「鉄旅日記」2014年春 最終日(魚津-東京)その2-有間川、谷浜、名立、直江津、犀潟、二本木、今井、川中島、姨捨、信濃境、すずらんの里、富士見(北陸本線/信越本線/篠ノ井線/中央本線) 【青春18きっぷで、丹後若狭から北陸、信州へ】
鉄旅日記2014年3月23日その2・・・有間川駅、谷浜駅、名立駅、直江津駅、犀潟駅、二本木駅、今井駅、川中島駅、姨捨駅、信濃境駅、すずらんの里駅、富士見駅(北陸本線/信越本線/篠ノ井線/中央本線)
有間川(ありまがわ)駅(北陸本線 新潟県)にて
有間川~谷浜間(徒歩)
12:12 谷浜(たにはま)駅(北陸本線 新潟県)
有間川駅で降りて、約30分の徒歩行。
かつて富山に向かう際に8号国道からふと見上げた駅が有間川駅だったことを知った。
荒れ果てた小高い叢の中にあって潮風に耐えてきた古武士のような駅舎だ。
直江津の先に見える白峰は米山か。
途中約500メートルのトンネルを抜けたりと徒歩での旅を大いに楽しんだ。
谷浜には海水浴場があり、駅周辺には民宿が数軒と食料品店が確認できた。
覗いたらビールが見えたのですかさず購入。
いい加減な冷蔵庫に置かれていたからあまり冷えていなかったが、構わない。
今日は随分歩いている。
こんなことをするためにここまできたんだよ。
また2駅戻る。
12:33 名立(なだち)駅(北陸本線 新潟県)
いい駅だなあ。
桜の開花ももうじきだな。
友人のYちゃんは一昨年の暮れに高田で式を挙げ、自衛官のご主人とともにこの町のどこかで暮らしている。
座布団だったり、図書コーナーだったり、壁に貼られたメッセージカードだったりと町民の善意がほとばしる駅だ。
ひょっとしたら彼女も一役買っているかもしれない。
彼女はそういう人だ。
名立川の日本海への流れ込みが見られる駅でもある。
「名立ちっこ」か。
頑張れっ!
梶屋敷からも、有間川からも、途中出くわしたサイクリングロードは北陸本線旧線の廃線跡だったことを知った。
さっきくぐったトンネルにもかつて汽車が走っていたわけだ。
直江津(なおえつ)駅(北陸本線/信越本線/北越急行 新潟県)にて
長岡方面に乗り継ぐ。
13:27 犀潟(さいがた)駅(信越本線/北越急行 新潟県)
埃っぽく乾いた印象を受ける駅だ。
特に何があるわけでもない。
防風林は風雪に朽ち、日本海は見えない。
ここは高田平野の中に位置するのだろうか。
眺望は開けているが、平野の風景をつまらなく感じている。
直江津までの起伏に富んだ景色は消え、代わりに妙高の白い山並みが見える。
直江津に戻り、長野方面に乗り換える。
14:36 二本木(にほんぎ)駅(信越本線 新潟県)
数分の停車。
イヤな匂いじゃないが、何の匂いだろう。
スキー場でも嗅ぐことがある。
松脂だろうか。
あるいは雪の匂いなのだろうか。
周囲の全山は雪に覆われ、平地にも積雪が見られる。
あるいは一昨日の寒波は妙高一帯をも包んだのだろうか。
二本木ではスイッチバックによる入線を行う。
踏切へとつながる通りには信用金庫や眼鏡屋が見られ、小さな町であることが見てとれた。
長野盆地(善光寺平)へと下りていく車窓風景
15:54 今井(いまい)駅(信越本線/しなの鉄道 長野県)
長野駅で乗り継ぐ。
集合住宅の見本市のような駅前風景を眺めて、ここにあてていた25分というの時間を費やすのは困難と判断し、ひとつ戻る。
下り長野行は1分の遅れ。
16:08 川中島(かわなかじま)駅(信越本線/しなの鉄道 長野県)
駅の裏手は住宅街。
甲越両軍による激突で6,000人もの兵隊の血が流れた古戦場に春のそよ風が吹いている。
信越国境は豪雪地帯だった。
だが妙高一帯の雪も長野盆地では消え、周囲の山々に疎らに残すのみとなった。
もう春だ。
駅前銀座は相変わらず閑散としているが、角の電器店は健在かつ手入れが行き届き、かつて見た時と同じように新装を思わせる。
僅かな時間しかない。
信玄謙信に思いを馳せることはなく、煙草を吸ってホームに戻った。
車窓から眺める善光寺平
16:37 姨捨(おばすて)駅(篠ノ井線 長野県)
数分の停車。
善光寺平から篠ノ井線はさらに上へ上へと登っていく。
妙高の雪景色を見て、雪の善光寺平を期待したが、このあたりではもう雪も溶けて、うららかな春の陽気に人々は次々に上着を脱いでいく。
姨捨駅前のあの狭い道を上がっていったかつての記憶は古く、思えばそのルートは今回の旅路に重なる。
いろいろやってきた人生ではあると思う。
18:45 信濃境(しなのさかい)駅(中央本線 長野県)
松本で乗り継ぐ。
「青い鳥」というドラマのことは知らないが、ここはそのロケ地だという。
駅から下りていくと洋品店、電器店に食堂のような居酒屋。
メニューに載っていた湯豆腐に惹かれる。
ドラマでは「清涼」という駅名で登場したらしい。
駅の壁にはクスノキだったかにちなんだ泣ける話が紹介されていた。
近くの境小学校の生徒や俳句会員の作品も同じく壁に架かり、傍らに記帳ノートが置かれている。
手にとったことはないが、そういう駅では無人でも安心できるような気になる。
東海大三高の地元はここだったのか。
