「鉄旅日記」2020年盛夏 3日目(肥前鹿島-門司港)その5‐肥前山口、久保田、西唐津、博多、門司港(佐世保線/唐津線/筑肥線/福岡市地下鉄空港線/鹿児島本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月15日・・・肥前山口駅、久保田駅、西唐津駅、博多駅、門司港駅(佐世保線/唐津線/筑肥線/福岡市地下鉄空港線/鹿児島本線)
15:29 肥前山口(ひぜんやまぐち)駅(長崎本線/佐世保線 佐賀県)
通り過ぎた武雄温泉駅は長崎新幹線の停車駅として早くから決められていたためか、にわかに高架駅となり、やがて熱を冷ますかのように終息を迎えて地上に下りた。長崎~武雄温泉間の開業はすでに決定している。
その先の新幹線延伸の闘いは続いていく。現在はすべてが未定。
肥前山口駅で2分の停車と聞いて、ホームに出て覚束なげに撮った写真には駅名をはじめ特徴的なものが何も写っておらず、ここがどこなのかまるで分らないから捨てた。
肥前山口駅という駅名にたまらない旅情を感じて、16年前の夜に車で一度この駅に寄っている。誰もいない跨線橋に腰かけてギターの練習に励んでいる大柄の青年と目を合わせた。はにかんだ笑顔があどけなかった。
11年を越えて完乗した佐世保線は、特筆すべきこともないまま己の線区を越えて、このまま鳥栖までいく。
15:48 久保田(くぼた)駅(長崎本線/唐津線 佐賀県)
佐世保線は肥前山口で完全乗車を済ませた。
次に乗るのは唐津線。この線には初めて乗る。
乗り換えのために久保田駅で降りる。唐津線の始発は次の佐賀駅だが、この駅で長崎本線から分岐する。
真夏の日に焼かれた駅を写す。誰もいない気怠い午後。




列車は唐津に向けて長崎本線を離れ、北上線のように真っ直ぐに山壁に挑むように見えたが、にわかに方向を転じてディーゼル音を響かせている。
水を落としたオレに、前に腰かけていた老人が転がったペットボトルの行方を告げる。
東京にも人情はあるよ。だけど旅先では身に沁みる。
17:00 西唐津(にしからつ)駅(唐津線 佐賀県)
田園地帯を唐津線は往く。
沿線をつぶさに見れば分かるさ。再生の時は今じゃないのだろう。かつて立ち寄った厳木駅は当時のままの姿を残していた。
眠るつもりはまるでなかったが、いつの間にやら眠りに落ちる。覚めたら唐津駅を出るところだった。
唐津線も完全乗車を果たしたことにはなるが、厳木から先は記憶にない。痛恨とも言えるが、もとより再訪を期している。
西唐津駅は変わらない。変わらなければならない要素もないのだろう。この駅にも16年前に寄っている。


開業は古く1898年。当時の駅名は妙見だった。線路はさらに延びて大島駅という貨物駅が存在したが、38年前に廃駅になっている。
豊臣秀吉による朝鮮出兵の際の前進基地になった名護屋城址の最寄り駅になる。
わずかな客が降りて、わずかな客を乗せて福岡空港行は発車した。
18:25 博多(はかた)駅(東海道・山陽・九州新幹線/鹿児島本線/篠栗線/博多南線/福岡市地下鉄空港線 福岡県)
東唐津へと渡す松浦川橋梁を覚えているよ。流れの先に唐津城を見る。その後、見事に眠ってしまった。
筑肥線内で所縁のある筑前前原、姪浜は記憶している。夕暮れ時、天神、博多、福岡空港と進んでいく地下鉄空港線はとても空いていた。

門司港行の快速列車が発車を遅らせていて、間に合った。途中で飲んだ焼酎が効いたようで、唐津線、筑肥線内はやたらに眠かった。
夏の疲れを感じ始める頃なのかもしれない。
20:00 門司港(もじこう)駅(鹿児島本線/日豊本線 福岡県)にて









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