*

「車旅日記」1997年夏 最終日(鳴子-米沢-東京)-鳴子サンハイツ、瀬見駅、羽前中山駅、萬世大路記念碑公園、栗子トンネル、松川駅、里白石駅、常陸大子駅、我孫子、東京町田【男鹿半島を目指した夏。友と過ごし、旧友と再会したみちのく旅でございます。】

公開日: : 最終更新日:2025/05/10 旅話, 旅話 1997年

車旅日記1997年8月16日

1997・8・16 8:18 鳴子サンハイツ
拝啓
残暑お見舞い申し上げます。
元気でいますか。
オレはまたしても北の方にいる。
こっちの朝は寒いよ。
ところで2日前に秋田のへんぴな場所でHと計画的な再会をしたんだ。
会ってしばらくしたら「んじゃよ!」と言って分かれるはずだったけど、結局翌朝まで一緒に野外生活したよ。
お互いやりたいことはあるけど、やらなきゃいけないことはなかったからな。
それでオレは男鹿半島に向かい、ヤツはきっと山の奥深くへと入った行ったのだろう。
ヤツはスゴイ男だよ。
これからオレは郡山の友人に会いに行く。
2年振りなんだ。
君はどうしてる?
元気ないように見えたから心配していたよ。
やっぱオレの思い過ごしなのか。
またなっ
97夏

10:21 瀬見駅 1219㎞
気温16度と出ている。
ひどく寒い夏の日だ。

宿の女性は稲の心配をしていた。
印象としては夏でも秋でもない妙に寒い一日。

周りの緑がとても濃い。
渓谷の中を走っている。

友が見たら狂喜しそうな清流が流れ、道を挟んで線路が敷かれている。
そこでは今もアンティークなトンネルや鉄橋が使われている。

見ていると気分が和む。
それが目にしたかった風景なのだろう。

旅はこうして続いている。

12:47 羽前中山駅 1309㎞
旅は続き、甲子園でも熱戦が続いている。

舟形から13号国道に乗り、心も快調に走ってきた。
山形の道もまた美しい。

ここに着くまでは後ろをずっと走っていた宮城ナンバーのおじさんに愛情を持ちながら走ってきた。
彼の運転マナーがとてもよかったから。

この駅にも人の姿はない。
駅員もいない。
だけど周囲は清潔に保たれている。
煙草の吸殻なんて見当たらない。

きっと民度の問題なのだろう。
オレが暮らしているあたりはひどいものだ。

友と連絡がついた。
16:00くらいに郡山入りする予定でいる。

これから山路を行く。
地図を見ると脇を川が流れている。

好きな景観がいくつか見られるとうれしい。

13:46 13号国道‐萬世大路記念碑公園 1346㎞
峠道を行く予定だったが見落としがあった。
今また13号国道に戻っている。

いずれにしろ峠道だ。
空はにわかに曇り、風が強くなった。
気温も19度まで下がっている。

飲料を補給したかったけど、この園内には便所しか見当たらない。
オレみたいなヤツが寄るのにちょうどいい造りになっている。

背中が痛いが、こいつは伸ばしてもどうにもならない。
400㎞くらい先までついて回る痛みだ。

これが体で感じる旅の疲れだ。

14:11 13号国道‐栗子トンネル付近 1362㎞
峠には霧雨が降り、ストーンズのブルースナンバーを聴きながらトンネルを抜けている。

何も考えようのない時間を、ストーンズを聴きながら頑張って走っている。

調子は決して悪くない。

15:20 松川駅 1394㎞
郡山に向かっている。
16:00の約束には遅れそうだ。

福島市内では思わぬ渋滞があり、冷たい雨が降っていた。
こっちの夏はこんなふうなのか。
オレも稲が心配になってきた。

4号国道はこれから流れるだろう。
郡山までもそう遠くない。

友に早く会いたい。

19:40 里白石駅 1469㎞
友との再会を終えて118号国道を行っている。

友と奥さんが出会った水戸行のルート。
友の故郷は渋滞していた。

その渋滞を抜けて空を見上げると花火が上がっている。
それを見に多くの人々がこの閑静な駅に車を寄せている。

オレは違うよ。
便所に用があっただけだ。

21:14 常陸大子駅 1515㎞
花火は盛大だった。
そこに繰り出している人の数も盛大だった。

その後いくつかローカルな町を抜けて、今家族に電話を入れた。
旅はまだまだ続く。

水戸までの道程もまだかなり残されている。
過ぎてきた町はそれぞれ興味深かった。

提灯のぶら下がった人気のない商店街。
危うげな連中がベンチに座るスーパーマーケットを持つ町。

山の中を走るよりはこっちの方がいい。
夜、鳴子へ向かう道では疲れるだけだから。

次に止まるのはどこらあたりになるだろう。

そもそも水戸突入はどれくらい先のことになるのか。

22:49 6号国道‐HOT STAR 1583㎞
無事に水戸を通過して、7月のロードに戻っている。

みんなぶっ飛ばしていやがる。

あのレースに参加しろというのなら、「ああそうかい」と腰を上げるけど、オレのペースで走っていいのならそうしたい。
旅の途中なのだから。

無事に家に帰れれば何時に着いてもいいよ。
ストーンズのテープもまだ3本残っている。

できれば、あと2、3か所休憩場所を用意しておいてくれればそれでいいよ。

24:20 6号国道‐我孫子市内吉野家 1644㎞
これが最後になるだろう。
表示は東京がもう遠くないところにあることを示している。

これが最後なら、最後まで旅だった。

そのことに満足しているよ。

27:22 東京町田 1715㎞
旅の最後にたどり着いたのがこの家だった。
そう、オレの家だよ。

そして1715㎞を一緒に走った車に抱擁した。
家のドアを開けるまで何度も振り返っては別れを惜しんだ。

秋まで一緒に出動することはないだろう。
愛情のすべてはその時愛車に注がれた。

当然だよ。
ずっと一緒にいたんだ。

おやすみ。
また秋に西へ向かおう。

関連記事

「鉄旅日記」2019年師走 初日(東京-酒田)その3‐新潟、村上、羽後本荘(信越本線/白新線/羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月7日・・・新潟駅、村上駅、羽後本荘駅(信越本線/白新線/羽越本線) 11:

