*

「鉄旅日記」2019年年始 最終日(一ノ関-東京)その1-一ノ関、陸中門崎、千厩、猊鼻渓、気仙沼(大船渡線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 2019年

鉄旅日記2019年1月6日・・・一ノ関駅、陸中門崎駅、千厩駅、猊鼻渓駅、気仙沼駅(大船渡線)

2019・1・6 5:47 一ノ関(いちのせき)駅(東北・北海道新幹線/東北本線/大船渡線 岩手県)
昨夜の雪はやんでいた。

明かりの消えた街の上空。
星の煌めきが際立っている。

スマホであれを美しく撮れたらいいのに。
昔のガラケーからすれば今でも十分だけど。

始発列車は盛岡からIGRいわて銀河鉄道に乗り入れる滝沢行5:46発。
次いで常磐線との分岐駅でもある岩沼行5:56発。
朝一番の列車は長距離を走る宿命を負わされているのか

三番目がこの気仙沼行5:59発。
一ノ関駅の朝も早い。

かつて歩いたのはグリーンホテルからほんの先までだろう。
商圏はそこで絶えている。

平泉への玄関口を謳う街で、約40年前にはジャンボ鶴田×ビル・ロビンソンのUN選手権が組まれている。
まるで古代遺跡のような栄光の事実だ。

駅のホームにある駅そばのラーメンが美味いんだ。
それを食した頃のオレもまた栄光の時を生きていたが、これからまたやってくる栄光の始まりを迎える。

どういう類いのムリもなく、オレはそう思っているんだよ。

6:18 陸中門崎(りくちゅうかんざき)駅(大船渡線 岩手県)
行き違い4分の停車。

畑に積もった雪が白く浮き上がる様が泉のように見える。

上りホームには3人ほど待ち人がいた。

一週間前はまだ2018年。
風景も違ったものに見えていただろうかと思いもしたが、実際は変わらないだろう。

変わるのは人々の心持ち。

正月3日、故郷からの帰りの道で旧友の母親に会った。
約40年振りだ。
その地点に到達する前に走り去った車があったが、そこに旧友は乗っていたという。

叔母からは懇切な便りが届いていた。

右手に工場夜景が見えた。
煙も上がっている。
この地元の誇りであることを願う。

7:14 千厩(せんまや)駅(大船渡線 岩手県)
6:54着。
この町で30分を過ごし、猊鼻渓まで3駅を引き返す。


これがオレの旅。
オレがやりたいこと。

朝の日はまぶしく冷気は厳しい。
道行く人が挨拶をくれた。

坂を下りて角のコンビニへ。
酒に飽きがきていたがビールと昼飯におにぎりを購入。

商店街が国道に沿って続く駅前風景を愛している。
古い家並だが、駅前食堂をはじめ今も営業しているのだろうか。
それだけが気掛かり。

金山一揆集結場所という史蹟が駅前地図にあった。
奥州仕置き後にとられた豊臣秀吉による産金税制への不満から、悲壮な思いで松澤神社へと集まった3,000人にも上るという堀子たちに、こんな寒い朝だからこそシンパシーを感じる。

一揆は、伊達政宗により派遣された軍隊によって鎮圧された。

7:52 猊鼻渓(げいびけい)駅(大船渡線 岩手県)
輝かしい冬の朝。
昨夜のうちに降り積もった雪が白銀の世界を作り出している。
目をつぶる気にはならない。

観光地猊鼻渓は駅から徒歩3分ほどの船着き場から揺られていくようだ。
車窓からも景勝地の一部が見える。

歩いていきたかったよ。
でも滞在時間8分にその余裕はなく、トイレに行きコンビニでビールを購入して駅に戻る。

今は気仙沼行に乗って雪見酒。
金がかかるもんじゃないが、これがオレにとって一番の贅沢。

8:54 気仙沼(けせんぬま)駅(大船渡線/気仙沼線 宮城県)
気仙沼まで下りてくると雪はほぼ消えて、代わりに空が陰ってきた。

3年振りの気仙沼。
待合室は小さく感じられ、人で埋まっていた。


ここには10分しかいられない。
パールホテルが聳える駅前風景に変化はない。

すでにBRT専用ルートを走り出して、さっきまで乗っていた大船渡線とも分かれた。

気仙沼線はまさしくここに敷かれた鉄路を走っていたのだと心から感じて、3本目の酒を開けた。

関連記事

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その1-金町、名古屋、多気、川添、三瀬谷(常磐線/東海道本線/関西本線/伊勢鉄道/紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・金町駅、名古屋駅、多気駅、川添駅、三瀬谷駅(常磐線/東海道本線/関西

