2018年初秋 初日(東京-桑名)その4-新瀬戸、瀬戸市、高蔵寺、新守山、勝川、枇杷島、蟹江、桑名(愛知環状鉄道/中央本線/東海交通事業常北線/東海道本線/関西本線) 【JR東海&16私鉄乗り鉄☆たびきっぷ」でめぐる東海旅】
鉄旅日記2018年9月15日・・・新瀬戸駅、瀬戸市駅、高蔵寺駅、新守山駅、勝川駅、枇杷島駅、蟹江駅、桑名駅(愛知環状鉄道/中央本線/東海交通事業常北線/東海道本線/関西本線)
18:55 新瀬戸(しんせと)駅(名鉄瀬戸線 愛知県)にて
18:58 瀬戸市(せとし)駅(愛知環状鉄道 愛知県)
名鉄新瀬戸駅まで3分。
ビールを飲み干して、行きに急いだ連絡橋を下りる。
4分後に高蔵寺行がやってくる。
瀬戸との出会いは日暮れの中で慌ただしく、互いの理解も求めずに終わった。
長い人生にはそんな一幕があるが、前世や来世で縁があるのだろう。
現世でこうしてわずかながらも接点があった事実が、さっきからオレにそう言っている。
瀬戸の街らしい一帯はおそらくこっちであろう。
ただし一見したところ繁華街らしきものは見当たらない。
19:15 高蔵寺(こうぞうじ)駅(中央本線/愛知環状鉄道 愛知県)
従兄弟の結婚式に向かう途中でこの駅に降りている。
列車旅に目覚める重要な道中だった。
瀬戸での時間を削ったのは、確実にこの駅にいた記憶を得たかったからに違いない。
オレにもオレの行動が掴めない時がある。
そんな時は心に従う。
最近はそうしている。
高蔵寺商店街と書かれた街路に出てみた。
改札口からやたらに歩いて到達するあの日と同じロータリー。
懐かしさよりも「高蔵寺駅」とどこにも記されていない駅舎にも、なぜか名古屋を感じた。
19:35 新守山(しんもりやま)駅(中央本線 愛知県)
常北線の発車まで時間がある。
勝川を通り越してひと駅。
新守山に降りたことはない。
賑やかそうな駅に着いたと思ったよ。
光りは駅前ロータリーを囲む一帯にしかなく、中央本線から解き放たれた人々は「さも当然」と散り散りに分かれていく。
そうした名古屋事情に納得して、ここもまた足早に離れていく。
19:45 勝川(かちがわ)駅(中央本線 愛知県)にて
20:02 勝川(かちがわ)駅(東海交通事業常北線 愛知県)
勝川で余裕をとっておいてよかった。
城北線とは漠然と地下駅だと思っていたオレを、勝川という駅は存分に弄ぶ。
線路沿いの矢印を信じて真っ直ぐに進めばよかったのだが、あの廃れた駐車場の先に鉄道の入口があるとは、たぶん誰も思うまい。
そんな鉄路へ続く階段は闇に浮いて、まるで選ばれた者にしか開かれていない道のように見えた。
やがて名古屋城北を走るワンマンカーは走り出す。
ずいぶん高い場所を走っていて街外れを思わせる仄かな夜景が続き、車窓風景に飽きることはない。
乗る人がオレ以外いなくなったブレードランナー的未来世界を思わせた鉄道は、ディーゼル車だった。
20:27 枇杷島(びわじま)駅(東海道本線/東海交通事業常北線 愛知県)
どこに着くかと危ぶんだ城北線は意外やJR駅に入線した。
どんな事情があって、あんなにも運行本数の少ない鉄路が開かれたのかは知らないが、鉄道風景中の一景観ではあった。
わずか16分の乗車で惜しくはあったが、乗っている時はとても楽しかった。
ここ枇杷島を出れば次は名古屋。
だけど駅前には何もない。
徒歩1分のところにコンビニの灯は見えた。
名古屋という都会はどうも分からない。
結局のところ栄一帯だけが栄えているのだろうか。
断定するにはまだ早い気がするけれど。
21:06 蟹江(かにえ)駅(関西本線 愛知県)
名古屋で関西本線に乗り換える。
名古屋から3駅目。
大勢の名古屋人とともに降りて改札を抜けると、暗闇の中で動物が唸るように迎えの車が連なっている。
やがてすべてが乗車し終えると、まったく静かなものだ。
駅前には何もなく、ホームで次の桑名行を待つオレの耳に秋の虫が慰めをくれる。
どうやら下り列車は遅れている。
踏切が鳴った。
たいした遅れじゃない。
愛知県海部郡蟹江町。
そしてここはもう名古屋市内ではない。
22:50 桑名パークホテル711
オレは伊勢人を信用している。
桑名に降りて、伊勢人に接してその事実を思い出した。
駅からこのホテルに面した1号国道に至る徒歩2分圏内に歓楽街は集中して、3連休初日の伊勢人の出足は思わしくない。
9月の雨は冷たくはないけど、出足を鈍らせるには十分な条件を与えている。
