*

「鉄旅日記」2018年師走【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】初日(東京-桑名-阿下喜-西藤原-四日市-内部-西日野-津)その2-西藤原、あすなろう四日市、内部、日永、西日野、泊、南四日市(三岐鉄道三岐線/四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線)

公開日: : 最終更新日:2024/04/13 旅話, 旅話 2018年

鉄旅日記2018年12月22日・・・西藤原駅、あすなろう四日市駅、内部駅、日永駅、西日野駅、泊駅、南四日市駅(三岐鉄道三岐線/四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線)
15:08 西藤原(にしふじわら)駅(三岐鉄道三岐線 三重県)
阿下喜からも見えていた段々に削られた山は、鈴鹿7峰のひとつに数えられる藤原岳。

その麓に太平洋セメントを冠した貨物列車の積載駅がある。
この終着駅のふたつ手前にあたる東藤原駅。

長大な貨物列車の先頭が建屋に隠れる様は、龍の食事を思わせた。

行きに丹生川から乗った時は3両の列車に乗客は4名。
じきに近鉄名古屋本線との接続駅で終点の近鉄富田に向かい発車するが、オレの他に乗客が現れる気配はないが、おもむろにひとりの若者がやってきた。


駅前は小さな鉄道公園になっている。

以前訪ねた際は、子供連れの家族でそこそこの賑わいがあったその場所も今は冬。
冷たくなった風に、しまっていたマフラーを首に巻く。

16:27 あすなろう四日市(あすなろうよっかいち)駅(四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
三岐線の車窓風景は終点の近鉄富田に近づくまでさしたる変化を見せず、時に眠りに落ち、目を覚ますと乗客が増えていたが、最後まで座席が埋まることはなく、終点へ。
約45分の乗車。

近鉄富田で四日市方面のホームに行くと、すぐに津新町行がやってきて、4駅で近鉄四日市へ。
通りを渡るとあすなろう鉄道の乗場がある。

その存在を知った時には近鉄だった内部線、西日野線は四日市あすなろう鉄道として再生されている。
北勢線のように狭い軌道を往く客車は後ろ向きに走り出して、夕日を浴びている。

その輝きに目を向けると、そこは川辺で、とても素朴な夕景を目にすることができた。

16:59 内部(うつべ)駅(四日市あすなろう鉄道内部線 三重県)
国道バイパスの手前で線路は途切れた。

終着駅を降りるとそこは狭い路地で、ここに一体何があるのかと思う。
住宅街を形成するにあたり、ここが限界地でもあったのか。

確かにあの国道はすべてを遮っている。

歩道橋から眺めた夕景はことのほか美しく記録されている。

四日市に貼ってあった内部周辺の地図は見所にあふれていたが、18分後に四日市へと引き返す列車に乗っている。

17:18 日永(ひなが)駅(四日市あすなろう鉄道内部線/四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
小さなターミナル駅で乗り換える。

八王子線の終点、西日野はここからひと駅。
1976年までは西日野からひと駅先の伊勢八王子が終着駅だったが、その2年前に起きた水害により八王子線全線が運行困難に陥り、廃線が検討された結果、日永-西日野間は生き残り、西日野-伊勢八王子間は廃線になったとのこと。
伊勢八王子は線名に残った。

三角形のホームの先に夕焼けが見える。

四日市は関西語圏のようだ。

17:25 西日野(にしひの)駅(四日市あすなろう鉄道八王子線 三重県)
小さなという表現しか使っていないが、小さな終着駅。

四郷地区と言って、文化を謳う地図をここでも見かけたが、先に挙げた事情で鉄路は絶え、道路に遮られて夕闇が下りた駅前に行き先は見えず、9分後に四日市に戻る列車に乗っている。

運動少女たちが多く乗り込んだ車内は、列車が動き出すまで彼女たちの楽しそうな声に満ちていた。

日永駅に戻り、再び内部行に乗り泊駅まで。
そこから関西本線の南四日市駅が近い。

17:41 泊(とまり)駅(四日市あすなろう鉄道内部線 三重県)にて

17:55 南四日市(みなみよっかいち)駅(関西本線 三重県)
泊駅で降りて、徒歩で南四日市駅へ。
約10分。

国道に出ると広大な土地が囲われ、四日市泊イオンタウンができると記されている。

またこの国は狭くなる。
そんなことを思う。

さらにまた広大な土地が広がり、たくさんの車が止まり、都会的な明かりが灯っている。
外車の販売店かと思えばパチンコ&スロット。
あたりを睥睨している。
あの文化はオレには分からない。

南四日市駅は、工場夜景と月明かりをまぶした雲を背景にして厳かに沈黙していた。



関連記事

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その4-柏原、道明寺、河内長野、古市、畝傍御陵前、田原本、西田原本、新王寺、近鉄王寺(道明寺線/長野線/南大阪線/橿原線/田原本線/生駒線)

