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「鉄旅日記」2022年弥生vol.1 初日(東京-熱海)その3 ‐洋光台、港南台、本郷台、大船、湘南江の島、片瀬江ノ島、江ノ島(根岸線/湘南モノレール) 【金沢シーサイドライン、横須賀線、御殿場線、大雄山線、鶴見線、南武線etc.駅旅人本領発揮の旅でございます。】

公開日: : 旅話, 旅話 2022年

鉄旅日記2022年3月5日・・・洋光台駅、港南台駅、本郷台駅、大船駅、湘南江の島駅、片瀬江ノ島駅、江ノ島駅(根岸線/湘南モノレール)

8:10  洋光台(ようこうだい)駅(京浜東北・根岸線 神奈川県)

岡の上の町。団地が周囲を固める町並に、生まれ育った川崎市の西三田を思い出す。

懐かしい思いを味わいたいわけじゃないが、さっきから横浜はそんな思いをたくさん連れてくる。

開業はオレが生まれた翌年の1970年と新しい。当時は終着駅だった。そしてその3年後に大船へと延伸する。もとは小さな農村地帯で、駅開業に合わせて大々的な開発が行われたとのこと。

錯覚だが、駅を出た時は高原の匂いをかいだような爽やかさに包まれた。

8:18  港南台(こうなんだい)駅(京浜東北・根岸線 神奈川県)

列車は徐々に空いてきて、ひなびてなどいないが、ひなびていくような感覚を持ちながら西へ向かっている。

今日は根岸線の降りたことのないすべての駅に降りる日。後で横須賀線でもそんなことをする。

洋光台とよく似た町並。それもそのはず。同じ時代に開発されている。

既視感があるのはそのせい。

8:29  本郷台(ほんごうだい)駅(京浜東北・根岸線 神奈川県)

ホームの階段を降りると改札口までそこそこに長い通路を歩く。様々な駅があるものだ。戦前ここに第1海軍燃料廠があったとのこと。

洋光台、港南台、本郷台と台地の駅が3つ続いた。駅前も先の2つに似て、高層住宅が目立つ。1階にはアーケード商店街。

根岸線の駅にこれですべて降りたことになる。例えば東京から松本までのすべてに降りてきた身として、こっちはずいぶんと時間がかかった。

8:44  大船(おおふな)駅(東海道本線/横須賀線/京浜東北・根岸線/成田エクスプレス/湘南新宿ライン/湘南モノレール 神奈川県)

巨大な駅。構内の店構えも充実している。だけど駅舎には構わなかったらしい。もっとも関東大震災による全壊をはじめ、何度も建て直しが行われている。ここが大船駅と、もう少し誇示できたらよかったと思う。

撮影所はとうの昔に撤退した西の大ターミナル駅。観音様が見下ろし、駅からは狭い小路が延びている。

さかのぼること56年前、横浜ドリームランドとを結ぶドリーム交通モノレール大船線が開業した。しかしそのわずか1年半後に休止。車両の故障などが続発したことによる。

学生時代に車で湘南を何度も目指したが、その度に橋脚を目にして無情を思った。正式に廃止されたのは横浜ドリームランドが閉園した2002年の翌年とのこと。今じゃ橋脚も遊園地もない。甘い記憶がわずかに残っている。

もともとはそんなつもりはなかった。でも湘南モノレールに乗ることにした。

開業はドリーム交通に遅れること4年。全通は翌年の1971年。懸垂式モノレールはことのほか揺れる。

9:00 湘南江の島(しょうなんえのしま)駅(湘南モノレール 神奈川県)にて

9:18 片瀬江ノ島(かたせえのしま)駅(小田急江ノ島線 神奈川県)にて

9:28  江ノ島(えのしま)駅(江ノ島電鉄 神奈川県)

終点の湘南江の島までは約15分。湘南江の島駅は建て変わり、薄暗さは一掃されて光が差し込んでいた。街を見下ろす。

懸垂式モノレールを写したら再び大船駅に戻るつもりでいた。

でも通りを渡れば江の電の線路が見える。江ノ島駅がある。さらに通りを行けば江の島に出る。

途中で引き返せばいい。でも江の島が見えてきた。サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」が脳裏に蘇る。ここまで来たらもう引き返せないよ。

浜に出る。初めて女性に想いを伝えた場所であり、帰れない我が家を思った場所でもあり、他にも数えきれない。

片瀬江ノ島駅に寄る。あの駅舎を北京みたいだと言って、友人を笑わせたのはどれほど昔か。「何が北京だ。竜宮城だろう。」なるほど。あれは竜宮城だったのか。当時のオレにそんな発想は望めなかった。

江の電で鎌倉に向かっている。予定変更だらけの旅。これでいい。湘南海岸にたたずむ絵は、なぜか葛飾の部屋じゃ生まれなかった。

列車は海辺の国道に沿って進んでいく。海はまぶしく、人気は穏やか。

東欧の戦場に赴く兵士や爆撃や砲撃に怯える人々。彼等からこうした穏やかな休日を奪った独裁者と、それに連なる連中が犯した罪は重く、連中にはもはや償う手立てもなく、今日もまた罪を重ねていく。

雅な町は平和の大切さを示し続ける。そして各国からの旅行者で賑わっていた過去もまたひと昔。

でもやがてそれは戻るだろう。コロナ騒ぎも戦争も、もういい。

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