「鉄旅日記」2009年皐月【四国へ、途中下車の旅】3日目(琴平-高知)-琴平、讃岐財田、阿波池田、大歩危、土佐山田、後免、後免町、安芸、奈半利、高知、桟橋通五丁目(土讃本線、土佐くろしお鉄道阿佐線、土佐電気鉄道桟橋線)
鉄旅日記2009年5月3日・・・琴平駅、讃岐財田駅、阿波池田駅、大歩危駅、土佐山田駅、後免駅、後免町駅、安芸駅、奈半利駅、高知駅、桟橋通五丁目電停(土讃本線、土佐くろしお鉄道阿佐線、土佐電気鉄道桟橋線)
琴琴電琴平(ことでんことひら)駅(琴平電鉄琴平線 香川県)にて

2009・5・3 6:54 琴平(ことひら)駅(土讃本線 香川県)
6:58発、阿波池田行。
7時台は特急も含めて止まる便はない。
四国にはお遍路さんがいる。
それも風景のひとつだ。
賑わうってほどのことはないが、車で参拝にやってくる者の姿も珍しくない。
これからどんどん増えて、また今夜のニュースになるのだろう。
琴平は駅がいい。
こんぴら大芝居の芝居小屋は見ておきたかった。
やっぱり心残りのひとつくらいはあるもんだ。



7:18 讃岐財田(さぬきざいだ)駅(土讃本線 香川県)
6名を乗せて走り出したワンマンカーは2名を増やして9分停車。
讃岐の山を見てると肩の力が抜ける。
よくは知らないが、金比羅さんもどこかおかしみのある神様というイメージがオレにはある。
香川の県木でもある立派なタブノキとともに駅舎はあった。
きっと、ずっと一緒にいるんだろう。

8 :28 阿波池田(あわいけだ)駅(土讃本線/徳島本線 徳島県)
かわいらしい阿波娘の給仕で日本の朝食。
随分前の夏の日にこの町にきた。
テレビでは川之江×浦和学院。
劇的な試合を見ながらソーメンを食べた。
暑い日だった。
今日は少し肌寒い。
あの日も歩いたであろう商店街を歩く。
高台には全国制覇の池田高校が見える。
食べ物屋がたくさんあったよ。
泊まっていれば、琴平より満足できたかもしれない。
遠いあの日。
クルマを止めて改札口を覗いたオレはそっちにいきたいと思った。
きっと特急でもちょうど到着したのだろう。
町中よりも改札内の方が混みあっていた。
ここは高松にも徳島にも行けるターミナル駅。
今回オレはそっちにいる。
外にも出られるんだ。
しばらくこっちにいるよ。


8:42 大歩危(おおぼけ)駅(土讃本線 徳島県)
駅前のスーパー名が「ぼけマート 」。
素晴らしいユーモアだ。
ビールも飲めたけど、まだ朝早い。
天下に知られたこの駅に降りられてうれしい。
特急停車駅でもあるけど無人駅だった。
池田から線路はずっとこの吉野川沿いの難所に敷かれている。
鈍行列車の運行がほとんどない閑散区間でもある。
見上げれば随分高いところまで集落がある。
十津川もそうだったけど、先祖代々あそこにいるのだろう。
ここには平家の落人伝説が残る。
祖谷渓にもあるようだ。
吉野川に架かる橋を渡り、川に沿った国道を歩いていると伝説の里入口というのがあり、行ってみると僅かな時間でまさに伝説のように道が絶えた。
一体どこに続いていたのか。
全国を旅してきたオレからすれば、この景色は珍しいものじゃない。
ただ、どこまで続くのか知らないが、見事な景観だ。
とても狭い場所に鉄路と国道を切り開いていった先人に最大級の敬意を。
鈍行列車はしばらくなく、特急しまんと号で旅再開。
大杉着。
すでに高知県に入っているけど、池田からの風情に変化はない。
忘れていたが、大歩危駅前で老婦人に挨拶。
「おはようさん」と返してくれて、
「どこいくん?」
「高知へ」
「そりゃええな、きぃつけて」



10:35 土佐山田(とさやまだ)駅(土讃本線 高知県)
大杉を過ぎていくつかのトンネルを潜ると集落のない高所を走っていた。
讃岐、土佐国境は他に類を見ないほど険しい。
下った土地が山田。
改札を抜けると街中へ一本の道が伸びている。
右にテレビ塔。
しばらく行くとスナック街。
暮らせる街だ。
ホームに戻って鈍行列車を待っていたら、さっき大歩危で降りたやつが乗客を満員に増やしてやってきた。
あの国境閑散区間はとてつもなく長く険しい。

