*

「鉄旅日記」2017年夏 初日(東京-大垣)その1-保谷、品川、三島、静岡、浜松、鷲津、豊橋、岐阜、蘇原、美濃太田(東海道本線/高山本線)【私鉄王国で過ごす夏】

公開日: : 最終更新日:2025/05/24 旅話, 旅話 2017年

鉄旅日記2017年8月11日・・・保谷駅、品川駅、三島駅、静岡駅、浜松駅、鷲津駅、豊橋駅、岐阜駅、蘇原駅、美濃太田駅(東海道本線/高山本線)

4:29 保谷(ほうや)駅(西武池袋線 東京都)
冷房のいらない涼しい夜だった。
雨は完全には上がっておらず、肌に感じる。

昨夜、高校の剣道部4期上の先輩が亡くなったことをLINEへの連絡で知って仰天した。

直接的な触れ合いはたいして持たなかったが、FacebooKでつながり、投稿を通じて人間性を確かめあっていたんだ。

オレを励まし、男道を説き、そして何より愛すべき人をしっかり愛していくことが一番だと強調していた。
ありがたく、肝に命じた。

こんなに混んでいる始発電車をオレは知らない。

夏休みが始まった。

5:26 品川(しながわ)駅(東海道新幹線/東海道本線/山手線/京浜東北線/京急電鉄 東京都)
池袋は雨に濡れていた。

「おはようございます」と声をかけて青春18きっぷを差し出したオレに、駅員が「いってらっしゃい」と言う。
この手の対応は東京じゃ珍しい。

山手線は、オレが乗り込んだ後ろよりは空いていたが、前、中よりは国際展示場で開催されるコミックマーケットの影響で、たいへんな混雑だったらしい。

車掌から「りんかい線」と接続する大崎駅での混乱に配慮するアナウンスが何度か流れる。

西武線の混雑もそれか。
そう言えば車内でそんな会話を聞いた。
イケメンで清潔そうな青年だった。

連休前の酔っぱらいの姿を見かけない今朝の東京。

東海道本線は座れはしないが、混雑はひどくない。

7:28 三島(みしま)駅(東海道新幹線/東海道本線/伊豆箱根鉄道駿豆線 静岡県)
沼津行きに乗ったが、ひとつ手前の三島で降りる。
雨は上がっていない。

接続の島田行が三島始発で待っている。

3月には座れたが今日はダメだ。
オレと同じ目的と切符を持った大勢が、がらがらだった島田行きの席を埋めていく光景を最後列から眺め、名古屋までの立ちっぱなしを覚悟し、オレの前に座っている親子が旅行者ではなく、地元の方であることを願う。

三島までの道中、国府津で座る機会が生じたが、小さな姉妹に譲り、その場を離れてドア付近に移り、やがて根府川で見た相模湾は、空と水平線の境がなくなっていた。

8:32 静岡(しずおか)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
乗り換え。
旅行者は総じて島田行からこの浜松行に移り、車内の混雑は都心並みだ。
普段じゃこんな事態にはならないだろう。

