「鉄旅日記」2020年晩秋【大人の休日倶楽部パスで北陸へ。新幹線、在来線特急乗り放題でございます。魚津、雨晴をめぐり、氷見線、万葉線、城端線、七尾線、えちぜん鉄道、福武線、北陸鉄道との再会でございます。】最終日(武生-東京)その3‐西金沢、新西金沢、野町、鶴来、金沢、上野(北陸鉄道石川線/北陸新幹線)
鉄旅日記2020年11月23日・・・西金沢駅、新西金沢駅、野町駅、鶴来駅、金沢駅、上野駅(北陸鉄道石川線/北陸新幹線)
11:43 西金沢(にしかなざわ)駅(北陸本線 石川県)にて

11:57 新西金沢(しんにしかなざわ)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
北鉄の鉄路として浅野川線と共に現在に生きる石川線。乗り換えのために西金沢で下りる。
西金沢駅は北陸新幹線橋脚の出現により変貌していた。おそらく建設にあたり旧駅舎の存在が障害となったのだろう。開業当初の駅名は野々市で、先に降りた野々市駅の歴史は新しく、1968年の開業。
駅前ロータリーを間に置く乗換駅の新西金沢駅に変化はなく、駅舎の先に昭和を見る。国鉄の歴史に倣い、開業時は新野々市駅だった。



踏み切りを越えて通りに出ると、家並みに懐かしさを感じてスマホを向けた。

12:08 野町(のまち)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
新西金沢から2駅。滞在時間4分で折り返す。この駅にも変化はなく、場末の感がある。


12年前に降りた際は駅近くの情緒を感じさせる道を歩いたが、あれはどこだったのだろう。当時は場末感など持たなかった。


現在終着駅の野町駅はかつてターミナル駅であり、1955年に廃止された松任とを結ぶ松金線、1967年に廃止された金沢市内線とつながっていた過去を持ち、石川線は1972年まで野町のひとつ先の白菊町まで延びていてた。
新西金沢を出ると大きくカーブを切る。時にまるで住宅の隙間を往くかのように石川線は進む。
向かいに世の中のすべてが気に入らないとばかりに舌打ちや独り言を繰り返す男がいる。
どうしてそうなったのか。大人になって、この社会で暮らしていれば、誰もがその原因は見いだせるだろう。踏みとどまる何事かを持ち得た者と、持ち得なかった者の違いか。
何事かとは、大層なものではないが、生きてきた中で培った美学は含まれる。
12:50 鶴来(つるぎ)駅(北陸鉄道石川線 石川県)
12年前はこの先の加賀一の宮が終着駅だった。あの駅で降りて神々しい参道を上がったが、あれは白山比咩神社だったのだろう。
当時のオレには神も仏もなかったが、51歳になったオレが毎朝神仏に祈るようになったことを知れば、あるいは驚くかもしれない。
観光案内を見ると、11年前に廃駅になった旧加賀一の宮駅舎は保存されているようだ。あの駅舎は重要文化財として残すべきだ。
加賀一の宮から先も33年前までは金沢と名古屋を結ぶという大構想の元に立ちあがった金名線が延びていた。
ここにも味のある歴史的な駅舎が立っている。40年前までは北陸本線へとつながる能美線と接続するターミナル駅で、石川線と能美線は直通運転をしていたとのこと。


あたりを歩いたが誘うものはなく、酒を飲むにも店はなく、10分で立ち去ることに決めた。



地名から推し量れば、文字通り鶴が舞い降りた町なのだろうか。あるいはそれは「しらやまさん」の使者でもあったのかもしれない。
念のためググれば、金剱宮の門前町剱を由来とするとのこと。鶴のことは一言も書かれていない。
13:42 金沢(かなざわ)駅(北陸新幹線/北陸本線/七尾線/IRいしかわ鉄道 石川県)
新西金沢に戻り一風景を写す。西金沢での乗り継ぎはよく、順調に金沢に到着。

本来は富山から高山本線で越中八尾までの往復を計画していたが、富山から新幹線自由席を得る困難を思い、次の「はくたか」で東京に帰ることにした。

いつの旅にも積み残しはある。富山からは岩瀬浜にも行かなきゃならない。こうして次の旅が計画される。
無性に湯豆腐が食べたい。早めに旅を切り上げる理由のひとつにそれがある。
16:55 上野(うえの)駅(東北・北海道新幹線/上越新幹線/北陸新幹線/東北本線/山手線/京浜東北・根岸線/常磐線/上野東京ライン/東京メトロ銀座線/東京メトロ日比谷線 東京都)
「はくたか」は金沢から約3時間で上野に着いた。

やはり富山で自由席も埋まり、長野、高崎、大宮と立ち客を増していく。
空に近い新幹線からは月を見つけやすい。今夜は上弦の月か。半分の月が晴天の善光寺平上空に見られた。
新型コロナウイルスの脅威は理解しているが、旅行者移動者それぞれが適切かつ冷静な態度でいる。十分に理解しているのだ。
もうこれ以上規制は必要ない。
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