後免(ごめん)駅(土讃本線/土佐くろしお鉄道阿佐線 高知県)にて

11:35 後免町(ごめんまち)駅(土佐くろしお鉄道阿佐線 高知県)
ここは南国市。
市電の終点はコンビニの裏にあった。
なかなか気のいい少年がビールを買い求めたオレを応対してくれた。
後免駅からいくつか水路を越えて市電通りへ。
降りた時は途方に暮れたよ。
オレに言わせりゃ町には何もない。
ただやたらに車通りの多い一帯だった。
どうであれ土佐入りしてからしばらく経つ。
人がいいところだよ四国は。
後免駅の女性駅員がまずそうだった。
後免町駅の愛称はありがとう駅。
駅員はいない。
四国山脈は絶え、高知平野を高架鉄道が往く。
国鉄念願の室戸岬へ向けて。

13:24 安芸(あき)駅(土佐くろしお鉄道阿佐線 高知県)
ちりめん丼750円。
小鉢3皿つき。
食い物にこだわりのないオレだが、美味いし安い。
これが高知の実力。
だんだん食い物のレベルが上がってきてうれしい。
土佐くろしお鉄道は海沿いを走る。
そこにある海は太平洋と呼ぶのに相応しい雄大さだ。
駅から海岸までの500メートルくらいの間に街があった。
海辺まて行ってきたよ。
いつもオレはそこを目指してきた。
北陸鉄道の内灘では断念したけれど。
安芸を出て5分。
また街は消え、太平洋が間近に迫っている。


14:44 奈半利(なはり)駅(土佐くろしお鉄道 高知県)
ここが終着駅。
室戸までは通じていなかったのだな。
漁港と古い家並が残る町。
中岡慎太郎はこの近くで生まれたらしい。
しばらく歩いた。
漁港のあたりはコンクリートだらけで寂しいが、家並は見事だ。
夏に来ればさらに印象はよくなるだろう。
駅を出て右に行くとスナックが4、5軒固まっている。
漁師相手のものか。
場末を思わせるが、きらびやかな漁師町なんてそうはないだろう。
敬意を表する。
彼等が守っているものは決して小さくない。
両親に宛てて美味そうなカツオを一匹送った。
喜んでくれたらうれしい。
この車輌は阪神タイガースで埋められている。
あの球団は毎年安芸でキャンプを張っているんだった。
少し前に民放の旅番組でこの路線を紹介していた。
地元出身のやなせたかしさんが描いたキャラクターが各駅にいるんだ。
寅さんみたいなのがいたけど、アイツは誰だ?

17:05 桟橋通五丁目(さんばしどおりごちょうめ)電停(土佐電気鉄道桟橋線 高知県)
高知に着いてからしばらく経っている。
高架駅へと変貌を遂げた高知駅に驚き、思考がまとまらないまま桟橋行きの路面電車に乗り込んだ。
終着駅ははりまや通りのどんつき。
造船工場のようなところだった。
岸壁に沿って歩いて高知南高校の前で引き返した。
再び高知駅に向かっている。
今日は全路線100円均一だという。
かつて協力先のご担当に連れて行っていただいた繁華街は、はりまや橋のあたりか。
記憶が薄れてる。