品川から立ちっぱなしで3時間。
黒岩重吾さんの「ヤマトタケル大和の巻」は順調に捗り、由比海岸を久々に眺めた。

座れていれば寝るし、立っていれば読書するか苛立っていた。
今日は苛立ちは消えた。

ただ足は疲れてきた。

10:12 浜松(はままつ)駅(東海道新幹線/東海道本線 静岡県)
この先の二川駅で人と列車が接触。
浜松豊橋間で運転見合わせ。

困ったことをしてくれる。

これも旅であり人生だけど、涼しいホームで、昨日毒饅頭を食わされたような気持にさせられた、気の重い仕事が頭をもたげてくる。

10:55 鷲津(わしづ)駅(東海道本線 静岡県)
重い荷物を抱えた旅行者を満載にした3両列車はここで運転見合わせ。

下手に降りると運転再開時に乗れなくなる可能性があるため、身動きできずに最悪の状態を耐えている。

事故発生から2時間近く経とうとしている。

JR東海も地元警察もこの事態に慣れていないのか、有効な提案もなくいたずらに乗客に苦痛を強いている。

たった今、唐突に運転再開の見込みがついたらしい。

すべてが人災。
とんだ夏の始まりだ。

涼しくてよかったよ。

11:37 豊橋(とよはし)駅(東海道新幹線/東海道本線/飯田線/名鉄名古屋本線 愛知県)
約90分遅れで豊橋着。

混雑しているホームに満載の乗客を乗せた列車を入れ、誘導なし。

階段の下で恐慌が起き、狂声が飛び、ちいさな子が泣いている。

線路内に立ち入った、たったひとりの愚か者のために大勢が苦しみ、JR東海は立場をなくした。

13:07 岐阜(ぎふ)駅(東海道本線/高山本線 岐阜県)
蒲郡までは覚えているけど、眠った。

列車に乗って、こんなにも深い眠りはそうは経験していない。

さんざんだった。
ここまでホント、さんざんだったよ。

繊維の街は織田信長の街へ。
「信長ひろば」なるものが駅前にできていた。

駅は生まれ変わり、かつて強烈な陽射しを浴びせた太陽は隠れ、涼しくて汗もかいていないから、ビールの喉通りが思わしくなく、その分味わいは深い。

本来は金山から中央本線で多治見までのいくつかの駅に降りて、太多線で美濃太田に出るつもりでいた。

ここ高山本線でも若干の遅れが発生している。

岐阜駅前風景

13:35 蘇原(そはら)駅(高山本線 岐阜県)
行き違い列車の遅れで緊急停車。
外に出て駅前通りを写す。

真っ直ぐに伸びる道を眺めるのは好きだ。
ここでは商店街を形成するには至らなかったようだ。
あるいは、かつては形成されていたのかもしれない。

空に迫力に欠けた入道雲が浮かび出した。

夏気分が目覚めだしている。

車窓から眺める日本ライン

14:00 美濃太田(みのおおた)駅(高山本線/太多線/長良川鉄道 岐阜県)
鵜沼を過ぎると木曽川の景勝日本ラインを通る。

車旅の頃に2、3度通り、舟下りの光景も見たし、変わらぬ感動を得てきた。

食事をしたドライブインがどれだか忘れたが、ことごとくが廃墟になっていた。

街に降りる時間はなく、長良川鉄道に乗り換える。
ようやく元の計画に戻る。

ホームページに載っていなかったフリーきっぷ2,700円を購入。
かなりお得だ。

関連記事

「鉄旅日記」2021年春 初日(東京-松本)その2 ‐高尾、大月、塩山、甲府、日野春(中央本線) 【週末パスで信濃へ。妙高高原駅で引き返し、松本の友人を訪ね、大糸線を旅して思い出の白馬へ。先の旅から一週間後のことでございました。】

鉄旅日記2021年4月24日・・・高尾駅、大月駅、塩山駅、甲府駅、日野春駅(中央本線) 7:

記事を読む

「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その6‐博多南、博多、鳥栖、佐賀、肥前鹿島(博多南線/鹿児島本線/長崎本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】

鉄旅日記2020年8月14日・・・博多南駅、博多駅、鳥栖駅、佐賀駅、肥前鹿島駅(博多南線/鹿児島本

記事を読む

「鉄旅日記」2021年秋 初日(東京-飯坂温泉)その2 ‐竜田、原ノ町、鹿島、新地、岩沼(常磐線/東北本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月9日・・・竜田駅、原ノ町駅、鹿島駅、新地駅、岩沼駅(常磐線/東北本線)

記事を読む

「車旅日記」2005年冬 2日目(都城-人吉)走行距離284㎞ その2-伊集院駅、串木野駅、川内駅、薩摩高城駅、大隅横川駅、吉松駅、人吉駅前ホテル 【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】

