「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その3-七日市、塩川、姥堂、会津若松(只見線/磐越西線)/鶴ヶ城 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月2日・・・七日市駅、塩川駅、姥堂駅、会津若松駅(只見線/磐越西線)/鶴ヶ城
16:59 七日町(なぬかまち)駅(只見線/会津鉄道 福島県)
お洒落な駅カフェが街にあたたかな灯をともしている。
踏み切り脇の駅は、始終通行する車の音や揺れを受けているけど、まるで俗世間とは一線を置いた夢の国のように超然としている。
まるで童話に出てくる暖炉の家のように。
そこに行けば、あたたかいシチューを出してくれそうな。
鶴ヶ城は平和に開放されていた。
訪れる誰もが悲惨な戊辰の戦いに思いを馳せることなどない。
もちろんオレもその中のひとりだったが、町地図で発見した旧西郷頼母邸に寄って案内板を見た時に会津戦争を実感した。
西郷頼母は当時の会津藩家老。
58歳の母から2歳の娘まで21人もの美しい命が、武家の掟に従い見苦しからざる最期を遂げたという。
泣きそうになったよ。
2歳なんて、、、刺せるかよ。
生き延びた西郷頼母は会津落城後も戦い続け、函館五稜郭へと向かった。
繁華街ではアーケードが取り払われていた。
何を意味するのか。
冬を迎える北国を訪れる観光客は稀だが、若い女性の姿を見る。
そんな彼女たちをあたたかく迎えるように、街は暖色系の灯に満ちている。
明治大正を思わせる建造物が市役所をはじめ街に散らばり、歩いていて飽きない。
抵抗して徹底的に打ちのめされた街の崇高なる現在の姿。
叶うなら、もう少し賑わうといい。
17:36 塩川(しおかわ)駅(磐越西線 福島県)
除雪された雪が残るホーム。
薄着の女子高生の甲高い声が響く。
闇に閉ざされ、7分前に閉鎖された駅舎。
確かにこの場所だが、ここがオレに旅心を植えつけた場所なのか。
26歳。
郡山の友人宅を出て日本海に向かう途中、偶然この駅に寄り、たまらない旅情を感じて、目を覚まされたような気持になった。
あれからこうして現在に至るまで、旅に夢中。
今宵は満月か。
そう思わせる月が煌々と夜空を照らしている。
18:29 姥堂(うばどう)駅(磐越西線 福島県)
米沢街道を北へ。
塩川にはレトロな拵えの店が散見された。
菓子屋だったか。
刃物屋もあった。
由緒のある町なのだろう。
月は、餅つきをする兎の姿をくっきりと浮き出し、地上の山々を従えている。
その神々しい姿をどうにか捉えようと何度も立ち止まる。
たどり着いたこの駅に駅舎はなく、線路は会津と新潟を繋いでいる。
こうした駅ではいつも奇跡のように思う。
こんな何もない場所から列車に乗って、いくつか乗り換えは必要だが、何することなく揺られていれば東京にも、どこにでも行けることを。
今日にも明日にもそうする若者がいるかもしれない。
未来はそうして輝かしいようにできている。
オレだってこれからどこへでも行けるさ。
さて、そろそろそんな列車がくる。
ここでその列車を待つのはオレひとり。
会津若松駅(あいづわかまつ)駅(磐越西線/只見線/会津鉄道 福島県)にて
21:39 フジグランドホテル619号
若松駅前は変わっていない。
隣の喜多方ラーメン食堂で念願の大盛チャーシュー麺を平らげる。
かつて仲間たちと喜多方駅前で食べたやつはチャーシューが山盛りだったけど、ここは駅前。
上品だ。
投宿後、ホテルが提携する日帰り温泉へ。
4500円にしては朝食もつき、温泉にも入れて、部屋は広く、窓辺からは駅が一望できる。
最高のサービスを提供してもらった。
会津には必ず再訪する。
そしてまたここに泊まろう。
磐梯山はきれいに見えていた。
あれは確かに宝の山。
ただ絶好のシャッターポイントを見つけられず気持ちを空しくした。
明日もあるさ。
駅を眺めている。
入線してきて行き止まりになるのもあれば、先へ行くのもある。
3度目の若松。
そんな光景を眺めながら、ただ酒に酔っている。
今年を振り返ってもよかったが、まだその段階じゃないらしい。
まだ一月残っている。
