「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その2‐敦賀、北鉄金沢、内灘、金沢、野々市(北陸本線/北陸鉄道浅野川線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月23日・・・敦賀駅、北鉄金沢駅、内灘駅、金沢駅、野々市駅(北陸本線/北陸鉄道浅野川線)
8:46  敦賀(つるが)駅(北陸本線/小浜線 福井県)
特急「はくたか」への乗り換え時間6分。
来る度に変わる敦賀駅。駅そばでの「今庄そば」復活は期しがたいのだろうか。あの味の喪失は重要な鉄道文化の喪失でもある。


前回は2年前の10月。敦賀にはこれまでに何度降りたか数えきれない。
三方でも思い返したが、あれから29年。またこの地に戻るのもいい。
10:30  北鉄金沢(ほくてつかなざわ)駅(北陸鉄道浅野川線 石川県)
特急「はくたか」で金沢へ。敦賀からの所要時間は85分。3年後に延伸する新幹線ではどれほどまでに短縮されるのだろうか。
北陸トンネル通行時はビールを飲んでいた。鯖江を過ぎると眠りに落ちる。適度な揺れだったのだろう。
昨夜使用できなかったGo to トラベルクーポンは土産の費用にあてた。地下通路を歩く人々が極端に少ない。
北鉄金沢駅前はひっそりとしていた。この駅が乗場を地下に移したのは2001年とのこと。


1,000円の一日フリー切符を購入すると金箔を押した豪華な硬券だった。金箔入りの餡ころもちに金箔入りコーヒー。100万石の城下町に似つかわしい。
浅野川線の終点内灘へは所要時間17分。川辺を走っているが、川の姿は堤防に隠れている。
雨は上がっている。
10:57  内灘(うちなだ)駅(北陸鉄道浅野川線 石川県)
着いた列車で折り返す。滞在時間7分だが、やけに長く感じる。空は気紛れにまた雨を降らす。


次の粟ヶ崎に架かる橋梁にも内灘駅にも変わりはなかった。九州では台風によって橋脚を流された映像を見るが、日本海側は比較的台風被害を免れやすいのだろう。沿線風景にこれといった特徴を見いだせない中で、見せ場と言える渡河の情景。列車は急激に速度を落とす。
内灘駅の前身は粟ヶ崎遊園駅で、総合レジャー施設だった粟崎遊園には大浴場、旅館、食堂に野球場、スキー場まであったというが、戦中の1941年に軍により接収されたまま再開されることなく閉園となった。内灘駅への改称は1960年。
浅野川線は1974年までひとつ先の粟ヶ崎海岸駅まで延びていた。海水浴場だった粟ヶ崎海岸へのアクセスのために設けられた駅で、夏場のみ営業する臨時駅だったが、金沢港新設により海水浴場が閉鎖されるのに伴い廃駅となり、内灘~粟ヶ崎海岸間は廃止された。現在は行く手を住居が塞いでいる。
戦中の1943年に石川県下ほぼすべての鉄道、バス会社を統合して発足した北陸鉄道だが、鉄路は1955年に野町~松任間の松金線、1967年に路面電車だった金沢市内線、1971年に北陸本線と加賀温泉郷をつないでいた大聖寺~山中間の山中線、新動橋~宇和野間の動橋線、新粟津~粟津温泉間の粟津線、河南~粟津温泉間の連絡線、動橋~片山津間の片山津線の5線からなる加南線、中橋~大野港間の金石線、1972年に羽咋~三明間の能登線、1980年に鶴来~新寺井間の能美線、1986年に小松~鵜川遊泉寺間の小松線、1987年に加賀一の宮~白山下間の金名線が廃線になっている。その数、夥しい。
北鉄の駅員さんはざるを手に乗車賃や切符を集めている。懐かしいな。


11:26  金沢(かなざわ)駅(北陸新幹線/北陸本線/七尾線/IRいしかわ鉄道 石川県)
再び金沢へ。

新幹線指定席売り切れの貼り紙を見る。Go toキャンペーンが呼んだ人波だろう。新型コロナウイルスとの因果は問わない。
もとよりオレの旅に自粛は存在しなかった。
11:38  野々市(ののいち)駅(北陸本線 石川県)
在来線利用客も多く、北陸人に紛れる。金沢駅から西へふた駅目で降りる。
滞在3分。ここにいたという記録を残して離れる。


