*

「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その4‐大野浦、大竹、岩国、北河内、錦町(山陽本線/錦川鉄道) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/04 旅話, 旅話 2020年

鉄旅日記2020年8月13日・・・大野浦駅、大竹駅、岩国駅、北河内駅、錦町駅(山陽本線/錦川鉄道)

13:45  大野浦(おおのうら)駅(山陽本線 広島県)
乗ってきた列車は折り返しの糸崎行となる。

次の岩国行が来るまで涼ましてもらう。宮島口で開けたビールの残りもある。

瀬戸内は離れ、駅前に海の香りはないが、瀬戸内側を見つめれば、あの山のムコウが海。それと分かる山が並んでいる。

ここでは15分の滞在。

大野浦を出てしばらくすると海辺に出る。先には臨海工業地帯が覗いていた。

13:59  大竹(おおたけ)駅(山陽本線 広島県)
3分の停車。国境の町。変わらぬ駅の後ろ姿に安堵する。

ホームに出て広い構内を写し、発車した窓から懐かしい町を追う。

第二次長州征伐の際に戦場となった大竹。その芸州口の戦いを描いた大きな絵画的なものを駅のどこかで眺めたことを記憶している。幕府軍の主力は彦根、越後高田、与板といった徳川譜代の諸藩だった。

次の和木駅に近づくにつれて、かつて一度降りた大竹への慕情が沸く。あれは2009年だった。

縁とはこうしたものか。元よりオレに、縁における人と駅の区別はない。

14:19  岩国(いわくに)駅(山陽本線/岩徳線/錦川鉄道 山口県)
駅舎は生まれ変わっていた。駅前もそう。岩国の令和の顔を気に入ったよ。

駅は大きくなり、だけど併設されていた商業施設は消えた。かつてはそこで食事をしたこともあった。そりゃ残念だよ。

錦帯橋を模したアーチがついたアーケード街を写す。変わらぬ姿と変わらぬ岩国の活気を写す。

錦川鉄道に乗り込んでいる。しばらく経つ。

右手に見える清流では、人々が夏を楽しむ姿が見える。

14:54  北河内(きたごうち)駅(錦川鉄道 山口県)
山峡の停車場で列車行き違い3分の停車。

日差しは強く、緑は濃く、客車は色に満ちて夏に映える。

よかった夏。例えば郡上八幡を旅した夏のような。そんな夏が自然に脳裏に蘇る。

1両列車はひたすらな山峡を往く。息苦しさを覚えるほどの山峡を往く。

ホタルの生息地。椋野駅の観光案内にはある。

これほどに人跡稀な土地だ。ホタルもいるだろう。

16:00  錦町(にしきちょう)駅(錦川鉄道 山口県)
西国の日に焼かれ、錦川の畔にいながらも息苦しさを味わう。

この夏空は求めていたものに違いはないが、それにしても暑すぎる。

川辺に下りようとするオレを、通りがかりのライダーは熱に浮かされた男かと迷い、速度を落とす。

錦川の畔にはいくらもいられず、駅に戻りビールと地の日本酒「獺祭」を購入。

「獺祭」は次に恋人が金町を訪ねてくれる午後に一緒に開ける。

錦町駅には懐かしい改札口風景が残り、視覚的にもとても涼やかで、ここにいられることは喜びに違いない。

山峡は山口線の日原まで続くのだろうが、岩日線の悲願は錦町で途絶えた。

岩国~日原を結ぶ線として発足した岩日線。それが錦川鉄道の前身。そんな見果てぬ先を写して列車に戻る。

車窓からは涼しげに見える錦川。日影では親子連れが水遊びをしている。まさに夏の原風景。

高校球児たちの甲子園が消えた夏だが、今日の夏空は記憶に残るだろう。

関連記事

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その3 ‐洋光台、港南台、本郷台、大船、湘南江の島、片瀬江ノ島、江ノ島(根岸線/湘南モノレール) 【金沢シーサイドライン、横須賀線、御殿場線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・洋光台駅、港南台駅、本郷台駅、大船駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅、長島ダム駅(大井川鐡道本線/

記事を読む

「車旅日記」2006年皐月 2日目(黒磯-仙台)その2-末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイーストワン仙台 【東京から出かける最後の車旅。関東、東北を2,265㎞走った記録でございます。】

車旅日記2006年5月3日・・・末続駅、双葉駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、名取駅、ホテルイー

記事を読む

「鉄旅日記」2005年初冬 その2-外川、犬吠、本銚子、観音、仲ノ町、銚子、千葉(銚子電鉄/総武本線) 【鉄旅に目覚め、銚子へと向かったのでございます。】

鉄旅日記2005年12月10日・・・外川駅、犬吠駅、本銚子駅、観音駅、仲ノ町駅、銚子駅、千葉駅(銚子

記事を読む

2020年如月【水上温泉につかりにいったある週末の記憶をSNSへの投稿より振り返ります。】-土合、水上、後閑、沼田(上越線)

鉄旅日記2020年2月8日~9日・・・土合駅、水上駅、後閑駅、沼田駅(上越線) 水上に投宿する前に

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅、日切駅、合格駅、門出駅(東海

記事を読む

「鉄旅日記」2020年睦月 初日(東京-湯沢)その4‐ゆだ錦秋湖、ほっとゆだ、横手、湯沢(北上線/奥羽本線)/慶 【秋田内陸縦貫鉄道に乗りにいきました。五能線の名所も歩いた旅初めでございます。】

鉄旅日記2020年1月11日・・・ゆだ錦秋湖駅、ほっとゆだ駅、横手駅、湯沢駅(北上線/奥羽本線)/慶

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 初日(東京-五所川原)その3‐小牛田、一ノ関、盛岡、八戸、野辺地(東北本線/IGRいわて銀河鉄道/青い森鉄道) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月2日・・・小牛田駅、一ノ関駅、盛岡駅、八戸駅、野辺地駅(東北本線/IGRいわ

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 最終日(常陸大子-東京)その2 ‐水戸、羽黒、稲田、福原、友部(水戸線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月6日・・・水戸駅、羽黒駅、稲田駅、福原駅、友部駅(水戸線) 12:57

記事を読む

「鉄旅日記」2020年初秋 2日目(高松)その1 ‐瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍航空隊跡、箱浦(浦嶋伝説の地)、父母ヶ浜 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】

車旅日記2020年9月20日・・・瀬戸大橋遠景、丸亀城、少林寺、津嶋神社参道、津島ノ宮駅、詫間海軍

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その3 ‐駒形、前橋大橋、高崎、本庄(両毛線/高崎線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・駒形駅、前橋大島駅、高崎駅、本庄駅(

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その2 ‐国定(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・国定駅(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その1 ‐磐梯熱海、新白河、小山(磐越西線/東北本線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・磐梯熱海駅、新白河駅、小山駅(磐越西

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その4 ‐関都、猪苗代湖畔、上戸、磐梯熱海(磐越西線)/志田浜~上戸浜/伊東園ホテル磐梯向滝【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・関都駅、猪苗代湖畔駅、上戸駅、磐梯熱

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その3 ‐黒磯、泉崎、白河、郡山(東北本線) 【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・黒磯駅、泉崎駅、白河駅、郡山駅(東北

→もっと見る

    PAGE TOP ↑