この暑かった夏に戻りたい者は若者の中にはいるだろうが、オレはそうじゃない。
戻りたい場所などもうどこにもない。
だから思いを言霊にして、毎朝を紡いでいる。
鑑定師先生たちの言じゃ、その時は近いらしい。
実はオレもそう思っていた。
今年が終わるまでには、オレの幸せな未来はほぼ形をなしているだろう。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その2-多気、伊勢神宮外宮、伊勢市、鳥羽、鳥羽マリンターミナル(参宮線/鳥羽市営定期船) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月23日・・・多気駅、伊勢神宮外宮、伊勢市駅、鳥羽駅、鳥羽マリンターミナル(参
-
-
「車旅日記」2003年夏 3日目(北見-帯広)走行距離682㎞ -北見東急イン、美幌駅、摩周湖、知床斜里駅、羅臼、根室駅、納沙布岬、釧路駅 【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】
車旅日記2003年8月15日・・・北見東急イン、美幌駅、摩周湖、知床斜里駅、羅臼、根室駅、納沙布岬、
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 2日目(砺波-武生)その4‐七尾、金丸、宝達、宇野気、本津幡(七尾線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月22日・・・七尾駅、金丸駅、宝達駅、宇野気駅、本津幡駅(七尾線) 1
-
-
「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その3-米沢、福島、仙台、一ノ関(奥羽本線/東北本線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月5日・・・米沢駅、福島駅、仙台駅、一ノ関駅(奥羽本線/東北本線) 17:34
-
-
「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その1 ‐金町、東京、三島(常磐線/東海道本線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】
鉄旅日記2022年3月19日・・・金町駅/東京駅/三島駅(常磐線/東海道本線) 2022・3
-
-
「車旅日記」1998年春 3日目(津軽SA-十和田湖-酒田駅-鳴子温泉)-津軽SA、温川、十和田湖休屋、長木渓谷、道の駅鷹巣、道の駅琴丘、道の駅西目、象潟駅、酒田駅、道の駅戸沢、鳴子サンハイツ 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】
車旅日記1998年5月3日 1998・5・3 5:45 東北自動車道-津軽SA 1087km 聞き
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 初日(東京-香住)その5‐並河、園部、胡麻、下山、福知山(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月23日・・・並河駅、園部駅、胡麻駅、下山駅、福知山駅(山陰本線) 16
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 最終日(武生-東京)その3‐西金沢、新西金沢、野町、鶴来、金沢、上野(北陸鉄道石川線/北陸新幹線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月23日・・・西金沢駅、新西金沢駅、野町駅、鶴来駅、金沢駅、上野駅(北陸鉄道
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その3‐阿川、小串、下関、小倉(山陰本線/鹿児島本線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・阿川駅、小串駅、下関駅、小倉駅(山陰本線/鹿児島本線) 1
-
-
「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】
鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 12:10