*

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その1-神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧鳥羽小学校(鳥羽市営定期船)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年12月24日・・・神島山海荘あじさい、神島漁港、菅島漁港、鳥羽城址(城山公園)、旧鳥羽小学校(鳥羽市営定期船)
2018・12・24 6:42 神島山海荘あじさい
横になりながら夢を見ながら、外を吹く風の音は聞こえていた。

昨夜から波が荒れることは予測され、島と伊良湖を結ぶ船は欠航が決まっていた。

伊良湖を見物した後に豊橋に出て、飯田線で長篠古戦場に行く計画でいたがご破算となり、ひとまず鳥羽へ戻る。

部屋からは荒れる水平線の上空と、青空の中に所を移した昨夜の満月が今もなお輝いて見える。





8:26 神島漁港
山海荘を出て寺への階段を上り左へ。
八代神社の鳥居は見えている。

庭だか路地だか分からない道を上り下りして石段下へ。

石段に向けて祈りというより御礼を言っていた。

何に?
昨夜の奇跡に。

そしてこれから訪れる輝かしい未来に。

狭い階段を下っていく。
昨日石段に座っていた猫が老婆と共に歩いていた。



この島にはやはり何かがある。

かつてこの島で時を知らせる唯一の場所だった時計台跡には、今も時計が置かれている。

振り返ってはスマホを向け、一旦乗り込んだ船からまた這い出てはスマホを向けた。





近い将来、彼女を連れて再訪するだろう。
そんな未来が見えている。

8:35に船は港を離れる。

8:57 菅島漁港
鳥羽の港が見える。

水道を跨ぐ巨大な橋が印象的な島で、やはり全島が山地で、神島のように集落も港付近に見えたものがすべてかもしれない。

海女の島、菅島。
神島の何倍も大きく、船内はにわかに賑やかになり、子供の姿も多く見える。



海から眺める鳥羽は白いリゾートマンションが筍のように山の中に立つ、まさにマリンリゾート。
稀有な街だ。

10分で鳥羽に到着。

9:36 鳥羽城址(城山公園)
鳥羽から多気、亀山を経て名古屋に出る鉄旅で帰ることも考えていたが、船旅の魅力に気づき、船で伊良湖に戻ろうと決めて波止場に下りたら、伊勢湾フェリーの船着き場は別にあるとのこと。

山海荘でご一緒したご夫婦と会話を交わして、やがて導かれたこの場所。

戦国時代の大海賊九鬼嘉隆の海軍城にいる。

彼は伊勢湾を牛耳り、関ヶ原では西軍に着いて徳川家康を悩まし、激怒させ、男を見せて、やがて自害。

ここから見える答志島に彼の首塚、胴塚が遺されている。

快晴下の鳥羽湾を見下ろす場所が彼が最後にいた場所。
かつて紀勢本線の九鬼駅でも彼を偲んだが、大海賊の人生を語るにはここの方が相応しい。

風は優しく日差しに満ちてあたたかい。

この場所に導かれた幸運を感謝する。









9:58 旧鳥羽小学校
9年前まで現役だった小学校が城跡の片隅に有形文化財として残されている。

昭和4年建造のモダン建築。

ただ、今は暗く薄汚れてすでに遺跡になっている。

子供たちの歓声が消えた場所は寂しく切ない。

【Facebookへの投稿より】
神島でクリスマスイブの朝を迎えました。

本日天気晴朗にして浪高く、わずか15分の距離にある伊良湖への小型定期船は動かず、菅島を経由して一旦鳥羽に戻り、あらためて伊勢湾フェリーで伊良湖岬に向かっております。

真珠で有名な鳥羽は美しい街で、戦国時代の大海賊、九鬼嘉隆が築いた鳥羽城址に上り鳥羽湾を一望いたしました。

九鬼嘉隆は関ヶ原の折りには西軍につき、東軍の進行を海上から脅かし、徳川家康を悩まし激怒させ、ついには自害する硬骨の人生を送った海賊大名でございます。

朝に出港した神島を右手に過ぎました。
思わぬ再会でございました。

関連記事

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】最終日(神島-鳥羽港-伊良湖岬-三河田原-豊橋-東京)その2-中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢湾フェリー)

鉄旅日記2018年12月24日・・・中之郷駅、伊勢湾フェリー乗場、道の駅伊良湖クリスタルボルト(伊勢

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】3日目(能登島-氷見-小千谷)能登島、道の駅いおり、氷見港、道の駅ウェーブパークなめりかわ、朝日町栄食堂、親不知ピア・パーク、道の駅能生、長岡市宮本、道の駅おぢや

