*

「車旅日記」2004年秋【瀬戸内から山陰へ。そんな旅がしたかったのでございます。】番外編(京都で過ごす日)-四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅、京都駅

公開日: : 最終更新日:2024/05/25 旅話, 旅話 2004年

車旅日記番外編2004年11月23日・・・四条大宮駅、嵯峨駅前駅、嵯峨嵐山駅、京福嵐山駅、阪急嵐山駅、京都駅

2004・11・23 嵯峨嵐山(さがあらしやま)駅(山陰本線 京都府)
堀川を下ル。
二条商店街を右入ル。
大宮通りを下ル。

京福電鉄四条大宮駅に着いた。
ここにこんな駅があることを知らずに歩いてきた。
駅は嵐山に向かう京都人であふれている。

京都とはまさに素晴らしい街。
こうして手軽に風光明媚な場所にいける。

路面を走る親しみ深い鉄路を往き、嵯峨駅前で降りて、ここまでを歩く。
費用は僅かに200円。

京福電鉄も満員だったが、こっちからも大勢の客が降りてきた。
駅では繰り返し「いい日旅立ち」を流している。

好きな女性に会いに、京都にはもう何度も来ているが、嵐山は初めてになる。

恋から解き放たれて、これからオレと京都の新たな関係が始まる。

それにしても凄い人の数だ。
嵐山にはもう一線、阪急電車が乗り入れているが、それでもさばききれないほどの人であふれている。

ここにオレの居場所はあるだろうか。

四条大宮(しじょうおおみや)駅(京福電鉄嵐山線 京都府)2020年7月26日撮影

嵯峨駅前(さがえきまえ)駅(京福電鉄嵐山線 京都府)2020年7月26日撮影(現在、嵐電嵐山駅に改称)

13:09 阪急嵐山(はんきゅうあらしやま)駅(阪急電鉄嵐山線 京都府)
京福嵐山駅はまるで歌舞伎座のようだった。

駅前の混雑は3日前よりも増してひどい。
渡月橋を渡る。

この駅は少しばかり雑踏を離れた民家の中にある。
人声が絶えた。

嵐山は、オレみたいな男にも優しい場所で、紅葉はことのほか美しい。

ひとまず桂へ。
そして河原町へ。

小豆色の阪急電車がやってきた。
11月にしては暑い。

2020年7月26日撮影

京福嵐山(けいふくあらしやま)駅(京福電鉄嵐山線 京都府)2020年7月26日撮影

渡月橋からの眺め 2020年7月26日撮影

17:43 京都(きょうと)駅(東海道・山陽新幹線/東海道本線/山陰本線/奈良線/湖西線/近鉄京都線 京都府)
19:16発のぞみ号を予約している。
出町柳からここまでも散々歩いた。
立つことは考えたくない。

昨日と同じ店にいる。
ひとりで気軽にビールを飲めるこの店を気に入っている。

昨夜、オレの数少ない居場所に行ったら、彼女がいた。
予期せぬ出来事だった。
マスターに頼まれて特別に働いていたのだという。

てっきりもうこの街にはいないと思っていた。
変わらぬ姿に安心もしたし、オレはもう2、3年前のオレではないことを自身知った。

彼女との間に明確な別れを意味する言葉を交わした記憶はないが、つまりもう彼女とのことは過去のものとして、気持ちを整理できていることに気づいた。

彼女はとうにオレとのことは過去にしている。
これでいい。

代わりに、オレと京都は遠くなると思ったよ。
そう、昨夜あの時は。

でも。
烏丸五条で見上げた月。
薄暮の嵐山。
オレの好きな京都を見ると、気持ちが揺らぐ。

鴨川では恋人たちが相変わらず規則正しく寄り添い、欧州女性は寝ころびながら本のページを捲り、親子は水生昆虫採りに夢中で、連れ立って走る一団の姿もある。

皆一様に11月末に訪れた暖かな一日を心から楽しんでいた。

そんな鴨川も9月の台風では河川敷は水没して、水は四条大橋に限りなく迫ったという。

彼女に用があって京都にいた頃は、東は八坂神社、西は堀川、北は下鴨神社、南は九条通りに限定されていたのが、今回は嵐山へ。
そして鞍馬へ。

皮肉なことに彼女との別れを意識した日に、京都はより多くの姿を見せてくれた。

でもオレが本当にいたいと思っている場所は、いつも変わらない。
京都タワーを目の前にした京都駅烏丸口。

夕暮れ近くなると燦燦と輝く巨大なクリスマス・ツリー。
女性たちはケータイを向けて、「きれい!」と友達と見せっこをしている。

新幹線ホームは大勢の旅行客で混雑していた。
相生駅で信号機故障が発生したとのことで遅れが生じているらしい。

ただ新大阪発ののぞみ号に影響はなく、鞄の中にささやかな荷物をひとつ増やして京都を離れる。

東京に戻ったら、また本来考えるべきことを考えてしっかり生きていこう。
そしていつかラヴ・トレインがやってくる停車場にいこう。

八条口(2020年7月26日撮影)

関連記事

「鉄旅日記」2018年秋 初日(松戸-流山-潮来-銚子-東金-松戸)その1-松戸、北松戸、馬橋、流山、小金城趾、幸谷、新松戸、北小金、南柏、北柏、我孫子(常磐線/流鉄流山線) /萬満寺/近藤勇陣屋跡【サンキューちばフリーパスでめぐる上総下総安房旅】