久々に見る校名だ。
子供の頃、甲子園に「出ると負け」の長野勢にあって珍しく一回戦を勝ち上がったのが同校だった。
今年のセンバツの出場校に名を連ねている。
2駅戻る。
19:03 すずらんの里(すずらんのさと)駅(中央本線 長野県)
富士見パノラマスキー場の緑色灯と僅かな村の灯が夕闇に浮かんでいる。
星がとてもきれいだ。
駅は高台にあり、上りホームへの階段入口は山に接していて、今日は水溜りもあり不気味だが、ホームからの景色は悪くない。
この駅に降りるためにわざわざ戻ったたことをよろこんだ。
19:30 富士見(ふじみ)駅(中央本線 長野県)
営業を終えた「駅そば」のカウンターを借りて、とっておきのワンカップ大関と煙草を2本。
馬肉だらけのメニューを掲げる食堂と、並びの店のささやかな灯がともる富士見駅前で今シーズン最後の冷気を味わう。
ここは2年振りだ。
次の上りがきたら東京へ帰る。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2014年夏 4日目(米子-呉)その2-浜原、粕淵、明塚、石見簗瀬、口羽、宇都井、伊賀和志、三次、矢賀、水尻、かるが浜、呉(三江線/芸備線/呉線) 【青春18きっぷで、中国ぶらぶら旅】
鉄旅日記2014年8月16日その2・・・浜原駅、粕淵駅、明塚駅、石見簗瀬駅、口羽駅、宇都井駅、伊賀和
-
-
「鉄旅日記」2020年晩秋 初日(東京-砺波)その1 ‐金町、東京、黒部宇奈月温泉、新黒部(常磐線/北陸新幹線/富山地方鉄道本線) 【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】
鉄旅日記2020年11月21日・・・金町駅、東京駅、黒部宇奈月温泉駅、新黒部駅(常磐線/北陸新幹線
-
-
「鉄旅日記」2017年冬 初日(東京-会津若松)その1-大泉学園、北千住、東武動物公園、上三依塩原温泉口、中三依温泉、会津高原尾瀬口、七ヶ岳登山口、会津山村道場(西武池袋線/東武伊勢崎線/東武鬼怒川線/野岩鉄道/会津鉄道) 【会津へ。会津へ行きたかったのでございます。】
鉄旅日記2017年12月2日・・・大泉学園駅、北千住駅、東武動物公園駅、上三依塩原温泉口駅、中三依温
-
-
「鉄旅日記」2020年文月 2日目(香住-東萩)その5‐都野津、江津、西浜田、東萩(山陰本線) 【コロナ禍でございます。内緒の旅でございました。余部鉄橋へ。萩へ。霧の街へ。東京五輪延期で浮いた4連休の記録でございます。】
鉄旅日記2020年7月24日・・・都野津駅、江津駅、西浜田駅、東萩駅(山陰本線) 18:27
-
-
「鉄旅日記」2007年如月 2日目(天王寺-奈良)その2-なんば、上本町、鶴橋、桃谷、寺田町、天王寺、恵美須町、新今宮、奈良(南海電鉄南海線/関西本線) 【初日天王寺、2日目奈良。宿泊地だけを決めて、心のままに移動した記録でございます。】
鉄旅日記2007年2月11日・・・なんば駅、上本町駅、鶴橋駅、桃谷駅、寺田町駅、天王寺駅、恵美須町駅
-
-
「鉄旅日記」2019年年始 初日(東京-一ノ関)その2-新津、新発田、坂町、小国、今泉、西米沢~上杉家御廟~上杉神社~南米沢(信越本線/羽越本線/米坂線) 【雪が見たくて北へ向かいました。そして初めて仙台空港線に乗ったのでございます。】
鉄旅日記2019年1月5日・・・新津駅、新発田駅、坂町駅、小国駅、今泉駅、西米沢駅、南米沢駅(信越本
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 初日(東京-防府)その2‐新白鳥、古市橋、梅林、可部、あき亀山(可部線) 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月13日・・・新白島駅、古市橋駅、梅林駅、可部駅、あき亀山駅(可部線)
-
-
「鉄旅日記」2020年初秋 初日(東京-高松)その5 ‐岡山、児島、高松(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話 【時空の友を訪ねて讃州高松へ。金比羅さん、瀬戸大橋、大歩危、小歩危などを友とめぐり、義仲寺に寄り、直島に渡り、水島臨海鉄道にも乗った4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年9月19日・・・岡山駅、児島駅、高松駅(本四備讃線/予讃本線)/児島の民話
-
-
「車旅日記」2004年春 最終日(稚内-旭川空港)走行距離353㎞その1-稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河畔、パンケ沼、下沼駅、幌延駅、雄信内駅 【旭川に下りて、思う存分に北の大地を走った旅の記録でございます】
車旅日記2004年5月5日・・・稚内サンホテル、稚内公園、ノシャップ岬、サロベツ原生花園、サロベツ河
-
-
「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(