車旅日記2000年7月22日 2000・7・22 9:00 能登島某リゾートクラブ 昨夜は風の音

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.3【明知鉄道、名鉄築港線。その2線に乗るために、東海道を下っていったのでございます。】最終日(多治見-東京)その2-中津川、坂下、落合川、南木曽、十二兼、洗馬、塩尻(中央本線)

鉄旅日記2019年3月24日・・・中津川駅、坂下駅、落合川駅、南木曽駅、十二兼駅、洗馬駅、塩尻駅(中

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.2【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】4日目(宇部-東京町田)佐波川SA、宮島SA、久地PA、帝釈峡PA、美作追分PA、社PA、桂川PA、多賀SA、東郷PA、三方原PA、牧之原SA、駒門PA

車旅日記2000年8月15日~16日・・・佐波川SA、宮島SA、久地PA、帝釈峡PA、美作追分PA、

記事を読む

「車旅日記」2003年夏【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】2日目(札幌-旭川-網走-北見)走行距離431㎞ -岩見沢駅、砂川駅、旭川駅、白滝PA、遠軽駅、サロマ湖、網走刑務所、網走駅、北見東急イン

鉄旅日記2003年8月14日・・・岩見沢駅、砂川駅、旭川駅、白滝PA、遠軽駅、サロマ湖、網走刑務所、

記事を読む

「車旅日記」2004年秋【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】最終日(城崎-豊岡-舞鶴-京都)走行距離256㎞-レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東舞鶴駅、福知山駅、京都駅

車旅日記2004年11月21日・・・レイセニット城崎、城崎駅、豊岡駅、久美浜駅、宮津駅、西舞鶴駅、東

記事を読む

「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】4日目(高知-宇和島)-高知、朝倉、伊野、斗賀野、須崎、窪川、中村、宿毛、宇和島(土讃本線、土佐くろしお鉄道中村線/宿毛線、予土線)

鉄旅日記2009年5月4日・・・高知駅、朝倉駅、伊野駅、斗賀野駅、須崎駅、窪川駅、中村駅、宿毛駅、宇

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【女川を目指した旅。ここには震災前の女川の姿が残されております。】初日(東京-新庄)松戸、取手、友部、上菅谷、常陸太田、高萩、いわき、郡山、福島、米沢、山形、新庄(常磐線/水郡線/水郡線常陸太田支線/磐越東線/東北本線/奥羽本線)

鉄旅日記2009年10月10日・・・松戸駅、取手駅、友部駅、上菅谷駅、常陸太田駅、高萩駅、いわき駅、

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.2【友を訪ねて備後福山へ。長門宇部へ。2000㎞に及ぶ長大な旅路でございました。】初日(東京-琵琶湖志賀)デニーズ青砥店、方南町、日野駅、道の駅信州蔦木宿、峠の茶屋

車旅日記200年8月11~12日・・・デニーズ青砥店、方南町、日野駅、道の駅信州蔦木宿、峠の茶屋 2

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】4日目(旭川-稚内)走行距離428㎞その3-稚内サンホテル

車旅日記2004年5月4日・・・稚内サンホテルにて 21:39 稚内サンホテル325号 素敵な部屋

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その4 ‐越ノ潟、末広町、高岡、城端(万葉線/城端線)/高岡大仏

鉄旅日記2020年11月21日・・・越ノ潟駅、末広町電停、高岡駅、城

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その3 ‐氷見、雨晴、越中国分、伏木、中伏木(氷見線/万葉線)/義経岩/伏木神社

鉄旅日記2020年11月21日・・・氷見駅、雨晴駅、越中国分駅、伏木

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その2 ‐電鉄魚津、西魚津、新魚津、魚津、高岡(富山地方鉄道本線/あいの風とやま鉄道)/魚津城跡

鉄旅日記2020年11月21日・・・電鉄魚津駅、西魚津駅、新魚津駅、

「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線)

鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅

「鉄旅日記」2020年神無月【ツレと筑波山を訪ねたのでございます。関東に暮らす身にとりまして、高所に上がりますと平野の果てに浮かぶ筑波山はいつか登るべき山でございました。】-北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男体山、筑波山頂駅、宮脇駅、筑波山神社、沼田バス停、つくば駅(つくばエクスプレス/筑波山シャトル/筑波山ロープウェイ/筑波山ケーブルカー)

鉄旅日記2020年10月4日・・・北千住駅、つつじヶ丘駅、女体山、男

→もっと見る

    PAGE TOP ↑