それより、オレの体はこんなに細かったかと驚いている。
頭が重くなってきた。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2014年夏 最終日(呉-東京)-呉、広、竹原、安芸幸崎、松永、東尾道、相生、西相生、比叡山坂本、用宗、富士、沼津(呉線/山陽本線/赤穂線/湖西線/東海道本線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】
鉄旅日記2014年8月17日・・・呉駅、広駅、竹原駅、安芸幸崎駅、松永駅、東尾道駅、相生駅、西相生駅
-
-
「鉄旅日記」2008年皐月 4日目(徳島-善通寺)その2-海部、桑野、阿南、穴吹、佃、琴平、善通寺(牟岐線/徳島本線/土讃本線) 【旅は京都から始まり、山陰から下関へ。そして四国へと渡ったのでございます。】
鉄旅日記2008年5月5日・・・海部駅、桑野駅、阿南駅、穴吹駅、佃駅、琴平駅、善通寺駅(牟岐線/徳島
-
-
「車旅日記」2005年初夏 初日(長岡-山形)走行距離388㎞ その2-福島駅、峠駅、今泉駅、荒砥駅、アパホテル山形駅前大通 【長岡、会津、庄内。戊辰戦争ゆかりの地を巡りたかったのだと記憶しております。】
車旅日記2005年7月16日・・・福島駅、峠駅、今泉駅、荒砥駅、アパホテル山形駅前大通 17:00
-
-
「車旅日記」1998年春 初日(東京-岩手山SA)-町田、蓮田SA、都賀西方PA、黒磯PA、阿武隈PA、吾妻PA、菅生PA、前沢PA、岩手山SA 【下北半島を目指した春。男の旅は北を目指すものと思っていた20代後半。高倉健さんの影響でございましょうか。】
車旅日記1998年5月1日 1998・5・1 11:53 東京町田 出発を前にして空が晴れてきた。
-
-
「鉄旅日記」2021年夏 初日(東京-上田)その2 ‐湯檜曽、水上、越後湯沢、六日町(上越線/北越急行ほくほく線) 【4度目の緊急事態宣言前。飯山線に乗りたくて旅を思い立ちました。湯檜曽駅で夏の第一声を聞き、信越路を歩いた記録でございます。】
鉄旅日記2021年7月10日・・・湯檜曽駅、水上駅、越後湯沢駅、六日町駅(上越線/北越急行ほくほく
-
-
「鉄旅日記」2018年如月 初日(東京-直江津)その2-三つ峠、塩山、酒折、塩尻、新島々、西松本、松本(富士急行/中央本線/アルピコ交通上高地線) 【冬の町を見たくて、週末パスを買いました。】
鉄旅日記2018年2月10日・・・三つ峠駅、塩山駅、酒折駅、塩尻駅、新島々駅、西松本駅、松本駅(富士
-
-
「鉄旅日記」2018年春 最終日(飯田-東京)その3-日出塩、贄川、村井、上諏訪、日野春、西国分寺、新松戸(中央本線/武蔵野線) 【伊那谷へ。長篠へ。安曇野へ。木曽へ。青春18きっぷを握ったそんな旅でございます。】
鉄旅日記2018年4月8日・・・日出塩駅、贄川駅、村井駅、上諏訪駅、日野春駅、西国分寺駅、新松戸駅(
-
-
「車旅日記」2003年晩秋 3日目(伊勢志摩-京都)走行距離239㎞ -大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮駅、吉野口駅、京都ホーユウコンフォルト二条城 【紀伊半島に焦がれる日々。南海道を往くのは2度目でございます。】
車旅日記2003年11月24日・・・大王崎、御座港、鵜方駅、飯高駅、天誅組終焉之地、吉野駅、吉野神宮
-
-
2017・7・22 ほんの少しだけ遠回りして故郷に帰る。そんな他愛のないお話です-中央林間駅(小田急江ノ島線・東急田園都市線)・東急田園都市線つきみ野駅、田奈駅
明日はみんなで町田にあるオレの実家に行くことになってる。 それに先駆けてオレだけ一日前に町田入りす
-
-
「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】2日目(新大宮-大阪難波)その2-生駒、鳥居前、宝山寺、生駒山上、布施、俊徳道、JR俊徳道、河内山本、信貴山口、高安山(生駒ケーブル/奈良線/大阪線/信貴線/西信貴ケーブル)
鉄旅日記2017年3月18日・・・生駒駅、鳥居前駅、宝山寺駅、生駒山上駅、布施駅、俊徳道駅、JR俊徳