「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】初日(東京-大垣)その1-保谷、品川、三島、静岡、浜松、鷲津、豊橋、岐阜、蘇原、美濃太田(東海道本線/高山本線)
鉄旅日記2017年8月11日
4:29 保谷(ほうや)駅(西武池袋線 東京都)
冷房のいらない涼しい夜だった。
雨は完全には上がっておらず、肌に感じる。
昨夜、高校の剣道部4期上の先輩が亡くなったことをLINEへの連絡で知って仰天した。
直接的な触れ合いはたいして持たなかったが、FacebooKでつながり、投稿を通じて人間性を確かめあっていたんだ。
オレを励まし、男道を説き、そして何より愛すべき人をしっかり愛していくことが一番だと強調していた。
ありがたく、肝に命じた。
こんなに混んでいる始発電車をオレは知らない。
夏休みが始まった。
5:26 品川(しながわ)駅(東海道新幹線/東海道本線/山手線/京浜東北線/京急電鉄 東京都)
池袋は雨に濡れていた。
「おはようございます」と声をかけて青春18きっぷを差し出したオレに、駅員が「いってらっしゃい」と言う。
この手の対応は東京じゃ珍しい。
山手線は、オレが乗り込んだ後ろよりは空いていたが、前、中よりは国際展示場で開催されるコミックマーケットの影響で、たいへんな混雑だったらしい。
車掌から「りんかい線」と接続する大崎駅での混乱に配慮するアナウンスが何度か流れる。
西武線の混雑もそれか。
そう言えば車内でそんな会話を聞いた。
イケメンで清潔そうな青年だった。
連休前の酔っぱらいの姿を見かけない今朝の東京。
東海道本線は座れはしないが、混雑はひどくない。
7:28 三島(みしま)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線 静岡県)
沼津行きに乗ったが、ひとつ手前の三島で降りる。
雨は上がっていない。
接続の島田行が三島始発で待っている。
3月には座れたが今日はダメだ。
オレと同じ目的と切符を持った大勢が、がらがらだった島田行きの席を埋めていく光景を最後列から眺め、名古屋までの立ちっぱなしを覚悟し、オレの前に座っている親子が旅行者ではなく、地元の方であることを願う。
三島までの道中、国府津で座る機会が生じたが、小さな姉妹に譲り、その場を離れてドア付近に移り、やがて根府川で見た相模湾は、空と水平線の境がなくなっていた。
8:32 静岡(しずおか)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
乗り換え。
旅行者は総じて島田行からこの浜松行に移り、車内の混雑は都心並みだ。
普段じゃこんな事態にはならないだろう。
品川から立ちっぱなしで3時間。
黒岩重吾さんの「ヤマトタケル大和の巻」は順調に捗り、由比海岸を久々に眺めた。
座れていれば寝るし、立っていれば読書するか苛立っていた。
今日は苛立ちは消えた。
ただ足は疲れてきた。
10:12 浜松(はままつ)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
この先の二川駅で人と列車が接触。
浜松豊橋間で運転見合わせ。
困ったことをしてくれる。
これも旅であり人生だけど、涼しいホームで、昨日毒饅頭を食わされたような気持にさせられた、気の重い仕事が頭をもたげてくる。
10:55 鷲津(わしづ)駅(東海道本線 静岡県)
重い荷物を抱えた旅行者を満載にした3両列車はここで運転見合わせ。
下手に降りると運転再開時に乗れなくなる可能性があるため、身動きできずに最悪の状態を耐えている。
事故発生から2時間近く経とうとしている。
JR東海も地元警察もこの事態に慣れていないのか、有効な提案もなくいたずらに乗客に苦痛を強いている。
たった今、唐突に運転再開の見込みがついたらしい。
すべてが人災。
とんだ夏の始まりだ。
涼しくてよかったよ。
11:37 豊橋(とよはし)駅(東海道新幹線/東海道本線/飯田線/名鉄名古屋本線 愛知県)
約90分遅れで豊橋着。
混雑しているホームに満載の乗客を乗せた列車を入れ、誘導なし。
階段の下で恐慌が起き、狂声が飛び、ちいさな子が泣いている。
線路内に立ち入った、たったひとりの愚か者のために大勢が苦しみ、JR東海は立場をなくした。
13:07 岐阜(ぎふ)駅(東海道本線/高山本線 岐阜県)
蒲郡までは覚えているけど、眠った。
列車に乗って、こんなにも深い眠りはそうは経験していない。
さんざんだった。
ここまでホント、さんざんだったよ。
繊維の街は織田信長の街へ。
「信長ひろば」なるものが駅前にできていた。
駅は生まれ変わり、かつて強烈な陽射しを浴びせた太陽は隠れ、涼しくて汗もかいていないから、ビールの喉通りが思わしくなく、その分味わいは深い。
本来は金山から中央本線で多治見までのいくつかの駅に降りて、太多線で美濃太田に出るつもりでいた。
ここ高山本線でも若干の遅れが発生している。
岐阜駅前風景
13:35 蘇原(そはら)駅(高山本線 岐阜県)
行き違い列車の遅れで緊急停車。
外に出て駅前通りを写す。
真っ直ぐに伸びる道を眺めるのは好きだ。
ここでは商店街を形成するには至らなかったようだ。
あるいは、かつては形成されていたのかもしれない。
空に迫力に欠けた入道雲が浮かび出した。
夏気分が目覚めだしている。
車窓から眺める日本ライン
14:00 美濃太田(みのおおた)駅(高山本線/太多線/長良川鉄道 岐阜県)
鵜沼を過ぎると木曽川の景勝日本ラインを通る。
車旅の頃に2、3度通り、舟下りの光景も見たし、変わらぬ感動を得てきた。
食事をしたドライブインがどれだか忘れたが、ことごとくが廃墟になっていた。
街に降りる時間はなく、長良川鉄道に乗り換える。
ようやく元の計画に戻る。
ホームページに載っていなかったフリーきっぷ2,700円を購入。
かなりお得だ。
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