雨がまた強まってきた。
関連記事
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2012年夏【青春18きっぷで、新潟・みちのくひとり旅】初日(東京-横手)-郡山、津川、亀田、さつき野、水原、坂町、村上、あつみ温泉、鶴岡、余目、刈和野(東北本線、磐越西線、信越本線、羽越本線、陸羽西線、奥羽本線)鉄旅日記2012年8月11日・・・郡山駅、津川駅、亀田駅、さつき野駅、水原駅、坂町駅、村上駅、あつみ 
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その4‐出雲市、直江、五十猛、馬路(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】鉄旅日記2024年7月24日・・・出雲市駅、直江駅、五十猛駅、馬路駅(山陰本線) 15:19 
-  
                              
- 
              「車旅日記」2006年皐月 4日目(大曲-青森)その1-大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、碇ヶ関駅、大鰐温泉駅、黒石駅 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】車旅日記2006年5月5日・・・大曲グランドホテル、角館駅、羽後中里駅、阿仁合駅、鷹ノ巣駅、大館駅、 
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2018年春 最終日(飯田-東京)その1-飯田、伊那大島、伊那松島、辰野、松本、柏矢町、豊科(飯田線/中央本線辰野支線/篠ノ井線/大糸線)【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】鉄旅日記2018年4月8日・・・飯田駅、伊那大島駅、伊那松島駅、辰野駅、松本駅、柏矢町駅、豊科駅(飯 
-  
                              
- 
              「車旅日記」2000年春 初日(東京‐足利‐鬼怒川‐会津若松‐新潟豊栄)その2‐足利郊外ポテチーノ、下今市駅、鬼怒川ホテルニュー岡部、上三依塩原駅、会津若松駅、津川町、道の駅豊栄 【一年のブランクを経て、旅再開。出発場所は東京町田から、下町葛飾へと変わっております。】車旅日記2000年5月3日 15:12 293号国道‐足利郊外ポテチーノ 108㎞ 繁華街を抜ける 
-  
                              
- 
              「車旅日記」2000年夏Part.2 2日目(琵琶湖志賀-福山)桂川PA、三木SA、白鳥PA、篠坂PA、芦田川畔 【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】車旅日記2000年8月13日・・・桂川PA、三木SA、白鳥PA、篠坂PA、芦田川畔 2000・8・ 
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2021年師走 最終日(古川-東京)その2 ‐川渡温泉、鳴子御殿湯、鳴子温泉(陸羽東線)/東鳴子温泉神社 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】鉄旅日記2021年12月5日・・・川渡温泉駅、鳴子御殿湯駅、鳴子温泉駅(陸羽東線)/東鳴子温泉神社 
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その4-陸奥湊、白銀、鮫、久慈、宮古(八戸線/三陸鉄道リアス線) /蛇の目寿司【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】鉄旅日記2019年9月22日・・・陸奥湊駅、白銀駅、鮫駅、久慈駅、宮古駅(八戸線/三陸鉄道リアス線) 
-  
                              
- 
              「車旅日記」2004年秋 2日目(宇野-城崎)走行距離377㎞ その2-月田駅、津山駅、智頭駅、餘部駅、鎧駅、レイセニット城崎 【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】車旅日記2004年11月21日・・・月田駅、津山駅、智頭駅、餘部駅、鎧駅、レイセニット城崎 200 
-  
                              
- 
              「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その4‐青森、新青森、津軽新城、鶴ヶ坂、浪岡(奥羽本線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】鉄旅日記2019年11月2日・・・青森駅、新青森駅、津軽新城駅、鶴ヶ坂駅、浪岡駅(奥羽本線) 19 
- PREV
- 「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その1‐越前武生、武生、三方、美浜(北陸本線/小浜線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
- NEXT
- 「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その3‐西金沢、新西金沢、野町、鶴来、金沢、上野(北陸鉄道石川線/北陸新幹線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】


 
         
         
         
        