鉄旅日記」2016年春 最終日(石巻-東京)その1-石巻、西塩釜、下馬、塩釜、岩切、利府、伊達、郡山、白河(仙石線、東北本線、利府支線) 【下北半島から東日本大震災被災地へ】
鉄旅日記2016年3月21日その1・・・石巻駅、西塩釜駅、下馬駅、塩釜駅、岩切駅、利府駅、伊達駅、郡
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その3-神島にて・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月23日・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 14
-
-
「車旅日記」2005年春 最終日(富山-松本)走行距離218㎞ その1-アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅、魚津駅、石田駅、電鉄黒部駅、入善駅【松本から富山へ。今にして思えば、なぜこの旅を思い立ったのか思い出せないのでございます。】
車旅日記2005年4月30日・・・アパホテル富山駅前、城川原駅、岩瀬浜駅、東富山駅、中滑川駅、滑川駅
-
-
「鉄旅日記」2018年エイプリルフール その2-猪苗代、磐梯町、安子ヶ島、磐梯熱海、郡山(磐越西線) 【8年振りに金町に帰ってまいりました。青春18きっぷはまだ3日分残っております。呼んでくれたのは会津でございました。】
鉄旅日記2018年4月1日・・・猪苗代駅、磐梯町駅、安子ヶ島駅、磐梯熱海駅、郡山駅(磐越西線) 1
-
-
「鉄旅日記」2013年如月【休日おでかけパスで、上総下総途中下車旅&習志野シンフォニックブラス(NSB)演奏会】その1-我孫子、東我孫子、新木、湖北、布佐、小林、木下、安食、下総松崎、成田空港、酒々井、物井、東千葉、本千葉、西千葉、新検見川、幕張、東船橋、津田沼(成田線、総武本線)
鉄旅日記2013年2月17日その1・・・我孫子駅、東我孫子駅、新木駅、湖北駅、布佐駅、小林駅、木下駅
-
-
「鉄旅日記」2019年長月 最終日(宮古-東京)その1‐宮古、岩手船越、浪板海岸、吉里吉里(三陸鉄道リアス線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】
鉄旅日記2019年9月23日・・・宮古駅、岩手船越駅、浪板海岸駅、吉里吉里駅(三陸鉄道リアス線)
-
-
「鉄旅日記」2019年弥生Part.2 その1-天王台、植田、泉、いわき、富岡(常磐線) 【青春18きっぷ常磐旅。この当時、常磐線は富岡止まりでございます。そしてこの季節、臨時駅の偕楽園駅に列車が止まります。】
鉄旅日記2019年3月10日・・・天王台駅、植田駅、泉駅、いわき駅、富岡駅(常磐線) 2019・3
-
-
「鉄旅日記」2015年夏 初日(東京-新南陽)-はりま勝原、阿品、島田、新南陽(山陽本線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】
鉄旅日記2015年8月12日・・・はりま勝原駅、阿品駅、島田駅、新南陽駅(山陽本線) 2015・8
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 最終日(門司港-東京)その2‐若松渡場、戸畑渡場、戸畑、下関(若戸渡船/鹿児島本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月16日・・・若松渡場、戸畑渡場、戸畑駅、下関駅(若戸渡船/鹿児島本線)