車旅日記2005年2月12日・・・伊集院駅、串木野駅、川内駅、薩摩高城駅、大隅横川駅、吉松駅、人吉駅

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋-川口、浦和、深谷、倉賀野、寄居、東飯能、飯能、寒川、茅ヶ崎、辻堂、新橋(京浜東北線/高崎線/八高線/相模線/東海道本線)【関東ぶらぶら旅その2-武蔵から相模へ】

鉄旅日記2009年10月27日・・・川口駅、浦和駅、深谷駅、倉賀野駅、寄居駅、東飯能駅、飯能駅、寒川

記事を読む

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その2 ‐水沢江刺、盛岡、上米内(東北新幹線/山田線)【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・水沢江刺駅、盛岡駅、上米内駅(東北新幹線/山田線) 9:4

記事を読む

「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その6 ‐谷峨、山北、足柄、沼津、熱海(御殿場線/東海道本線) 【金沢シーサイドライン、根岸線、湘南モノレール、横須賀線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

鉄旅日記2022年3月5日・・・谷峨駅、山北駅、足柄駅、山北駅、熱海駅(御殿場線/東海道本線)

記事を読む

「鉄旅日記」2018年卯月 その1-取手、竜ケ崎、佐貫、岩間、赤塚、大洗、鹿島神宮(常磐線/関東鉄道竜ヶ崎線/鹿島臨海鉄道)【ときわ路パスでめぐる常陸旅でございます。】

鉄旅日記2018年4月25日・・・取手駅、竜ケ崎駅、佐貫駅、岩間駅、赤塚駅、大洗駅、鹿島神宮駅(常磐

記事を読む

「鉄旅日記」2019年霜月 最終日(北上-東京)その2‐新庄、鳴子温泉、小牛田(陸羽東線) 【津軽鉄道、弘南鉄道に乗りにいきました。羽州街道を歩いた晩秋の旅でございます。】

鉄旅日記2019年11月4日・・・新庄駅、鳴子温泉駅、小牛田駅(陸羽東線) 11:19 新庄(しん

記事を読む

「鉄旅日記」2022年如月 初日(東京-常陸大子)その1 ‐金町、我孫子、新木、成田、佐原(常磐線/我孫子支線/成田線) 【十二橋駅~潮来駅、鹿島神宮西の一之鳥居~鹿島神宮、棚倉を歩く旅。】

鉄旅日記2022年2月5日・・・金町駅、我孫子駅、新木駅、成田駅、佐原駅(常磐線/我孫子支線/成田

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年皐月 ツレと訪ねた下部温泉~富士宮~田子の浦旅でございます。初日(東京-下部温泉) ‐市川大門、下部温泉(身延線)【Facbookへの投稿より振り返ります。】

鉄旅日記2022年5月28日・・・市川大門駅、下部温泉駅(身延線)

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その3 ‐駒形、前橋大橋、高崎、本庄(両毛線/高崎線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・駒形駅、前橋大島駅、高崎駅、本庄駅(

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その2 ‐国定(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・国定駅(両毛線)/国定忠治墓(養寿寺

「鉄旅日記」2022年皐月 最終日(磐梯熱海-東京)その1 ‐磐梯熱海、新白河、小山(磐越西線/東北本線)【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月8日・・・磐梯熱海駅、新白河駅、小山駅(磐越西

「鉄旅日記」2022年皐月 初日(東京-磐梯熱海)その4 ‐関都、猪苗代湖畔、上戸、磐梯熱海(磐越西線)/志田浜~上戸浜/伊東園ホテル磐梯向滝【日光線全駅乗降を果たし、猪苗代湖畔に遊び、磐梯熱海の湯につかり、国定忠治を訪ねた旅でございます。】

鉄旅日記2022年5月7日・・・関都駅、猪苗代湖畔駅、上戸駅、磐梯熱

→もっと見る

    PAGE TOP ↑