記事を読む

「鉄旅日記」2019年長月 2日目(盛岡-宮古)その3-陸中野田、久慈、陸中八木、八戸(三陸鉄道リアス線/八戸線) 【三陸鉄道、八戸線に乗りにいきました。区界、吉里吉里など、駅旅の者として見過ごせない駅にも寄りましてございます。】

鉄旅日記2019年9月22日・・・陸中野田駅、久慈駅、陸中八木駅、八戸駅(三陸鉄道リアス線/八戸線)

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 2日目(倉敷-和田山)その2-郡家、若桜、智頭、京口、福崎、寺前、和田山(因美線/智頭急行/播但線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月22日・・・郡家駅、若桜駅、智頭駅、京口駅、福崎駅、寺前駅、和田山駅(因美線

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初夏 2日目(和歌山-松阪)その2-串本、新宮、尾鷲、紀伊長島、三瀬谷、多気、松阪(紀勢本線)【まほろばの路から紀州へ。紀伊半島で過ごした短い夏の記憶でございます。】

鉄旅日記2008年7月20日・・・串本駅、新宮駅、尾鷲駅、紀伊長島駅、三瀬谷駅、多気駅、松阪駅(紀勢

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月 2日目(大船渡-釜石)その2‐平田、釜石、陸中山田(三陸鉄道リアス線) 【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】

鉄旅日記2020年2月23日・・・平田駅、釜石駅、陸中山田駅(三陸鉄道リアス線) 8:52 平田(

記事を読む

「鉄旅日記」2015年夏 3日目(鹿児島中央-西鉄柳川)その2-隼人、日当山、鶴丸、吉松、真幸、矢岳、大畑、人吉、坂本、玉名、西鉄柳川(肥薩線、鹿児島本線、西鉄本線) 【日本最南端の終着駅、枕崎までの往復旅】

鉄旅日記2015年8月14日その2・・・隼人駅、日当山駅、鶴丸駅、吉松駅、真幸駅、矢岳駅、大畑駅、人

記事を読む

「鉄旅日記」2014年春 初日(東京-西舞鶴)その2-東雲、宮津、天橋立、豊岡、国府、和田山、梁瀬、福知山、西舞鶴(北近畿タンゴ鉄道宮津線/山陰本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】

鉄旅日記2014年3月21日その2・・・東雲駅、宮津駅、天橋立駅、豊岡駅、国府駅、和田山駅、梁瀬駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その3-神島にて・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】

鉄旅日記2018年12月23日・・・八代神社、神島灯台、監的哨、ニワの浜、神島山海荘あじさい 14

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その2-郡上八幡、北濃、美濃白鳥、郡上八幡、関、美濃太田、岐阜(長良川鉄道/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

鉄旅日記2017年8月11日・・・郡上八幡駅、北濃駅、美濃白鳥駅、関駅、美濃太田駅、岐阜駅(長良川鉄

記事を読む

「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その2-土合、越後湯沢、大沢、上越国際スキー場前、越後堀之内、小出(上越線) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】

鉄旅日記2018年3月3日・・・土合駅、越後湯沢駅、大沢駅、上越国際スキー場前駅、越後堀之内駅、小出

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その3 ‐新金谷、千頭、アプトいちしろ、長島ダム(大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・新金谷駅、千頭駅、アプトいちしろ駅

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その2 ‐静岡、金谷、新金谷、代官町、日切、合格、門出(東海道本線/大井川鐡道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・静岡駅、金谷駅、新金谷駅、代官町駅

→もっと見る

    PAGE TOP ↑