高知(こうち)駅(土讃本線 高知県)にて

高知の繁華街

22:15 コンフォートホテル高知駅前637号室
高知駅に降りてしばらく経つ。
今日のように早々に目的地に着くことはあまりないけど、どうにか途方に暮れずに済んだ。
土産はここで済ませ、あとは懐かしい記憶を辿りたくて飲みに出かけた。
あの頃は街の見方を知らず、興味もなかった。
はりまや橋と壱番街。
協力先のk工場長に連れられてあのあたりで飲み、翌日はたぶん後免あたりの、きれいな水路のある町で美味しい寿司をご馳走になった。
その後の東京に帰る件は覚えていない。
翌年が盛大だった。得意先のTさん、Uさんと連れだって入り込んだ店もあのあたりだったのだろう。
それらしき街角があった。
そんなことを思い出しながら飲んでいた。
カツオ3種盛りを注文したけど刺身が美味かった。
素敵な女将がいる店で長くいようと思ったが、待ち客がいるだろうと思い、そこそこにして店を出た。
酒飲み天国高知。
かつてオレがいたのは平日だったけど盛大だった。
でも今日感じたのは、アレ?だ。
観光客は多く、事前情報を仕入れた連中が行くような店は早くから並んでいる。
でもあの日ほどじゃなかった。
これが思い込みだってことは分かっている。
あれからオレはいろんな街を知ったんだ。
そして高知が取り立てて大きな街じゃないことも知った。
駅は新しくなり、街に馴染めずにいる。
聞けば去年のことだという。
10年前のあの駅に降りたかったけど、高知も新しくなっているんだ。
次に来ることがあるとするなら、駅前の再開発もすべて終わっているだろう。
高知の発展を心から望む。
今日に限って言えば、高知県人と他県人の区別はすぐについた。
南国生まれだ。
半袖姿を見つけりゃいい。
この街で、出張でお得意と連れだって入った店で、美人じゃなかったけど、散々尽くしてくれた女性がいた。
顔は覚えていないし、名前も知らないが、情のある女性だった。
今もリスペクトしてる。
結局のところ高知は何も変わってないか。
初恋みたいなものだ。
まったく縁のない街で最初に知ったのが高知なんだよ。
関連記事
-
-
「鉄旅日記」2022年盛夏 4日目(高松-大津)その1 ‐高松、鬼無、坂出、岡山(予讃本線/本四備讃線)【讃州高松に時空の友を訪ねて。小海線、津山線、播但線、山陰本線の駅旅も印象深い旅でございます。】
鉄旅日記2022年8月14日・・・高松駅、鬼無駅、坂出駅、岡山駅(予讃本線/本四備讃線) 2
-
-
「鉄旅日記」2018年師走 2日目(津-松阪-伊勢奥津-鳥羽-神島)その1-津、阿漕、松阪、家城、伊勢奥津(紀勢本線/名松線) 【伊勢のいくつもの終着駅に降りまして、神島で2018年最後の満月を眺めたのでございます。】
鉄旅日記2018年12月23日・・・津駅、阿漕駅、松阪駅、家城駅、伊勢奥津駅(紀勢本線/名松線)
-
-
「鉄旅日記」2016年春 初日(東京-水沢)その1-郡山、杉田、五百川、高城町、矢本、野蒜、陸前赤井、石巻、女川(東北本線/仙石線/石巻線) 【東日本大震災被災地へ】
鉄旅日記2016年3月5日その1・・・郡山駅、杉田駅、五百川駅、高城町駅、矢本駅、野蒜駅、陸前赤井駅
-
-
「鉄旅日記」2020年弥生 最終日(速星-東京)その4‐藤枝、静岡、熱海、上野、北千住(東海道本線/常磐線) 【富山地方鉄道に乗りにまいりました。太多線、高山本線に乗るのも楽しみにしていたのでございます。】
鉄旅日記2020年3月22日・・・藤枝駅、静岡駅、熱海駅、上野駅、北千住駅(東海道本線/常磐線)
-
-
「鉄旅日記」2018年弥生 初日(東京-会津若松)その3-只見、会津川口、会津本郷、南若松、会津若松(只見線/会津鉄道) 【青春18きっぷを握り、目指したのはまたしても会津。練馬から旅立つ最後の旅でございます。】
鉄旅日記2018年3月3日・・・只見駅、会津川口駅、会津本郷駅、南若松駅、会津若松駅(只見線/会津鉄
-
-
「鉄旅日記」2013年夏 2日目(徳山-南宮崎)その1-徳山、長府、西小倉、城野、行橋、新田原、中津、中山香、高城、佐志生、熊崎、上臼杵、臼杵(山陽本線、日豊本線) 【青春18きっぷで、鹿児島県志布志へ】
鉄旅日記2013年8月11日その1・・・徳山駅、長府駅、西小倉駅、城野駅、行橋駅、新田原駅、中津駅、
-
-
「鉄旅日記」2017年春【近鉄に乗る日々】初日(東京-新大宮)その1-近鉄富田、富田、近鉄四日市、湯の山温泉、伊勢若松、平田町、鈴鹿市、鳥羽、賢島(名古屋線/湯の山線/鈴鹿線/山田線/鳥羽線/志摩線)
鉄旅日記2017年3月18日・・・近鉄富田駅、富田駅、近鉄四日市駅、湯の山温泉駅、伊勢若松駅、平田町
-
-
「鉄旅日記」2020年盛夏 2日目(防府-肥前鹿島)その1‐防府、新山口、宇部、小野田(山陽本線)/防府天満宮 【コロナ禍の内緒旅VOl.2。宮島へ。錦帯橋へ。筑豊へ。島原へ。千綿駅へ。そして若松~戸畑の渡船。日本晴れの4日間の記録でございます。】
鉄旅日記2020年8月14日・・・防府駅、新山口駅、宇部駅、小野田駅(山陽本線)/防府天満宮
-
-
「鉄旅日記」2022年弥生vol.2 最終日(静岡-東京)その5 ‐東浦和、東川口、吉川、吉川美南、南流山(武蔵野線) 【念願の大井川鐡道に乗る旅。帰りは身延線経由、武蔵野線全駅下車達成でございます。】/江戸川堤菜の花絶景
2022年3月21日・・・東浦和駅、東川口駅、吉川駅、吉川美南駅、南流山駅(武蔵野線)/江戸川堤菜
-
-
「鉄旅日記」2015年春 初日その3(東京-岩倉)-太田川、常滑、中部国際空港、上小田井、西春、岩倉(名鉄常滑線/名鉄空港線/名鉄犬山線) 【名鉄電車2DAYフリーきっぷで行く、中京旅】
鉄旅日記2015年3月7日その3・・・太田川駅、常滑駅、中部国際空港駅、上小田井駅、西春駅、岩倉駅(