鉄旅日記2017年3月18日・・・柏原駅、道明寺駅、河内長野駅、古市駅、畝傍御陵前駅、田原本駅、西田

記事を読む

「鉄旅日記」2003年冬【ご縁と別れがあり、34歳の誕生日を北九州で迎えた日の記憶でございます。】最終日(博多-小倉-門司港-宇部)その2-門司港にて

鉄旅日記2003年2月16日 2003・2・16日の記憶 門司港行の鹿児島本線に乗る。 門司港

記事を読む

「鉄旅日記」2020年如月【東日本大震災で被害を受けた大船渡に泊まりにまいりました。山田線完全乗車も目指しておりましたが・・。】2日目(大船渡-釜石)その1‐大船渡、盛、綾里、唐丹(大船渡線/三陸鉄道リアス線)

鉄旅日記2020年2月23日・・・大船渡駅、盛駅、綾里駅、唐丹駅(大船渡線/三陸鉄道リアス線) 20

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】最終日(福井-東京)-福井駅前、武生新、武生、大府、武豊、知多武豊、刈谷、安城、蒲郡、東京葛飾(福井鉄道福武線/北陸本線/東海道本線/武豊線)

鉄旅日記2008年9月15日・・・福井駅前駅、武生新駅、武生駅、大府駅、武豊駅、知多武豊駅、刈谷駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2018年春【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】最終日(飯田-安曇野-木曽-東京)その2-安曇沓掛、信濃常盤、細野、海ノ口、信濃大町、信濃松川、安曇追分、南松本(大糸線/篠ノ井線)

鉄旅日記2018年4月8日・・・安曇沓掛駅、信濃常盤駅、細野駅、海ノ口駅、信濃大町駅、信濃松川駅、安

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩夏【近くまでぶらっと】金町、新松戸、西国分寺、立川、青梅、奥多摩、御岳、武蔵五日市、拝島、高麗川、川越、武蔵浦和、南浦和(常磐線、武蔵野線、青梅線、五日市線、八高線、川越線、埼京線)

鉄旅日記2009年9月5日・・・金町駅、新松戸駅、西国分寺駅、立川駅、青梅駅、奥多摩駅、御岳駅、武蔵

記事を読む

「鉄旅日記」2008年初秋【秋になると北陸に行きたくなるものでございます。能登半島をはじめ、いくつもの終着駅へと行き着いたのでございます。】初日(東京-羽咋)その2-新西金沢、野町、加賀一の宮、西金沢、羽咋(北陸本線/北陸鉄道石川線/七尾線)

鉄旅日記2008年9月13日・・・新西金沢駅、野町駅、加賀一の宮駅、西金沢駅、羽咋駅(北陸本線/北陸

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春【東日本大震災被災地へ】初日(東京-水沢)その1-郡山、杉田、五百川、高城町、矢本、野蒜、陸前赤井、石巻、女川(東北本線/仙石線/石巻線)

鉄旅日記2016年3月5日その1・・・郡山駅、杉田駅、五百川駅、高城町駅、矢本駅、野蒜駅、陸前赤井駅

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】最終日(紀伊田辺-東京)その3-奈良、加茂、伊賀上野、亀山、静岡、沼津(関西本線/東海道本線)

鉄旅日記2019年3月3日・・・奈良駅、加茂駅、伊賀上野駅、亀山駅、静岡駅、沼津駅(関西本線/東海道

記事を読む

「鉄旅日記」2008年皐月【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】4日目(徳島-善通寺)その2-海部、桑野、阿南、穴吹、佃、琴平、善通寺(牟岐線/徳島本線/土讃本線)

鉄旅日記2008年5月5日・・・海部駅、桑野駅、阿南駅、穴吹駅、佃駅、琴平駅、善通寺駅(牟岐線/徳島

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その3‐仙台、北山、葛岡、山形(仙山線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・仙台駅、北山駅、葛岡駅、山形駅(仙山線

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その2‐水戸、いわき、原ノ町、鹿島(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・水戸駅、いわき駅、原ノ町駅、鹿島駅(常

「鉄旅日記」2020年卯月【緊急事態宣言発令直前のことでございます。常磐線全線運転再開を祝して人知れず旅に出たのでございます。】初日(東京-新津)その1‐松戸、土浦、友部(常磐線)

鉄旅日記2020年4月4日・・・松戸駅、土浦駅、友部駅(常磐線) 20

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千

「鉄旅日記」2020年弥生【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】最終日(速星-東京)その3‐多治見、金山、豊橋、御厨(太多線/中央本線/東海道本線)

鉄旅日記2020年3月22日・・・多治見駅、金山駅、豊橋駅、御厨駅(太

→もっと見る

    PAGE TOP ↑