記事を読む

「鉄旅日記」2012年夏 【青春18きっぷで、北海道途中下車旅】4日目(岩見沢-羽後本荘)-岩見沢、札幌、銭函、小樽、倶知安、蘭越、長万部、中ノ沢、五稜郭、上磯、釜谷(函館本線、江差線)

鉄旅日記2012年8月14日・・・岩見沢駅、札幌駅、銭函駅、小樽駅、倶知安駅、蘭越駅、長万部駅、中ノ

記事を読む

「車旅日記」2000年夏Part.1 初日(東京‐諏訪)葛飾金町、調布駅、高尾駅、桂川ドライブイン、甲府芸術の森公園、道の駅信州蔦木宿、上諏訪 【信濃、飛騨、そして能登島。帰りは北陸路。この国の美しさをあらためて感じました夏旅でございます。】

車旅日記2000年7月20日 2000・7・20 8:10 東京葛飾金町 天気は良好。 やけに雲が

記事を読む

「鉄旅日記」2019年弥生Part.1 初日(東京-紀伊田辺)その3-周参見、椿、白浜、紀伊田辺(紀勢本線) 【和歌山電鐵に乗るために、青春18きっぷで紀伊半島一周を思い立ったのでございます。】

鉄旅日記2019年3月2日・・・周参見駅、椿駅、白浜駅、紀伊田辺駅(紀勢本線) 19:12 周参見

記事を読む

「鉄旅日記」2015年春 初日その2(東京-宇治)-香里園、寝屋川市、門真市、守口市、淀屋橋、天満橋、中之島、樟葉(京阪本線/京阪中之島線) 【ひらパーGo!Go!チケットで行く、京阪旅】

鉄旅日記2015年3月21日その2・・・香里園駅、寝屋川市駅、門真市駅、守口市駅、淀屋橋駅、天満橋駅

記事を読む

「鉄旅日記」2021年夏 初日(東京-上田)その4 ‐長野、御代田、小諸、上田(信越本線/しなの鉄道) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】

鉄旅日記2021年7月10日・・・長野駅、御代田駅、小諸駅、上田駅(信越本線/しなの鉄道)

記事を読む

「鉄旅日記」2016年春 最終日(水沢-東京)その2-気仙沼、一ノ関、小牛田、大河原、福島、安積永盛、久喜(大船渡線、東北本線) 【東日本大震災被災地へ】

鉄旅日記2016年3月6日その2・・・気仙沼駅、一ノ関駅、小牛田駅、大河原駅、福島駅、安積永盛駅、久

記事を読む

「車旅日記」2003年夏 4日目(帯広-札幌)走行距離374㎞ -帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中島公園、札幌東急イン 【北海道初上陸。2,300㎞を移動した5日間の記録でございます。】

車旅日記2003年8月16日・・・帯広東急イン、帯広緑ヶ丘公園、忠類、襟裳岬、様似駅、静内駅、恵庭中

記事を読む

「鉄旅日記」2019年如月 最終日(安中-東京)その3-海尻、八千穂、信濃川上、佐久海ノ口、甲斐小泉、小淵沢(小海線)/海尻城址 【週末パスで東京から伊豆。そして上州、信州へ。友人は言ったものでございます。何気に大層な移動距離だと。】

鉄旅日記2019年2月10日・・・海尻駅、八千穂駅、信濃川上駅、佐久海ノ口駅、甲斐小泉駅、小淵沢駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2019年師走 最終日(酒田-東京)その1‐酒田、象潟、砂越(羽越本線) 【由利高原鉄道鳥海山ろく線に乗りにいきました。初冬の日本海は荒々しく、美しゅうございました。】

鉄旅日記2019年12月8日・・・酒田駅、象潟駅、砂越駅(羽越本線) 2019・12・8 5:34

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その1 ‐新静岡、静岡、由比、富士、芝川(東海道本線/身延線)/駿府城址 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月21日・・・新静岡駅、静岡駅、由比駅、富士駅、

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その3 ‐尾盛、千頭、金谷、静岡(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/くれたけインプレミアム静岡駅前 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・尾盛駅、千頭駅、金谷駅、静岡駅(大井川鐡道

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その2 ‐奥大井湖上、接岨峡温泉(大井川鐡道井川線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

2022年3月20日・・・奥大井湖上駅、接岨峡温泉駅(大井川鐡道井川

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 2日目(焼津-静岡)その1 ‐焼津、金谷、千頭、井川(東海道本線/大井川鐡道本線/大井川鐡道井川線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月20日・・・焼津駅、金谷駅、千頭駅、井川駅(東

「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 初日(東京-焼津)その4 ‐アプトいちしろ、川根小山、千頭、金谷、焼津(大井川鐡道井川線/大井川鐡道本線/東海道本線)/焼津温泉やいづマリンパレス 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】

鉄旅日記2022年3月19日・・・アプトいちしろ駅、川根小山駅、千頭

→もっと見る

    PAGE TOP ↑