鉄旅日記2018年9月22日・・・松戸駅、北松戸駅、馬橋駅、流山駅、小金城趾駅、幸谷駅、新松戸駅、北

記事を読む

「鉄旅日記」2009年晩秋 初日(東京-倉敷)その1-東京、円町、園部、安栖里、山家、市島、柏原、谷川、西脇市、粟生(東海道新幹線/山陰本線/福知山線/加古川線) 【陰陽を行き来した3日間。この国の秋は美しゅうございました。】

鉄旅日記2009年11月21日・・・東京駅、円町駅、園部駅、安栖里駅、山家駅、市島駅、柏原駅、谷川駅

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】3日目(姫路-十三)その2-新開地、湊川、鈴蘭台、三木上の丸、三木城址、三木、粟生、神鉄三田、ウッディタウン中央、横山、有馬口、有馬温泉、鵯越(神戸電鉄有馬線/粟生線/三田線/公園都市線)

鉄旅日記2017年8月13日・・・新開地駅、湊川駅、鈴蘭台駅、三木上の丸駅、三木駅、粟生駅、神鉄三田

記事を読む

「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】初日(東京-新大宮)その2-宇治山田、東青山、青山町、名張、大和八木、大和西大寺、新大宮(山田線/大阪線/橿原線/奈良線)

鉄旅日記2017年3月18日・・・宇治山田駅、東青山駅、青山町駅、名張駅、大和八木駅、大和西大寺駅、

記事を読む

「鉄旅日記」2017年夏【私鉄王国で過ごす夏】最終日(十三-東京)その2-野洲、米原、神領、定光寺、中津川、塩尻、岡谷、日野(東海道本線/中央本線)

鉄旅日記2017年8月14日・・・野洲駅、米原駅、神領駅、定光寺駅、中津川駅、塩尻駅、岡谷駅、日野駅

記事を読む

「車旅日記」2005年冬【どこへ行こうか。まっさきに浮かんだのが、昨夏に旅した南九州でございました。】最終日(人吉-天草-熊本空港)走行距離240㎞ その1-人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の駅不知火

車旅日記2005年2月13日・・・人吉駅、一勝地駅、球泉洞駅、佐敷駅、上田浦駅、千丁駅、有佐駅、道の

記事を読む

2020年水無月【緊急事態宣言から解放された週末。石和温泉につかりにいった記憶をSNS風に綴ります。】-甲府、善光寺、酒折、石和温泉、大月(中央本線/身延)

鉄旅日記2020年6月20日~21日・・・甲府駅、善光寺駅、酒折駅、石和温泉駅、大月駅(中央本線/

記事を読む

「車旅日記」2004年春【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その2-天塩中川駅、音威子府駅、美深駅、名寄駅、風連駅、和寒駅、比布駅、神居古潭、旭川空港

車旅日記2004年5月5日・・・天塩中川駅、音威子府駅、美深駅、名寄駅、風連駅、和寒駅、比布駅、神居

記事を読む

「鉄旅日記」2009年秋【遅い夏休みをとり、長崎までの切符を買いました。】初日(東京-新山口)その1-金町、北千住、東京、岡山、笠岡、尾道、糸崎、入野(常磐線/山手線/東海道・山陽新幹線/山陽本線)

鉄旅日記2009年9月18日・・・金町駅、北千住駅、東京駅、岡山駅、笠岡駅、尾道駅、糸崎駅、入野駅(

記事を読む

「鉄旅日記」2020年弥生 初日(東京-高山)その5‐飛騨金山、下呂、禅昌寺、飛騨萩原、上呂(高山本線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】

鉄旅日記2020年3月20日・・・飛騨金山駅、下呂駅、禅昌寺駅、飛騨萩原駅、上呂駅(高山本線) 1

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「鉄旅日記」2021年師走 初日(東京-古川)その1 ‐金町、東京、くりこま高原(常磐線/東北新幹線) 【特急乗り放題の大人の休日倶楽部パスで冬の国へ。山田線完全乗車と鳴子温泉郷を始めとした陸羽東線沿線を歩くことが目的でございました。】

鉄旅日記2021年12月4日・・・金町駅、東京駅、くりこま高原駅(常

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その5 ‐仙台、鹿島、原ノ町、浪江、常陸多賀(常磐線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・仙台駅、鹿島駅、原ノ町駅、浪江駅

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その4 ‐山寺(仙山線)/立石寺山門売店/高砂屋本舗 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・山寺駅(仙山線)/立石寺山門売店

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その3 ‐米沢、赤湯、中川、山形、北山形(奥羽本線) 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・米沢駅、赤湯駅、中川駅、山形駅、

「鉄旅日記」2021年秋 最終日(飯坂温泉-東京)その2 ‐峠(奥羽本線)/力餅商店/峠の力餅売り/峠駅今昔物語 【4度目の緊急事態宣言明け。これ以降そのようなものが発令されることはございませんでした。阿武隈急行、峠駅、立石寺。お宿は飯坂温泉。秋の東北を満喫すべく常磐線に乗りました。】

鉄旅日記2021年10月10日・・・峠駅(奥羽本線)/力餅商店/峠の

→もっと見る

    PAGE TOP ↑